IF23・『学校、辞めよっかな…』 (リレー)

キーコ…   キーコ… 公園のブランコで黄昏ていたのは、播磨だった。
今日、播磨は告白した。 
そして、玉砕した。
天満は烏丸が好きなのは、解っていた。
でも、諦め切れなかった。
悩みぬいた末に、告白した。
でも、返事はごめんなさいだった。
一つだけ、良い点があった。 
誤解が解けたこと。
告白の過程で、播磨は説明した。 
中学生の時の出会いと誤解、海に行った時の事、そして八雲との事に、漫画の事…
天満は最初戸惑っていたが、播磨の真剣な説明に最後は何とか納得した。
「播磨君、ありがとう…これからも友達でいてくれるかな?」
天満の問いに、播磨は勿論だと答えた。
(でもよ、明日からどんなツラして天満ちゃんに会えばいいんだよ?)
辺りはすっかり夕暮れになっても、播磨は悶々と悩んでいた。
天満に振られた今となっては、学校に行く事も意味がない。 
漫画も意味がなくなってしまった。
「学校、辞めよっかな…」
俯いて呟く播磨に、近づく影があった。



622 :Classical名無しさん:05/05/24 00:26 ID:AOWdB9W6
「今の言葉、本当ですか播磨さん?」
播磨が顔を上げると、目の前に八雲の姿があった。
「妹さん…聞かれちまったか。ああ、辞めようと思ってるんだ」
自嘲気味に話す播磨に、八雲は訪ねた。
「では、漫画はどうするんですか? それも、辞めてしまうんですか?」
播磨はうっと返答に詰まった。
「今まで妹さんには世話になったな。 でも、天満ちゃんに振られちゃな…」
元々、天満ちゃんに告白するために描いていたんだしなと言う播磨に八雲は更に訊ねた。
「じゃ、文化祭のアレは嘘だったんですか? 頑張るぞって…嘘だったんですか?」
八雲の目には、涙が浮かんでいた。
「私は、嫌です。辞めないでください、播磨さん」
とうとう泣き出してしまった八雲。 播磨はブランコから立ち上がって八雲を見つめた。
(妹さん…こんなにまでなってまで俺を…なのに俺は…こんな良い子を泣かして…よし!)
播磨は八雲をそっと抱きしめた。
「すまねえ。すぐには無理だがよ、ちゃんと描くぜ。その時は手伝ってくれるか、八雲ちゃん」
八雲はハッと顔を上げた。
「今、八雲って…」
「ああ、天満ちゃんに振られちまった今じゃ、妹さんてのもな。まずかったか?」
八雲は首をぶんぶんと振った。
「いいえ、そんな事ありません。うれしいです」
再び八雲の目に涙が浮かぶ。
「ど、どうした? 大丈夫か?」
「違うんです。 嬉し涙です。 播磨さんから名前で呼ばれるのが、嬉しいんです」
「そ、そうか。 これから宜しくな、八雲ちゃん」
抱きしめ合う二人を、夕日が見つめていた。



勝手に>>622の続き


抱きしめ合う二人を、夕日が見つめていた。
ついでに花井も見つめていた…。

キーコ…   キーコ… 公園のブランコで黄昏ていたのは、花井だった。
今日、花井は目撃した。 
そして、玉砕した。
八雲は播磨が好きなんじゃないかと疑っていた。
でも、信じられなかった。
悩みぬいた末に、尾行した。
でも、現実は残酷だった。
一つだけ、良い点があった。 
八雲の笑顔が見れたこと。
八雲の告白の過程で花井は悟った、自分はただの道化だったと。
それでも、八雲が幸せならばよいと考えた。
(だが、明日からどんな顔をして八雲君に会えばいいのだろう?)
辺りはすっかり夕暮れになっても、花井は悶々と悩んでいた。
八雲が播磨と正式に交際を始めた今となっては、学校でそれを見るのは辛すぎる。
茶道部も意味がなくなってしまった。
「学校、辞めよっかな…」
俯いて呟く花井に、近づく影があった。


↓続きを頼む


628 :Classical名無しさん:05/05/24 01:14 ID:R4hrwjAI
「そんなさびしい事言ってくれるなよ、花井」
花井が顔を上げると、目の前に東郷の姿があった。
「お前、東郷…」
「そう構えるな。俺達は色々あったが、今となってはお互いが唯一の理解者なのサ」
「何?まさかお前も…!?」
肩をすくめるような仕草をして話す東郷に、花井は思わず訪ねた。
「おっと、これ以上は野暮ってもんさ。とにかく俺達は同士さ。
悲しみは分かち合おうじゃないか。今夜は俺の行きつけのバーへ招待するぜ」
花井の目に涙が浮かぶ。
「東郷!」
抱きしめ合う二人を、夕日が見つめていた。


↓限界。続きよろしく。


629 :Classical名無しさん:05/05/24 01:36 ID:w1rToXME
師匠が出てこない・・・



↓ 次おながい


630 :Classical名無しさん:05/05/24 02:19 ID:/3RDI1vQ
勝手に627の続き

「みんなには悪いと思う。 しかし、この先播磨と八雲君を見ていくのは…」
八雲の笑顔が見れるのはうれしい、しかしその笑顔を自分では作ってあげることができないのはそれを上回るくらいつらい
そう続ける花井に美琴はただ黙っていることしかできなかった。
「結局全部僕の一人相撲だったんだよ…文化祭でのできごとを考えれば八雲君の気持ちに…」
無表情という仮面はとうに剥がれ落ち、花井の目には涙が浮かんでいた。
「あの時播磨の気持ちを知っただけで…有頂天に…大事なのは…八雲君がどう思っているかということなのに…」
目に浮かんでいた涙は一筋の川になり彼のほほを留まることなく流れていく… 
「結局僕はわかってたけど認めたくなくて逃げ…「もういい、何も言うな…」…周防…」
美琴は花井の言葉を遮ると、まるで赤ん坊を抱くかのようにそっと抱きしめた。
(…!?アタシなにやって…でもこうするのが当たり前っていうか、今こう考えてるの方がおかしいって言うか…そんな感じがする…)
自分の腕の中ですっかり泣き止み少し恥ずかしそうにしている花井を見て、彼女の想いはある結論へと加速していく。
(そうだ、アタシはずっとコイツのことが…幼馴染っていう心地よい関係を壊したくなくて今まで気づかないふりしてたんだな。)
「アタシ、お前のこと好きだよ、花井。」
花井はハッと顔を上げた。
「今、周防何を…?」


631 :Classical名無しさん:05/05/24 02:20 ID:/3RDI1vQ
「ああ、八雲ちゃんに振られちまった今じゃ、ちょっと卑怯だったか?」
花井は首をぶんぶんと振った。
「いや、そんな事は…だが…」
花井の表情に再び浮か苦悩の色に、美琴が凍りつく。
「ど、どうした?やっぱまずかったか? 」
「いや、違うんだ。今ミコちゃんに言われて気づいたんだ、僕もミコちゃんのことが好きだったってこと。 」
その言葉で美琴の表情に輝きが戻る。
「だが…まだ心のどこかで八雲君のこと…」
そこまで言って再び花井の言葉は遮られる…もっとも今回は言葉ではなく、唇でだが。
「わかってるって、これでもお前のことは誰よりよくわかってるつもりなんだがな」
「…いいのか、それで?」
「あぁ、悔しいけどそういう一生懸命で一途なとこも好きなんだよな。」
再び花井に近づき、美琴はささやく。
「今は無理でも八雲ちゃんに向けてたぶんも絶対アタシにむかせてやるから覚悟しとけよ、春樹!」
抱きしめ合い再び唇を交わす二人を、夕日が見つめていた。

ついでに今鳥も見つめていた

↓つづ(ry


632 :Classical名無しさん:05/05/24 02:21 ID:/3RDI1vQ
くそ、勢いで書いてたらリロードするのすっかり忘れちまったorz


633 :Classical名無しさん:05/05/24 02:49 ID:w1rToXME
632
(>627の最後に)パラグラフ分岐つけよう。 >628の後は
 東郷とウホッやしっちゃかめっちゃかの展開でもいいし
 家に行ったら東郷の妹にホれられる奇想天外でもいいし

 >630-631はよくまとまってるとおもうのよ。



634 :Classical名無しさん:05/05/24 03:49 ID:fCmur/nI
ドミノ式にカップル成立だな


635 :Classical名無しさん:05/05/24 08:17 ID:AOWdB9W6
抱きしめ合う二人を、夕日が見つめていた。
ついでに今鳥も見つめていた…。

キーコ…   キーコ… 公園のブランコで黄昏ていたのは、今鳥だった。
今日、今鳥は目撃した。 
そして、玉砕した。
美琴は花井が好きなんじゃないかと疑っていた。
でも、信じられなかった。
悩みぬいた末に、尾行した。
でも、現実は残酷だった。
一つだけ、良い点があった。 
美琴の笑顔が見れたこと。
美琴の告白の過程で今鳥は悟った、自分はただの道化だったと。
それでも、美琴が幸せならばよいと考えた。
(けど、明日からどんな顔をしてミコチンに会えばいいんだろう?)
辺りはすっかり夕暮れになっても、今鳥は悶々と悩んでいた。
美琴が花井と正式に交際を始めた今となっては、学校でそれを見るのは辛すぎる。
いつものスキンシップも意味がなくなってしまった。
「学校、辞めよっかな…」
俯いて呟く今鳥に、近づく影があった。


636 :Classical名無しさん:05/05/24 08:41 ID:Gf4Yr5eY
「え、え〜と、今鳥さん?デュワッ!」
「何やってんだよイチさん…」

ネタ投下で


↓ 次おながい

>636
「え、え〜と、今鳥さん?デュワッ!」
「何やってんだよイチさん…」
 真顔で問い返されて一条は赤面した。
「いえ・・・その・・・ドジビロンのマネなんですけど・・・」
「いや、わかるって」
「あと、イチさんはやめてください」
「んじゃ、どう呼べばいいのよ?」
 そう問い返されて、一条は真顔で考え込む。そして、意を決したように言う。
「た、例えば、か、か、か・・・」
「カラス?」
 今鳥の言葉に一条は反射的に返す。
「す、す、ストーブ」
今鳥「ブリ」 一条「リス」 今鳥「スイカ」
 そこまで言ったところで一条は目をつぶって叫んだ。
「かれん!!」
「いや、それ終わっちゃうだろ。それに人の名前は反則だ」
「そ、そうじゃなくって・・・」
 一条は、真っ赤に染まった顔をうつむけて必死に言う。
「で、できれば、かれんって呼んで欲しいなって」
「一条・・・」
「ダメ・・・でしょうか」
「ダメじゃねえよ。かれん」
「い、今鳥さん!」
 思わず叫んだ一条の唇を、今鳥は人差し指で押さえた。
「俺のことは恭介でいい」
 どちらからともなく抱きしめあった二人を夕日が見つめていた。
2007年09月13日(木) 17:28:51 Modified by ID:LOVLpNCrSQ




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