BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   ミョンイ→ペギョン←ソングム  「熱情」       蓮生様


―――16世紀初頭、
1494年、第10代王・燕山君即位。


暴君で贅沢大好きな王・燕山君は毎日のように饗宴を催し、
側室も沢山作り、
女官達は対応に追われ、目まぐるしい日々を送っていた。

―――そして…夜になり、
女官達はようやく休息ができる。
女官達は各自室へと戻っていった。
全部の女官の部屋の蝋燭の灯が消えているのに一部屋蝋燭の灯が漏れていた―――。


「明日も早いわ。早く寝ましょう。」

「えぇ…明日も早朝から夜遅くまで対応に追われるのよね…。
ソングム、灯消すわよ?」

「えぇ、いいわよミョンイ。」

ソングムは読んでいた書物を閉じた。


―――ふぅ…っ


蝋燭の灯を消し、
部屋には蝋燭の煙が微かに立ち込めた。


「おやすみ、ペギョン!」

「おやすみなさい、ミョンイ…ソングム…」

「おやすみ」


3人の女官、
ミョンイ、ペギョン、ソングムは床についた。


「……さむ……」

ペギョンは布団の中で小さく身を縮め、
鼻をすすり、袂に両腕を突っ込み、さらに身を縮めた。
こうすれば少しは寒さがましになる気がしたからだ。
ペギョンだけがそのまま深い眠りについた。
ペギョン以外の二人、ミョンイとソングムは今日も眠っているふりをしているがペギョンに対する躰の奥に焼き付く甘い熱情のせいで眠れないでいた。

深い眠りについているペギョンだが時に
身を縮めて寒そうにしていた。

その時、布団の中で隣にいたミョンイがそっと優しく抱きしめ、小さく呟いた。

「…寒い…?ペギョン…」

寒そうにしているペギョンを見ていたソングムも隣にいたペギョンを布団の中でそっと優しく抱きしめようとしたがミョンイの腕に触れた。

―――ん……?
何か感触が…………

ソングムは小声でミョンイに話しかけた。

「…ねぇ…ミョンイ…もしかして起きてる?」

「…!?
ソングム…っ!
貴女も起きてたの…?」

ミョンイとソングムは一旦、寝ていた自ら躰を起こし、話を続けた。


「ミョンイ…何故貴女起きてるのよ…」

「貴女こそ何故…」

「貴女、さっきペギョンを抱きしめていたでしょう…?」

「貴女こそさっきペギョンを抱きしめようとしてたじゃない…っ」

「貴女、そう言って
毎晩毎晩布団の中でペギョンと手を繋いでるの私知っているのよ?前から聞きたかったんだけど……」

「何…?」

ソングムは意を決して静かに口を開いた。

「貴女…ペギョンの事好きなの…?」

「………!?」

いきなり好きなのかと言い出したソングムにミョンイは唖然とした。

「…好きかって…?ペギョンを…?」

「えぇ…友情という感情ではなくその…男女との恋愛のような…そんな感情で好きなの?」

ミョンイは頬を桃色に赤らめ、小さく頷いた。

「そう……だったら私と同じね。」

「え…?」

「私も………ペギョンが好きなのよ
友情という感情でなく恋愛という感情で……」

「…………っ!?」


「好きって…ペギョンを…」

「…そうだと申しているじゃない、何度も同じ事を言わせないで」

ミョンイとソングムは沈黙し、互いを見つめあっていた。

―――まさか二人…同じ女を好きになるなんて……

二人は心の中でただそう思っていた。
沈黙が続く中、部屋にはペギョンの寝息をたてる息遣いだけしか聞こえない。
沈黙の中、先に静かに口を開いたのはソングムだった。

「…ペギョンはどう思っているのか知らないけれど私がペギョンを戴くわ
貴女には渡さないわミョンイ…」

「…それはペギョンが決める事よ…」

ソングムは薄く微笑んで眠っているペギョンの髪を撫でた。

「この子は私の初恋の子なの…見習いの頃からずっと…好きだった…」

ミョンイはペギョンの髪を撫でるソングムの腕を掴んだ。

「…私にとってもペギョンは初恋の相手なの…宮中を一緒に上がる前からずっと…ずっと…貴女よりもっと早くペギョンに出逢った」

「離して」

ソングムは自分の腕を掴むミョンイの手を振りほどいた。


「ペギョン…」

ソングムは指先で眠っているペギョンの耳元をなぞるように触り、耳元に顔を近づけ、
熱い息を溜め、甘く噛み、舐めた。
眠っているがペギョンは微かだが声を漏らした。
ソングムは自らの行為をとめることなく
ペギョンの首筋にソングムの唇が伝い、
ペギョンの頬に軽く口づけをした。
いきなり同僚で同室の女官が自分の目の前で愛する女にあのような行為を見せつけられ
ミョンイは唖然としていた。
ソングムはミョンイの顎を指先で顔をあげさせた。
ミョンイに薄く微笑みかけた。

「私は本気よ
ねえ…見てみたいと思わない?この子の裸」

「……え!?」


「きっと綺麗なんでしょうね…この子の裸も…」

ソングムはペギョンの首筋から胸元まで指先を伝え、
帯をほどき、上衣をはだけさせた。
ソングムはペギョンの胸元に手を差し入れた。
ソングムはペギョンの胸元を指先で刺激していた。
眠っているペギョンからミョンイとソングムの甘い熱情を刺激する甘い声が微かに漏れた。

「ん……ん……っ」

「ふふ…可愛いわねペギョン…
ミョンイ、黙ってみているつもり?
いいの?このまま好きな女が同僚の女官に抱かれても…」


ミョンイはふてくされた表情を見せた。

――ペギョンに触らないで………っ


先ほどから躰を触られていたことに気づき、ペギョンが目を覚ました。

「…ん…?二人とも何をしているの…?」

二人はペギョンを見つめていた。
先にペギョンの顔に近づいたのはミョンイだった。

「ねえ、ペギョン
私とソングムどちらが好き……?」

ミョンイの突発的な質問に対してなんのことやらという驚きの表情を見せた。

「…え…?いきなりなんなの…?どうしたの…?」

「ねえ、私にしない?ペギョン…」

「…!?
ええ………!?
ソングムまでいきなり二人してなんなの?
話がわからないんだけど………」

「混乱してる?」

「え…えぇ、だっていきなり二人がかりでこんな…話が読めないわ…!」

ソングムの手が
ペギョンの頬を撫でる。

「こんな事されたらもっと混乱するかしら?」

ペギョンの顔を覗き込み、その唇に口づけた。

「ん…っ!?んん…っ!?」

唇を吸われ、離れ、また唇を塞がれた。
ミョンイの目の前で見せつけるかのように
それを何度も繰り返し、ソングムはペギョンから抵抗する力を奪った。
唇と唇が離れた瞬間、絡み合った唾液は淫らに糸を引いた。

ミョンイがソングムの胸ぐらに掴みかかった。

「ちょ…っ!ペギョンに何するのよ!」

「私は私のやり方を通すわ
貴女もペギョンにこうしたいくせに」

ペギョンは二人を交互に見つめていた。

「ねえ…いきなり何なのよ…?
ソングムもミョンイもどうしたの?
ソングム…さっきのふざけているの…?」

「私…ペギョンの事好きなの…」

「ミョンイ…!?」

「ペギョン…っ
さっきの接吻はけしてふざけているんじゃないの!
私も貴女の事…好きなのよ」

「え……えぇ……!?」

二人の思いもよらない告白にペギョンは戸惑いを隠せずにいた。


二人はいま、
甘い熱情に犯され、
この躰を欲しく堪らなくなっていた。

「ペギョン…私にも口づけて…」

「…え…っ!?ちょ…っ!?ミョンイ!?」

ミョンイは顔を近づけペギョンの唇に口づけた。

逃げる口を奪う。
背けようとする顎を無理矢理掴み、
ミョンイはペギョンの唇を貪った。

「ミョンイ…っ、
やめ……っ、んぅ」

舌を絡めきつく吸うと、ペギョンがミョンイの肩を叩き、逃れようともがく。
ミョンイは抵抗する躰を押さえ込み、口づけを深くした。
息ができないくらいに。

「ん…ん…んふぅ…」

ペギョンの耳元でソングムが囁いてきた。

「私にも触らせて…ペギョン…?」

ミョンイがペギョンに口づけをしている最中にソングムは頬から首筋に、はだけさせた上衣をさらにはだけさせ、ピンと立ち上がった胸に唇を滑らせた。

「……んぅ……ふ……ぁ」

仰け反るペギョンの背は、ミョンイとソングムの二人にしっかり支えられていた。

「二人とも…ふざけない…でっ」

「ふざけてないわ…貴女の事本当に愛してるの…わからない…?」

「ペギョン…好き…」


二人の行為はとどまることなかった。
ソングムの唇に胸を吸われ、舌で押し潰すように舐められていた。

「ぁ……うぅ……」


ペギョンは二人から与えられる快楽で
火照り、とろけさせられていた。
ミョンイは普段見ぬペギョンの色香漂う淫らな姿に理性をかき乱されていた。

――普段の真面目で気品のある貴女に充分魅せられていたはずなのにいまの目尻に涙を滲ませている貴女も可愛くて……堪らない…
でも…そんなところを私以外には見せないでペギョン………

ミョンイはペギョンの顔に近づいた。

「ペギョン…可愛いわ…とても…でも貴女の色香は私にだけ魅せて…?」

「…ミョンイ…」

隣でソングムがふてくされた表情を見せた。

――ペギョンは渡さないわ…!
私のものよ…!

ソングムはペギョンの顎を無理矢理掴み、
ペギョンの顔に近づいた。

「ねえ、ペギョン
私のものにならない…?私は好きになったものは手放したくない主義なの」

「ソングム…」

ソングムはそのままペギョンの唇に口づけた。

クチュと、互いの舌と舌が絡み合う音は夜風のざわめきに混ざり合った。

ミョンイの手はペギョンの腰に、
腰から更に敏感な部分に滑りこんだ。
ペギョンは驚き目を見開いた。

――そんなところ自分でも触ったことないのに……っ!

「ん……ふぁ……っ」

ミョンイの手の中で
ペギョンの敏感な部分は熱を帯びて蜜があふれでていた。

淡い月の光が部屋に差し込み、ペギョンの火照らされ汗ばんだ白く透き通った躰を照らした。

「綺麗、ペギョン…」

「えぇ…本当に綺麗…」

「…あぅ…ミョンイぃ…そんなとこ触らな…いで…っ」

口では拒みながらも、ペギョンの足がしどけなく開かれていく。

常に気高く振る舞うペギョン。
激しい羞恥にいたたまれない気持ちだ。
自分の最も敏感なところから淫らな粘着音が聞こえる、そう思えば思うほど恥ずかしくてたまらないのに、
ミョンイとソングムの腕から逃げられずにいた。
ミョンイとソングムを思い切り突き飛ばせば逃げれるものの
何故かミョンイとソングムの手から逃げる抵抗力を失っていた。

「ペギョン…ここ…凄いとろけてる…可愛いペギョン…」

「あ、あぁ…ん…だめぇ……」

ダメと言いながら
ペギョンの躰は力が抜け、ミョンイとソングムに思うがまま自分の最も敏感な部分を弄ばれていた。
ペギョンは人の指先ってこんな感じるものなんだとこの時はじめて知った。

「あぁ……ん、ぁ……」

瞳をとろんとさせ
泣きそうな顔をしてミョンイとソングムの顔を見つめた。
ミョンイとソングムが甘い眼差しでペギョンを見つけていた。

「ペギョン…とっても可愛いわ…もっと感じて…?」

「ミョンイ……!?
あぁ…っ!」

ペギョンは目を見開いた。
ペギョンの熱い雌の中にミョンイの指が挿った。

「ああ…っ!
あぅ……あ……!」


「ペギョン可愛い…好きよ貴女の事……」

「もっと気持ちよくしてあげるわ…ペギョン…」

ソングムの指先は先ほどミョンイが弄んでいた最も敏感な部分に触れて刺激した。

「こんなにとろけさせちゃってペギョン…可愛いわ…本当に可愛い……」

「あ……ぁ……ん、ぁ……あぁっ!」

ミョンイとソングムは容赦なくペギョンを攻め立てた。

「…ねぇ…いまどんな気持ち…?聞かせてペギョン」

「私も聞きたいわ」

この行為ですら羞恥でいたたまっているのに二人の一言一言でさらにペギョンを羞恥にいたたまる。

「あぁ…んん……そんな……恥ずかし…くて…言えな……ぁ…いっ」

「本当に可愛いわペギョン…聞かせて?ね?」

「…お願いよペギョン…?」

「あぅ……うぅ……」

ミョンイの抽挿はゆったりと引き、すぐ奥を突く。快楽を味わうような動きをミョンイは優しくペギョンに与えた。

「あ…はぁ…あん…くっ」

「ペギョン…」

名を呼ぶと、ペギョンの目尻から、溜まった涙が零れ落ちた。

しだいに抽挿は速まり、ペギョンの躰をきつく支えた。
ソングムの敏感な部分に触る手つきも速度をあげた。

「ペギョン……っ」

ペギョンの耳元をミョンイの熱い囁きが焼く。
唇にソングムの唇がふれる。

「ん…っんん…っ」

ソングムの唇から離れた瞬間、
ペギョンは高い声をあげ、背筋を震わせ、
痙攣するように反り返って一瞬凍てつき、
絶頂に達して果てた。

「…はぁ…はぁ…」

ペギョンの躰はぐったりしていた。
ソングムは容赦なかった。

「…次は私ね…?」

熱いソングムの囁きが耳元を焼く。

「…え…ちょ…っ、ソングム…っ!」

再びペギョンの熱を帯びた雌の中にソングムの指が挿った。

「あぅ…っ!ああ…っ!」

「ペギョンの中…熱いわね…」

「やめ……ソングム……っ」


今度はミョンイがペギョンの敏感な部分を擦りはじめた。
ソングムの動きはミョンイの動きと違って
容赦なくペギョンの奥を突く。

「ふ……あぁ…あ、あ、あ…っ!」

――私はこのままでは私ではいられなくなる…っ
躰が熱い……頭がおかしくなりそう……

「ペギョン……ペギョン……」

「あ…はぁ…あ、あ、あ、ぁぁ……っ!」

ソングムとミョンイは薄く微笑みかけた。

「ねえ…どっちが気持ちいい?」

「私?それともソングム?」

――どっちが気持ちいいかと聞かれても…そんな…っ

「うぅ……あ…ぅっ」

「ねえ、中と此処の部分…どっちが気持ちいい?」

「あぁ……う…あ…ど…どっちもぉ………っ!」

ペギョンはミョンイの顔を見つめ、
頬を撫で自分の顔に近づけて口づけた。

「ペギョン…こっちも…」

ミョンイの唇から離れ、今度はソングムとも口づけを交わした。

「あ……ぃあ……っ
も…ぅ…だめぇ……っ!」

再びペギョンは高い声を上げ、背筋を震わせ痙攣するように反り返り、頂点に達してその場に果てた。


――そして翌朝、
部屋に朝日が差し込み外では雀の鳴き声が聞こえる。

今日も水刺間で王への御膳の支度で慌ただしい。

生真面目なペギョンが珍しく食材を切っている間に思いに更けていた。

――……人の手ってあんな敏感に感じるものなのね……
人の唇ってあんな柔らかいものなのね……
あ、いけないいけない…私のしたことが調理中に……

手が止まっていたペギョンの手は再び食材を切りはじめた。

――ミョンイのあの時の顔……はじめてみたわ……あんな艶っぽい表情で見つめてくるあの子…はじめてみたわ…
もう…また私ったら…やめよう…

再び食材を切りはじめた。

――ソングムの声って…あんな色っぽい声…はじめて聞いたわ…
いままであの子とあんなに目を見て話したことなかったわね……

『ねえ…どっちが気持ちいい?』

『私?それともソングム?』

ペギョンは思いに更けていく度に桃色に頬を染めた。


――ああもう!なんか調子が狂ってしまう…私のしたことが…
あの二人…本当かしら…私みたいななんの魅力もない人間に想いを寄せてるって……

二人は普段から真面目な性格だし…冗談ではしないと思うけれど……

ああもうどうしちゃったのかしら私…っ
いまは王様への御膳の支度中なのに…


「………つぅっ!」

思いに更けたペギョンは指を包丁で切ってしまった。

――私のしたことが…!うっかり指を包丁で切るなんて見習いの子くらいまでなのに…
女官でこんなドジ踏むなんて……

「! ペギョン大丈夫!?」

――ミョンイ…!

「やだ!血がでてるじゃない!」

「…………大丈夫よ、ただの擦り傷だから………」

「ちょっと待ってね!」

―――え…っ

ミョンイは傷口のある指を口へ運び、加えた。

「ちょ…っ!ミョンイ!?」

指を口から離し、
布を巻き付けた。

「はい、ペギョン」

「う…うん…ありがとう…」

ミョンイは照れくさそうに笑った。

「あ…ごめん!
慌てて巻いたからなんかカッコ悪くなっちゃったわね…っ」

ミョンイはすぐに自分の持ち場に戻っていってしまった。

――ミョンイ…昨夜…あんなにしといて平然な顔なんだから…


――午後、一通りの仕事が済み、一段落がついた頃、あまり人気のない王宮の一角にペギョンは一人座りこんで今朝ミョンイに巻いてもらった布を見つめていた。

――びっくりしたぁ〜…ミョンイにはいっつも驚かされてばかりだわ…

ミョンイに慌てて布巻かれたぶきっちょな指を見てペギョンは可笑しくて笑った。

――ふふ…本当に見た目悪くてカッコ悪いわね…でもはずさないでおこうかしら
こんな擦り傷なのにあんな必死になって巻いてくれたんだし…



――更に時は流れて夜、女官達は仕事を終え、各自室へ戻っていた。

ペギョンは書物を読み更けていた。
読んでる最中にミョンイが声をかけてきた。

「ペギョン!ペギョンったら!」

「………」

「ペギョン?」

ペギョンはミョンイの呼びかけに聞こえているが聞こえないふりをした。

――…二人の顔…まともに見れないわ…恥ずかしくて……
なのに…二人とも平然とした顔でいるなんて……

「…ペギョン…怒ってる…?」

ペギョンは書物の頁をめくりながら口を開いた。

「……別に……」

不安そうな顔でペギョンを見つめるミョンイ、ペギョンと同様書物を読みながらもペギョンの様子を伺うソングム。


表情が硬いペギョンに意を決して―――。

「ペギョン!ごめんなさい!昨日は…その…!で…でもっ!あ…あ…」

更に書物の頁をめくるペギョン。

「………」

ミョンイは頬を桃色に染めながら―――。

「あ…あの…っ
その…っ!あ…貴女の事…好きなのは本当よ!」

書物を読み終えたソングムもペギョンのところに寄って来た。

「ペギョン…私も本当に貴女の事好きなの…ごめんなさい」

「あ!今度夜食の当番でしょ?
替わってあげる…いや、替わらせて!」

「わ…私も今度献立一緒に考えてあげるわ!!」

「許してペギョン〜!!」

「許してちょうだいペギョン!!
あ、貴女に似合いそうな髪飾りとか指輪があるの!それもあげるわ!!」

必死に許しを請う二人を暫く見つめていた。

――別に怒ってないけれど二人ともこんな必死になって…特にソングムのこんな必死なとこはじめみた。

必死に許しを請う二人を見てなんだか可笑しくて思わず笑ってしまった。

「……ふふっ……別に怒ってないわ
二人ともそんな必死にならなくても…ふふふっ」

硬い表情から一変
笑顔になったペギョンの顔を見てミョンイとソングムはほっとした。



「はぁ…良かったわ
昨日の事怒ってるかと思ってたわ」

「本当に良かったぁ〜!」

ソングムはペギョンの怪我した指を見た。

「…あれペギョン
その指どうしたの?」

「ん…えぇ…ちょっとね」

「それにしても見た目悪いわね
綺麗に巻きなおしたらいいのに」

「ミョンイが折角手当てしてくれたんだから」

ソングムはミョンイの顔を睨みつけた。

「貴女、いつの間に!
ペギョンには綺麗に手当てしてあげなさいよ!」

「慌ててしたからこんななっちゃって…!」

「全く貴女って人は!」



――――三人の穏やかな時間はここまでだった。その後、ミョンイとペギョンは想いを通じ合うようになり、
ミョンイはソングムが太皇太后への御膳に毒を盛るのを目撃してしまい、
嫉妬に狂っていたソングムは男と内通していると嘘をつき、
ミョンイを殺害した。それからペギョンは心を閉ざしてしまい、
元々口数少ないペギョンだったが
ミョンイ殺害以来、
ソングムとは必要以上に口を利いてくれなくなくなってしまった。

ソングムは女官から尚宮になってもペギョンの愛する気持ちは変わらずにいた。
ソングムはひたすら思っていた。


――あの頃に戻りたい…


―――――――――――――――――――――ミョンイ→ペギョン←ソングム・終



  作品一覧 カプ別分類 に戻る

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます