BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

                     (てんじょうびと)
   チャングム×ハン尚宮  天上人       見習尚宮様


ここは俗世に別れを告げた者がやって来る天上の国である。残して来た者に思いを馳せながら、
人々はそれぞれ穏やかな日々の暮らしを享受していた。
今日もある家の中庭から歌声が聞こえてくる。気持ち良さそうに民謡を唸っている
声の主はチョン尚宮だった。

権謀渦巻く宮中のスラッカンの最高尚宮の任を引受け、うごめく魔物のような権力の手を
完全に払拭することは叶わなかったが、権力に媚びへつらう輩が世襲してきた最高尚宮の
地位を、御前での競い合いによって実力で得られるように道筋をつけたことは、彼女の
長い宮中生活で最も満足のいくことであった。そしてその競い合いで、信頼する弟子の
ハン尚宮が勝って最高尚宮に選ばれたことは何よりの喜びであり、自分の意志を継いで
くれることだろうと思い残すことはなかった。人付き合いが苦手で、自分にも他人にも
厳しいハン尚宮が、見習から尚宮までまとめあげていくには、これまでにない苦労が
付いて回ることは想像に難くない。しかしこちらに来る前に、チャングムにハン尚宮を
支えるように頼んだからきっと大丈夫なはずだ。チャングムは約束を必ず守る子だし、
そんなことを頼まなくても、チャングムだけは周りが全て敵になったとしても、絶対に
ハン尚宮から離れたりはしない。チョン尚宮には2人の絆の強さがよくわかっていた。

ハン尚宮とチャングムに全てを託し旅立ったチョン尚宮は、こちらの世界に来てからは
肩の荷を下ろし、長い間遠ざかっていた風流の道を再び謳歌していた。

相変わらず歌い続けているチョン尚宮の元に、近所の人が訪ねて来た。
「マルグムさん。俗世からあなたを訪ねていらした方がいるのだけど」
「私に客人ですか?」
(はて誰かしら? 私の次は順番的に……、まさか長官様が!? 或いは女官長
だろうか? いや、面の皮の厚さから言ってあれは相当長生きするはず……)

物陰から静かに歩み出て頭を下げた人物を見て、チョン尚宮は驚いた。
「お久しぶりでございます。お元気そうで何よりです」
「何と。ハン尚宮ではないか! なぜここに居るのだ? おまえがここに来るのはまだ
早すぎるよ」
「申し訳ありません。こんなに早く、チョン尚宮様にお会いすることになるとは、
さぞや驚かれたことだと思います」

ハン尚宮は、最高尚宮に就任して少しずつスラッカンの改革を試みたものの、それを良く
思わないチェ一族の妨害に遭い、ついにはチャングムと共に謀反の濡れ衣を着せられ、
島流しの刑で済州島へ向かう途中に力尽きたことを話した。

「お前も大変だったね。謀反の罪だなんて、どれだけ酷い取り調べを受けたことか」
チョン尚宮はハン尚宮を軽く抱き締めると、その身体を優しく撫でてやった。

「幼い頃から宮中に上がり、先王の大変な時代を経て、お前も心休まる暇がなかった
だろう。ここは嫉妬も争いも何もない平穏な世界だ。私も醤庫に居たときのように、
また風流の道を楽しんでいるよ。お前も好きなことをしてゆっくりするがいい」

「私は昔から料理しか取り得のない人間で、一体何をしたらよいのやら……」
「もう私達は王様の女ではなくなったのだから、自由に恋愛もできるのだよ。
私も何人か殿方の茶飲み(本当はお酒だけど)友達がいて、生前の愚痴まで聞いて
やっているよ。お前はまだ若くて器量も良いから、その気になれば結婚相手だって
見つかるわ。お前さえその気なら、心当たりがあるから私が紹介してあげようか」

「チョン尚宮様!お戯れはおやめ下さい。そのようなご心配は無用です」
ハン尚宮は横を向いた。
「やれやれ…… お前は相変わらずお堅いね。でも、後ろ髪を引かれる思いで
チャングムを残して来たばかりのお前に、そんな浮かれたことを言った私の方が
間違っているね」

チャングムの話になると、ハン尚宮は悲しそうに顔を伏せるのであった。そんな
ハン尚宮を見て、チョン尚宮はしみじみと言った。

「お前はチャングムとするのがそんなによかったのかい?」
「はっ!?」

その言葉を聞いたハン尚宮は驚きのあまり、思わず顔を上げた。
(ど、どうしてチョン尚宮様は私とチャングムの関係をご存知なのかしら?
絶対に誰にも知られていないと思っていたのに、部屋から声が洩れていたのかも
しれない。きっと敢えて見逃していて下さっていたのね。もうこの世界に来てしまって
いるのだし、今さら隠し立てしても仕方ないけれど、改めて聞かれると恥ずかしくて、
答えに困ってしまうわね。)
「あ、は…はい。良かったというか、深く結びついたというか……」
「何を言っているのか良く意味がわからないよ。それにどうしたの? 
顔が赤いみたいだけど」
慌てたように口ごもるハン尚宮を、不思議そうな顔でチョン尚宮は見ていたが
そのまま話し続けた。

「チャングムのように、人一倍好奇心が旺盛な子を相手にするのは、時には大変だった
のではないの?」
ハン尚宮は答えず、頭の中で回想するのであった。
(あの子と初めて結ばれた時もそうだった……)

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「震える尚宮様はとても可愛いです」

競い合いが佳境を迎え、緊張を隠せないハン尚宮を見てチャングムは、冗談めかして
師匠の不安を取り除こうとした。そんなチャングムを戸惑ったように諌めながらも、
ハン尚宮は自分がなぜ最高尚宮の座を目指すのか ― その思いを初めてチャングムに
語りかけた。
その時チャングムは、ハン尚宮が奴婢の生まれであることや、自分が見捨ててしまった
親友との約束を果たしたいという、悲愴なまでの決意で競い合いに臨んでいることを
初めて知ったのである。

気高くて、何事にも動じない強靭な心を持っているように見える師匠も、悲しい思いを
胸に秘めて必死に生きてきたのだ。そう思うと、チャングムは一層ハン尚宮を慕う気持ちが
強くなり、そばにいて自分が守ってさしあげたいと思った。

「尚宮様、お休みの仕度が出来ました」
チャングムは早く身体を休めていただこうと布団を敷いて、そっとハン尚宮を促したのだが、
師の細い肩はまだ微かに震えていた。

「尚宮様は私がお守りいたします」
チャングムは愛おしさでいっぱいになり、ハン尚宮を抱き締めると布団に押し倒した。
「何をするの、チャングム」
ハン尚宮は思わず声を上げたが、チャングムの温かい身体を受け止めていると、長い間の
孤独感が癒されて、心の底から勇気とチャングムに対する愛情が溢れてくるようだった。
チャングムが身体を離すと、しばらく2人は言葉もなく見つめ合っていたが、
チャングムの輝くような黒い瞳に全てを委ねたように、ハン尚宮はそっと目を閉じた。

「尚宮様ったらまた震えていらっしゃいます。恐いのですか?」
床の中で、2人は一糸纏わぬ姿になって抱き合っていた。

「だって私は……、私は初めてだから。お前は誰かと経験があるの?」
チャングムは余裕があるかのように、微笑みながら唇を重ねてきたが、合わせた唇が
ぶるぶると震えていたのでハン尚宮は可笑しくなった。
「何よ。お前だってこんなに震えているではないの」
「えへへ、私だって生まれて初めてですから」
幼子のように無邪気に笑うチャングムに呆れたやら、可愛いやらで、ハン尚宮はそっと
片手を伸ばして頬に触れると、優しく撫でてやった。

「まだ私が幼い見習の頃、夜中に急に目が覚めてしまい、尚宮様がお着替えになる所を
偶然に見てしまったことがありました。本当にお美しくて、いつまでもそのお姿が
頭から離れなかったのですよ」
「その頃から比べると、私も随分年を取ってしまったわね」
「いいえ、今でもとてもお綺麗です……」
チャングムは、頬に触れるハン尚宮の手を握ってそっと外すと、再び唇を重ねたが
もう震えてはいなかった。
「尚宮様は、幼い頃に辱めを受けそうになったと仰っていましたが、お身体に触られる
のがお嫌なら、私はもうこれ以上何もしません」
「お前と一緒なら乗り越えられるわ」

チャングムの唇が首筋をゆっくりと這うと、ハン尚宮はくすぐったかったのだが
じっと我慢していた。やがて両方の胸を掴まれて、膨らみを確めるかのように
ゆっくりと揉まれながら、耳元で『尚宮様……』と優しく囁かれると、身体の奥が
甘く疼くような感覚に支配されていく。
チャングムが唇をそっと胸に寄せて、赤子のように先端を吸い始めると、ハン尚宮は
思わず頭を抱き寄せた。自分の口の中で、先端が少しづつ固くなり、尖ってきたのに
気付いたチャングムは、舌先で先端を弾いてみた。

「あぁっ」
思わぬ衝撃が身体中に走ったハン尚宮は、たまらず声を出してしまった。
「尚宮様、ここは気持ちが良いのですか?」
ハン尚宮は返事をしなかったのだが、少し紅潮した顔が何よりの証拠だと、チャングムは
判断してそのまま愛撫を続けた。
「あぁ…… チャングム…… い、いやぁ、ああっ 」
「あぁ尚宮様、とても可愛いお声です」
チャングムに指先と舌で胸の先端を弄られながら、ハン尚宮は初めて知る快感に
身体を震わせ、切ない声を洩らすしかなかった。

「尚宮様のお身体は、とても柔らかくて良い香りがします」
ほんのりと上気した肌からは、芳しい香りが立ち昇り、チャングムは胸に顔を埋めて
しばらく幸せな気分に酔っていた。
チャングムの手が太腿を掴んで撫で始めると、一瞬ハン尚宮は、辱めを受けそうになった
時のことを思い出した。あの時の男の手の感触は忌まわしかったが、今自分に触れている
のは、紛れもなくチャングムの手なのだ。

「尚宮様、お辛いですか?」
ハン尚宮の身体が強張ったので、チャングムが心配そうに声を掛けた。
「大丈夫よ、チャングム。一瞬、遠い昔の恐ろしかったことを思い出してしまったの」
「尚宮様を、たとえ指一本でも傷つける人を私は許しません」
チャングムはハン尚宮の唇を求め、強く押し当てると舌を滑り込ませて、ハン尚宮の
舌を絡め取った。最初のうちこそ少し戸惑っていたハン尚宮だが、次第に自分から
チャングムの動きに合わせると、部屋中に粘っこい水音と2人の吐息が響いていた。

「ここがこんなに湿っています……」
チャングムは、ハン尚宮の脚の間に手を軽く押し当てながら囁いた。
「恥ずかしいことを言わないで…… お前に……されたのよ……」
「尚宮様、お辛くなったら仰って下さい」
チャングムはハン尚宮の脚を押し広げると、身体の中に指をそっと挿し入れた。
柔らかな襞に締め付けられるような感覚が、なんとも心地よかった。
「あぁ……チャングム、お願い…… 優しくして……」
「尚宮様の中はとても暖かくて柔らかい……」
チャングムはもっと奥へと入りたかったのだが、ハン尚宮が苦しそうだったので
中をほぐすようにそっと指を動かすと、段々と昂まってきたようだった。
「尚宮様、気持ちいいですか? もっとお声を聞かせて下さい」
「お前は意地悪な子ね」
チャングムが少し強めに探ると、ハン尚宮は甘くて切ない声を上げながら
チャングムにしがみついた。声が一瞬小さな叫びに変わったと同時に、
チャングムの背に回された腕に力がこもり、静かに力が抜けていった。

「やっぱり尚宮様は可愛いです」
チャングムは終わった後、ハン尚宮の髪を優しく撫でながら微笑んだ。

「私がもっと受け入れてあげられたらよかったのだけれど……」
「最初から難しい料理は作れません。少しずつ上達していくのですから」
「お前は真面目に聞いてるの?」
「はい。尚宮様にもっと満足していただけるように、料理ともども精進しますから」

屈託なく答えるチャングムに、やっぱり自分はこの子に振り回されるのねと
ハン尚宮は苦笑した。
「尚宮様、私を受け入れて下さってありがとうございます」
チャングムの唇が近づいてくると、
(私もよ、チャングム……)とハン尚宮は心の中で呟きながら、そっと目を閉じた。


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(それ以来、私たちは心も身体も深く結ばれていったのだった)

「でもチャングムの好奇心が、堅物のお前を変えたとも言えるわね」
チョン尚宮は楽しそうに笑った。

「全くお恥ずかしいかぎりです」
「別に恥ずかしがることはないよ。お前も優秀な弟子だったが、チャングムほど
好奇心は持ち合わせていなかったようだね」
「………」
(当たり前です。私はふざけて春画を見せたミョンイと、しばらく口を聞かなかった
ぐらいなのですから)

「弟子であるチャングムから、教えられることも時にはあったのではないか?」
「えっ!! そ、それはですね……」
「俗世ではいつも冷静沈着だったお前が、さっきから何でそんなに驚いてばかり
いるのか、私にはさっぱりわからないよ」

チョン尚宮にからかわれながら、ハン尚宮はまた思い出の中に入っていった。

最高尚宮の就任式が終り、数日は気に掛かる仕事も特になかったので、ハン尚宮は休暇
を取り、チャングムを連れてチョン尚宮の墓参りに出かけた。女官の運命とはいえ、
幼い頃から母のように面倒を見てくれた人の、最期を看取ることが出来なかったことに
ハン尚宮の心はとても痛んでいたので、ゆっくりとお別れを言いたかったのだ。
その後促されるままに、チャングムの母親のお墓参りにも行ったのだが、まさか
ミョンイがそこに眠っているとは夢にも思わずに……。

その晩のこと、2人は宿で寝支度をしながら、あまりに月が綺麗だったので
部屋を出て、縁側に座りながら夜空を見上げていた。


「尚宮様。私のわがままで、母のお墓にお連れして申し訳ありませんでした」
「そんなことはないわ。私もお前のお母様に一度お会いしたかったから。
お前を見ていて思うけれど、お母様もきっとお美しい方だったのでしょうね」
「ええ、尚宮様と同じくらい綺麗でした……。何か母とお話しされたのですか?」
「そうね……。 でも内緒よ」
「そんなぁ、尚宮様!」
チャングムは寂しそうに下を向いてしまった。

「幼いお前を置いて逝かなければならなかった無念を想い、そしてこの私に、お前を
贈って下さったことを心から感謝したわ」
「きっと母も安心していると思います」
「そうだといいけど……。厳しくて融通が利かない、こんな頑固者に会わせてしまって
後悔なさっているかもしれないわね」
「母にはわかっていますよ。私が、幼い頃からどんなに尚宮様をお慕いしているか」
「チャングム……」
ハン尚宮は胸がいっぱいになり言葉が続かなかった。

満月の光が2人を明るく照らしていて、静かなとても美しい夜だった。

「あぁっ 尚宮様……」
ハン尚宮が寝床でチャングムに覆い被さり、若くて張りのある乳房を愛でながら
先端をそっと吸っていた。甘い声を洩らしながら、恥ずかしそうに身悶えする子が愛し
くて、もっと可愛がってあげようと思っていると、脚の間にもぞもぞとした感触を
覚え、あっと思う間もなくチャングムの指が挿し入れられた。

「駄目。今夜は私に委ねてくれるはずでしょ!」
「ですが、私が尚宮様に触れてはいけないとは仰っていません」

仕方なくハン尚宮は、そのまま胸の先端を舌で転がし始めたのだが、挿し入れられた
チャングムの指に、ゆっくりと中を掻き回されると、次第に意識が胸元から遠のいて
きた。それでも何とか愛撫を続けていると、競うようにチャングムの指も動き
ハン尚宮が昇り詰めないように、あえて焦らすような動きに終始していた。
それでもハン尚宮の呼吸は荒くなり、どうしてもチャングムの指先に神経が集中して
しまうため、次第に胸への愛撫がおざなりになってくると、ついにチャングムの乳房
から顔を離してしまった。

「尚宮様、どうなさったのですか? お続け下さい」
「もう駄目…… もう無理……なの……」
上体を起こし、喉から振り絞るように答えるハン尚宮を、チャングムは下から支える。
いや、支えるようにして両の乳房を揉みしだいていた。
「尚宮様…… とてもお綺麗です」
声を出さないように必死で堪えるハン尚宮は、艶かしくて美しく、チャングムは
下から見上げながら自分も身体が熱く火照り、もっと感じさせたいと思った。


「あっ…… あぁっ」
先端を摘まれこねくりまわされると、ハン尚宮の我慢もいよいよ限界を越え
切ない喘ぎ声を洩らしながら上体をくねらせる。チャングムが愛撫を止めると
ハン尚宮はチャングムの腕の中に、ゆっくりと崩れ落ちてきた。

「今夜は宮中の外で、ずっと尚宮様と居られるので嬉しいです。一晩中でも寝ないで
尚宮様に触れていたい……」
ハン尚宮はそのまま身体を預けながら、耳元をくすぐるチャングムの声の心地よさに
緩やかに溶かされていった。


しばらくしてチャングムは身体を入れ替えると、今度はハン尚宮の上に伸し掛かり、
耳たぶから首筋に熱い唇を這わせた。

「尚宮様、今夜はお休みになれないかもしれませんよ」
チャングムの微かな愛撫と囁きに、ハン尚宮の身体に再び火が点けられる。
柔らかい胸の膨らみを両手で包み、既に起ち上がっている先端を指の腹で優しく
弄ぶと、もう一方は唇を寄せて乳輪を吸い上げながら、舌先でちろちろと転がした。
「あっ あぁっ……」
執拗に指と舌で弄ばれて、絶え間なく押し寄せる快感に抗えなくなった、ハン尚宮の
唇からは断続的に声が洩れ、甘い疼きの証が、恥ずかしいほど身体の奥から流れ出して
いた。チャングムが先端を軽く甘噛みすると、ハン尚宮は大きく喘ぎながら
軽く達してしまった。

(胸だけでこんなに感じてしまうなんて……)
自分の身体が、チャングムに変えられていくのが恐ろしくもありながら、ひとたび
肌を合わせると、慎みを忘れて快楽に溺れていく…… 

ハン尚宮の呼吸が整わないうちに、チャングムは唇で柔らかい肌をついばみながら
段々と下りていき、おへその周りを舌でくすぐったり、脇腹をすっと舐め上げたり
すると、ハン尚宮の身体がぴくりと反応するのを楽しんでいた。
「ここもお感じになられますか?」
突然腰のくびれを強く吸われたハン尚宮は、快感のあまり全身に鳥肌が立った。


「やめてチャングム、お願いよ。やめなさい」
「どうしてですか? こんなに気持ち良くなって下さっているのに」
チャングムは顔を上げると、ハン尚宮の膝を立たせたまま、大きく脚を開かせた。
太腿の裏を少し押しやるようにすると、今にも溢れそうなその場所が、チャングムの
目の前に露になったので、ハン尚宮は羞恥でいたたまれなくなり、チャングムを
諌めたのだがまるで聞く耳を持たない。

「せめて…… せめて、灯りを消してちょうだい」
「今夜は尚宮様の全てを見たいのです…… お願いですからお許し下さい」
チャングムは顔を寄せると、ハン尚宮の体内にゆっくりと舌を沈めていった。

まるで自分が目の前にいることを、忘れてしまったかのように、何かを思い出しては
頬を染めているハン尚宮を、チョン尚宮は訝しく思ったのだが、特に訳を尋ねる
ようなことはしなかった。

「ハン尚宮。お前は普段は慎ましやかだが、いざという時には大胆で情熱的なところも
あるから、好奇心旺盛なチャングムとは相性が良いのかもしれないね。さぞかし、
2人で色々なことを試してみたのだろう?」
「チョン尚宮様!! 何を仰るのですか」
「そんな大声を出さなくても、耳は達者だよ」
「も、申し訳ございません。お言葉を返すようですが、私は、その……本来は普通の
方法を好むのですが……あの子に無理矢理……いえ、結局は私もそれを望んでいた
ようで……」
「つまりお前はチャングムに、基本を大切にしながら、創意工夫することの大切さも
教えたということだね」
「・・・・・・」



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チャングムの舌が、甘い蜜を掻き出すようにハン尚宮の中で動き回り、時折鼻の先が
敏感な部分をかすめる度に、ハン尚宮は小さな呻き声をあげた。

「あぁっ」
チャングムがそっと敏感な部分を吸い上げただけで、ハン尚宮は昇り詰めてしまい
身体の奥からとろとろと蜜を溢れさせながら、下腹を緩やかに上下させていた。
今度は指で敏感な部分を捉え、薄皮を剥くようにして柔らかい中身を刷き出しにすると、
舌先で突付いたり、唇で包み込んだりして絶え間なく愛しむ。ハン尚宮は堪えきれずに、
敷布を強く握り締めると、大きく喘ぎながら全身を震わせて何度も果てた。

「チャングムお願い、やめて。もう何度も昇り詰めたのに…… あっ、ああぁっ!」
目の前で大きく脚を広げられ、恥ずかしくて堪らないはずなのに、身体の奥からは
熱い蜜がとめどなく流れ出し、チャングムの舌に掬われる。どんなに懇願しても、
チャングムはただ一点を、甘く執拗に責め続けた。やっと顔を上げたのはハン尚宮が
何度目かの絶頂の果てに、意識を失ってからだった。


「ねぇ、これ以上されたら、私はおかしくなってしまうわ」
「おかしくなっても、乱れてもいいではないですか。尚宮様をもっと気持ちよくして
さしあげたいのです。いいですよね?」
目が覚めたハン尚宮の耳元でそう囁くと、チャングムはハン尚宮の中に指を、一本
二本とゆっくりと挿し入れていく。

「あぁ……」
何度もチャングムに昇らされたせいで、身体の中は敏感になっており、少しの刺激でも
感じてしまう。チャングムが指を曲げて、少し膨らんだ部分を探り出すと、これまでに
ない感覚を覚えたハン尚宮は、自然と身体を強張らせた。

「大丈夫です、尚宮様…… 力を抜いて楽になさって」
チャングムが膨らんだ部分を軽く押すと、ハン尚宮の息遣いが荒くなる。
「尚宮様。ほら、こうするともっとお感じになりますか?」
チャングムに力を込めて探られると、敏感な部分を弄られるのとは、また違う快感に
ハン尚宮は戸惑いながら、どうしようもなく引きずり込まれていく。

「こんなに溢れさせて。気持ち良いのですね」
耳元で悪戯っぽく囁くと、ハン尚宮は違うというように首を振ったが、顔は上気し、
唇から洩れる喘ぎはますます大きくなっていた。
「気持ち良くなければ、もうやめなければいけませんね……」
チャングムはわざとそう言うと、手の動きを止めてしまった。
ハン尚宮は、ねだるようにチャングムの手に身体を擦り付けるのだが、チャングムは
髪や太腿を撫でながら、気付かないふりをしていた。

「ねえ、チャングム。お願い……これ以上困らせないで……」
「尚宮様が嫌がることはできません」
「あぁ、チャングム、私が望んでいるの! 私がお前を欲しいのよ」
潤んだ目で見つめられると、チャングムは微笑んだ。
「最初からそう仰って下さればいいのに。尚宮様は本当にかわいいです」
チャングムの指が再びハン尚宮の中を掻き回し、力を込めて膨らみを擦ると
ハン尚宮は息を弾ませながら、チャングムの首に腕を回してしがみついてきた。

「うぅっ ああぁ いやあぁ!」
「尚宮様、まだ…… まだいってはいけませんよ」
ハン尚宮が見せる恥じらいと官能に揺れる表情に、チャングムも熱く昂まり、体内を
愛しみながら、首筋に舌を這わせたり乳房の先端を擦り上げたりして、甘く苛む。
全身を絶え間なく襲う快感に、ハン尚宮は身体が壊れてしまうのではないかと思った。
指の動きが速さと力強さを増すと、悦びの証が体内から噴き出すように溢れ出し、
身体中の力が抜けたハン尚宮は、チャングムの腕の中にぐったりと崩れ落ちた。

「肩口に血が滲んでいるわ。きっと私が噛んでしまったのね。大丈夫?」
ハン尚宮は、身体を拭ってくれているチャングムを気遣った。
「本当だ、全然気付きませんでした。私はとても嬉しいです。私が夢中になって、
尚宮様も夢中になって下さって」
甘えるように身体を寄せてきたチャングムを、ハン尚宮はそっと抱き締めた。

「就任式の時、皆の方を真っ直ぐに向かれた尚宮様は、本当にご立派で涙が出ました」
「お前が勇気を与えてくれたお陰よ」
「いいえ、私など何も。でも……」
「どうかしたの?」
「馬鹿げているようですが、尚宮様が遠くに行かれたみたいで、少し寂しいのです。
最高尚宮様になられて、今までのように、お隣りで料理をさせていただくことも
滅多になくなるのかと思うと寂しくて……」
「そんなことを言うなんて、お前らしくないわね。私は覚悟を持って、チョン尚宮様の
お志を継いでいく決意をしている。スラッカンを良くしていくために、努力して
いくわ。だからお前も一緒に手伝って欲しい。これからも私にはお前が必要なの」
「尚宮様…… 私は何があっても尚宮様をお守りいたします。お約束します」
「それは心強いわね」

ハン尚宮は微笑みながら、チャングムを抱く腕に力を込めた。
もしお前と出会っていなかったら、今頃私はどうなっていただろう?
自分の殻に閉じこもり、一生ミョンイに詫び続ける人生を送っていたかもしれない。
ミョンイとの約束を果たすことができたのも、お前のお陰よ。
そして何の邪心もなく、ひたむきに私を慕ってくれるお前に、孤独だった心が
どれだけ癒されたか。チャングム、本当にありがとう……

「チャングム…… あっ、あぁっ……」
「尚宮様は本当にお美しいです」
チャングムの愛撫で、ハン尚宮の陶器のように白く滑らかな肌は薄紅色に染まり
厳しく凛とした声は、甘く切ない喘ぎに変えられていく。
チャングムの手は二つの膨らみを弄り、両脚を押し広げると、一気に中へ入っていた。
「あぁ…… チャングム…… もっとお前を感じさせて……」
チャングムが片脚を持ち上げるように抱えながら、身体の奥まで入り込んでくると
お腹の底まで痺れが響き、ハン尚宮は全身を震わせてチャングムを求める。
チャングムは片手でしっかりハン尚宮の手を繋ぐと、唇を合わせ強引に舌を絡め取った。
ハン尚宮は応えながらも、身体の奥を強く探られる度に声を洩らしてしまい、塞がれた
唇の端から雫が伝っていた。
「チャングム、あぁ…… いきそう…… あぁ、そばにいて……」
「尚宮様……私も一緒に……」
硬く尖った胸の先端を吸われながら、深く強く突き上げられると、ハン尚宮は叫ぶような
声をあげ、繋いだ手を一瞬強く握り締めると、徐々に力が抜けていった。

「離れないで……今夜はこのままでいましょう……」
空が白み、鳥の鳴き声が聞こえてきた頃、ハン尚宮は自然に腕をチャングムに回すと、
互いの素肌の温もりを感じながら、2人はようやく眠りについた。


「ハン尚宮! ハン尚宮! 聞こえているのかい?」
「はいっ?」
「心ここに在らずだね。チャングムのことを考えていたのかい?」
「あの満月の夜のことを……。い、いえ何でもありません。私ったら何を言っているので
しょうか。申し訳ありません」
「別に謝らなくてもいいけれど、こっちが聞きたいぐらいだよ。夜といえば、あの子が
夜更けに、部屋に帰っていくのを何度か見かけたが、いくら勉強熱心とはいえお前も
最後まで付き合うのは大変だったろうね」
「お恥ずかしい話ですが、私は殆ど途中で意識をなくしてしまうので、いつもあの子が、
後の始末をしてくれておりまして……」
「何と。お前はどこか身体が悪かったのかい? 料理中に意識をなくしてしまうなんて。
今までどうして話してくれなかったのかい?」
「料理……? 今まで料理の話をされていたのですか?」
「そうよ。チャングムと、料理をするのはよかっただろうという話のつもりだけど」
「 他  に  何  か  ?」
宮中では見たことがないぐらい、取り乱すハン尚宮が可笑しくて、チョン尚宮は
大きな声で笑った。


「私が旅立つ時は、チャングムとヨンセンが見送ってくれたが、お前はチャングムに
別れを告げることができたかい?」
「はい。もう歩けなくなった私を背負ってくれて、船着場までの道のりを2人で話を
しながら、私の最期の願いを伝えました」
「そうだったのかい。どんなに辛かっただろうね……。でも最期の時を、一番大切な人の
温かい背中で迎えられたと聞いて、少しほっとしたよ」
「重荷を背負って、たった一人で済州島に流された、チャングムのことを考えると
ここに来ても心配でたまらないのです」

ほろほろと涙をこぼすハン尚宮にほだされて、チョン尚宮はある老婆のことを話した。
その老婆の家には大きな水晶玉があって、残してきた人への思いが強ければ強いほど
今の姿が水晶玉に映し出されるとのことだった。
「その人を訪ねてみるかい?」
「是非、お願いいたします」

チョン尚宮に連れられて、老婆の家を訪ねたハン尚宮は、挨拶もそこそこに
水晶玉がある部屋に案内してもらった。目をつぶって、心を落ち着かせてから
水晶玉を見ると、薄暗い蔵のような中に女が2人捕らわれていて、1人は上等な
絹の着物を着ているようだが、もう1人の若い女性は粗末な着物で、心身共に
疲れきった様子で、足枷をはめられていた。

「チャングム! チャングムだわ! あぁ、お前はまた酷い目に遭っているの?」
ハン尚宮は思わず叫んだ。それから毎日のように老婆の家に通って、水晶玉を見ては、
ハン尚宮は心を痛めていた。ある日チャングムは脱走したようで、足を血に染めたまま
当てもなく走り回っている。心も身体も限界のはずなのに、目に悲しい光を宿らせて
何かに取り憑かれたように足を動かしていた。そして、何とか逃げ切ったのか
島を出るために、海辺で密かに船を待っているようだった。

「私が宮中に先に戻っていると言ったから、お前も宮中に戻るつもりなのね。
ああ、チャングム! 今は駄目よ。このままではお前は死んでしまうわ。お願いだから
辛くても島に残って。きっと機会はやって来るから、命を粗末にしないで」
聞こえるはずもないのに、泣きながら呼びかけている、ハン尚宮を目の当たりにして
チョン尚宮は何か考え込んでいるようだった。やがて心を決めたかのように、
ハン尚宮に背を向けた。

「これは独り言だから聞かなくてもよい。お前がこちらに着いた船着場から、今夜
夜が明ける前に、俗世に行く船が出る。しかし誰でも行かれる訳ではなく、行かれたと
しても戻れずに、永遠に浮遊し続ける者も多いのだ」
ハン尚宮は、チョン尚宮の背中に向かって深々と頭を下げると、船着場に向かって
足早に駆けて行った。
「やっぱりお前は行くんだね。勿論、止めるつもりもなかったけれど。戻って来られ
ないかもしれないのに、チャングムを助けるためにお前は行くんだね」

船着場へ着いたハン尚宮が、船を待って乗り込むと、船頭らしき男が言った。
「お前さんは相手が見えるが、相手にはお前さんは見えないぞ。それでもいいのか?」
「はい、構いません」
「それに、二度とここには戻れないかもしれないんだぞ」
「はい、承知しています」
「それでは目をつぶって三つ数えるんだ」
ハン尚宮は言われた通りにすると、身体が浮き上がってどこかへ飛んでいくようだった。
着いた所は海辺で、その時チャングムがこちらに向かって歩いて来た。
よかった、間に合ったようね……。ハン尚宮は安堵の溜息を洩らした。

ハン尚宮はチャングムに近寄り、手を取ると草むらに座らせた。そして、万感の
思いを込めて胸に抱き寄せ、頭を撫でてやった。私の姿は見えなくていいから、心を
感じて欲しい。ミョンイも私も、お前の心の中でいつまでも生きているから、お前は
何があっても生き抜いておくれ。さぁ、涙を拭いて前に向かって歩き出すのよ。
愛しいチャングム、私はずっとお前を空から見守っているから……

その時一つの奇跡が起きた。チャングムにもハン尚宮の姿が見えたのだ。

― 会いたくてたまらなかった尚宮様。私が心配で来て下さったのですね。
 この悲しみが癒えることは永遠にありませんが、私は前を向いて生きていきます。
正々堂々と宮中に戻り、必ず尚宮様の無念を晴らすと約束いたします。尚宮様は私の
心の中で生きておられるのですから、決して離れることはありませんよね……

チャングムはハン尚宮の温かい胸に甘えるように抱かれていたが、いつの間にか
ハン尚宮の姿は静かに消えてしまった。チャングムは泣き笑いのような表情で
しばらく佇んでいたが、ゆっくりと立ち上がると船には乗らずに、来た道を
引き返して行った。

― 尚宮様、会いに来て下さってありがとうございました。私はもう大丈夫ですから
安心なさって下さい。でも…… 一目でいいから、もう一度お会いしたいです……

― 私の心が通じたようね。本当によかった……。
ハン尚宮は、戻っていくチャングムを涙ながらに見送り、姿が見えなくなるまで
いつまでも立ち尽くしていた。
やがてハン尚宮は眩い閃光に身体中が包まれると、光の道に導かれて、
天上の国へと帰って行った。


「チョン尚宮様、ありがとうございました。只今戻ってまいりました」
「戻ったかい。お前の願いが通じて、チャングムは歩き出したようだね。あの子は
きっとお前との約束を守るだろう。お前はあの子をここから見守っていてあげなさい。
そしてお前達の願いが叶った時は…… その時はまたチャングムに会いにいって
おやり」

ハン尚宮は、目を潤ませながら笑顔で頷いた。

「ところで、お前とチャングムは料理の他に、何をそんなにいいことをしていた
のかい? よかったら私ともやってみるか?」
「チョン尚宮様!? その話はもうお止め下さい!!」
「何だ、私とはできないことなのかい? まぁ、いいでしょう。お前が慌てているのを
見ている方が楽しいわ」
「・・・・・・」

「お前が来てから、まだろくに食事らしい食事をしていなかったね。そうだ、近所の
人達も呼んで、皆と一緒に食べることにしよう。料理の準備をするけれど、
久しぶりに手伝ってくれるかい?」
「勿論、喜んでお手伝いいたします」

チョン尚宮とハン尚宮は、昔のように肩を並べて台所に立ち、見事な手さばきで
料理の準備を始めると、次々と美味しそうな料理が出来上がっていった。
2人は時々、こうして近所の人々に料理を振る舞っては喜ばれるようになった。

「ハン尚宮、お前をお茶に誘いたいという殿方がいるのだが、会ってみないか?」
「私はその気はありませんので、適当にお断りいただけませんか」
「やれやれ…… お前ときたら、チャングムが結婚でもしない限り無理そうだね」

ハン尚宮に軽く睨みつけられながら、チョン尚宮は大きな声で笑っていた。

(完)



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