ゴッドイーターでエロパロスレの保存庫です

「遅い」
紫黒の燐光を纏った氷刃は陰陽の女神を縦一刀に断ち割った。
もはや廃墟となったエイジス島に彼女は力無くくずおれる。
そしてその体を神機が貪り食らう様は、人類の悲願即ちアラガミへの勝利を象徴する光景だった。
 街頭のオーロラビジョンの前で、青年は歓声の海に一人取り残されている自分に気づく。
周囲の人々は画面がニュースに切り替わってもなお口々に快哉を挙げている。絶対悪であるはずのアラガミが打ち倒される光景に、どうして自分はこうも昂ぶらず、むしろ悲しみすら覚えるのだろうか。
「あんた、どうかしたの?こんな日にゴッドイーター様が沈んでちゃいけねえよ」
面倒だ。体調が勝れないのだと適当にごまかし、その場を立ち去る。
 哨戒を続けながら、いつしか彼は居住区の外れに立っていた。ここから数キロも行けば贖罪の街に着く。何となしにそんなことを考える。
次いで、彼は幼時の事件を思い出す。まだそこに住民がいたころのことだった。
コンゴウの群れが街を襲い、避難所であった教会の中にまで雪崩れ込んで来たのだ。
内陣の人間達を聖餐に見立てたかのようにゆっくりと身廊を進む足音を、彼は母の体の下で聞いた。
アラガミの鼻息が近づき、次いで悲鳴が上がり、母の体は重く、そして少しづつ熱を失って行った。
アラガミは屍の下の彼に気づきこそしなかったが、しかし怪訝そうに周囲を嗅ぎまわっていた。
張りつめた恐怖の糸は、ステンドグラスが割れる音、そしてその後の鮮やかな色彩で切れた。
それから彼が意識を取り戻したのはアナグラの病院のベッドの上だった。
奇妙なことに、救助のゴッドイーターが見たのは食い荒らされた無数のコンゴウの屍と、血の海の中で倒れた彼だけだったという。
神様が最後の最後で助けてくれたのだと今なお彼は信じている。
そして現在、夕刻の帰投時刻間際になって彼の足を聖堂へ向かわせたのはその皮肉な信仰心に他ならなかった。
廃墟は埃の匂いがした。入口の間には、まだ十年以上前の生活の名残が微かに残っているように思われた。
そして聖堂の入口へと歩を進めた彼は、不意に後頭部を打たれて倒れ伏した。素早く体勢を立て直し背後の襲撃者に神機を構える。
オウガテイルだ。しかも数匹の群れを成している。冷静に彼は状況の把握に努める。どうすれば、ブレード一本で複数のアラガミと渡り合えるか。
出口へは敵の群れを突破せねばならない以上、聖堂の内部への誘導という答えに辿りつくまでにそう時間はかからなかった。
 彼の目論見は裏切られた。聖堂の外陣へ至った彼が見た物は、祭壇の奥の割れたステンドグラスから彼を睨めつける怪猿だった。
恐るべき風圧が突如足元から襲いかかり、壁に激しく叩きつけられる。起き上がる間もなくオウガテイルが次々と彼に飛びかかる。
死に物狂いで神機を揮い、数匹の鬼面を切り伏せるも、猿神の拳は彼の意識を容易く奪った。

 頭を撫でる滑らかな感触に、彼は眼を醒ます。ぼんやりとした意識の中、微笑みかける端整な女の顔と後頭部に感じる柔らかさからして、誰かの膝枕で寝ているのだと気づく。
「あなたは?」
彼の問いに、彼女は静かに首を傾げる。
「私は生きているのか?」
返事の代わりに、顔に柔らかいものが押し付けられる。イブニングの開いた胸元はずらされて淡色の尖端が覗いていた。
訝しむ上目遣いにも彼女の視線は飽くまで穏やかに応え、気づけば彼は彼女に抱きつき無心に乳房に吸い付いていた。
鼻腔をくすぐる百合めいた香り、胸元に抱き寄せるしなやかな腕、女神の様な彼女に甘えることこそ全てに勝る喜びに思われた。
しばしの後、彼女は抱きしめる手を緩めると、蕩けきった表情の彼に唇を与える。彼女の細い舌が彼の口腔を撫でまわし、夜の聖堂に濡れた音が響く。
口付けは、彼に痺れるような快感と、明晰な意識をもたらした。雪花石膏の肌、青天鵞絨のドレス、そして爛々たる金の眼石。目の前の女は人外だった。
彼の一瞬の混乱にもなお彼女の視線は誠実に、接吻は情熱とともに不可思議な愛を訴え続けた。そして彼は、おずおずと舌を動かし始める。
目の前の女、否女神の愛に、たどたどしくも応えることを決めたのだ。いつしか、母に甘えるかのような慕情は貴婦人への恋慕に変わっていた。
彼は心臓と、そして下肢に昂りを覚える。その昂りを分かちあうように、再び女神は強く彼を抱きしめた。他方の手は彼の下腹部に伸ばされる。
下衣の前が器用に開かれ、昂ぶりの中心が夜気に触れる。彼は少し身震いし、次いで絹のような感触がそこに優しく被さるのを感じた。
長い口付けは啄みあうようなものに変わり、下肢の愛撫は時に激しく、しかしけして達さぬように彼を焦らした。
女神は、恋人の切なげな表情を楽しむかのように、彼を弄び続けながらも抱きしめる腕に力を込めていた。やがて、哀訴する視線に絆されて女神は彼の体を廃墟の床に横たえる。
床の冷たさは、彼女の体温を恋しく思わせた。恋人から目をそらさぬままに彼女はスカート状の部位を開く。そのまま彼の下肢の上まで移動すると、少しづつその身を沈めてゆく。
彼は、昂ぶりの中心が女神の体温に包まれていることに気づく。胎内は甘やかに彼を揉み解し、彼は痺れるような歓喜に酔いながら、最初にしたように女神の胸に顔を埋める。
懸命に甘える我が子をいとおしむように、女神は彼の頭を撫で、むずがる子をあやすように体を揺する。彼は、ドレスの裾が揺れるたびに脳髄まで蕩かされるような至福に包まれるのだった。
いつしか、女神の頬にも朱が差していた。紅潮の度が増すごとに、青い裳裾は激しく翻り、彼を見つめる女神の目が、母の眼から恋する女の眼へと変わっていく。
そして女神の肌に桃花が開ききった時、彼は女神の胎内で達した。
荒い息の彼の頭を、優しく女神が撫でる。ふたたび彼女の胸の中で青年は寝息を立て始めた。

「おい!起きろ」
ぶっきらぼうな声に青年は目を覚ました。見回せば、昨夜の女神も彼の後ろにいる。
「防衛班の……だな?」
状況が把握できないままに肯んじる。同僚が捜索に来たのだろうか。
それなら女神が何もされていないのは不可解だ。それに、目の前のゴッドイーター、ソーマ・シックザールは討伐班のはずだ。
「そろそろ私もいいかな?」
「ああ」
そう言って入って来たのは榊博士だった。いつも糸のように結んだ目が、今は心なしか見開いて見える。
「君の規律違反はあとで問うとして、だ。とても興味深い事例を見ることができた。まずはそれに感謝を。
見れば、そのサリエルは君に危害を加えないどころか、他のアラガミから君を守った。」
「……守った?」
「うん。観測班の記録を見たところ、君の神機と最初に接触したのはオウガテイル種とコンゴウ種の筈だ。
しかし、そこのサリエルとの接触とほぼ同時にそれらの反応は消失している。捕食されたと考えるのが妥当だろうね。
それに、君に昔起こった出来事にも彼女が関わっていると僕は見ている。そんな個体はこれ以外の観測記録がないからね。」
青年は女神に視線を向ける。そういえば、あの時の色は鮮やかな青ではなかったか。
「それに、彼女は、いや君たちはと言うべきかな?随分仲が良さそうだ。私の持論であるアラガミとの共存、そのリーディングケースとして申し分ない。そこで、だ。
規律違反への罰則も兼ねて君に特務を受けてもらいたい。といっても内容は非敵性アラガミの観察、及びアラガミとのコミュニケーション実験だ。
具体的な方法は追って指示する。が、ひとまずは彼女の居場所がいつでも判るようにこれをつけてあげてくれるかな?」
そう言って渡されたのは、聖母のような百合のコサージュだった。青年が女神の胸元にそれを留めると、彼女は確かに軽くはにかんだ。
「むろん、他の隊員には内密に願うよ。とまれ、相手がたとえアラガミでも、人は信じあえると私は確信しているよ。ね、ソーマ君」
そう言われたソーマは、少し照れ臭そうに眼を逸らした。

このページへのコメント

地味にシオがでてきたな。

0
Posted by シオ大好き人間 2012年05月26日(土) 18:51:54 返信

主人公「次は堕天と一緒に(バシュン)グハァッ」
サリエル「(^_^#)」

0
Posted by 名無しの神機使い 2012年03月26日(月) 22:24:40 返信

いいなぁ…

0
Posted by 300時間のへたれイーター 2011年09月07日(水) 02:00:31 返信

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