IF18・決着

76 名前:決着 :04/12/09 10:21 ID:zSWji2G.
 サバゲーに決着がついた。
 メガネがうるさく言ってくるのを無視して、教室に戻る。
 鞄を持って帰ろうとしたら、呼び止められた。
「ちょっと播磨君。待ってくれる?」
 声の主は、天満ちゃんの友達…たしか高野だった。
「ん? なんだ?」
「大した手間はとらせないわ。ちょっと屋上に付き合って欲しいの。そうしたらコレを…」
 そう言って取り出したのは、天満ちゃんの写真だった。
「夏休みに海に行った時の秘蔵写真よ。どう?」
 俺はすぐに行動に移した。
「じゃ、行くか」と。
 
 屋上に着いて、高野が説明を始めた。
「サバゲーを私が記録映画で文化祭に出品するのは知っているわね? それで播磨君のシーンを取り直したいの。ちょっとうつ伏せになってくれる?」
(そういえば、最後はうつ伏せだったっけ)と思いながら、うつ伏せになる。
「そう、そんな感じ。それでさっきのセリフを行って欲しいの」
「ワリイ、何て言ったか覚えてねえんだ」
「大丈夫。私が教えるから」
 棒読みになったりして、何回かのやり直しの後、OKが出た。
「うん、コレで上手くいくわ。ありがとう、播磨君。じゃ、コレ写真ね」
「おう、どうってコトねえよ。写真、ありがとな」
 帰り道、写真を見ていて、ふと思い出した。



77 名前:決着 :04/12/09 10:21 ID:zSWji2G.
(そういや俺、あんな事言ったっけ? ま、いいか)
 
 そして文化祭になった。
 高野の記録映画を見た連中から、俺は評判が良くなった。
「播磨さんって、本当は凄くいい人だったんですね。感激しました!」
 などと下級生が言ってきた。
 反対に、メガネのヤツは評判が悪くなった。
「花井さんて、二股かけてるんですね! 最低!」
「あんなヤツだったとはな…向こうだって迷惑だろうに…」
 などど言われていた。
(俺、何かやったっけ?)そう思いながら、記録映画を見に行った。



78 名前:決着 :04/12/09 10:22 ID:zSWji2G.
 記録映画の会場は、丁度入れ替え時だった。
 空いている席につき、映画を見始める。
 向こうがわの作戦、お嬢もどきの出現、バンド組の参戦…
 俺の知らない様子だった。
 そして、メガネとの一騎打ちで、俺が負けた…
 そういえば、ココを撮り直したんだっけ。
 俺がうつ伏せになって、メガネとやり取りする所を。
「……フ お前が本気で周防に惚れてるとわかったからさ……」
(そうそう、何回かやり直したんだよな、このセリフ)
 そして、回想シーンになった。
俺が、周防を撃った所。
 メガネが「美コちゃーーーーーーん!!」と叫んでいた。
 これを見て、周りの生徒がささやき始める。
(あれ? 花井って一年の塚本が好きだったんじゃねえの?)
(だよね、『八雲くーん』とか言ってるよね)
(いや、本当は周防が好きなんじゃねえの? 播磨君もそれを感じて…)
(播磨君、いい人じゃん。でも花井は…本命は周防で、次に塚本か? 許せねえ!)
 何か妙な雰囲気になっていった。



79 名前:決着 :04/12/09 10:23 ID:zSWji2G.
そして、映画が終わった。
教室に戻ると、メガネが2−Cの皆に囲まれていた。
「どういう事だ、花井。ハッキリしてもらおうか?」
「周防さんと塚本さん、どっちがいいの?」
 メガネは必死に弁解していた。
「ぼ、僕が好きなのは、八雲君だけだ!」
 それを聞いて、更に詰め寄られる。
「じゃあ、『美コちゃーーん』ってのはなんなんだ?」
「周防さんは、遊びなのね? 最低!」
 遂には、天満ちゃんが言った。
「八雲は播磨君と付き合ってるの! 二人の邪魔をしないで!」
「そ、そんな……」
 がっくりとうなだれるメガネ。
 何故か、そんなメガネを嬉しそうに見る高野だった…
 
おわり
2008年10月15日(水) 14:24:37 Modified by ID:C/WkzodTIQ




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