IF17・何が目的だ?


77 名前:Classical名無しさん :04/11/17 17:00 ID:2axbmWmg
とある日の昼休み……
「麻生、飯いこうぜ」という菅の声に応じて席をたつ麻生
そこに聞き覚えのある声が耳に入ってきた
「部長、麻生センパイいますか?」
この声を聞いた日にゃあまりいいことはない。麻生は歩を早め、教室の外へ急ぐ。

「麻生君なら後ろのドアから出ようとしてるけど……まさか逃げようとは思ってないわよね?」
高野の言葉が背中に突き刺さる。
「一体何の用だ?あんまりヒマじゃないんだが。」

「いつにも増して素っ気ないですよセンパイ。あからさまに嫌がらなくてもいいじゃないですか……泣いちゃいますよ?」


78 名前:Classical名無しさん :04/11/17 17:07 ID:2axbmWmg
弁当らしい包みを持ったサラが言う。おかげで周りからは、女の子泣かせてるぜ…とか、サラちゃんいじめてるよ…という声が聞こえてくる。
「用件を手短に言え」
サラが近づいてきた
「お弁当作ってきたんですけど……」
最悪だ。周りの視線が痛い。
後ろから菅に肩を叩かれた。
「俺にかまうな。食ってやれ……」
全てを達観したかの表情で笑いながら二人を教室の外に追い出した。


79 名前:Classical名無しさん :04/11/17 17:15 ID:2axbmWmg
ピシャリとドアが閉まる。
途端に中からいろいろな声が飛び交う。
「あの二人あんな関係だったの?」
「俺のサラちゃんが……毒でも盛るか」

「なんかすごいことになってるんだが…」
抗議する麻生の腕を引っ張って茶道部の部室に連れていくサラ
「ここなら誰もいませんよ。早く食べましょうよ。」
「ここまできたら食うが…何が目的だ?」


80 名前:Classical名無しさん :04/11/17 17:19 ID:2axbmWmg
明らかに何かを隠している様子だ。ごまかすように弁当を広げる。

半分ほど減ったころだろうか、今まで喋らなかったサラが口を開いた。
「今度教会で収穫祭をやるんですけど…」
「そりゃよかった。ガキどもも喜ぶだろ」
冷たくあしらう麻生
「それでですね……準備に男手が必要なんですけど………センパイ手伝ってもらえませんか?」


81 名前:Classical名無しさん :04/11/17 17:28 ID:2axbmWmg
「それが目的か………いい加減にしろ。いい迷惑だ。おかげで俺は教室に帰れん。」
「センパイごめんなさい……センパイ素っ気ないし、ただ頼んでもやってくれなさそうだったんで…これぐらいしか思いつかなかったんです」
心なしか小さく見えるサラ
「まぁいい。暇な日なら手伝ってやらないことはない。まぁ何だ、弁当もおいしかったしな…ただあんなやり方はやめてくれ。しょうもない噂がたつからな。」
嬉しそうな眼差しで麻生見つめるサラ
「ありがとうございます。よかったぁ〜あ、また作ってきますね。」




その後、教室での2ショットを冬木にフライデーされ、全校にばらまかれたのは余談である
2007年04月24日(火) 12:31:50 Modified by ID:EBvjy16zhA




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