その2〜メンバーとの顔合わせ


その2〜メンバーとの顔合わせ


前回までのあらすじ

リックはギルド・夜の猫に入った。
そしてギルド長・リッシアの提案により他の人の事を紹介してもらうことになった。

―視点 リック―

リッシアさんと一緒に2階に上がった。
「リッシアさん、そちらはどなたですか?」
2階に上がってすぐの廊下で長い銀髪の女性と会った。年齢はリッシアさんと同じくらいかな?
「新人よ。ちょうど良かったわ。自己紹介して。」
「あ、リック・ハーツです。よろしくお願いします。」
俺は頭を下げた。
「私はイルス・リフィーアよ、呼び方はイルスでいいわよ。よろしくね、リック君。」
とイルスさんは言ってくれた。優しそうな人だな。
「イルスは初期のメンバーなの。このギルドは私とイルス、プリズンくんで創ったの。」
とリッシアさんが補足してくれた。
「そうなんですか。」
「じゃあ、他の人も紹介するわ。」
「リッシアちゃん、私、夕飯の買出しに行ってくるわね。」
「あ、お願い。」
そういってイルスさんは下に降りていった。
2階は真ん中に通路があり両側にいくつかドアがあり、正面奥に大きなドアがある。
リッシアさんは右の二番目のドアをノックした。
「おう、誰だ―?」
中から女の人の声がした。
「私。今、新人にみんなを紹介してるんだけど、平気?」
「ああ、平気だ。鍵は開いてる。」
「じゃあ、入るわね。」
リッシアさんはドアを開けて中に入った。俺もリッシアさんに続いて部屋に入った。
部屋の中にはベッドに座って剣の手入れをしている短い赤髪の女性がいた。
「新人ってそいつか?」
「そうよ。」
「リック・ハーツです。よろしくお願いします。」
「シグナ・リヴィアンだ、よろしくな。シグナって呼んでくれ。」
なんか頼りになりそうな人だな。
「じゃあ、次の人のところに行くわね。」
「あ、ギルド長、後で修練所使っていいか?」
修練所?
「いいわよ。」
そしてシグナさんの部屋を出た。
「リッシアさん、修練所って?」
「説明してなかったわね。ここの地下に模擬戦ができるスペースがあるのよ。」
「そうなんですか。」
後で行ってみようかな。
ガチャ
「ギルド長、そちらの方は?」
シグナさんの斜め前の部屋から眼鏡をかけて本を持った青髪の男性が出てきた。
年齢は同じくらいか?
「あ、ブックくん。ちょうどよかった。今、新人を案内してるの。」
「今年は2人入ってきたんですね。」
「リック・ハーツです。よろしくお願いします。」
「ブック・リーディンです。よろしく、リックさん。では、僕は図書館に行くので失礼します。」
そう言って、ブックさんは下に降りていった。
「ブックくんは去年入ってきたのよ。学院を出てすぐ入ったから年齢はリックくんの一つ下ね。」
「そうなんですか。」
まあ、一応年下でも、先輩だし、なるべく口調には気をつけるか。
「じゃあ、次が最後ね。」
「え、そうなんですか?」
紹介されたのはイルスさん、シグナさん、ブックさんの三人。そしてリッシアさんとプリズンさんだから・・・。
「俺入れて7人しかいないんですか!?」
「そうよ。あ、一人は違う大陸に行ってて来月までいないから正確には8人でけどね。」
本当に少ないな。
「ここよ。」
リッシアさんは左の奥から二番目のドアの前に立った。
「あ、リックくんの部屋はこの向かいだから。」
「わかりました。」
リッシアさんはドアを叩いた。
「ミディアちゃん、リッシアだけどいる?」
「あ、はい、ちょっと待ってください。」
と中から女の子の声がした。
そしてドアが開き、中から紫の長い髪の女の子が出てきた。前髪を目のところまで伸ばしてるせいで顔が見えないな。
「なんですか?」
「あなたと同じで今日入った新しい人よ。」
同期だし年下っぽいから普通の口調でいいか。
「リック・ハーツだ。よろしく。」
「あ、ミディア・ルーベナです。よろしくお願いします。」
「じゃあ、私はこれから2人の登録書を出してくるから。」
そういってリッシアさんは1階に降りていった。そして残された俺とミディア・・・・・・気まずい。
「あ、あの・・・よかったらどうぞ。」
とミディアが部屋に誘ってくれた。
「じゃあ、お邪魔するよ。」
俺はミディアの部屋に入った。
そして俺は座布団に座った。
「あの、リックさんはどうしてこのギルドにはいったんですか?」
とミディアが話しかけてきた。
「さん付けじゃなくていいよ。」
「い、いえ・・・あの・・・呼び捨てってちょっと気が引けて・・・。わ、私のことは呼びすてでかまいませんので!」
「わかった。入った理由か・・・。まあ、活動が気に入ったからかな?ミディアは?」
「わ、私は人数が少なかったのと学院から出てすぐの私でも受け入れてくれたからです・・・。」
「そうなんだ。学院から出てすぐってことは16?」
「はい。リックさんはいくつなんですか?」
「俺は18だよ。」
「そうなんですか。」
そして再び沈黙・・・。な、なにか話題を・・・。
「そ、そういえば学院に通ってたってことはこの街の出身じゃないんだ。」
「はい、東のほうのルーンの街の出身です。」
「ルーンか。」
ルーンの街はここから東に一週間ほどのところにある街だ。
「たしか学問の街だっけ?」
「はい、トランタル大陸の中で学院がある3つの街の中で一番大きな学院のある街です。」
「確か4つの学院があるんだっけ?」
この大陸で他の学院があるのはここから南にあるレンスの街のヴアル魔法学院、俺が育った王都にある王都騎士学校の2つだ。
「リックさんはどこの出身なんですか?」
「おれか?俺はリンティスだよ。」
「リンティスって王都じゃないですか!じゃあ、リックさんも学院に行ってたんですか?」
「いいや、俺は親戚の家で育てられたから。その代わり騎士団の人がいろいろ教えてくれた。」
「そっちのほうが凄いですよ!」
「そういえば、」
と俺は疑問に思っていることを聞いてみた。
「なんで前髪そんなに長くしてるの?見えにくいでしょ。」
「あ、それは・・・私ってブスですから・・・。」
「へー・・・・・。」
俺はミディアの前髪を手で上に上げた。
      • けっこう可愛いな。
「!!!」
ミディアは俺の手を払いのけて後ろに下がった。
「い、いきなり何するんですか!?」
「いや、本当にブスなのかなと思って。」
「・・・・・・ブスだったでしょ?」
「全然。」
あれでブスって言ったら見る目がおかしいとしかいいようがない。
「嘘です!だって私が学院に通っていた頃、みんなからブスだって言われてて・・・。」
「なら、そっちがおかしいんだよ。ミディアは十分可愛いって。」
「本当ですか?」
「ああ。」
「嬉しいです・・・。」
>ミディアの好感度が上がった。
ん?いまなにかおかしいナレーションが入った気が?
その後もミディアと雑談をしてたら、
ドンドン
とドアが叩かれた。
「あ、誰か来たみたいですね。ちょっと行ってきます。」
そういってミディアはドアのほうに行った。
そして少しして・・・
「あの、シグナさんが模擬戦やらないか?って誘ってくれたんですけど・・・。」
模擬戦か・・・修練所も気になってたし。
「行こうか。」
「はい。」
俺とミディアはシグナさんに連れられて修練所に向かった。

―あとがき―

というわけで久しぶりの更新です。
テストやレポートが忙しくてなかなか更新できずにすいません。
ちなみにこれを書いてるのもテスト中です。
夏休みには卒論も書かないといけないので、月一で更新できたらいいなと思っています。
読んでいる人がどれだけいるか分かりませんが、これからもよろしくお願いします。



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2012年07月24日(火) 23:24:05 Modified by kq800




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