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書いた人：いでぃおっと＠２ちゃんネギ板

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ごめんなさい、ずっと黙っていたんです。私の体のこと。
私のこの機械の体、全てが人工組織ではなく、人間の肉体から移植した器官も
あることはご存知でしたよね。
私を造った技術者は、亡くなった娘の体を保存し、臓器と体組織を私に使いました。
そうです。人間の肉体だった部分は、あなたが思っているよりもずっと多いんです。
だから、あなたに抱かれるために、こっそり薬を飲んでいたんです。避妊薬を。
生殖機能があるんです、私。子宮も卵巣も、その子から移植されてますから。
軍事用に造られた私、兵器の私にそんなものがあるなんて、おかしいでしょう。

あなたに黙っていたのは申し訳ないと思ってます。
あなたが使う兵器のスペックを明かしていなかったんですから。
でも、知ったら、あなたはきっと私を気づかったと思います。
あなたのメンタルケアも私の役目です。慰めになるならと、自ら抱かれました。
あなたは、機械人形を戦争に使いたくないって言ってましたよね。私のこと嫌ってた。
だから人形として抱かれました。慰安用の器具として使ってもらえればよかった。
でもあなた、優しかった。機械の私なのに、まるで人間に対するように接してくれた。
全てを話したら、たぶんあなたは私を道具ではなく、本当に人として見てしまう。
そうしたらきっと、私をあんなふうに抱くこともなくなってしまう。
ごめんなさい、機械の私なのに、何でこんなこと考えてしまうんでしょうね。

『人の心と感情は脳髄にあるわけではない。臓器、体組織、細胞に至るまで全身に
心と感情が散らばっていて、脳はそれをまとめているだけにすぎない』
本で読んだお話です。架空の理論、何の根拠もない寓話です。
でも、今はそれが本当なのかもしれないって感じられるんです。
私のパーツには、あの子の心、人を恋する感情、もしかしたらそれが残っていて、
それが私を狂わせているのかもしれない。私、きっと壊れていますね。

……えっ？　あっ、きゃあ！？
だめです、いけません！　私、今は薬を飲んでいないんです。避妊していないんです！

……こんなことしてよかったんですか。妊娠するかもしれませんよ、私。
あなたの側に寄り添ってもいいんですか？　機械ではなく、人として……。

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