古龍（こりゅう、簡体字表記:古龙、ピンイン: Gu Long、1937-1985)。香港生まれ、13歳で台湾へ移住、11、2歳頃から小説を書き始め19歳で初めて原稿料をもらう。はじめは恋愛小説を書いていたが、友人らのすすめで武侠小説に転向。
　初期は金庸に似た文体だったというが、そのうち欧米のハードボイルド、日本の時代小説の影響を受けた文体になっていった。酒と女を愛した豪傑肌の雰囲気が作品にもよく出ている。弟子に名前を貸していたり、代筆させていた作品も多いので作品の出来に大変むらがあり、本人執筆か疑わしいものもみられる。

　彼の作品は　ショウブラザースの楚原監督、狄龍主演で数多く映画化され人気を博した。脚本も書いたという古龍は、若き日の成龍に「おれは狄龍や姜大衛のための映画は書くが、おまえには書かない」と言ったという伝説がある。

　邦訳は数少なく、そのほとんどが絶版になっていることが惜しまれる。

邦訳作品
『多情剣客無情剣』
以下絶版
『歓楽英雄』
『陸小鳳伝奇』
『聖白虎伝』
『辺城浪子』
『楚留香　蝙蝠伝奇』

作品リスト
1960 『月異星邪』『剣気書香』『湘妃剣』『剣毒梅香』『孤星傳』
1961 『失魂引』『遊侠録』
1962 『護花鈴』『彩環曲』『残金缺玉』
1963 『票風］香剣雨』『剣玄録』『剣客行』
1964 『浣花洗剣録』『情人箭』
1965 『大旗英雄傳』『武林外史』
1966 『名剣風流』
1967 『絶代雙驕』
1968 『血海［票風］香』
1969 『大沙漠』
1970 『晝眉鳥』『多情剣客無情剣』『鬼恋侠情』
1971 『蝙蝠傳奇』『歓楽英雄』『大人物』
1972 『桃花傳奇』
1973 『簫十一郎』『流星・胡蝶・剣』
1974 『九月鷹飛』『長生剣』『碧玉刀』『孔雀［令羽］』『多情環』
1975 『覇王槍』『天涯　明月　刀』『七殺手』『剣花・煙雨・江南』『絶不低頭』『三少爺的剣』
1976 『陸小鳳傳奇』『繍花大盗』『決戦前後』『火併簫十一郎』『拳頭』『辺城浪子』『血鸚鵡』 『白玉老虎』（邦題：『聖白虎伝』）『大地飛鷹』
1977 『銀鈎賭坊』 『幽霊山荘』『圓月彎刀』『飛刀、又見飛刀』『碧血洗銀槍』
1978 『離別鈎』『鳳舞九天』『新月傳奇』『英雄無涙』『七星龍王』
1979 『午夜蘭花』
1980 『風鈴中的刀聲』
1981 『剣神一笑』『白玉雕龍』
1982 『怒剣狂花』『那一剣的風情』
1983 『辺城刀聲』
1984 『猟鷹・賭局』


日本で入手可能な映画化作品
『マジックブレード』（天涯明月刀）
『流星胡蝶剣』
『新流星胡蝶剣』