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メタ安定


「渋滞学」によればメタ安定という状態があるという。
メタ安定とは、通行量の多い高速道路を時速100劼らいで走行しているにも関わらず、車間距離が10メートルあるかないかという密集した集団密集走行状態を言う。車間距離が少なく車が速い速度で走行しているのは、道路の利用率という点から見れば非常に効率は良いが、一歩間違えば事故につながる非常に危険な状態である。ドライバーは、高い緊張状態にさらされ、長時間運転することは不可能である。前の車が急に減速したら、隣の車線から割り込まれたりしないだろうかという予測を短い周期で繰り返しながらの運転になり過敏にならざるを得ない。また、次のインターチェンジで高速道路を降りるから車線変更をしないといけないとか、速度を落としたいがブレーキをかけたら後ろから追突されないかとか、自分の取りたい行動が抑制された状態が続く。こうした緊張はメタ安定状態に属しているドライバー全員に共通している。

通勤電車で「後続の電車が遅れているので時間調整のためしばらく停車します」というアナウンスが流れることがある。自分が乗車している電車が遅れている訳ではないのになぜ待たされるのか。停車している間にも次から次に人が乗車してきて車内は混雑する。これは電車の間隔が空くと最初に来た電車に乗客が殺到し混雑してしまい次の電車はガラガラになってしまうから、混雑を均一化するために電車の間隔を一定に保とうとしているらしい。これもラッシュ時の運行ダイヤがメタ安定状態であることの裏付けだ。

都内の電車は通勤ラッシュ時には3分間隔で運転されているがこれは過剰に狭い間隔だ。品川〜田町間の所要時間は山の手線で3分だから運転間隔は3分でも良い気がする。しかし、東海道線の川崎〜品川間の所要時間10分に対して運行間隔が3分間というのは川崎〜品川間に3編成がいることになるからメタ安定と言える。通勤ラッシュ時間帯では1編成に4,000人強 が乗車しているから、登り電車だけで川崎〜品川間に12,000の人々が線路上で缶詰になっていることになる。ちょっと怖い話だ。

旅客機が運行許可を得るための試験の一つに90秒で乗客が脱出出来なければならない。中型機で300人を90秒で脱出させることが求められている。旅客機からの脱出時間を計測する際には、訓練されたスタントマンが脱出計測に集められたテスターに運動指導 をしていることを考えると普通は90秒で脱出出来るとは思えない。こうしたメタ安定状態での脱出時間の計測は意味があるのだろうか。実際の事故では誰もがパニック状態であり、順番にシューターに飛び込むことなんてありえないし、スタントマンのトレーナーもいない。

自動車のレースで何周にもわたって車間距離がほとんど無い状態で順位争いをしているシーンがあるが、これもプロの高度なメタ安定だ。高速道路のメタ安定と違うのは、お互いがプロとして技量を認め合っているという点だ。

システム開発でメタ安定とはどんな状態だろうか。デイリービルドで日々コーディング量が目標通りに達成され、テストコードの網羅率も高く、バグの修正周期も一日でおさまり、機能テストも順調で、まさしく今までのプロジェクト管理が功を奏し、プロマネとしの醍醐味を実感している、そんな光景を誰もが夢見ることだろう。進捗会議が待ち遠しくて仕方がないだろう。しかし、通勤ラッシュ時間帯の高いレベルの運行管理と同じでメンバーの高いスキルが求められ、高いストレス状態での連続であることには変わりない。
この状態を維持するには、仕事を増やさず、休出もさせずに今以上のストレスを溜め込まないようにすべきだ。何によって今の状態が保たれているか理解していないと一瞬で瓦解する。メタ安定状態を作り出すには複雑な条件がそろうことが必要だが、長く続かないことも理解しておかなければならない。

高速道路では誰かがブレーキを踏めばたちまち渋滞になるし、自動車レースで緊張状態に耐えられなくなりアクセルを離せば大事故になる。プロジェクトメンバーだって誰がいつ休むかわからない。インフルエンザなら5日間は出社禁止と医者に言われるだろうし、誰かが他のプロジェクトに引き抜かれることだってないとは言えない。高いストレス状態でメンタル疾患になるメンバーも出てくるかも知れない。

メタ安定では感性が抑制された状態とも言える。ル・ボンの「群集心理」によれば、強大なエネルギーが内包され、衝動性をはらみ、無批判になり、道徳性が低下するのにつれ、知性も低下する。群衆がメタ安定状態になったときの緊張状態で個は没してしまう。
感性が発揮されたり、感性が磨かれたりするにはやはり余裕が必要なのだ。外山滋比古の思考の整理学によれば、熟成や発酵が必要だという。熟成や発酵した感性がメタ安定で遺憾なく発揮し、メタ安定で高い生産性を維持し続けるには、メタ安定で擦り減る感性を癒すことが必要だ。

意図的にメタ安定状態を作り出して、高い生産性を維持したいなら、タスクはスモールバッチにすべきだ。 高い緊張状態は長続きしないことを前提に就業時間内を濃密かつ有効にして、仕事にリズム感を作り出し、残業のないスタイルも築けるはずだ。IT業界が7Kだなんていう記事もあったが、いつしか憧れの仕事スタイルになるはずだ。

【参考】 通勤時間帯の東海道線乗客数
2008/2/15(金)、戸塚駅発7:33分登り東海道線の乗客数を記録したのが下表である。
戸塚〜川崎間 川崎〜品川間
(戸塚側) 1号車 280 244
2号車 312 314
3号車 300 310
4号車 144 130
5号車 130 113
6号車 344 300
7号車 300 344
8号車 318 300
9号車 290 340
10号車 298 306
11号車 254 250
12号車 270 270
13号車 310 300
14号車 254 290
(品川側) 15号車 244 240
合計 4048 4051
(単位:人)

脚注)
  • この項の【参考】をご覧いただきたい。
  • 横浜駅と品川駅の東海道線のホームは登りで2つ用意されていて、交互に使用される。我々乗客が心配するよりも遙かに高度な運行管理技術があるはずだから、安心するとしよう。
  • 脱出前の準備体操やシューターを使うときの姿勢の指導をするらしい。
  • 「リーンで磨かれる感性」を参照
  • 「IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ」(2007/10/31)http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html
  • 車掌室の表示装置は、走行中頻繁に数値が変化する。重量で人数換算しているようだ。
2008年03月02日(日) 00:00:09 Modified by ko_teru




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