ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫です

「えと……月並みですけど……その、優しくして下さい……ね?」

俺の目の前では頬を赤く染めたカノンがベッドに横たわったいる。
これからの行為を期待してか、はたまた先程の宴の余韻かはわからないが息も荒い。
服を着ていてもわかる大きな胸が呼吸の度に上下して実に艶めかしい。

「努力は……する」

どうしてこうなった……。
色々と言い訳もあるが、『ものの弾み』、『勢い』、『ついカッとなって』。
簡単に言えばそんなところだ。

事の発端は数日前に遡る…………。

―――
――――――
―――――――――

「あ、あの好きです!私とお付き合いして下さいっ!!」
「お断りします」

任務が終わって部屋に帰ると、俺の部屋の前で待ち伏せていたカノンに突然告白された。

「ガーン!即答で断られました!?」

カノンの事は嫌いじゃない。
"普段は"優しいし、たまに貰うお菓子は美味い。そのうえ可愛くて…………その……巨乳だ。
任務中の"アレ"を除けば、カノンに対し悪い印象を持っている奴なんていないだろう。
だが、それだけだ。少なくとも自分には。
告白を受けとめる程の好意も無いし、そもそも告白される程に好かれる理由がわからない。
所属部隊だって違う。

「〇〇さんは私の事嫌いですか……?」

めんどくせぇ……。
好きか嫌いの二択で決まるなら既にアナグラはカップルだらけだ。
嫌いじゃないってだけでラッキーとばかりに告白を受ける程、俺は不誠実な人間じゃない。

「カノンさんの事を嫌っているわけじゃありません。好きか嫌いかで言えば好きです」
「だったら……どうして駄目なんですか……?」

うっ……そんな潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくるな!
何故か俺が悪いみたいに思えてくるだろうが!
ちなみに敬語なのは単にこの人が先輩であり年上だからってだけだ。
別に敬っているわけではない。

「カノンさんの気持ちはとても嬉しいです。ですが、自分はその気持ちに応えられるような人間ではありません」
「でもっ……!いえ、わかりました。ならせめて一つだけお願い聞いてもらえませんか?」
「お願い?」

まさか『私のものにならないなら死んで』なんて事は言われないだろうが、告白を断ったのだから多少無茶な要求でも呑む覚悟はある。
男としてせめてそれぐらいの誠意は見せるべきだろう。

「私の事が嫌いじゃないなら……今度、二人だけで任務に行ってくれませんか?」
「え?」
「あっ!もちろん難しい任務じゃなくて二人だけでもパパっと終わるような任務にします!それで……諦めますから……」

告白を断るのはそんなに罪なのだろうか?
告白を断られるのは女性にとってそこまで辛いものなのだろうか?
目の前の女の子からはまるでこの世の終わりみたいな雰囲気が漂っている。
恐らく『諦める』というよりは『金輪際関わらない』ぐらいの覚悟なのだろう。
恋人ではなくても共に戦う仲間とそんなギクシャクした関係にはなりたくない。

「わかりました。それぐらいであればお付き合いします。ですが、自分からもお願いがあります」
「はぇ?なんでしょうか?」

まさか逆にお願いされるとは思ってなかったのだろう。
間の抜けた声があがる。




「これに懲りずに……という言い方はおかしいかもしれませんが、共に戦う仲間として今までと変わらない関係を続けてはもらえませんか?」
「それって……」
「難しい任務は手伝います。射撃訓練にも付き合います。お茶会にも呼んで下さい。これからも」
「あ……はいっ!ありがとうございます!」

礼を言うべきなのは俺の方じゃないのか?とも思ったがまぁいいか。
めんどくせぇ人間関係にならなくて良かった。

「では、任務は私の方で受けておくので宜しくお願いします。」
「はい。では」

告白を断られたはずなのにニコニコしながら去って行ったのは何故だ?
いや、もちろん泣き喚かれるよりはずっといいんだが。

後日、ボルグ・カムラン一匹の討伐という本当にパパっと終わりそうな任務をカノンと行く事になった。

―――
――――――
―――――――――

「ターゲット見つからないですね」
「そ、そうですね……」

捜索開始からだいぶ経ったが未だターゲットは見つかっていない。
カノンがやたらソワソワしてるのも気になるが放置だ。

「あ、あの!クッキー焼いてきたので良かったら一緒に……」
「しっ!」
「むぐ!?」

ようやくターゲットを見つけた。
人が必至こいて探していたのに呑気に食事してやがる。うぜぇ。

「それじゃあ事前の打ち合わせ通り、俺がヤツの足を狙って転ばせますからカノンさんは盾の破壊をお願いしますね」
「……」

ターゲットの様子を確認しながら小声で話し掛けるも返答が無い。
振り向くとカノンがじっとこちらを見つめていた。
……あぁ、そういや口塞いだままだった。
口を塞いでいた手を離して再度確認する。

「失礼。打ち合わせ通り、お願いしますね?」
「は、はぃ……」

なんか顔赤いな。口を塞いでいたせいか?
まぁ、兎に角ここからが本番だ。

「それじゃあ、行きますよ!」
「はい!」

―――
――――――
―――――――――


「無様ねぇ!このままじゃアナタ穴だらけよ!?」
「うわぁ……」

何度見てもあの豹変っぷりは慣れない。
今回は二人だけで戦闘を行っているので味方への誤射の心配は無い。
カノンの(銃口の)位置は常に把握しているから俺が当たる事もありえない。
ふむ……敵の状態を見るにもう少しで倒せそうだな。

「ほらほら!その程度なの!?」

相変わらずハイテンションでブラストをぶっ放しているカノンの後方にふと光る球が見えた。
攻撃に夢中になっているカノンは死角からの脅威に全く気付いていない。

「な!?あれは!!チッ!」

攻撃をやめて全力でカノンのいる方向へダッシュする。

「かなり痛いが我慢してくれよぉぉおおぉぉぉっ!!」
「えっ!?きゃあっ!!」

勢いそのままにカノンをタックルして突き飛ばす。
その直後、俺の背後で爆発が起こりボルグ・カムランの断末魔が聞こえた。

「おい!カノン!生きてるな!?」
「イタタ……はい、なんとか……あれ?なんか雰囲気が……」

ボルグ・カムランの亡骸の上に光球を放った主……シユウが降り立ち、亡骸を喰らう。ただし数は三体。

「ボルグ・カムラン一匹の任務じゃなかったのかよ!めんどくせぇなオイ!とりあえず今のうち逃げるぞ!立て!」
「は、はいぃ!い痛っ……」

カノンの様子がおかしい。
苦しげな表情で足首を押さえている。まさか!

「すみません……足挫いちゃったみたいです……。私の事は気にせず〇〇さんは逃げて下さい」

コイツは一体何を言っているんだ?
第一部隊リーダーの俺に仲間を置いて逃げろだと?
そもそも足を挫いたのは俺が原因だ。ここで逃げたら俺が殺したようなもんじゃねぇか!

「早く逃げて下さい!」




ボルグ・カムランの亡骸を喰らっていたシユウ達がこちらに向き直る。
鋭い眼光が『次の餌はお前達だ』と語っていた。

「おい……足以外は無事だな……?」
「え?はい、一応……」
「なら、どこでもいいからしっかり捕まってろよ!」
「えっ?え?はわぁ!?」

カノンを引っ張り上げ肩に担ぐ。うっわ軽っ。
そしてシユウ達に背を向け全力ダッシュ!
獲物の逃走に気付いたシユウ達が高速で滑空しながら接近してくる。

「スタングレネードをくらえ!」

カノンから一時的に手を離し、ポケットから素早く取り出したスタングレネードを前を向いたまま後方へ投擲。そしてカノンを抱え直す。
激しい炸裂音と閃光が発生したことをみるに、どうやら上手く当たったようだ。

「とりあえずあそこに隠れるぞ!?」
「は、はいっ!」

近くにあった廃墟に一旦隠れる事にした。

―――
――――――
―――――――――

「アナグラに繋がんねぇ……どっかでコクーンメイデンがジャミングしてやがんな……」

隠れて直ぐアナグラへ救援要請をしようとしたが通信は繋がらない。
帰投予定時刻もまだ先なのでアナグラからの救援は期待出来ない状況だ。
自力で帰投しようにも周囲を3体のシユウが徘徊している状況で怪我をしたカノンを担いで帰るのは至難の技だ。
さて、どうするかな……。

「すみません……私のせいでこんな事になってしまって……」
「別にあんたのせいじゃない」
「あ、そういえば雰囲気……というか口調が変わりましたけど、もしかしてそっちが素なんですか?」

しまった。まぁ、今更隠しても意味無いか。

「あぁ、そうだ。ただ単に先輩相手には敬語使ってたってだけだが……本当の俺が親切丁寧な紳士じゃなくてガッカリしたか?」
「いえ、驚きはしましたけどガッカリはしてません。優しいのは変わってませんし」

優しい?俺が?




「私は〇〇さんに何度も救われてます。今日だけじゃありません。実戦でも訓練でも……私が遭難した時だって駆けつけてくれました」
「困っている人がいたら助けるのは普通だろ。ましてや命に関わる事なら……」
「私だけじゃありません」

カノンは続ける。

「アリサさん、リンドウさん、それにこの世界だって貴方に救われたじゃないですか」
「目の前に見殺しにするかしないかの選択肢が出てたら普通は見殺しにしない方を選ぶだろ」
「その選択を、自分の損得に関わらず迷いなく選べるから優しいんです。そんな貴方だから……私も好きになったんですよ?」

そう言って頬を染めるカノン。
俺はそんな風に見られてたのか……。

「それにぃ……他の人と違って私を先輩として見てくれていてカワイイ後輩だなぁとか思ってたりもしましたし、告白した時だって自分の意見をハッキリ言ったうえで私へのフォローまでしてくれましたし、
今までの紳士的な物腰も素敵でしたが今のようなやさぐれた感じもまたワイルドでいいかなぁ……なんてぇ……」

何やら両手を頬に当てカノンがクネクネしだした。
え?何?本人目の前で惚気られてるの俺?

「……優しいのはあんたも一緒だろ」
「え?」
「衛生兵のくせに最前線で戦ってるのは少しでも早く回復出来るように、だろ?」
「!!」
「誤射が多いのは急いで回復しようとしてバレット交換をミスって撃つから。それを皆に説明しないのはどうせ『恥ずかしい』とか『恩着せがましい』とか思ってんだろ」
「す、凄いです……もしかして〇〇さん、人の心が読めたりします……?」
「読めねぇよ。冷静に考えればわかる事だ。さて、と……」

立ち上がり、簡単に装備をチェック。
うん、まぁなるとかなるだろ。




「どうしたんですか?」
「ちょっとコクーンメイデン狩ってくる」
「なっ……危険です!周囲にはまだシユウが居るんですよ!?」
「このままここでじっとしていてもどうせ見つかる。そうなったら俺は歩けないあんたを守り切る自信が無い」
「私を置いていけば……」
「その案はナシだ。俺が生き残る為にも、あんたには生きて働いてもらう」
「?」
「俺がシユウを引き付けながらコクーンメイデンを狩る。あんたは通信が回復次第アナグラへ救援要請してくれ」
「それじゃやっぱり〇〇さんが危険じゃないですか!」

「別にシユウ三体とまともに殺り合おうってわけじゃない。あんたの居る方へ向かわないよう、ちょっかい出しながら逃げるだけだ」
「それだって……充分に危険な事じゃないですかっ!」
「なら代案はあるのか?勿論あんたが犠牲になるような案は却下だ」
「それは…………」

埒があかない。
もうこうなりゃ卑怯だが強引に押し切るか。

「おい、カノンこっち向け」
「はい?ンんっ!?」

無警戒に顔を向けたカノンの唇を奪う。

「っはぁっ……今のは前金だ。仕事が終わったら成功報酬も払う。前金受け取ったんだからしっかり働けよ?」
「は……はい……」

よし、『はい』と言った。
コイツは自分の言った事には責任を持つタイプだから『はい』と言ったからにはやってくれるだろう。

「そんじゃ頼んだぜ!」

あとは有無を言わせぬようさっさと出発だ。

「あっ!待って下さ……」

聞く耳持たん。
しかし俺はなんでキスなんてしちまったかなぁ……他に何かあっただろ……。
まぁ、兎に角まずは誘導だ。先にカノンの安全を確保しないといけないからな。

「ヘイ!シユウ!カモンカモン!」

近くにいたシユウの頭に弾を撃ち込み誘い出す。
さぁ……大乱闘 開 幕 だ!

―――
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