IF24・播磨拳児が○○に○○を 3
758 :Classical名無しさん:05/08/09 16:05 ID:78KIqWXA
「やらんやらんっ!!絶対おかしいって!!播磨ばっかじゃねーーかっ!」
「たまたまよ。」
「うそつけーーーーー!」
周防が暴れ、高野がどうどうとなだめる。一方播磨は、
(ポッキーゲームってなんだ?そういや天満ちゃんの誕生日会でそんなこと
言ってたような……、どんなゲームなんだ…。ポッキー?……早く天満ちゃんの
とびきりの笑顔……見てえ。)
「じゃあまたとなりの部屋で。」
「お、おう。」
先に行く播磨。もはや天満のことしか頭になかった。
「ミコちゃ〜〜〜ん、やっぱオ・ト・ナ。」
「だあーーーーー!!もうっ!」
(八雲、あれ書いたの私。)
(えっ……サラ?)
(あ〜あ、八雲喜ばしてあげようと思ったんだけどな〜。)
(サッ…サラ?私は…そんなこと…)
(残念だな〜。)
すると
(八雲〜)
(姉さん…。)
(ほら…ゲームだから、あんまり気にしないでっ!)
(だ、だから…私は…その別に…。)
天満がやさしく八雲を励ます。勘違いのまま。
759 :Classical名無しさん:05/08/09 16:10 ID:78KIqWXA
「ほら、播磨君は裸おどりまでしたのよ。」
「うっ。」
「そーだよ、ミコちゃん!ほらっ!」
「わかったよっ!もうっ!やればいいんだろ、やれば!」
「…………。」
沢近がジト目で周防を見ていた。
「沢近?なにムスッとしてんだ?」
「……別にしてないわ。」
そしてなぜか用意されたポッキーを高野に渡され隣の部屋に向かう周防。
(わ、わりーな、遅くなって。)
(おう。)
(は、播磨…。)
(なんだ。)
(いーのか?その……)
(ああ、早くポッキーゲームとやらを始めようぜ。)
760 :Classical名無しさん:05/08/09 16:15 ID:78KIqWXA
(う…うん。じゃあ、そのさ…とりあえず、目つむっててよ…)
(目を閉じりゃあいいんだな。)
(え…うん。…播磨…背高いな……。)
(そうか?)
(その…すこしかがんでくれないかな…、や、やりにくいから…。)
(おう。)
(じゃあ、このポッキー、口にくわえててよ。)
(何も見えねえ。)
(あ、そっか…。ご、ごめん。じゃあ、これ。)
(………ん。)
(じゃあ…いくよ?)
(…………。)
(腕………少し掴む…な…。)
(…………。)
パリッパリッ…パリパリ………ポキン
(………はあ、はあ。)
(………ん?)
(………お、終わったよ。)
(………ん。)
(その…口にあるポッキー……た、食べていいよ…。)
(パリポリ……、ん。もう終わったのか、ポッキーゲームは。)
(え……う、うん。まあ……。)
(そうか、じゃあもう目開けてもいいか?)
(う、うん…。)
(どうした?周防。大丈夫か?顔が赤いぜ。)
(だ、大丈夫だよっ。)
761 :Classical名無しさん:05/08/09 16:19 ID:78KIqWXA
そして部室に戻る二人。天満が大きな声で迎える。
「どうだった〜〜〜?ミコちゃ〜〜ん!」
「えっ、いや、どうって。」
慌てる周防。
「播磨君は?」
「……、ああ、うまかったぜ。」
「えーーーーー!?ど、どういうことー?なにがっ!?なにがっ!?」
「美琴、アンタまさか……。」
「違うっ!!!は、播磨!なにいってんだよっ!」
「は?なにがってポッキーだろ。」
相変わらず播磨はどうしようもなかった。
「じゃあ次ね。」
「わーーーー、次はなんだろう!」
天満だけが元気なままだった。
一つ目の箱からプレートを取り出す高野。
「播磨拳児が…。」
「また播磨かよっ!!」
周防がつっこむ。
「播磨君、くじ運強いわ。」
「…………。」
高野の言葉に、無言のままの播磨だった。
そして二つ目の箱、
「塚本八雲……。」
762 :Classical名無しさん:05/08/09 16:24 ID:78KIqWXA
「………と下の名前で呼び合う。」
「………なんだ、それ?」
思わず口に出す周防。
「………妙な事書くやつもいるもんだな、なあ?沢近。」
「………。」
周防の言葉に、不自然に黙り込む沢近。
「ま、まさか、アンタが書いたの?」
「違います。」
即答する沢近だった。
(八雲〜〜)
ニヤニヤするサラ
(よかったね。)
(え…、そ、そんな……。)
あたふたする八雲。
「じゃあまたとなりの部屋で。」
(…行く必要、あるのか?)
周防がひとり思っていた。そして播磨がふと天満を見る。すると、
グッと、親指を立てる天満の姿が。
(て、天満ちゃん。どういうこったー!天満ちゃんが、この俺を……
よし、わかったぜ、このゲーム。頑張るしかねえ!)
そして天満に、グッと、親指を立てる播磨。
そして隣の部屋に向かう―
763 :Classical名無しさん:05/08/09 16:29 ID:78KIqWXA
(ほら、八雲。)
(う、うん…。)
サラが八雲を促す。そして――――
(い、妹さん。)
(あ、播磨さん……。)
かすかに声が聞こえる。それに聞き耳を立てるサラと天満。
(その……下の名前で呼び合う………だそうです…。)
(お、おう。そうな。)
(じゃあ………その……い、いきます……。)
二人にしばし沈黙が流れる。そして――
(あの……け、拳児…さん……。)
(お、お、おう。)
少し動揺する播磨。
(その……け、拳児さんも……その……。)
(おう、わかったぜ。)
(………。)
(塚本…。)
(え………、あ、あの……下の名前……だそうですから…。)
(わ、わりい。)
(い、いえ……。)
(じゃあ、ん。や、八雲。)
(は、はい………。け、拳児さん…。)
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
下を向いて恥ずかしそうにする八雲、そして照れ隠しなのか―――
播磨は頭をぼりぼりと掻いていた。
765 :Classical名無しさん:05/08/09 16:39 ID:78KIqWXA
そんな様子をこっそりとドアの隙間から覗くサラと天満
(わあ、いい雰囲気ですね。)
(うんうん、八雲、がんばってるねっ!)
「覗きなんてあんまよくねーぞー。」
周防が二人に近づく。
(しっ、ミコちゃん。声が大きいよっ!)
(そうですよ。二人の邪魔になりますよ。)
(うっ、ご、ごめん。)
真剣に二人おこられる周防だった。
そしてまた播磨と八雲の声が聞こえてくる。
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
――――まだ呼び合っていた。
(お、おい。いいのか。そろそろ止めねーと。なんかずっと呼び合ってそうな気が…。)
(そうね。)
ヌッと高野が現れた。そして―――ガチャ――
「もういいかしら、八雲、播磨君。」
「あ、高野先輩。」
「そろそろ最後のゲームにするから。」
「あ……は、はい…す、すみません…。」
みな、もとの位置に戻り、席についた――
766 :Classical名無しさん:05/08/09 16:41 ID:78KIqWXA
「では、みなさん。最後のくじを引きます。」
一つ目の箱からプレートを取り出す高野。
「塚本天満が…。」
その瞬間、ビクンとする播磨。
そして二つ目の箱、
「播磨拳児……。」
もう、周防は何も言えなかった。
(来た…………、ようやく…………、この時が……!!。おれの想いを書いた
プレート……、カモン!!)
カチャリと――サングラスを中指で押しあげる。そして――
「…………のやっている腕立て伏せを見る。」
「えっ?」
播磨が素っ頓狂な声を上げた。
「いやー、それ書いたのアタシだ!何か罰ゲームっぽいものをと思って。」
周防がハハハと笑いながら話す。
「…………。」
ぽかんとする播磨。
「播磨く〜〜〜ん、頑張って!見てるよ!」
「おおよっ!!」
すぐさま席を立ち、その場で腕立て伏せを始める播磨。そして――五分が経過―
767 :Classical名無しさん:05/08/09 16:44 ID:78KIqWXA
「ま、まだやってるわよ、このヒゲ!」
「そうね。」
「も、もういいんじゃねーか?」
沢近、高野、周防が話す。すると天満、
「そうだよねっ、も、もういいよ!播磨君!」
「て……塚本。そう、いわれちゃあ男はひけねえよ。……ぜえぜえ。」
「でも…。」
(ま、待っててくれ。天満ちゃん。…はあはあ。まだ…や、やれるぜ…。)
そして……
「あっ……。」
八雲が声をあげたその瞬間、播磨はそのまま床に倒れこんだ。
「はっ、播磨君。大丈夫っ!?」
天満が声かけるもうつぶせのまま動かない播磨。
「とにかく隣の部屋で寝かせましょう。」
高野がそう言うと、みんなは播磨を隣の部屋に運んだ。そして―――
「少しや休めば大丈夫だと思うわ。」
高野が皆にそう説明した。
「まさか気を失うまで腕立て伏せ…やるとは思わなかったよ。」
周防がそう言った。皆一様に不安な面持ちだった。すると―――
ガラガラッ―――部室の開く音がした。
768 :Classical名無しさん:05/08/09 16:47 ID:78KIqWXA
「いや〜〜〜〜!おまたせっ!八雲く〜ん!」
花井だった。
「は、花井先輩……。」
「頼まれていたものっ!やっと買ってきてね!遅くなってすまない!」
「な…何ですか?これ…」
「ハハハハハっ!すぐに必要だと聞いてね!いや〜、探すのに少々骨をおったよ。」
木彫りの熊だった。そして困惑する八雲。
「あ、あの……花井先輩…。」
「いやいやいいんだ。受け取ってくれたまえ!」
「いや…あの…。」
「さてっ!お茶会を始めようかっ!」
無駄に元気な花井に、困惑する一同。高野が口を開く、
「花井君、残念だけどもう終わりよ。」
「何〜〜〜!!それは本当か!?」
そして周防が
「ああ。今までゲームをしてたんだけどな。もう終わりだよ。」
「ううっ、何ということだ…、僕としたことが…。」
落ち込む花井、すると高野が
769 :Classical名無しさん:05/08/09 16:49 ID:78KIqWXA
「じゃあもう一回だけしましょうか。」
「本当か!高野君!それはかたじけない!」
「じゃあ花井君を参加させるということで、最初の人は花井君にしておくわ。」
「…一体どんなゲームなんだ?それは。」
花井がそういうと、周防が簡単に説明する。そして、
「よしっ!わかった!!それでは始めてくれ!!」
「それじゃいくわ。」
高野はそう言うとゲームを始める。
「花井春樹が。」
うんうんとうなずく花井。
そして二つ目の箱、
「播磨拳児……。」
そして最後の箱に手をのばす高野。
770 :Classical名無しさん:05/08/09 16:51 ID:78KIqWXA
「…………にとびきりの笑顔をみせて。」
しんとする茶道部の部室。すると花井、
「うむ、……承知した。」
花井以外、誰も口を開こうとしなかった。その頃―――播磨は―
(ん?ここは…、そうか…気を失っちまったんだな……、へへ…、
天満ちゃんにカッコわりいとこ見られちまったぜ…。)
哀愁を漂わせながら起き上がる播磨。すると――
ギィ……扉の開く音がする。
(ああ、天満ちゃん…、君になんていえば…。すまねえ…、でも、俺は君の
笑顔が……見たかっただけなんだ……。)
振り向く播磨、そこには――――とびきりの笑顔をしている――花井がいた―
「おい。」
「………。」
「メガネ…、何がそんなにおかしい………。」
「…………。」
「喧嘩売ってんだな、そうなんだな。」
「……………。」
ゴッ
「は、播磨!何をする!」
「………。」
「さ、そろそろ帰りましょうか。」
高野がそういうと、播磨、花井を残し、皆、茶道部を後にした―――
その後――――
771 :Classical名無しさん:05/08/09 16:55 ID:78KIqWXA
サラと八雲が話をしている。
「ねえ、八雲。」
「何…サラ?」
「八雲はあのプレートになんて書いたの?」
「え…………。」
「八雲のは読まれてないんじゃない?それとも読まれてた?」
「……そ、それは……ひ、秘密…。」
「え〜〜?八雲、教えて〜」
「………ダメ…。」
楽しそうに話すサラ、そして八雲―――
ふと―――空を見上げる―そして――読まれなかったプレートを――心の中で―
――――お昼休み―屋上で―――また――――――――
終劇(おしまい)
「やらんやらんっ!!絶対おかしいって!!播磨ばっかじゃねーーかっ!」
「たまたまよ。」
「うそつけーーーーー!」
周防が暴れ、高野がどうどうとなだめる。一方播磨は、
(ポッキーゲームってなんだ?そういや天満ちゃんの誕生日会でそんなこと
言ってたような……、どんなゲームなんだ…。ポッキー?……早く天満ちゃんの
とびきりの笑顔……見てえ。)
「じゃあまたとなりの部屋で。」
「お、おう。」
先に行く播磨。もはや天満のことしか頭になかった。
「ミコちゃ〜〜〜ん、やっぱオ・ト・ナ。」
「だあーーーーー!!もうっ!」
(八雲、あれ書いたの私。)
(えっ……サラ?)
(あ〜あ、八雲喜ばしてあげようと思ったんだけどな〜。)
(サッ…サラ?私は…そんなこと…)
(残念だな〜。)
すると
(八雲〜)
(姉さん…。)
(ほら…ゲームだから、あんまり気にしないでっ!)
(だ、だから…私は…その別に…。)
天満がやさしく八雲を励ます。勘違いのまま。
759 :Classical名無しさん:05/08/09 16:10 ID:78KIqWXA
「ほら、播磨君は裸おどりまでしたのよ。」
「うっ。」
「そーだよ、ミコちゃん!ほらっ!」
「わかったよっ!もうっ!やればいいんだろ、やれば!」
「…………。」
沢近がジト目で周防を見ていた。
「沢近?なにムスッとしてんだ?」
「……別にしてないわ。」
そしてなぜか用意されたポッキーを高野に渡され隣の部屋に向かう周防。
(わ、わりーな、遅くなって。)
(おう。)
(は、播磨…。)
(なんだ。)
(いーのか?その……)
(ああ、早くポッキーゲームとやらを始めようぜ。)
760 :Classical名無しさん:05/08/09 16:15 ID:78KIqWXA
(う…うん。じゃあ、そのさ…とりあえず、目つむっててよ…)
(目を閉じりゃあいいんだな。)
(え…うん。…播磨…背高いな……。)
(そうか?)
(その…すこしかがんでくれないかな…、や、やりにくいから…。)
(おう。)
(じゃあ、このポッキー、口にくわえててよ。)
(何も見えねえ。)
(あ、そっか…。ご、ごめん。じゃあ、これ。)
(………ん。)
(じゃあ…いくよ?)
(…………。)
(腕………少し掴む…な…。)
(…………。)
パリッパリッ…パリパリ………ポキン
(………はあ、はあ。)
(………ん?)
(………お、終わったよ。)
(………ん。)
(その…口にあるポッキー……た、食べていいよ…。)
(パリポリ……、ん。もう終わったのか、ポッキーゲームは。)
(え……う、うん。まあ……。)
(そうか、じゃあもう目開けてもいいか?)
(う、うん…。)
(どうした?周防。大丈夫か?顔が赤いぜ。)
(だ、大丈夫だよっ。)
761 :Classical名無しさん:05/08/09 16:19 ID:78KIqWXA
そして部室に戻る二人。天満が大きな声で迎える。
「どうだった〜〜〜?ミコちゃ〜〜ん!」
「えっ、いや、どうって。」
慌てる周防。
「播磨君は?」
「……、ああ、うまかったぜ。」
「えーーーーー!?ど、どういうことー?なにがっ!?なにがっ!?」
「美琴、アンタまさか……。」
「違うっ!!!は、播磨!なにいってんだよっ!」
「は?なにがってポッキーだろ。」
相変わらず播磨はどうしようもなかった。
「じゃあ次ね。」
「わーーーー、次はなんだろう!」
天満だけが元気なままだった。
一つ目の箱からプレートを取り出す高野。
「播磨拳児が…。」
「また播磨かよっ!!」
周防がつっこむ。
「播磨君、くじ運強いわ。」
「…………。」
高野の言葉に、無言のままの播磨だった。
そして二つ目の箱、
「塚本八雲……。」
762 :Classical名無しさん:05/08/09 16:24 ID:78KIqWXA
「………と下の名前で呼び合う。」
「………なんだ、それ?」
思わず口に出す周防。
「………妙な事書くやつもいるもんだな、なあ?沢近。」
「………。」
周防の言葉に、不自然に黙り込む沢近。
「ま、まさか、アンタが書いたの?」
「違います。」
即答する沢近だった。
(八雲〜〜)
ニヤニヤするサラ
(よかったね。)
(え…、そ、そんな……。)
あたふたする八雲。
「じゃあまたとなりの部屋で。」
(…行く必要、あるのか?)
周防がひとり思っていた。そして播磨がふと天満を見る。すると、
グッと、親指を立てる天満の姿が。
(て、天満ちゃん。どういうこったー!天満ちゃんが、この俺を……
よし、わかったぜ、このゲーム。頑張るしかねえ!)
そして天満に、グッと、親指を立てる播磨。
そして隣の部屋に向かう―
763 :Classical名無しさん:05/08/09 16:29 ID:78KIqWXA
(ほら、八雲。)
(う、うん…。)
サラが八雲を促す。そして――――
(い、妹さん。)
(あ、播磨さん……。)
かすかに声が聞こえる。それに聞き耳を立てるサラと天満。
(その……下の名前で呼び合う………だそうです…。)
(お、おう。そうな。)
(じゃあ………その……い、いきます……。)
二人にしばし沈黙が流れる。そして――
(あの……け、拳児…さん……。)
(お、お、おう。)
少し動揺する播磨。
(その……け、拳児さんも……その……。)
(おう、わかったぜ。)
(………。)
(塚本…。)
(え………、あ、あの……下の名前……だそうですから…。)
(わ、わりい。)
(い、いえ……。)
(じゃあ、ん。や、八雲。)
(は、はい………。け、拳児さん…。)
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
下を向いて恥ずかしそうにする八雲、そして照れ隠しなのか―――
播磨は頭をぼりぼりと掻いていた。
765 :Classical名無しさん:05/08/09 16:39 ID:78KIqWXA
そんな様子をこっそりとドアの隙間から覗くサラと天満
(わあ、いい雰囲気ですね。)
(うんうん、八雲、がんばってるねっ!)
「覗きなんてあんまよくねーぞー。」
周防が二人に近づく。
(しっ、ミコちゃん。声が大きいよっ!)
(そうですよ。二人の邪魔になりますよ。)
(うっ、ご、ごめん。)
真剣に二人おこられる周防だった。
そしてまた播磨と八雲の声が聞こえてくる。
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
(……八雲。)
(拳児…さん…。)
――――まだ呼び合っていた。
(お、おい。いいのか。そろそろ止めねーと。なんかずっと呼び合ってそうな気が…。)
(そうね。)
ヌッと高野が現れた。そして―――ガチャ――
「もういいかしら、八雲、播磨君。」
「あ、高野先輩。」
「そろそろ最後のゲームにするから。」
「あ……は、はい…す、すみません…。」
みな、もとの位置に戻り、席についた――
766 :Classical名無しさん:05/08/09 16:41 ID:78KIqWXA
「では、みなさん。最後のくじを引きます。」
一つ目の箱からプレートを取り出す高野。
「塚本天満が…。」
その瞬間、ビクンとする播磨。
そして二つ目の箱、
「播磨拳児……。」
もう、周防は何も言えなかった。
(来た…………、ようやく…………、この時が……!!。おれの想いを書いた
プレート……、カモン!!)
カチャリと――サングラスを中指で押しあげる。そして――
「…………のやっている腕立て伏せを見る。」
「えっ?」
播磨が素っ頓狂な声を上げた。
「いやー、それ書いたのアタシだ!何か罰ゲームっぽいものをと思って。」
周防がハハハと笑いながら話す。
「…………。」
ぽかんとする播磨。
「播磨く〜〜〜ん、頑張って!見てるよ!」
「おおよっ!!」
すぐさま席を立ち、その場で腕立て伏せを始める播磨。そして――五分が経過―
767 :Classical名無しさん:05/08/09 16:44 ID:78KIqWXA
「ま、まだやってるわよ、このヒゲ!」
「そうね。」
「も、もういいんじゃねーか?」
沢近、高野、周防が話す。すると天満、
「そうだよねっ、も、もういいよ!播磨君!」
「て……塚本。そう、いわれちゃあ男はひけねえよ。……ぜえぜえ。」
「でも…。」
(ま、待っててくれ。天満ちゃん。…はあはあ。まだ…や、やれるぜ…。)
そして……
「あっ……。」
八雲が声をあげたその瞬間、播磨はそのまま床に倒れこんだ。
「はっ、播磨君。大丈夫っ!?」
天満が声かけるもうつぶせのまま動かない播磨。
「とにかく隣の部屋で寝かせましょう。」
高野がそう言うと、みんなは播磨を隣の部屋に運んだ。そして―――
「少しや休めば大丈夫だと思うわ。」
高野が皆にそう説明した。
「まさか気を失うまで腕立て伏せ…やるとは思わなかったよ。」
周防がそう言った。皆一様に不安な面持ちだった。すると―――
ガラガラッ―――部室の開く音がした。
768 :Classical名無しさん:05/08/09 16:47 ID:78KIqWXA
「いや〜〜〜〜!おまたせっ!八雲く〜ん!」
花井だった。
「は、花井先輩……。」
「頼まれていたものっ!やっと買ってきてね!遅くなってすまない!」
「な…何ですか?これ…」
「ハハハハハっ!すぐに必要だと聞いてね!いや〜、探すのに少々骨をおったよ。」
木彫りの熊だった。そして困惑する八雲。
「あ、あの……花井先輩…。」
「いやいやいいんだ。受け取ってくれたまえ!」
「いや…あの…。」
「さてっ!お茶会を始めようかっ!」
無駄に元気な花井に、困惑する一同。高野が口を開く、
「花井君、残念だけどもう終わりよ。」
「何〜〜〜!!それは本当か!?」
そして周防が
「ああ。今までゲームをしてたんだけどな。もう終わりだよ。」
「ううっ、何ということだ…、僕としたことが…。」
落ち込む花井、すると高野が
769 :Classical名無しさん:05/08/09 16:49 ID:78KIqWXA
「じゃあもう一回だけしましょうか。」
「本当か!高野君!それはかたじけない!」
「じゃあ花井君を参加させるということで、最初の人は花井君にしておくわ。」
「…一体どんなゲームなんだ?それは。」
花井がそういうと、周防が簡単に説明する。そして、
「よしっ!わかった!!それでは始めてくれ!!」
「それじゃいくわ。」
高野はそう言うとゲームを始める。
「花井春樹が。」
うんうんとうなずく花井。
そして二つ目の箱、
「播磨拳児……。」
そして最後の箱に手をのばす高野。
770 :Classical名無しさん:05/08/09 16:51 ID:78KIqWXA
「…………にとびきりの笑顔をみせて。」
しんとする茶道部の部室。すると花井、
「うむ、……承知した。」
花井以外、誰も口を開こうとしなかった。その頃―――播磨は―
(ん?ここは…、そうか…気を失っちまったんだな……、へへ…、
天満ちゃんにカッコわりいとこ見られちまったぜ…。)
哀愁を漂わせながら起き上がる播磨。すると――
ギィ……扉の開く音がする。
(ああ、天満ちゃん…、君になんていえば…。すまねえ…、でも、俺は君の
笑顔が……見たかっただけなんだ……。)
振り向く播磨、そこには――――とびきりの笑顔をしている――花井がいた―
「おい。」
「………。」
「メガネ…、何がそんなにおかしい………。」
「…………。」
「喧嘩売ってんだな、そうなんだな。」
「……………。」
ゴッ
「は、播磨!何をする!」
「………。」
「さ、そろそろ帰りましょうか。」
高野がそういうと、播磨、花井を残し、皆、茶道部を後にした―――
その後――――
771 :Classical名無しさん:05/08/09 16:55 ID:78KIqWXA
サラと八雲が話をしている。
「ねえ、八雲。」
「何…サラ?」
「八雲はあのプレートになんて書いたの?」
「え…………。」
「八雲のは読まれてないんじゃない?それとも読まれてた?」
「……そ、それは……ひ、秘密…。」
「え〜〜?八雲、教えて〜」
「………ダメ…。」
楽しそうに話すサラ、そして八雲―――
ふと―――空を見上げる―そして――読まれなかったプレートを――心の中で―
――――お昼休み―屋上で―――また――――――――
終劇(おしまい)
2007年10月26日(金) 13:55:23 Modified by ID:Pflr4iBBsw