IF6・A small present

92 名前:A small present :04/03/17 05:21 ID:57zCo5Gg
美琴はいつも1人で学校へいくのだが、今日は偶然花井と出会ってしまった。
「ふっふっふっふっふっふっふっふ」
「・・・・どうしたんだよなんだかいやらしい顔をして。」
「おう周防ではないか、とうとうできたんだよこれが!」
手に持っていたものを高らかに上げた、よくみると子瓶の中にアメだまが沢山入っている。
「アメ・・・?どうしたんだこれ。」
「ふふふ、、これはだな僕が手作りで作ったアメだ!」
「手作りって・・・アメをか?」
「聞いて驚くな!これは僕特製の香料を使って匂いをよくし、工場のおじさんから原料を貰い〜」
あめを自家製なんて聞いた事がない、どうやって作ったのだ、花井が説明しているが
耳には入ってきていない。聞けばわかるかもしれないが説明が長すぎるのだ花井の説明というのは。
「〜やって作ったのである!!そう!そしてこの入ってる子瓶も僕特製だ!!!!」
「やりすぎだーーー!!!!!」
思わず叫んでしまう美琴。

「それでな子瓶の作り方は工場のおじさんに弟子入りして〜」
「ああ!!もういい!話が長くなりそうだし、お前の話全部聞くと学校におくれちまう。」
「ん?それもそうだな、僕も早く八雲君にこのアメを届けなければ!!!!」
「八雲さんに?どうして?」
「どうしてもなにもホワイトデーだろう!!!!ホワイトデーのお返しと言ったらアメだ!!!
 今日お返しをせずにいつすると言うんだ!!!!」
鼻をフーフー吹かせながら力説する、彼をみているとこっちが頭いたくなってくる・・・。


93 名前:A small present :04/03/17 05:25 ID:57zCo5Gg
「・・・・・・・・」
「さあ張り切って今日も学校へ行くぞ!ん?どうした周防頭抱えて、お前らしくないぞ。」
「あのさ、今日何日か知ってるか・・・」
「うん?そんなこと知ってるとも!!!今日は3月17日だ!!!!」
「ならわかるだろ・・・ホワイトデーはとっくの昔に過ぎてるぞ・・・」
「はっ!アメ作りに熱中する余り時間を忘れていたあああぁぁぁ・・・」
花井がその言葉を境にガクとその場にへたりこんでしまう。

「・・・・花井?」
「なんで僕はいつもこうなんだ・・・肝心な時にいつも・・ブツブツ・・・。」
「あのさ・・・落ち込むのは渡してからでいいんだと思うんだけど・・・」
「いやだがホワイトデーのお返しとはその日にあげるものであって、違う日にあげたらただのプレゼントだ。」
「違うぞそれは、気持ちの問題なんだよ気持ちの!!八雲さんにバレンタインデーのお返しと言えば八雲さんだって
 笑顔で受けとってくれる、あたしが太鼓判を押してやる!!」
パンと胸を張って美琴が力説をする。その言葉に感動したのか
「そう・・・そうか!そうだったな、ありがとう周防よ、はっはっは!!!!!」
その言葉で復活を果たした花井。
(まったく・・・調子いいんだから・・・)
まだ笑ってる花井を見てるとちょっと嬉しくなってしまう。



94 名前:A small present :04/03/17 05:27 ID:57zCo5Gg
「周防よ。」
「うん、なんだ。」
「バレンタインのお返しだ、ほれ。」
花井は鞄の中からガラスの子瓶(あめだま付)を周防に渡した。
「いいよあたしは、チョコあげたのだって・・・ほらっ残り物だし、いらないから。」
「はっはっは、てれるなてれるな。」
「照れてない!!!」
顔が赤くなってるのが自分でもわかる。時々花井は恥ずかしいことをいってくれるからその・・・困る。

「あそこにいるの八雲君!さっそくこの愛のアメを届けなければ!!!じゃあな周防、またクラスで会おう!!!」
「おい、これ!!!!!」
言うのが遅く花井はすでに八雲の射程内まできている。
「八雲くーん!遅くなったがホワイトデーのお返しだ!!!!快く、受けとってくれ!!!!」
サラと一緒にいた八雲がビクついている、だがそれも全然気にせず花井は八雲君に話かけまくる。
(あれじゃあ怯えるに決まってるだろうが・・・)
あれでは感情もへったくれもない、少しはもっと愛情ってもんが・・・


95 名前:A small present :04/03/17 05:29 ID:57zCo5Gg
「ミーコートーちゃん!」
「痛ぁあ!!!塚本!!!!後ろから抱き付いてくるなよ!びっくりするだろ!」
後ろから抱き付いてきたのは天満だった。
「えへへーまあまあ美琴ちゃん怒らないで・・ってあれーどうしたのーそのアメだま?」
「え?これか?」
美琴が手に持っていたガラスの子瓶に入ったアメだまがきらりと光る、それはとても綺麗だった。
「いいなあー綺麗だなー美琴ちゃんそれどうしたの?買ったの?」
「・・・・・さあ、どうだろうね?」
美琴は天満に笑いながら答えた、?とクエスチョンマークを浮かべている天満。

「あ!わかった!彼氏からのプレゼントだな〜このこの〜美琴ちゃんもすみに置けないんだから。」
「ば、馬鹿!違うって!!これはだな、ただのお返しで全然関係ないかr〜」
2人でじゃれ合いしてるとキーンコーンカーンコーンと予鈴のチャイムがなる。
「やべ、塚本、早くクラスに行くぞ、遅刻しちまう!」
「あ、待ってよ美琴ちゃんー」
手に持っていた小瓶を大事に鞄の中にしまう。

今日はなんだかいい日になりそうだ。
美琴はそう思いながらクラスまで走り抜けた。


96 名前:A small present :04/03/17 05:29 ID:57zCo5Gg
ホワイトデーSS書こうとしたんだけど書いてるうちに日が過ぎてしまったのでお蔵入り
急遽いつでも書けそうなホワイトデーSSにしました。
まあつまり・・・やっつけ万歳。
2007年02月01日(木) 23:41:14 Modified by ID:BeCH9J8Tiw




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