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Q 日本国民でない在日が、なぜ生活保護を受けることができるのですか?


生活保護法は、適用範囲を「国民」(1条)に限定しています。したがって、外国人である在日には生活保護法が適用されることはありません。それではなぜ在日が生活保護を受けることができるのかというと、それは生活保護法が「準用」される結果です。

「準用」されるようになった経緯は以下の通りです。

1947年に定められた旧生活保護法では適用を日本国民に限るとの国籍要件はなく、外国人も含めて生活に困窮するすべての人々に適用されることが定められていました。ですから、同じ1947年に外国人登録令が施行され、外国人とみなされるようになった在日にも生活保護法は適用され、生活保護を受けることができました。

しかし、1950年に生活保護法が改正され、その適用範囲が日本「国民」に限られるようになり、さらに1952年にサンフランシスコ平和条約発効により、在日は日本国籍を離脱し、生活保護法の適用を受けることができなくなりました。このような事態を受けて、1954年に当時の厚生省が、「当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて」生活保護を与える、すなわち生活保護法を外国人にも「準用」するとの内容の通知を出し、外国人である在日にも従前どおり生活保護が与えられることになりました。

以上のような外国人の生活保護に関する行政の取り扱いは、現在も継続しており、日本国民ではない在日も生活保護を受けることができるようになっているのです。

ただし、以上に述べてきたように、これはあくまでも「準用」の結果、日本国民への取扱いに準じた措置がなされているに過ぎず、保護が廃止されたりあるいは受給額が減額されたとしても、不服申し立てをすることはできず、少なくとも法的な観点からは「権利」と呼べる代物ではないとされています。

ちなみに、以上のような取扱いは、在日韓国・朝鮮人だけではなく、同じく平和条約国籍離脱者に分類される在日台湾人にもなされており、さらに「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった定住外国人も、同じように生活保護法が準用される結果、生活保護を受けることができます。

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