◆第十二話「VS理緒」

「おっはな おっはな おっはっな―――♪」
「やや? どうしたんです? いつにもまして不機嫌なお顔ですね」
「いいじゃないですか このアヤメの花高かったんですよ」
「(きょん) これ鳴海さんの嫌いな花なんですか?」
「そんな嫌な性格じゃありませんよ(む)」
「実は園部さんの死体を動かしたら大量のアヤメがバァッと散ったそうなんです
 浅月さんが置いてったんでしょうけど
 鳴海さんが嫌いな花ってことは浅月さんのささやかな嫌がらせですかね」
「浅月さんの居住地なんですけどなかなかわからないんです(んんー)
 これはどっかに定住してませんね」
「…なんだか深みにひきずりこまれてる感じじゃありません?」
「(にこお)はいはいっ 私を敵に回したくなかったらおとなしくしてましょうね〜〜」
「…それは私の力を試してるんですか?」
「……3日ください すべてのネットワークを駆使して20人以下まで絞ってみせます」
「全校生徒の身体測定値はすでに入手済みです
 これをもとに女子で身長155センチ以下の人を抽出します
 これでもさすがに50人以上が残ります
 こっからが私の見せ場ですね
 該当者の昨夕の行動を綿密に調べて 移動マップを作って出会ってるはずの人物と移動に掛かる時間まで裏づけてます
 明日の夕方にはひと通りの個人情報が得られるはずです」
「それなら鳴海さんだってすごいですよ よく瞬間的に犯人像を割り出せましたね」
「殺害時間は?」
「じゃあ身長は?」
「(ひゃー) (今回の鳴海さんはひと味違いますー)」
「でも基本データが少なすぎますよ?
 これじゃ容疑者を10人以下にはできないと思います そっから先に進めます?」
「じゃあこんなことしてもムダじゃないですか!」
2006年06月11日(日) 00:08:38 Modified by hiyono_serifu




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