IF20・八雲ガンバレ!播磨のために!

798 :八雲ガンバレ!播磨のために! :05/03/14 01:11 ID:s2iwHEac
「あら、来てくれたのね」
 真夜中の、誰もいない遊園地。煌々と輝く照明は、おとぎの国をなにか
酷薄な情景へと変えていた。流れるネオンの前に、一人の少女の姿。
「私に勝てたら、約束どおり、ブラッディマリーをご馳走してあげるわ」
 金色の髪に色とりどりのネオンをまとわせて、少女は高笑いをあげた。
「でも、その前に」
 二つの影が、ゆらり、と立ち上がる。
「こちらのご相手をお願いするわね」
 銃を持った長身の女性と、道着姿に黒ブチ眼鏡の男。相対するは可憐な少女。
 少女は目の前の二人を、障害と認識していないようだ。しかし、
「うりゃああああ!」
「てぇいいいいい!」
 急襲する二人!
 しかし、少女は既にその場にいない。二人の背後で、まるで何事も
無かったかのように歩き出す。
「臆したかね八雲君」
「観念したまえヤクモ……んんッ!!」
 突如二人の身体に電撃に似たものが走る。そして
「ひっ、ひ○ぶー!!」
 脳天から血を吹いて倒れた。
 少女はわずかに瞠目するが、歩みを止めることは無い。ただ、呟く。
「哀しみが……哀しみが私を変えました」


799 :応援ファンレター待っています…… :05/03/14 01:13 ID:s2iwHEac
「ちいっ、次はこれよ!」
 ちゅどーん!(80年代的擬音)
「何っ、12機のリックドムがわずか3分で!」
「もう、貴方しか残っていないわ」
 その声に愛理は振り向く。明るく輝く回転木馬の前。そこにいたのは、少女の
姿をした、修羅。
「貴方……そんなにヒゲのホワイトデーのお返しが欲しかったの?」
 視線が交差する。
「……ふふ、もう遅いわよ。ヒゲのハートは私が頂いたもの」
 視線を追って少女が見つけたのは、
「播磨さん!」
 彼女の思い人、播磨拳児は天空高く聳えるポールに縛り付けられていた。
 その一瞬、注意が逸れた一瞬、
「……これでも!!」
 愛理は肩のポッドからミサイルを乱射した。
 次々にミサイルが着弾し、爆発と爆風が吹き荒れる。
「やった……の??」
「外れよ」
「何っ!!」
 見上げた頭上に、輝くオーラを纏った少女の姿。
「これでも食らいなさい!」
 愛理は両手を正面で組むと、
「オジョー・ビームッ!!」
 激しい閃光が少女を襲う。しかし、その閃光は少女の手前で弾け散る。



800 :kono :05/03/14 01:13 ID:s2iwHEac
「ふふ……やるわねヤクモ、私の最大のライバル」
「貴方こそ」
 再び視線が交差する。その一瞬に機は動く!
「食らえ、吾が最大の必殺技!シャイニング・ウィザード!!」
「サイコキネシス最大出力っ!!」
 ブースターで跳び上がる愛理の膝をかいくぐり、念動力の塊をぶつける!
「くぅ……っつ!!」
「うぅ……やるわね、ヤクモ……」
 その一瞬後、爆発が二人を襲った……


「八雲、もう寝なさい。ちゃんと寝ないと身体に悪いよー」
 塚本天満は、暗い室内にカリカリと響くペンの音を気にしないように
して、あかるく声を掛けた。
 八雲が登校拒否になってもう3日目。理由を教えてくれないまま、気が
付くと漫画を描いている模様。
 おねぇちゃん、一体どうしたらいいの?
 天満は八雲の部屋のドアをそっと閉めると、頭を抱えた。
2010年11月21日(日) 12:29:13 Modified by ID:/AHkjZedow




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