IF19・「ある日突然空を飛ぼう」

669 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:23 ID:LtxX3rCQ

「ま,こんなもんよね〜」
ふふ
あいつどんな顔するかしら
喜ぶ?
それとも困った顔する?
この私からもらうのだから
ちょっとは嬉しそうにしなさいよ






670 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:25 ID:LtxX3rCQ

とある国の城内,エリー王女という美しいこの国のお姫様がいました
しかし,いま国は戦争中でついに城内にまで敵が入りこんできてしいました
「愛理姫,はやくお逃げにならなければ」
この娘はおつきのミコ
「さあこちらです」
手招きするのはおつき2号アッキラ
「きゃーーー,敵がーーーー!」
勢いよく部屋に入ってきたのはおつきV3テンマチャン
その後をどかどかと数人入りこんでくる
その中心にはチビでブサイクで下品な敵国の王子
以前から私に求婚してきてる身の程知らずのバカ王子だ
「はっはっはー,エリー姫!あなたはこのヨシダヤーマの妻にしてやろう」
おつき達をなぎ払い私に手を伸ばしてきた
「グヘヘヘヘ」
「イヤーーーー!!」
悲鳴をあげ助けを求める
お願い
助けて
なぜかその瞬間あいつの姿が思い浮かんだ
「助けにまいりました!」
「え?」
漆黒に輝くサングラス
もさもさと風になびくヒゲ
キリンに乗った一人の騎士
兵士のくせに王女である私にタメ口を聞く無礼者
そして気になるヤツ
もしかして
ヒゲ
助けに来てくれたの・・・
私のために・・・


671 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:26 ID:LtxX3rCQ

「テンマチャーーーーーンっ!」


がばっ!!
「・・・・・」
ちゅんちゅんちゅん
はーっとため息ひとつ
「・・・なんで〜」
枕に顔をうずめる愛理
そのせいで今彼女がどんな顔になっているのかわからないのが残念だ


今日も快晴
いつものように学校に向かうお嬢様
その鞄の中身はいつもと少し違うのだがそんなことは誰も知らない
だけど
なにやらご機嫌ナナメの様子
「なんで私じゃなくて天満なのよ〜」
少しだけプリプリしながら歩く愛理
普段は学園のアイドルのように学校中の男子から拝められているが
最近よくこういうふうに怒りゲージ満タンなときがある
いつもは憧れの眼差しで目を向ける男子たちだが
このときばっかりかは目が合わないように顔をそらす
以前こういう状態のときに声をかけた男子がこっぴどく罵られたことがあったから
「おっす沢近」
「おはよう愛理」


672 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:27 ID:LtxX3rCQ

「あ〜〜,おはよ〜〜」
友達1号2号が声をかけてきた
「なんだ?投げやりなあいさつだな〜?」
「なにかあった?」
「べっつに〜,な〜んもないわよ・・・はぁ」
ため息をつく愛理に美琴がつっかかる
「それってなにかあるって言ってるのと同じだぞ〜?」
「だからなにもないって」
とそこへ
「誰かに何かをあげるとか?」
ビクゥッ
しれっと晶が言う
「そっ,そんなじゃないわよっ!」
愛理はときどき晶は心が読めるのじゃないかと思うときあがある
「だって。誰だと思う?美琴」
「違うって言ってるでしょっ!」
「え〜〜?誰って,う〜んそんなのあいつくら・・・」
「わーーわーー言わなくいいっ!いいからっ!」
「はいはい」
「わかったわかった」
2人とも優しい顔で私の肩に手を置く
「安心しろって。誰も取ったりしないから。誰だかわかんねぇけどっ!」
「むしろ応援してるわ。誰だかわからないということにしとくわ」
違うって言ってるのに・・・
とぼとぼと歩く愛理の視界に1人の人物が入ってきた
あっ?
あれは!
目に入った瞬間ちょっとだけ鞄をつかむ手の力が強くなる


673 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:28 ID:LtxX3rCQ

ああっ,もう
見てるとイライラする
文句のひとつでも言ってやろうかしら
愛理に少しだけ元気が戻った
「お,おはよう塚本」
えっ!?
ギクシャクとあいさつする播磨
その相手とは
「あ,おはよう播磨くん!」
友達V3の塚本天満だった
「お,おはようございます播磨さん・・・」
ていうか八雲もいるんですけどねぇ
どうやら今の播磨にはそんな余裕はないみたい
天満ちゃんからチョコ天満ちゃんからチョコ天満ちゃんからチョコ
ありえない妄想で頭が一杯
そんなことはつゆ知らず呑気にあいさつを返す天満ちゃん
それを受けて播磨は鼻の下を伸ばす


674 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:40 ID:LtxX3rCQ

ブチッ

「今なんか切れなかっ・・・」
言いながら美琴が横を向いたら
いるはずの愛理がいなくなっていた
「あ,あれ?」
「あそこよ」
「え?」
目標補足
タタタタタ
タンッ
輝く金髪をなびかせて
彼女は
空を飛んだ

ゴスッ

「ぐはっ」
お見事!
伝家の宝刀シャイニングウィザード!
スタッと華麗な着地!
「ふんだっ!!」
「な,なんで・・・?」
バタッ


675 :ある日突然空を飛ぼう :05/02/14 09:41 ID:LtxX3rCQ

「ふんっ!」
ビシィッと播磨の顔になにやらかわいらしく包装された箱が叩きつけられる
「あんたにはそれで十分よっ!捨てたりなんかしたらただじゃおかないからね!」
鬼の形相
「え,愛理ちゃんどうしたの〜〜?」
「ほら,行くわよ天満。遅刻しちゃうでしょ」
「え?え〜〜っ?」
愛理にずるずると引っ張られて学校に向かう2人
「あ,あいつ,俺がなにしたっていうんだ?」
意識が消えゆく播磨に近づいてきた美琴と晶が
「「あんたが悪い」」
「意味わからん・・・」
ガクッ
「あ,あの,コレどうぞ・・・」
そっと八雲がひかえめに播磨の横にこれまたひかえめな包装された箱を置いていく
「た,食べてくれるとうれしいです,では・・・・・」
タタタタ

さりげに播磨の戦果2個
それでもあわれ播磨と言うしかない
触れてはいけない怒りに触れたばっかりに不幸なことに(本人のせいじゃないのに)
本命からはもらえなかったし
誰かさん風に言うと
ま,あんたにはお似合いよね

〜「ある日突然空を飛ぼう」〜S3から出張してみました
fin
2010年11月17日(水) 14:27:52 Modified by ID:/AHkjZedow




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