その4〜残りのメンバー


その4〜残りのメンバー

あれから一ヶ月が過ぎた。
他のメンバーと依頼をしたり、ブックと図書館に行ったり、シグナさんと模擬戦をしたりしていた。
今日はブックさんと図書館に向かっていた。
「そういえばもうリックが来てから一ヶ月ですね。」
「そういえばそうだな。」
俺はブックと話しながら歩いていた。最初は敬語だったがメンバー全員が敬語じゃなくていいといったので普通に話している。
「一ヶ月?ああ、ということはカナデさんが帰ってくるのか。」
「カナデさん?」
「ああ。違う大陸に依頼で行ってたんだ。確か今日帰ってくるはず。」
「そうなんだ。どんな人?」
「マイペースな人かな。」
「そうなんだ。」
と話していたら図書館に着いた。
ブックは図書館の司書のレイアさんの所へ行った。
「いらっしゃい、リックさん。」
と図書館員のココアさんが話しかけてきた。
「こんにちはココアさん。」
「あれ?一人?」
「いえ、ブックはレイアさんの所に。」
「あ、いつも通りね。」
「はい、いつも通りです。」
ブックはいつも図書館に来るとレイアさんのところに行っている。
「はやくくっつけばいいのに。」
「そうですよね。」
「で、今日は何をお探しで?」
「そうですね…。旅行記とかあります?」
「旅行記?」
「はい。ちょっと違う大陸のこと知りたくなったんで。」
「カナデさんに聞いたほうがはやいんじゃないの?」
「そうなんですか?」
「ええ…ってそうか帰ってくるの今日か。楽しみだな。」
「楽しみなんですか?」
「ええ。いつもお土産くれるのよ。」
「そうなんですか。」
「お、いたいた。」
ココアさんと話してるとプリズンさんが近づいてきた。
「あれ?どうしました?」
ちなみに年上の人には敬語を使っている。
「今日カナデが帰ってくるから色々準備するから人手の確保。ブックは?」
「レイアさんのところです。」
「そうか。」
プリズンさんは少し考えた後、
「じゃあお前だけでいいや。」
といった。あ、空気読んだ。
俺はギルドに戻った。
ギルドに帰るとイルスさんとミディアが料理をしていた。
シグナさんは食器の準備をしていた。
「あれ、ブックは?」
と俺達に気付いたシグナさんが言ってきた。
「図書館。」
「ああ―なるほど。」
シグナさんはそれだけで察したようだ。
「で、俺は何をすれば?」
「ああ、シグナと一緒に飾り付けを頼む。」
「わかりました。」
プリズンさんはキッチンに入っていった。
俺は飾り付けを始めた。
「そういえばシグナさん。」
俺は飾り付けをしながら
「カナデさんってどんな人なんですか?」
シグナさんにカナデさんについて聞いてみた。
「カナデか?俺は苦手だな。」
「そうなんですか。」
シグナさんが苦手だなんて意外だな。
「俺と同期なんだがどうもゆっくりすぎるのがな。あ、けっこう強いぞ。」
「そうなんですか。」
そして飾りつけも終わり、料理の配膳も終わった頃、
「ただいま―。」
とリッシアさんが長い金髪の女性とギルドに入ってきた。あの人がカナデさんかな?
「みんなただいま―。」
「おかえりなさい、カナデさん。」
とイルスさんが言った。
「ただいま―イルスちゃん。あら―?見なれない子が2人いるわね―?新人さん?始めまして―、私はカナデ・フーリャよ。よろしくね―。」
と自己紹介をしてくれた。こっちもしないとな。
「リック・ハーツです。よろしくお願いします。」
「み、ミディア・ルーベナです。よ、よろしくお願いします。」
「リックくんにミディアちゃんね。よろしくね。」
と笑顔でカナデさんは言った。優しそうな人だな。
「確かリスート大陸まで行ってたんですよね。」
と準備中に帰ってきたブックが行った。
「う―んとね、正確にはリスートの西の島だね。桜って花がきれいだったよ―。」
「とりあえず食事にしましょうか。」
「そうだね―。お腹すいちゃった。」
リッシアさんとカナデさんも席に着き食事にした。
そして食べ終わった後…
「あ、そうだ。みんなにお土産あるんだ―。」
とカナデさんは鞄から色々出した。……容量無視してないか?
「あ、そっか知らないのか。カナデさんの鞄は空間魔法がかかっていて無尽蔵に入るんだ。」
とブックが教えてくれた。
「え―と、リッシアちゃんとイルスちゃんには桜の花の模様の鏡。」
「ありがとう。」
「いつもありがとうね。」
カナデさんは2人に鏡を渡した。
「プリズンくんとブックくんには桜の花の形のクリップと椛って葉っぱの模様入りのメモ帳のセット。」
「ちょうどクリップなくなりそうだったから助かる。」
「メモ帳はうれしいですね。」
2人に小さめの箱を渡した。
「シグナちゃんには日本刀。その島でしか作られてない武器だって。」
「へ―珍しいな。」
とシグナさんには剣を渡した。
「あ、そうかリックくんとミディアちゃんにはなにもないね―。」
「あ、平気ですよ。」
「はい。」
「ちょっと待って―、色々買ったから何かあるかも―。」
とカナデさんは鞄をあさっている。
「あ、ミディアちゃんにはこれなんかどうかな―?」
とカナデさんはミディアに近づいて髪留め?をミディアにつけた。
「簪って言うんだって。いくつか買ったから1つあげる―。」
「ありがとうございます。」
「リックくんには―…」
とカナデさんは鞄をあさった。
「あ、これなんかどうかな―?」
とカナデさんはあるものを取り出した。
「扇子ですか?」
「あれ―?リックくん知ってるの―?」
「あ、はい。トウカ島出身の知り合いの人が使ってました。あ、もしかしてカナデさんが行ってたのって。」
「そうだよ―、トウカ島だよ―。リックくんじゃあ使い方知ってるの―?」
「あ、はい。それにしても綺麗な柄ですね。」
「うん、いくつか買ったから―それでいいよね?」
「あ、ありがとうございます。」
「ちょっと疲れたから私寝るね―。」
「ゆっくり休んでね。」
「ありがと―、リッシアちゃん。おやすみ―。」
そう言ってカナデさんは2階に行った。
「な、マイペースなやつだろ?」
とシグナさんが聞いてきた。
「そうですね。」
「ま、カナデも帰ってきたし、全員揃ったな。」
とプリズンさんが言った。
「そうだ、リックくんとミディアちゃん。」
「なんですか?」
「いきなりで悪いんだけど、明日から依頼でリンティスに行ってもらえる?」
「え、2人でですか?」
「大丈夫、私も一緒よ」
イルスさんが言った。
「なら平気です。ミディアも平気?」
「うん。リックくんとイルスさんが一緒なら。」
「そう。それじゃあよろしくね。」
こうして俺たちは王都「リンティス」に行くことになった。


―あとがき―
というわけでかなり久しぶりのオリジナル更新です。
7ヶ月ぶりですか?オリジナルのほうはかなりゆっくりですが更新していきたいと思います。
ちなみに更新が遅かった理由としてはうまく続きが書けなかったのとキャラ名が思いつかなかったのがあります。
それではこれからもよろしくお願いします。


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2013年03月22日(金) 01:07:00 Modified by kq800




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