在日のほんとうの姿を知りたいあなたへ。

Q 在日は母国の生活習慣を保ってくらしているのですか?


一口に在日と言っても様々で、例えば大阪の生野区のような在日コリアンが多く居住する、いわゆるコリアンタウンに住んでいる人もいれば、それほど在日の多くない地域で、日本人とほとんど変わりのない暮らしをしている人もいます。そうした生活環境によっても「民族文化」濃度には差があるでしょう。

「生活習慣」というと、衣食住や冠婚葬祭などが考えられます。少し前のデータですが、1984年に神奈川県で行われた調査によれば、家族内における民族文化が「ない」と答えた在日コリアンは6.0%と非常に低い数字です。

逆に「民族料理をよく食べる」と答えたのが84.6%、「チマ・チョゴリなどの民族衣装を持っている」と答えたのは74.0%、「祖先の祭事を朝鮮風に行う」が58.8%、「結婚式の祝いごとを朝鮮風に行う」は65.0%となっています。

現在はこの頃よりも日韓の交流は盛んになり、人やモノの行き来も増えていますから、在日コリアンにとっては民族料理などに接する機会も増えているでしょうし、また「韓流ブーム」によって母国の文化を「再発見」する人も多いようです。

一方で、在日コリアンの日本への文化的同化も進んでいます。多くの在日コリアンは日本人と同じく、日本語で話し、ものを考え、日本のテレビや雑誌などのメディアに接しています。

つまり現在の在日コリアンは、ある程度の民族的な生活習慣を維持しながら、同時に日本の文化や暮らしにもなじんでいる、と言えると思います。

参考文献


金原左門ほか「日本のなかの韓国・朝鮮人、中国人 ―神奈川県内在住外国人実態調査より―」1986年、明石書店

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