IF27・合唱コンクール

501 :486:06/12/03 20:58 ID:z0s99Ggs
キーンコーンカーンコーン・・・

キィーンコォーンカァーンコォーン・・・

学校のベルがなる。
そして、みんなが次々と席に座っていく。
4時間目の授業が始まるようだ。

「よーし!今日は合唱コンクールについての学活だー!」

言葉にメリハリがある・・・いや、ハリハリなメガネの委員長が叫ぶ。
そこ、変な妄想しない。花井春樹。立派な男性だ。

「まずはピアノを引きたい人、いるかー!?」
「(合唱コンクールねぇ・・・。つまんね)」

心の中でそう思った男。
目にはサングラスを付け、
学ランの前をあけ明らかにこれ以上ないくらい
明確に不良だとわかる男。その名は播磨拳児。

「(今年も口パクで済ますか・・・。)」

「あ、あたし一応引けるよ」
「そうか、じゃあピアノはつむぎくんで決定!次は指揮者だ!」
「(指揮者ねぇ・・・お前がやれよメガ・・・)」
「播磨君って指揮とかしないのー?」

「(?)」



502 :486:06/12/03 20:58 ID:z0s99Ggs
その声の主がわからなかった。

「(て・・・天)満ちゃん!?」
「まちゃん!?どうしたの播磨君!?」
「(おっと・・・脳内から飛び出しやがった・・・)指揮かぁ、そうだなぁ・・・(ん?)」

その時、播磨のスキルの1つが発動された。『勘違い』

「ま・・・まさか!?(そうか・・・天満ちゃんは確か一番身長が低かったはずだ・・・。)」
「(つまり、中心にくる!そして・・・)」
「中心の前では俺が指揮をやっている!?」
「なな!?播磨君どうしたのさ!?」

ガタン!!
イスが引かさる音がした。

「俺が・・・やる。」

静かに1つの闘いの

幕が開いた

513 :第二話 愛理眼発動 ◆4zRjqBLzns :06/12/04 21:09 ID:pqDzc.CM

「(えっ!?ヒゲが指揮者・・・!?)」

沢近愛理は驚いた。
なぜか?それはもう、あのヒゲが。
手を規則正しく振るなんぞ不可能、
振り回してボコボコにするヒゲが。
指揮者?えっ・・・?

そう思った瞬間、彼女は立ち上がっていた。

「ちょっと待って・・・。私もピアノやりたいんだけど・・・。」
「おっ?沢近君も立候補か!じゃあ多数決で決めよう!」

「(ねぇねぇ美琴ちゃん、どうして愛理ちゃん立候補したんだろ?)」
「(さぁな・・・。ピアノをひきたかったからじゃないか?)」
「(ニブすぎだよ、2人共)」
「(まさか!播磨の事が・・・!?)」
「(はっはーん!そういう事か・・・。ならばこの恋のキューピッド天満様におまかせ・・・イタッ!)」
「(お前は首突っ込むなって!)」

天満、美琴、晶の3人がこそこそ話を始めた。
しかし地獄耳春樹、華麗にその声を耳に留める。

「コラそこ!私語はつつしみたまえ!!」
「あちゃー・・・。怒られちゃった・・・。」



514 :第二話 愛理眼発動 ◆4zRjqBLzns :06/12/04 21:10 ID:pqDzc.CM

それはおいといて。
現在2-Cでは2人が椅子を立っている。
一人の名は、結城つむぎ。
もう一人の名は、沢近愛理。

「えぇー、でも私で決定しちゃ・・・」

ギロッ

「愛理ちゃんの方がいい演奏できるよね!」

沢近愛理、ピアノを担当。


529 :第3話 練習!結集!資料集! ◆4zRjqBLzns :06/12/09 21:57 ID:4ToBb5Z2
放課後の音楽室では、三人の人間がいた。
一人は、花井春樹。
一人は、播磨拳児。
そして、沢近愛理。

「よーし!じゃあ、30分後にみんなを呼んでくるから、それまでは別練習だ!では!」

パタン。
扉の閉まる音がする。
この特別教室に、二名の男女が残った。

「・・・さて、練習始めるわよ、ヒゲ」
「おお・・・いいぜ・・・(ああ・・・天満ちゃん・・・待ってろよ・・・!)」
「み・・・見事に緩みきってるわね・・・。」

「というか自信満々に立ち上がったけど、指揮の経験とかあるの?」
「全くねえ」
「自信満々なところを間違えてるわよ・・・。」

というわけで一からの指揮特訓が始まった。
まずは基本の4拍子の振り方から始まる。

「じゃあこんな感じで、タン、タン、タン、タン・・・っていう風リズムをつけてやってみて!」
「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタンァァァァァ!!!!!」
「ち、ちょ、ストップ、ストーップ!!」
「ああ!?ど、どうし・・・ゼイゼイ、どうしたお嬢・・・ハァハァ」
「どうしたもこうしたも、早すぎるわよ!テンポもなんも無いじゃない!それの30分の1くらいのテンポで!」
「わかったよ・・・。(道は険しいなぁ、オイ・・・。)」

怒りつつも、沢近の顔は不思議と微笑んでいたという。


530 :第3話 練習!結集!資料集! ◆4zRjqBLzns :06/12/09 21:58 ID:4ToBb5Z2
「CMの後もまだまだ続くよ!」
「塚本さん、CM無いよ」
「あ゙」


「そーうーだーっーたー!!」


  • School Rumble-


531 :第3話 練習!結集!資料集! ◆4zRjqBLzns :06/12/09 22:06 ID:4ToBb5Z2
「タン、タン、タン、タン、タン・・・どうだ!?お嬢!?」

あれから5分が経過した。
正直、沢近愛理はびっくりしていた。
播磨の想像外の飲み込みの早さに。

「おおー!ヒゲにしてはなかなかじゃない。合格よ」
「そっか!よっしゃー!って、ん?なかなかってなんだ、なかなかって」
「それなりよ、それなり」
「おお!それなりか!よっしゃー!」

大分2人がまとまってきている。
不思議と2人の背中には炎が見えた。それだけ燃えている証拠だ。

「じゃあ次はタンタン無しでやってみて!こんな風に!」

そういうと、沢近は4拍子の指揮をやり始めた。
タン、タン、とは言わずに、テンポ良く手を振る。

「タンタン無しかよ!?こりゃあ難しいなぁ、オイ・・・。」
「いやあんた、タンタンくらいなんとかしなさい!」
「よっし!頑張るかー!」

そうして数十分後、クラスの仲間と合流し、今日の学校練習はおわりをつげた。


532 :第3話 練習!結集!資料集! ◆4zRjqBLzns :06/12/09 22:17 ID:4ToBb5Z2
現在播磨拳児は自宅の自室で本を読んでいる。
それもマンガではない。参考書だ。
しかも『マンガの書き方』とかそういうものではない。
『これであなたも一流指揮者!簡単指揮方法資料集』という本だ。

「ふむふむ・・・『三角形に縦線を引いた図形をイメージして振る』か・・・なるほど・・・。よし!やってみるか!」

そういうと播磨は指揮棒片手に指揮を始めた。

さて、ここで話は数十分前にさかのぼる。

播磨は学校から帰宅した後、
今日のことを絃子に話し、相談してみた。

「ふむ・・・なるほど、天満ちゃん目当てで指揮者に・・・か。男の風上にも置けないな。あれだ、君そのうちゲーテとかに怒られるぞ」
「う・・・うるせぇなぁ。てかゲーテって誰だよ・・・。」
「それはともかくだ。そうだな・・・。ならばこの本を読むといい。指揮棒も貸してあげよう」
「おおっ!サ、サンキュー!絃子!恩にきるぜぇ!」

      • というわけで指揮資料集と指揮棒を貰った播磨は早速練習をしていたのだった。
そんな時。

『ピーンポーン』

家のチャイムがなった。

「播磨くーん、ちょっと出てくれ」
「あー、はいはい。誰だ?こんな時間にって・・・!お嬢!?」
「わざわざ来てやったんだから感謝しなさいよね・・・、ヒゲ。」
2008年04月18日(金) 15:32:48 Modified by ID:EBvjy16zhA




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