IF29・失恋旅行

194 :Classical名無しさん :08/01/16 14:49 ID:WXbJxVAc
「天満ちゃん、烏丸と仲良くやれよ…君が幸せになってくれたら俺はそれだけでいい。
 おっと、そろそろ時間か…」
「ヒゲ」
「お嬢…! 何でここに?」
「あんた…このまま何処かに行く気でしょ? 隠したって無駄よ」
「…何で分かったか知らねえが、隠すつもりもねえ。俺はこれから旅に出る」
「やっぱり…! で…ど、どこに行くつもり?」
「詳しいことは知らねえ。けど、少なくとも日本から出ることだけは分かってる」
「そう…別に私は…止めないけどね」
「まあ、そりゃそうだろーな」
「…!! ホントーにアンタって馬鹿よね。最後まで気付いてくれないんだから。
 私は…私は!!」
「お嬢…?」
「播磨さん!!」
「妹さんか。まさか、アンタも知ってるのか?」
「どうしても、どうしても行くんですか?」
「ああ、まあな…」
「行かないでください…みんな、きっと悲しみます」
「…すまねえ。でも、これはケジメであり、約束なんだ。俺は行くぜ!」
「播磨さん…!」

「最後まで勝手な男よ…」
「沢近先輩…」
「八雲、アンタもあんなの忘れた方がいいわよ」
「でも、きっと…またもう一度会えますよね?」
「さあね。私は金輪際あいつの顔なんか二度と見たくないけど」


195 :Classical名無しさん :08/01/16 14:52 ID:WXbJxVAc

(すまねぇ妹さん。土産は何か買ってくるぜ。ついでにお嬢も)
「ハリオ〜、こっちこっち!」
「遅いぞ拳児君」
「何か引き止められてよ。不良が旅行なんてらしくねえって話みたいでな」
「あら、それは妬みじゃないかしら。美人のお姉さん3人も連れて海外旅行だし」
「しかも私らの奢りだからな。何様だという話だ」
「拳児君、贅沢ー」
「うるせぇ、失恋旅行に連れてってやるっていったのはそっちだろうが!」


一週間後、帰国した播磨と沢近と八雲の間には気まずーい空気が流れていたという。
2008年06月16日(月) 13:50:26 Modified by ID:C/WkzodTIQ




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