入不二基義 - 哲学の誤読

『哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)


◎『哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)の「短文紹介」の三つのバージョンを見つけました。

・「大学入試現代文に出題された野矢茂樹・永井均・中島義道・大森荘蔵の文章を精読。出題者・解説者・著者・執筆者それぞれの「誤読」に焦点をあてながら、哲学の文章の読み方を明快に示す。」

・「哲学の文章を、答えを安易に求めるのではなく、思考の対話を重ねるように読み解いてみよう。入試問題の哲学文を「誤読」に着目しながら精読するユニークな入門書。」

・「哲学は人生論的誤読や謎を見失ってしまう誤読、生産的な誤読など、「誤読」の可能性に満ちている。大学の入試問題の哲学文を、「誤読」に着目しながら精読。哲学の文章の読み方を明快に示す、ユニークな入門書。」[日販MARCより]

 「帯」は次のようになっています。
     「お題は野矢茂樹、永井均、中島義道、大森荘蔵
      この大学入試国語、
      どう読み解くか?」                                     

【2007年12月5日記】


◎タイトルと定価が決定しました。【2007年10月18日】
 『哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する!』(ちくま新書) 860円+税

 第一章 「謎」が立ち上がる ―野矢茂樹「他者という謎」    
 第二章 <外>へ! ―永井均「解釈学・系譜学・考古学」
 第三章 未来なんて<ない> ―中島義道「幻想としての未来」
 第四章 「過去をいま引き起こす」ことはできるか? ―大森荘蔵「『後の祭り』を祈る」

 出典:
  第一章 野矢茂樹「他者という謎」(『哲学・航海日誌』(春秋社)より)
  第二章 永井均「解釈学・系譜学・考古学」(『転校生とブラックジャック─独在性をめぐるセミナー』(岩波書店)より)
  第三章 中島義道「幻想としての未来」(『時間論』(ちくま学芸文庫)より)
  第四章 大森荘蔵「『後の祭り』を祈る」(『時は流れず』(青土社)より)


◎ 編集者の要請を受けて、サブタイトルと各章タイトルの候補を、以下のように考える。

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『哲学の誤読  入試現代文で哲学する』という案を、いま考えています。
偶然の一致で、編集者の増田健史さんの案が、『哲学の誤読  入試現代文で哲学する!』

タイトル候補1 『哲学の誤読 入試現代文による哲学入門』
タイトル候補2 『哲学の誤読 入試現代文を読み解く』
タイトル候補3 『哲学の誤読 入試現代文で思考する』
タイトル候補4 『哲学の誤読 入試哲学文を読み解く』


 第一章 「謎」が立ち上がる     
 第二章 <外>へ!
 第三章 未来なんて<ない>
 第四章 「過去をいま引き起こす」ことはできるか?

 出典:
  第一章 野矢茂樹「他者という謎」(『哲学・航海日誌』(春秋社)より)
  第二章 永井均「解釈学・系譜学・考古学」(『転校生とブラックジャック─独在性をめぐるセミナー』(岩波書店)より)
  第三章 中島義道「幻想としての未来」(『時間論』(ちくま学芸文庫)より)
  第四章 大森荘蔵「『後の祭り』を祈る」(『時は流れず』(青土社)より)

【2007年10月6日記、10月11日修正】

◎ 出版後の2月16日(土)に、朝日カルチャーセンター(新宿)で、「<<対談>>哲学の誤読」というタイトルで、永井均さんと対談する予定。案内は、こちらを参照してください。【2007年9月11日記】

◎ 2008年1月出版と、2007年12月出版の二つの可能性あり。【2007年9月11日記】

◎ タイトルは、副題なしでシンプルに『哲学の誤読』だけがいいかな、と思い始めました。【2007年9月9日記】

◎ 台風9号接近の中、「はじめに」を書き終わる。【2007年9月6日記】

◎ 「はじめに」を除く本文(第一章〜第四章)を書き終わる。高校生の息子にモニターとして、第一章を読んでもらう。【2007年8月26日記】

◎ 第四章の執筆終了。次は第二章の書き直し。【2007年8月23日記】

◎ 副題も考え中なのですが、次のようなのはどうでしょう。
『哲学の誤読 ―入試現代文の読解による哲学入門― 』
【2007年8月23日記】

◎ 分量の問題と、野矢・永井・中島・大森という4人でまとめた方がいいという理由で、4章構成でいくことにしました。【2007年8月7日記】

◎ようやく、第三章までの原稿を書き終えました。【2007年3月27日記】

 大学入試の国語問題として出題された「哲学の文章」を、徹底的に読み解く本である。予備校・出版社による解説や解答例が、どのような「誤読」に陥っているのかも明らかにしながら、私自身の読解を詳細に呈示する(私自身の誤読も検討する)。現代文の受験参考書と哲学入門本とを「橋渡しする」ような一冊である。なお、本書が読解する4つの文章は、「懐疑」と「時間」というテーマにおいて、緩くつながっている。さらに、文章横断的に「実在論」「反実在論」というテーマを取り出すこともできる。

* 以下の目次・構成は、まだまだ変わります。


はじめに
・ きっかけ
・ 本書はどのような本か
・ 哲学と現代文
・ 本書の読み方
・ 各章横断的な問題

第一章 野矢茂樹「他者という謎」(二〇〇〇年 北海道大学)

・「答え」ではなく「問い」
・「問い」というよりも「謎」
・なぞなぞ
・他者という「謎」
・日常から哲学へ ?・?段落
・再び日常へ ?段落
・再び哲学へ ?段落
・「少しは分かる」の読み方
・「少しは分かる」の誤読
・疑いの回帰 ?段落
・疑いの深まり ?・?段落
・疑いの結果をさらに問う ?段落
・内面に隠されてある ?・?段落
・懐疑論のアポリア(難点) ?・?・?段落
・隠されてなどいない ?段落
・懐疑論は退けられたのか
・別の解釈の可能性
・解答不能な問四
・これから先
・問一と問三と問五の解答例

第二章 永井均「解釈学・系譜学・考古学」(二〇〇二年 東京大学)

・知識による予断
・人生論的誤読
・全体の概観

I 解釈学

・真の幸福という物語 ?段落・前半
・「彼ら自身」と「われわれ」 ?段落・中間
・解釈学的な生 ?段落・後半
・記憶の特権性 ?段落・前半
・解釈学的探究 ?段落・後半

II 系譜学
・系譜学的な視線 ?段落
・二つの時間表象 ?段落
・外部の再内部化 ?段落


III 考古学

・考古学的な視点 ?段落
・拒否される時間系列 ?段落
・幸/不幸の外部 ?段落
・「われわれ」と「彼ら」の反転
・二種類の他者
・実在の強度
・実在論と反実在論の組み合わせ
・考古学的な時間表象 ?段落・後半
・不可能な視線 ?段落
・設問(一)について
・設問(二)について ―二つの読み方の可能性―
・設問(三)について
・設問(三)解答例・解説へのコメント
・設問(四)について


第三章 中島義道「過去における未来」「仕事動詞と達成動詞」(二〇〇五年 早稲田大学・一文)

・テーマ
・概観
・私の読み方の強調点
・未来を過去と現在に還元する ?段〜?段落
・私自身の誤読
・誤読の原因
・誤読の理(ことわり) あるいは?段落
・仕事動詞(task verb)と達成動詞(achievement verb) ?段落
・想起・知覚と予期 ???段落
・意味・文法上の現実性
・現実性の折り重なりと細分化
・想起と予期 ?段落
・予期の「外部」としての未来 ?段落
・未来の「予知」の無根拠性 ?段落
・反論 ?段落
・反論者は何者か
・再反論 ?段落
・再々反論
・再々々反論
・結論
・第三の立場
・永井と中島の対照
・設問について


第四章 大森荘蔵「『後の祭り』を祈る」(一九九七年 名古屋大学)
・はじめに
・私の読み方の強調点
・「酋長の踊り」という話の紹介 ?段落前半
・「酋長の踊り」の現代版 ?段落後半
・過去を「変更する」のではない ?段落
・二つの信念(思い)の衝突 ?段落
・比喩 ?段落
・過去自体・物自体 ?段落
・表現の不整合、あるいは私の誤読
・「妄想」としての過去自体・物自体 ?段落
・想起と物語と真理条件 ?段落
・「制度化された物語」としての過去 ?段落・?段落
・「妄想」としての過去自体・物自体 ?段落・?段落
・「酋長の踊り」の解決法 ?段落・?段落
・二つの過去の捉え方 ?段落
・「錯覚」の原因 ?段落
・実在論批判 ?段落
・「酋長の踊り」再考
・「酋長の踊り」と「物語制作論」の違い(1)
・「酋長の踊り」と「物語制作論」の違い(2)
・「過去物語」に回収できない過去
・設問について

あとがき