IF23・ズ○○イン・ツンデレ
8 :ズ○○イン・ツンデレ:05/04/28 14:50 ID:tyYnRcok
「ヒゲ」
「……あん?」
「…………何よ、その間は」
「………………おめーこそ何だよ」
―――面白い。
今、教室で微妙な会話を続けている沢近さんと播磨君を寝たふりをしながら見る。
―――本当に、面白い。
「………………べっつに?なんでもないわよ?」
「……………………なんでもねーなら呼びかけねーべ?ふつー」
「…………………………何でもないったら」
何時もはもっと激しい喧嘩なのだが、今日はやたら静か―――というか、見る人によってはイチャイチャしてるように見える。―――何故か?
何故なら……二人の傍らで、塚本天満その人が寝ているからだ。うん。―――本当にぐっすりと。
可愛いなぁ……っと、違う、違う。
沢近さんは塚本の親友だ。そして播磨君は……彼女にゾッコン☆ラブだ。
そんな二人が、ベクトルは違っても彼女のことを大事に思っている二人が、こんな場所で大声で喧嘩できるわけがない。もしも出来たら、二人の持っている辞書にはTPOという文字がない事になる。―――播磨君はリアルで持ってない気がするけど、きっとそうだ。
9 :ズ○○イン・ツンデレ:05/04/28 14:51 ID:tyYnRcok
なので。
「…………………………何だよ、人の顔ジロジロ見やがって」
「………………………………サングラス、外しなさい」
「……………………………………何でだよ」
「…………………………………………そっちの方が―――」
「………………………………………………あん?」
このように、喧嘩と言うよりツンデレが一方的にデレデレしてる状況が出来るわけです。
と言うか、君達、他の人達がニヤニヤしながら見てるけど? ―――眼中にないか、そうですか。
「…………………………………」
「…………………………………」
「………………………………………」
「…………………………………………ゎ、わかったよ、ったく」
目を潤ませながらじっと見つめる沢近さんに、播磨君陥落。
ゆっくりとサングラスを外します。―――結構、イケメン? いや、思ったより良かったからそう思えるのか。
沢近さんは―――案の定というか、半ば予想できていましたが―――魅入ってます。
正直、沢近さんに言い寄って来る男の方の方が余程かっこいいんだけど……。
惚れた弱みって言うんだろうな、こーいうの。
「……………………………もういいだろ?」
「………………………………………ううん、だめ」
「………………………………………ゴメンナサイ、マジでこれ以上はやめて」
「……………………………………………だめだからね、絶対」
10 :ズ○○イン・ツンデレ:05/04/28 14:51 ID:tyYnRcok
段々良い雰囲気になってきます。―――違うか。
沢近さんが一方的にそんな雰囲気になってるだけか。
あー、でも播磨君も段々その気に? 流されやすいなぁ。
「―――ふぁああ〜良く寝た!―――あれ?皆どうしたの?」
良い雰囲気を一瞬で打ち壊した我らが鈍感天使塚本天満。
周りを見て、他の皆の視線の先にある二人を見ます。
「あれ?愛理ちゃんに―――え?」
「………………………!!!」
「―――へんたいさん?」
その後の出来事は推して知るべし。
以上!奈良健太郎が実況生中継でお伝えしました〜!
2007年09月11日(火) 17:39:29 Modified by ID:LOVLpNCrSQ