伝説の魔人ラテンキング

遊気舎第５回公演
1990年3月21(水)〜3月25(日)
会場:スペース・ゼロ（大阪）?

出演:
　後藤ひろひと
　久保田浩?
　楠見薫
　西田政彦?
　鷹田ゆき?　他





内容
　大人になる事を逃れるためにファミコンでＲＰＧゲームをやり続ける少女「静音（しずね）」。大人を拒絶し誰とも話そうとしない彼女はやがて次第に両親の声も友人の声も聞こえなくなり、ついには最も心を寄せていた叔父の話す言葉すらが理解不能な聞き取れない物へと変わってしまう。彼女は言葉が聞き取れなくなった者を「大人」と呼び、そんな「大人」達を次々と自分が遊ぶゲームの中に閉じこめてしまう。
　一方そんな彼女のゲームの中では理解不能で奇想天外な南米でのデタラメな冒険が展開する。
　ゲームに閉じこめられた叔父は彼女の心を解き放つべく、終わりなきゲームの主人公達をあるはずもないエンディングへと導く。

解説
　大王の知る人ぞ知る作・演出デビュー作。劇団脱退を心に決め、遊気舎メンバー数名を誘い新劇団旗揚げを画策していたが、恐らくは座長、満遊気?に情報は筒抜け。「俺しばらく休むし後ちょっと頼むわ」と言い残され、入団２年目若干２０歳にしてまさかの座長就任が言い渡された。その時点で大王に不安を感じた当時の主要メンバーは大量離脱。大王は同期入団の久保田浩?をはじめとする「超不器用集団」を率いる事となった。それまで街頭パフォーマンス用に書きためたコント台本を使い新生遊気舎をコント集団にしようとしたが、先輩俳優達からの猛反対を食らう。ならばそれらのコント台本をまったくそぐわないストーリーでつなごうと思い完成されたのがこの作品である。だがそうした渾然一体となった二重構造の世界観が何かの間違いで高い評価を受ける事となり、その手法は引退作『ダブリンの鐘つきカビ人間』やそれ以降の作品にも用いられ続けている。
　上演初日には３時間半あった作品だが最終日には２時間半になったという不可思議な記録を持つ。初めての作・演出において大王がいかに未熟だったかが伺える。
　登場する探険家「吉田五郎?」と「平泉荘八?」はその後何度も遊気舎時代の大王作品に登場し、それらの作品は「吉田・平泉探検シリーズ?」と呼ばれた。
　叔父を演じた俳優は久保田浩?。主人公「静音」が遊び続けるゲームの中では自らを「羽曳野の伊藤?」と名乗り、敵味方なく誰でも翻弄した。この「羽曳野の伊藤?」というキャラクターに至っては遊気舎を脱退した以降も長期に渡り様々な作品に登場する事となった。
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2006年07月05日(水) 18:47:17 Modified by king_i

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