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Q 戸籍や住民票はあるのですか?


在日韓国朝鮮人に限らず、1年以上日本国内に居住する外国人は、外国人登録法(注1)により、住所・氏名・生年月日などの個人事項を市町村役場に登録します。これが住民登録のかわりとなり、日本人が住民票の提出を求められる場面では、登録原票記載事項証明書(注 2)を提出します。

とはいっても、外国人登録法は、住民基本台帳法とはその立法趣旨・目的が大きく異なり、当初は外国人を犯罪者予備軍・治安管理の対象として監視していくという色合いの濃いものでした。この法が施行された1952年当時、日本国内にいる外国人はほとんどが朝鮮人でしたから、ここでの「外国人」は「在日」とほぼイコールであったと言えます。

とくに大きな問題は、指紋押捺と外国人登録証の常時携帯・提示義務でした。

当初は、14歳(1982年からは16歳)以上の外国人には3年ごとの登録確認(切替)と指紋押捺が義務づけられていました。しかし、指紋押捺が差別の象徴であり人権侵害だとの批判が高まり、1980年代前半には在日の間に指紋押捺拒否運動が盛り上がり、最終的には拒否・留保者は1万人を超えました。政府は指紋押捺拒否者に対し、「逮捕」「再入国不許可」「在留期間の短縮」などの対応を見せ、これに関する裁判闘争も行われました。司法の場では、在日の側の主張は通らなかったものの、外国人登録法は数度の改正の結果、1992年には永住者及び特別永住者の指紋押捺義務が撤廃され、1999年には指紋押捺制度自体が廃止されるに至りました。

また永住者の登録確認(切替)も、3年ごとから、5年となり、現在では7年ごととなっています。

外国人登録証の常時携帯義務も、違反した場合の罰則が、特別永住者に関しては、「20万円以下の罰金」という刑事罰から、「10万円以下の過料」という行政罰になりました。ただし、提示義務に関しては、刑事罰のままであり、常時携帯・提示義務が温存されていること自体、外国人に対する人権侵害であるという批判があります。



参考

注2

1999年の外国人登録法改正以前は「外国人登録済み証明書」と呼ばれていたもの。

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