外伝〜楓からの相談


外伝〜楓からの相談

注意:今回もオリキャラが多めです。



―大学近くの喫茶店―

俺は楓から呼び出されて大学近くの喫茶店に来ていた。
「すいません、蓮さん。休みなのに呼び出してしまって…」
「気にするな。で、相談って?」
少し疲れてるみたいだな。
「二つあるんですけど、一つ目は最近家の中がおかしいんです。」
「どういうことだ?」
「神経質になりすぎてるかもしれないんですけど、部屋の中で誰かの視線を感じるんです。」
「部屋の中で?」
幽霊か何かか?
「夜中に何かの気配もしますし…」
「原因を探してほしいってことか?」
「はい。」
…まあ、そのくらいならできるか?
「それでもう一つは倉のことで相談にのってもらいたいんです。」
「倉ってこの前見せてもらった?」
「はい。実はこの前…」

―回想―

父親からのメールで倉にあるお皿を送ってくれときて探してたんです。
「どれだろう?結構ごちゃごちゃしてるから見つからないな…」
で、色々箱とかずらしてたら見つけたんですが
「あ、これだ。…ってなんだろうこれ?」
床に扉があったんです。
気になって中に入ったら…
「うわぁ…箱が一杯だな…」
大量の箱があったんです。
父親に聞いたら、陶器類以外は処分しておいてというので昨日整理してたんです。
そしたら…
「これは壷だから残し。こっちは古文書?なら処分。これは人形?なんかあったらやだな…保留。あ、これも人形…保留。あ、これも?…」

―回想終了―

「という感じで古そうな日本人形が結構出てきまして、呪いとかあったらやなんでそういうやつかどうか分かる人がいたら紹介してほしいなと思いまして…」
「なるほど…」
確かに呪いとかあったら処分したらまずいな…というか
「で、何で俺?」
むしろお寺とかで供養してもらったほうが確実なんじゃ?
「いえ、蓮さんなら知り合いにそういうのに詳しい人いるんじゃないかなと思いまして。あと古文書っぽいものも処分していいと言われたんで知り合いで欲しがってそうな人がいたら持っていってもらえたらと思いまして。」
「なるほど。わかった、一応あてはあるから聞いてみる。詳しい日時決まったら連絡する。」
「お願いします。」

―緑風&蓮の自宅―
「…というわけなんだが。」
俺は緑風に話した。
「まあ、一応呪いの人形かどうかは妖気があるかどうかで判断できるからいいけど人形だしアリスにも来てもらえるように頼んでみるか。古文書はこうr…いや慧音さんあたりに渡すと喜びそうだな。」
「じゃあ、明日辺りにする?」
「…いや、一応聞いてからだな。ということでちょっと行ってくる。」

―アリスの家―
「というわけなんだがどう?」
「人形の鑑定ね…私には無理よ?」
「もしかしたらもらえるかもよ?」
「(外の世界の人形…貴重よね?)……行くわ。」
「明日でもいいか?」
「ええ、平気よ。」
「わかった。」

―博麗神社―
「というわけでお札ある?」
「いきなり来て…というわけなんだがって言われてもわからないわよ。」
「いや、また説明するのかったるいなと。」
「説明しなさいよ!」
「しょうがない。」
説明中…
「なるほどね。明日必要って言われてもすぐにはm」
「そうか。」
俺は財布からお札を出した。
「三十分待って!用意するわ!」
霊夢は目を¥マークにして奥に走っていった。
「…現金なやつだな。」
「まあ、霊夢だし?」
「あ、萃香いたんだ。」
「まあね。」
そして三十分後
「はい、出来たわ。」
霊夢の手には十数枚のお札があった。
「はやいな。」
緑風は霊夢にお金を渡した。
「そんなにお金に困ってるのか?」
「…最近温泉に入りに来る人ばかりで参拝客がこないのよ…」
「…まあ、ドンマイ。」

―そして翌日 楓の家―

「でここがその家か。」
緑風、蓮、アリスの三人は楓の家前についた。
蓮がインターフォンを押した。
「楓、来たぞ。」
「あ、入ってください。」
三人は家の中に入った。
「倉はこっちです。」
三人は倉に案内された。
倉の前には箱が山積みされていた。
「こっちが人形でこっちが古文書です。欲しいやつがあったらどうぞ持って行ってください。」
「これは確かにすごいな…」
「じゃあ始めるか。」
緑風は箱を開け始めた。
「これは平気。」
緑風は箱を閉め、次の箱を開けた。
「これも平気。」
箱を閉め次の箱を開けようとして、
「…これはアウト。」
お札を貼り付けた。
「平気。これも平気。これはアウト。これは平気だけど…はい、アリス。」
緑風は中を見てアリスに箱を渡した。
「え、何?…ってこれ服がボロボロね。」
「直せそうか?」
「ええ、布と糸があれば平気よ。」
「直せるんですか!?」
「そういえば上海とかの服も全部一から作ってるもんな…」
「ええ、どこか場所貸してもらえるかしら?」
「あ、じゃあこっちにきてください。」
アリスは楓に案内されて家のほうに向かった。
少しして楓だけ戻ってきた。
「あれアリスは?」
「直してます。」
緑風は箱を開けチェックしていた。
「平気。平気。アウト。あ、蓮これもアリスのところに。こっちもだな。」
「…もしかして緑風、このためにアリス連れてきた?」
「まあ、予想はしてたしな。」
そして一時間後…
「とりあえず人形のほうはこのくらいだな。」
緑風は全部の箱を分け終わった。
「ほとんどは平気だったな。」
「やっぱり危ないのあったんですね。」
「まあ、そこまで酷いのはなかったがな。アリスの修復が終わるまで古文書のほうチェックしてていいか?」
「あ、はいどうぞ。」
緑風は古文書の方の箱の山を確認し始めた。
「そういえば蓮さん。アリスさんって直すだけじゃなく人形の服も作れるんですか?」
「作れるぞ。」
「じゃあ後でお願いしようかな…?」
「お前が?」
「あ、はい。部屋の人形の服を。」
蓮は少し考えた後…
「ああ、あの日本人形の。」
「はい、僕が適当に直したんでしっかりしたのがいいなと。」
「言われてみれば確かにつぎはぎだらけだったな。」
「あの人形、倉の床に落ちてたんですよ。」
「そうなんだ。」
「はい、髪がものすごく伸びてて、」
「ん?髪が伸びて?」
「それにほこりまみれで床に転がっていたんで、普通くらいの長さまで切ったんですよ。」
「……おい。」
「汚れてたんでお風呂で洗って、きれいにしたらけっこう良さそうな日本人形だったんで飾ったんですよ。」
緑風も古文書の箱を開けるのを一回やめて楓の話を聞いている。
「そういえば視線とか感じるようになったのってあの人形を部屋に飾ってから少ししたときくらいだったかな?たぶん関係ないと思いますけど。」
『……』
蓮は緑風に視線で
(あきらかにその人形のせいだよな?)
と送った。
緑風は頷いた。
もしかして楓気付いてないのか?
「なあ、楓、その人形おかしいと思わなかったのか?」
「どこがですか?」
楓は聞き返してきた。
「(普通はおかしいと事だらけだよ!)か、髪が伸びたりとかさ。」
「え、普通は伸びないんですか?東風谷さんの神社にもけっこうそういう人形ありましたよ?」
「全部修理終わったわよ。…ってこの空気何?」
アリスが箱を持ってやってきた。
「なあ、その人形見せてもらっていいか?」
「あ、はい。じゃあ部屋に案内します。」
楓は三人を部屋に案内した。

―楓の部屋―

「あ、お茶入れてきます。座って待っててください。」
楓は部屋を出た。
「さてと。」
緑風は箪笥の上にある人形に近づいた。
「付喪神ってのはわかってるんだ。何をしたいのか言え。」
と言った。
「あ、やっぱその人形が視線や気配の正体だったのか。」
「……」
人形は箪笥から降りた。
「なんでわかったの?」
「いや、話を聞くとわかるだろ。普通はおかしいって。」
「で、楓になんかして欲しいのか?」
「おれいがしたい。」
「お礼?」
「ぼろぼろだったわたしをきれいにしてくれた。」
「普通に言えばよかったんじゃないの?」
「こわがられてくらにもどされるとおもった。」
そこまで言うと何かを感じたのか人形は箪笥の上に戻った。
「お茶が入りました。」
そして楓が部屋に入ってきた。
「あ、その人形です。そうだ、アリスさん。その人形にあう服って作れます?」
蓮は何かを思いついたようでアリスと緑風を寄せて小声で話し始めた。
「アリス。何か理由をつけて人形を預かれるか?」
「どうして?」
「人形を預かれば視線は消える。そこで2,3日後に会ってあれが妖怪だといってどう反応しりたい。」
「怖がるか平気かってことね。」
「緑風、悪い妖怪じゃないんだろ?」
「ああ。」
「もし怖がるようだったら幻想郷に連れて行ってそのままでいいし、平気だったらあの人形も恩返しできるだろ?」
「なるほど。」
「どうしました、蓮さん?」
楓が不思議そうに声をかけてくる。
「なんでもない。」
「それでアリスさん、作れますか?」
「ええ、けど服の採寸とかしたいから2,3日預かって平気かしら?」
「あ、はい。いいですよ。」
アリスは人形を預かった。
その後、少し話をして古文書と封印が必要だった人形を持って蓮達は帰った。



―おまけ1 守矢神社にて―

蓮「昔の楓ってどうだったんだ?」
早「楓さんですか?そうですね…少しずれてる人でした。」
氷「そういえばそうでしたね。」
蓮「ずれてるって?」
氷「供養するためにおいてあった髪が伸びる人形を見ても「不思議な人形ですね―。」って言ってましたね。」
早「そういえばそうでしたね。」
諏「何の話?」
早「諏訪子様。楓くんの話です。」
諏「楓?ああ―、早苗の同級生でよく氷晶の案内をしてくれてた。かわったあの子か―。」
氷「あれ?諏訪子さんもなにかあったんですか?」
諏「私が神様って言ったとき「神様なんですか、すごいですね!」と本当に信じてくれたね。普通は白い目で見るのが多いのに。」
蓮「……楓ってかわったやつだったのか。」


―おまけ2 人里にて―

チリンチリン
?「いらっしゃいませ。」
ここは人里の貸本屋。
緑「ちょっといいか?」
?「はい!どうぞ!」
と飴色の髪を鈴のついた髪留めでツインテールにしている少女が返事をした。
緑「小鈴ちゃん、妖魔本集めてるって言ってたよな?」
小鈴(以下鈴)「はい。」
彼女は本居小鈴。ここの店員だ。
緑「それっぽいのこの前いくつかもらってきたけどいる?」
鈴「あ、もしかして外来本ですか!?」
緑「ああ。ちょっと蓮の知り合いからもらったんだ。」
鈴「ありがとうございます!」
緑風は小鈴に本を渡した。


―おまけ3 楓の家にて―

蓮「で視線や気配はどうだ?」
楓「蓮さん達が来てからしなくなりました。」
蓮「やっぱりな。」
楓「それで服は出来たんですか?」
蓮「その前に1つ聞きたいことがある。」
楓「なんですか?」
蓮「あの人形が妖怪だったって言ったらどうする?」
楓「…妖怪だったとして害のある妖怪ですか?」
蓮「違うぞ。」
楓「だったらどうもしませんよ。」
蓮「そういうと思ったよ。ほら。」
蓮は机に人形を置いた。
蓮「じゃあ、用事は済んだから帰るわ。あ、アリスからの伝言。「服が欲しくなったら蓮に言って。また作るわ。」だってよ。」
蓮は帰った
楓「…妖怪だったんだ。けどなんで蓮さんあんなこと言ったんだ?」
人形「くらにもどされるかとおもって。」
楓「喋った…って妖怪だから喋るのは普通か。」
人形「こわくないの?」
楓「怖くはなね。可愛い人形が喋ってるんだしね。」
人形「…おれいがしたい。」
楓「お礼?何かしたっけ?」
人形「くらからだしてくれた。きれいにしてくれた。」
楓「僕がしたかったことをしただけだからお礼はいいよ。あ、妖怪ってことは食事もいるよね?これから食事は2人分か。」
人形「このすがたのときはしょくじはへいき。」
楓「そうなんだ。」


―おまけ4 楓の家にて2―

トントントントン
楓「…何の音だろう?」
朝目が覚めると、台所から音がした。まるで料理をしてるような…。
いい匂いもしてきた…って誰かが料理してるな。誰だろう?
僕は台所に向かった。
?「おはようございます。もう少しで朝ごはんできます。少し待っていてくださいね。」
台所には長い黒髪の女性がいた。…誰だろう?
楓「え―と誰?」
?「え!わかりませんか…?」
女性は少し寂しそうな顔をした。
誰だろう?知り合いにこんなきれいな人がいたらすぐにわかるはずだし。あれ、そういえばあの人が着てる着物、アリスさんに作ってもらった人形用の着物と同じだな…ってもしかして
楓「もしかして、人形?」
女性はうれしそうな顔をした。
楓「あれ?けどなんで?」
人形「この大きさにもなれるんです。この姿だと食事も必要なんですけど…。」
楓「そうなんだ。そういえば人形って呼ぶのもなんだし、名前教えてくれる?」
人形「あ、はい。私は…」


―おまけ5 緑風&蓮の自宅にて―

緑「で、結局どうなったんだ?」
蓮「普通に暮らしてるよ。蓮も一人暮らしって結構寂しいから話し相手が出来てよかったよ。月も、あっ、月ってあの付喪神の名前だって。月も家事やってくれるから助かるって言ってるし順調っぽいよ。」
緑「家事って…できるのかサイズ的に?」
蓮「なんか大きくなれるみたいだって。食事が必要になるけどって言ってたな。」
緑「食事って普通の?」
蓮「普通の。」
緑「色々突っ込みどころがあるけどきにしちゃいけないんだろうな。」
蓮「だな。」





―あとがき―
というわけで久しぶりの更新です。
蓮「かなり時間が空いたな。」
すいません。正直ネタ切れです。
蓮「そういえばおまけでコンプエースの漫画のキャラ出してたな。」
すいません。漫画まだ買ってないんでおかしかったらスイマセン。
蓮「発売してたっけ?」
確か26日発売。
蓮「…金あるの?」
がんばる。
蓮「ヴァンガードの綺羅の歌姫4箱買うのに?」
…だ、大丈夫だ。昼飯を節約すれば買える。
蓮「そういえば新オリキャラ出してたけど?」
ああ、あれは新しい小説用(短編)に出したのもある。
蓮「新しいって東方?」
いいや、違う二次創作。
蓮「また増やすのか?」
あくまでも予定。書いても短編だし。
蓮「ちなみにそのタイトルは?」
ほうかご百物語。
蓮「…アニメ化とかしたっけ?」
いいや。してないよ。ノリで買って面白かったし完結してるし書いてみよっかな―と。ちなみに電撃文庫の小説です。ジャンルは学園ラブコメなのかな?
蓮「学園もの?あれ?けど年齢的にアウトじゃないか?楓の設定大学生だろ。」
大丈夫。基本設定としてこの話の数年後にして楓を舞台の学校の新任教師にするから。
蓮「おい。」
けど数年後や数十年後の話って書いてみたいんだよな―…
蓮「書くのか?」
気が向いたら。
蓮「おい。」
それではこんな作者ですがこれからもよろしくお願いします。


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2013年03月21日(木) 23:49:59 Modified by kq800




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