最終更新: helpme_nini 2008年11月03日(月) 13:27:54履歴
「・・・どう?・・・」
下半身がとても熱い。何よりもこんな姿勢を彼の前でとるのがとても恥ずかしい。いくら私が彼を引っ張っているとはいえ、こんな場所を見られるのはやはり恥ずかしい。ああ、恥ずかしい。
しかもよりによって、彼の・・・指が、その、私の中で動いているなんてやはり信じられなかった。
「すごいね・・・とてもあったかい。いっぱい溢れてくる」
クチュ、クチュと音を立てて悟史くんが指を小刻みに動かす。
私の膣が彼の指を咥えこんでいる。指が動くたびに身をよじりたくなるくらいの気持ちよさが体を突き抜けていく。
自分でも信じられないくらいに、そこは濡れて零れて、太もものあたりは汗なのか何なのかわからない自分の体液で肌が透明に光っていた。
「舐めていい?」
「えっ、えっ。舐めるって・・・」
答えを聞く前に、悟史くんが実際にそこへ口をつけることで“舐める”の意味を教えてくれた。だ、だめだめだめだめぇ、そんなとこ、舐めるなんて・・・舐められたことなんか一度もないんだからっっ、だから・・・
「ひゃっひゃうっ・・うぅっ・・・」
「・・・、ビクビクしてる、気持ちイイんだ?」
「・・・うん・・・気持ちイイ、の・・・」
「ここ舐められるの、好き?」
「好き・・・」
「じゃあたくさん舐めてあげる」
言葉通り責めは激しさを増していき、私は肢体を跳ね打つように仰け反らせる。それでも執拗にそこを舌先で刺激したり吸い上げたりを繰り返す。ズズズズッなんていうスープをすするような音がこんな場所から聞こえるなんて思ったこともなかった。
快感が身体全体に染み込んで、耐え切れなくなる。何かが溢れてしまいそうな感覚が下半身に集約されていき無意識にある言葉を口にする。
「だ、だめ、悟史くんっ、わ、私、、、イッちゃう・・・」
「イッていいよ・・・ほら」
仕上げといわんばかりの最後の絶妙な動きに私は彼の思惑通りに弾け飛んだ。最後に舌で敏感な突起部分を舐めあげられ、指で膣壁をこすりあげられたのだ。
「イッちゃった?」
「・・・・・・なんか悔しいんですけど・・・」
「え?」
「悟史くんにイカされるなんて〜・・・ッッ」
「そ、そんなこといわれても〜・・・・」
「おやあ?悟史くん、そこのあたり苦しそうじゃありません?」
「へ」
言うが早く、私は悟史くんのズボンに食いついて器用にジッパーをおろした。ぱんぱんに膨れ上がって苦しそうにしていたその部分を私は見逃さない。
「わぁ・・・大きいですね。意外・・・」
「い、意外って傷つくなあ」
「まあまあ褒めてるんですから♪」
「・・・むう」
呆れたような顔した悟史くんがすぐに我に戻るような行動を私が取る。取り出したその部分を優しく擦り上げながら、舌先で一舐めしてみた。
「あぅ、そ、そんな・・・だ、だめだよ」
「だめって何が?悟史くんだって私にしてくれたじゃないですか」
ぺろぺろぺろ。アイスキャンディを何度も何度も丁寧に舐めるように。段々と皮が剥けて赤い亀頭の部分が息苦しそうに這い出してくる。
「すごい・・・」
「あの、あんまり舐め・・・」
「・・・舐められるのイヤ?」
「あっ・・〜〜ッ、い、いやじゃない・・・です」
「ですよねぇ」
悟史くんが腕で両目を覆い隠して、無抵抗になる。力が抜けきっている身体に覆いかぶさるようにしてそのモノを口に咥えて奥までしゃぶる。
ちゅぶッ、ちゅぶちゅぶちゅぶっ・・・。
「どぅでふか?」
「あッ、ぅ、イイよっ、舌が・・・すごい・・あうっ」
筋に沿って舌先を這わせる。それから勢いよくしゃぶりあげる。ちゅばちゅば、ちゅぶちゅぶ。自分の口から泡のように唾液を搾り出して滑りをよくしながらしゃぶる。
自分の唾液の味のほかにも悟史くんのソレから吐き出されたちょっぴり苦い液体がほんのり口の中で交じり合う。
「だ、だめだよッ、これ以上・・・されたら・・・ッッ」
「んぅっ」
悟史くんがぐいっと私の頭を両手で押えつける。口の中でソレが大きく膨らんで、もうはじけるというのは言葉だけじゃなくて本当のことなのだとわかってきた。
ブルブルッッと咥えていた肉棒に震えが走り、口の中で粘り気のある液体が弾け飛んだ。
「ぷわ・・・」
口を開けると、口の中でその液体が濃く糸を引いたのがわかった。膜を張るように口中に広がる苦い味わい。鼻の奥をつん、とつくような匂い。
「わあっごご、ごごめん。テ、ティッシュはあるかな・・・」
動揺した悟史くんが急に上体を起こすものだから額と額が勢いよくゴツンッと音を立ててぶつかりあった。
「い、いつつ・・・ご、ごめん・・」
「・・・今ので飲んじゃいました」
「えっ。ええっーーーッ」
「そんなに驚くようなことですか?」
「だって、その僕のを飲んだって、え・・・」
「もうっ、繰り返さないでよ」
「・・・ごめん」
ごめんなさい、ごめんなさい。
繰り返される謝罪。
言葉にはたくさんの意味がある。言葉は器のようなもので、その言葉に本当の意味が、―心が注がれていなければ、その本当の意味はかけられた相手には届かない。
最初は大切に注がれていた言葉の意味も、擦り切れて、ひび割れて、壊れていってしまえば、ただの繰り返すだけの意味のない言葉になってしまう。
私にはわかっていた。
彼が繰り返す謝罪の言葉にはもう、心が注がれていないこと。
意味がないこと。
だからその言葉が繰り返されるたびに、もうひび割れているその器は本当に砕けてしまうんじゃないかって怖かった。
「もういいの」
繰り返せば繰り返すほど、意味は失っていく。だから繰り返さないで。
「悟史くん・・・きて」
彼の華奢な手首を引く。
痩せて、少し骨が浮き出た彼の手首。親指の腹を押し付けて、気を失った彼の脈を何度も取ったっけ。
「本当にいいの・・・?僕でいいの?」
「いいの。いいよ。悟史くんだからいい。悟史くんがいい」
「・・・ありがとう・・・」
身体の中に異物が入り込んでくる。いつもは吐き出すだけのその部分を逆流するかのように、大きな大きなモノが入り込んでくる。
狭い口を掘り返すように、私は思わずお腹のあたりに力を込める。
「んっ・・・あぅっ・・」
「あれ・・・」
彼が必死に自分のモノを携えて、私の膣に先っぽを押し当てる。十分に濡らされたその部分は受け入れることも可能なのに、滑りが良すぎるのか何なのか、うまく入らない。
「おかしいな・・あれ、あれ」
焦ったような声で悟史くんが何度も言う。
私はただ唾液を飲み込んで、喉を鳴らすことしかできない。
「ごめん・・・、もうちょっとまって・・・あと、少し・・・」
「・・う、うん・・・」
入り口あたりで、何回もぬるっと滑るのがわかった。何がいけないのかはよくわからないけれど、私自身も何かしなくてはいけないのではないかと思い、身体を起こす。
「あ、いいよ、そのまま寝てて」
「でも・・、・・・上手く入らないんでしょ?」
「・・う、うん・・ごめん、初めてでよくわからなくて」
「・・・私だって初めてですから・・・その、よくわからないけど、大丈夫です」
「ごめん・・・」
「えっと、じゃあ、悟史くん、ソコ持っててください。私、自分から当ててみますから」
腰を浮かせて、両足を地面に力をこめてつけて。身体を悟史くんへとひっつけるように引き寄せていく。
腰のあたりを上手に使って、自分の中へと上手く挿入していく。
「・・・んぅっ・・いっつ・・・」
「い、痛い?」
「うん、少し・・・」
「痛いなら無理しなくても」
「大丈夫・・・です」
先端の部分は全部自分の中に収まったのがわかった。
「あっ・・・私、の中に、悟史くんのが・・・入ってる・・んだっ、すごい、あったかくて」
「すごい・・・あったかいよ・・・これが、女の子の・・・」
悟史くんが、腰を進めてくる。ぬちゅ、ぬちゅくちゅ、ずちゅう・・・。彼の硬い肉棒が私の中を貫いていくのがわかる。未開の地を開拓するように肉の中を蹂躙していくのがわかる。
「ぜんぶ、全部入ったよ・・・」
「・・・ふぇ・・・・」
「まだ痛い・・?」
「ううん、へいき・・・へいき」
「よかった」
優しく額にキスをして、それから頭を撫でてくれる。悟史くんの優しさが、下からも、頭からも感じる。私、いま信じられないくらいに幸せだ。
「・・・痛い?」
「え、・・・そんなに、痛くないですよ・・・どうして聞くの?」
「だって、泣いてるから」
痛みはわずかに滲むくらいだった。話で聞いたよりも痛くはない。でもこうやって悟史くんとひとつになれてこんなにも嬉しいのに、どうして涙が出るのだろう。
彼のことを想えばおもうほど流れるこの涙は一体どこが痛んで流れ落ちる涙なのだろう。
「大丈夫・・・」
悟史くんが私を優しく抱きしめる。よしよしと頭を撫でてくれる。
「落ち着くまでこうしてるから」
「・・・ごめんっ、なさいっ・・・」
彼の言葉はもう意味がないといった。
だとしたら私の言葉はどうだろうか。
私はきっと、これからたくさんの過ちを犯すに違いない。間違っていることに気づきながら、逃げ道を塞がれて、ただ走るしかないその道を戻らず突き進むに違いない。
「・・・もう、落ち着いたから・・・悟史くんの好きにしていいですよ」
「本当?」
「嘘なんかつきませんよ」
にっこりと笑って答える。落ち着いたというよりも決意した、という方が正しいかもしれない。
「じゃあ、・・・動いていい?」
ゆっくりと頷いた。悟史くんの穏やかな表情が私の視界いっぱいに広がる。互いに手を握り締めあって、掌から感じる体温が私の心を全て溶かしていく。
腰のあたりがぐらついていく。
ゆれる。結合部分が揺らぐ。
「んっ・・・あっあ・・・あっあぁっ・・・」
「ふぅっ・・うっふぅっ・・・」
動きにあわせて吐息が漏れる。これが嬌声だというのなら、そうかもしれない。だってさっきよりも悟史くんのすべてを感じることができるから。
「気持ちいい・・いいよ・・悟史くん・・・!」
名前を呼ぶ。あなたという名前。北条悟史くん。それが私が好きになった本当に愛しい人の名前。彼は私の奪われた名前を呼ぶ。私は園崎詩音。きっとこの場にいてはオカシイ人間。
「うっ・・・ぅっ、ぁう・・・!」
普段の彼からは想像できない腰の動きだった。乱暴にかき乱されるソコは、感覚を失うぐらいに気持ちが良くて、ただただ、汗の玉粒が浮き上がる彼の背中にしっかりとしがみついて、必死にだきしめた。
押しては引いて。銀の波が押し寄せては引くように。私たちは身体を重ねあう。
「だめ・・・っ私、もう、なんだか・・・!」
感覚が気持ちよさをこえて、彼の肉棒がただ出たり入ったりするのがわかるだけになってから、今まで蓋をされていた部分が開いてしまうようなそんな感覚が私の中で感じられた。
ようするにこれがいわゆる、イッてしまうというやつなのだろう。不思議と一度も体験したことがない感覚を私は押し寄せてくる快感の中で察知していた。
「魅音、イキそう?」
「・・・ハイッ・・・もう・・ッッ」
「ん、・・僕も、だめだッ・・・君の中、キツくて・・・」
苦しそうに悶える悟史くんの表情。生気を失ってばかりの彼の顔をこのところ見ていたから、同じ苦しそうに見えてもそれが快感からだというのなら、人間はなんて不思議なものだろうと客観的に考えてしまう。
本当に悲しくて苦しくて。本当に気持ちよくて苦しくて。多分、その先に待ち受けている結果が違うのだろうと一人で納得する。
「だめだ・・ッ、僕、もう・・・!!!」
ぐいっと悟史くんが私の腰のあたりを抱き寄せる。いつもは優しいその動きが、求めている。私を。―私を。
「あぁ・・、あっ、悟史・・・くっ・・・」
「射精すよ・・・ッ」
「うん・・きてっ・・きてえええええッ」
「――ッ」
言葉にならない叫びが、身体全体にこだまする。耳から感じる音とは違う。つながった部分から温かく染み渡っていくものだ。
ビュク、ビュクビュクッ・・・
彼の先から走る白く濁った液体は私の中で弾けて染みていく。
ぎゅう、と抱きしめる。
耳元で彼が掠れた声で言った。「はあ・・はぁ・・・ごめん・・・」
「・・・」
もう、意味がない言葉。空になった器をぶつけられているようなそんな気分だ。でも、身体を満たしてくれた彼の精に私は嬉しさでいっぱいになる。
「ありがとう・・・」
「・・・え・・・」
「あなたに出会えて本当によかった」
「・・・え、あう・・・」
そんなこと、いわれても。
彼は言葉にできなくても表情に包み隠さず出てしまう。だからキスをする。意味などなく。ただ彼を感じたい。
無言で抱きしめあって、やがて彼は眠りに落ちた。とても疲れた表情で。
だから、好きだとか。
恋人同士になろうとか。
そんなことは言えなかった。彼の気持ちを確かめる術を私はわからなかったのだ。ただ単純に彼のことが好きだという私の気持ちだけで自己満足していた。
身体を重ねた日に、彼の優しさが私だけに向けられたらいいのにと願った。
でもきっと、彼の優しさは私だけには向けられない。彼の優しい感情は、妹の北条沙都子にたくさん向けられてる。
不器用だった。
お互いに。これが恋だとするならば、どうか許して欲しい。
身体は繋がっても、離れていくのが私は気づいていたかもしれない。
私のこと、覚えていて。
私の言った言葉の意味は、私が詩音とわかったときに気づいてくれるだろうか。
いや。
きっと、彼は気づかない。鈍感だもの。まるでなんのことかわからないという顔をするだろう。
でも・・・
覚えていてほしい。あの日、あなたに抱かれたのは園崎詩音だったということを。
fin.
←幸せの結晶
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