'アメリカの雑記'


脚本:

字幕「(ヨウゾウがナオミから去り)
1か月後・・・。」

字幕「中国ホンコンゲート・・・。」

飛行機が香港市街をかすめて降下する。
香港ビクトリア湾のグリーンの水面が見えてくる。
香港空港。
(飛行機から降りた)ルービークルー財団のジョシュ調査員が空港内へ。
ジョシュ調査員の顔アップ。
字幕「ジョシュ調査員・・・。彼はサンフランシスコから脱出したヨウゾウを追ってきた。ルービークルー財団からの命令を受けて・・・。」
ジョシュ調査員の着ている制服は、ルービークルー財団のマーク入り。
* マークは、(仮面奇譚シリーズの)「角の生えた仮面」。
ルービークルー財団のマークのクロースアップ。
字幕「」

ジョシュ「ミスター・ヨウゾウ、君の類まれなる危機対処能力、すべて見ていた。それが、ルービークルー財団の調査力だ。君は、その類まれなる才能を、憎しみと復讐のために使ってきた、そうだろう?」

ホンコン・重慶マンション。
異国籍の人々が行き交う。
ヨウゾウ(ナレーション)「このマーケットには、多くの国々からやってきた人々が行き交っているのだ。インド系の人々も多い。現在のインド本国について、私は、ほとんど全く知識がない。おそらく外国人の多くがインドについて思い描くイメージ、・・・それは、インドのカレー、ターバン、サリー、タージ・マハル、ブッダ、ヒンズー教、ガンジー、ボリウッド、ダンスムービー、IT推進国、インド数学、そして、マザー・テレサ、・・・ということぐらいか。移動していると、異国的な雰囲気の店がいくつも軒をつらねてる。じつは、前からターバンが欲しかったので、サリーなどを売ってる店で購入を考えはしたが、やめといた。ケバブ・ハットで、ゴートのカレーを食べてみた。うまかった。




ヨウゾウ「ホンコンゲートから、チャイニーズ・メインランドへ入り、シルクロードへと向かう道中、酩酊してしまい、全てを失い、気づくとボロをまとい、野山をさまよい、わずかながら、平原の民から施しを受け、感謝を知った。」



コウイチロウ「愛の力が重要なのだ。全ての力の源は愛だ。」

ヨウゾウ「あなたが、パンダ・コウイチロウ先生ですか?」

コウイチロウ「いかにも、そのとおり。」

ヨウゾウ「しかし、あなたは、アニメのように見えますが。」

コウイチロウ「そんなことは、たいしたことではない。大切なのは、命じゃ。」

(フラッシュバック)
伝説のカンフーの達人フェイホンが、ヌンチャックを練習している。

コウイチロウ(ナレーション)「そなたも、名前くらいは知っておろう、あのウォン・フェイホン先生が、カンフー指南書の中に、わたくしを描いたのじゃ。」

カンフー指南書を描くフェイホン。
月明かりの入り込む部屋。
たくみな筆先。
カンフーの型々を、パンダのキャラクターの絵で描いている。
コウイチロウ(ナレ)「そのように、わたくしは命を受けた」


コウイチロウの家
家は、歴史を感じさせる外観。
家の前に飼い犬ダックスがいる。こちらをじっと見ている。何か言いたそうな目だ。
家の中。東洋の間。
壁にかけてある書「正思共神」

ヨウゾウ「その書はなんですか?」

コウイチロウ「それか、それは、私の師匠から頂いた書だ・・・。正しい事を行い、思いやりを持って、へりくだって神と共に歩もうとすれば人生はいいものになる、と教えられた。」


パンダ・コウイチロウは、空を飛ぶブリキの犬の形の車に乗って移動する。

コウイチロウ「周囲の全てに耳を澄ませ。かすかな音が、何かを教えてくれる。人の心の悪も、そこから見つけ出せる。」



ヨウゾウ「私は、私自身の中の憎しみから抜け出さねばならなかったのだ。その1つの方法は広い世界を見ることだった。」

(フラッシュバック)
バイクにまたがるヨウゾウ。
世界各地・特産物の写真が3コマごとに無数に映る。









THE CODEC FOR THE NOVEL OF CONTEMPORARY DAYS:

LOUVY CORPORATION IS IN PROJECT NAMED "AREA YNS."

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NOW YOU CAN READ:

『アメリカン・ブルース・ジャーニー』 By M + YH of Louvy (c)2007



.献礇僖法璽此Ε蹇璽ル・ミュージシャン・タカギ

タカギは、19歳の青年だ。
彼は、この2000年代に、よくありがちな、音楽を志す男性。
彼の志すターゲットもまた、何万という音楽青年がフィーバーするロックワールドだった。
タカギは、大学の学園祭ではじめてロックの舞台に立った。
熱い声援!
スポットライト!
エクスタシーにのけぞるWOMEN!
タカギは、ロック・ミュージックの舞台で、あつい、こみあげる何かを感じはじめた。
2000年代は、またストリートロックの時代でもあった。
JAPANのストリートというストリートには、夜な夜な自称MUSICIANが出没!
そこから、メジャーレーベルへと昇華するものもいた!
タカギもまた、学園祭では飽き足らず、ストリートに出た。
デモテープをJAPANメジャーレーベルに何度も送付したが、その反応は今ひとつだった。
タカギは気づいた。
彼のMUSICには、源流がない、と。
ロックは、日本では表層的な文化だ。その源流の魂が欠けている。


▲▲瓮螢ン・トリッパー・タカギ

タカギは、エンターテインメント音楽の魂の源流をたどると決意するやいなや、ユナイテッドエアラインに乗り込んでいた。
ニューオリンズ。
ここは、古来、エンターテインメント音楽の聖地だ。
タカギはミューオリンズに降り立っていた。
彼を、その衝動に走らせたエンターテインメントの息吹はニューオリンズの空港にさえ、すでに漂っていた。
ニューオリンズは、フランス人が入植し開発した街だ。
フレンチコロニアルと、ブラックミュージックが独特のアトモスフィアを作り出していた。
ブラックたちは、日常の生活、ささいな自然の変化、時の過ぎ行くさま、人生への感謝、神への賛美、恋人との時間、そんな全てを音楽にした。
一日のはじめ、太陽がただ昇るというだけでも、彼らはそこにエンターテインメントを見出すのだ。
モノにあふれたソサエティからやってきたタカギは、ニューオリンズの人々から、人間の生の本質にある「源流」が音楽と連動したときに生まれるフリーダムを感じた。


タカギ・ザ・ジャパニーズ・ミーツ・ザ・レジェンド

タカギは、ニューオリンズの風通しの良いフレンチコロニアル街を歩いた。
100年前からある緑と白のペンキで塗装された木造の簡素な建物に挟まれたSTREETは、アメリカの移民の歴史を感じさせる。
ふと見ると、日本人が経営しているのか、寿司屋があったり・・。
タカギは、フレンチコロニアルを歩いているうちに、アメリカ音楽の源流の1つであるニューオリンズJAZZを聴かせる店(スモールホール)を見つけた。
タカギの時代は、ロックの一派として、60年代ビートルズや70-80年代VIRGINレコーズから出てきたブリティッシュ・ロックの動きがJAPANでも盛んだったので、アメリカの音楽の源流は、一種忘れ去られた感があった。
音楽の歴史家は、よくアメリカン・ロックは「風が吹き抜けるようなサウンド」だと言う。
アメリカ=風。
広大な土地を自由に吹く風、それがアメリカの音楽の伝説を作ってきた。


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タカギは、アメリカの魂、アメリカン・ブルースを自分のものにしようと、町の音楽ホールに通い、ニューオリンズのストリートで、ブルースを奏でてみた。
聴衆は、きびしく、「アメリカの魂がまだわかっちゃいないね」と去ってゆく次第。
タカギのフォーク・ギターはパワフルな音色に到達せずにいた。
タカギは、小澤征爾の音楽修行の本を読みながら、世界を求めた音楽家の魂を自分のものにしようとあがいていた。
タカギがニューオリンズの暑さのなかで、フォーク・ギターを地面に置いたまま、安いアイスクリームを舐めていると、ギターの前に「影」が止まった。ふと見上げると、そこに、不思議な東洋人が居た。
「ブルースの魂を理解したいようだね」東洋人は言った。
「アメリカ南部のブルースは、アフロ・アメリカンの歴史と共にある、それを簡単に君のようなJAPANESEが理解するのは難しい。また、音楽は理解ではない、FEELだ」
東洋人は、地図を差し出した。
そして去っていった。
地図が示していたのは、ルイジアナの外れ、荒野の中のログハウスだった。
地図の端に「このログハウスに、8時だ」と書いてあった。
東洋人は何者なのか、彼は敵なのか、味方なのか?
去ってゆく東洋人の姿が段々小さくなる。
タカギはASKした。「ヘイ、ユー、オリエンタル・ガイ! あなたを何と呼べば?」
東洋人は答えた、
「ブルースマスターX」


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そこは、風が吹き荒れる荒野だ。
アメリカの荒野には、アメリカの魂がある。
どこまでも続いている荒野。
濃い青の空。
つぎつぎに形を変えてゆく雲。
永遠と諸行無常の土地。
人間の存在を軽く超えてしまう大地。
それがアメリカ。
ログハウスは、そんな荒野の真っ只中にあった!
ログハウスを見つけたタカギは、TOYOTAのランドクルーザーの助手席を出た。
ランドクルーザーを運転しているのは、ネイティブアメリカンの男性だった。
「ミスター。ミスター・タカギ。この土地には、古代からのネイティブアメリカンの荒ぶる魂が吹き荒れている!
I FEEL IT.
気をつけて」
ランドクルーザーの男は「じゃあ、1ヶ月後に、この場所、この時間にミスターを迎えに来るよ」、
そう言うと、そそくさとエンジンをかけて去っていった。
タカギのショルダーをポンと、誰かの手がたたいた。
振り返ると、さきほどまで何の気配も感じられなかったのに、黒肌の東洋人がそこにいた。
「私は、甲田忠一朗です。ニポン人です」
彼はそう言った。
「マスターはアナタをまっておられます」


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甲田忠一朗は、タカギをログハウスの中へ案内した。
ブルースマスターXは、木彫りのネイティブアメリカン人形を彫りながら、甲田忠一朗に開けられた扉の方をジロリと見た。
「きたかね」
ブルースマスターXは、脇に置いていたギターをつかむと、ほい、とタカギに投げた。
タカギは、とっさにそれをキャッチした。
「なにか、弾いてみな」ブルースマスターXは言った。
「では、アメリカの大地と、永遠の時間、そして、アフロの魂を1つにした新曲をいきます」、そうタカギは言うと、タカギ流のブルースを奏ではじめた。
ブルースマスターXは、それを聞き終えると、「いい線いっとるな」と言った。
「しかし、君は、日本という、システムが完備された社会に毒されている部分がある。それが、君の曲に見えるのだ。それは、アメリカのフリーダムの魂、NATUREの魂にうまくなじまない。君は、今から1週間、この荒野で、キャンプをするべきだな。それでは、少なすぎるかもしれんが、すばやくアメリカ大地の魂を理解するには、荒野の夜を越えねばいかんのだよ」
ブルースマスターXはニヤリと笑い顔を浮かべた。
「私も実は、東洋の男、アメリカの魂を学んだのは、15の時だ」


Д献礇僖法璽坤愁Ε襦Ε侫ー・ブルース

アメリカは、一見単純に見えるが、実は複雑だ。
タカギは、それを肌で感じていた。
そう、この国には、世界のあらゆる文化が集合しているのだ。
そしてアメリカの大地は、それら全てを受け入れてきた。
だからこそ、この土地は自由の土地なのだ。
ものを言う市民の国。
それがアメリカだ。
タカギは、日本に居た頃に読んだ本を思い出した。
文明開化の時代、多くの日本人たちがアメリカに学んだ。
多くの文筆家たちが、開かれた日本を模索し、この土地を旅した。
その旅は、こんにち、この国を訪れるジャパニーズソウルに繋がっている。


┘愁鵐亜Ε侫ー・グレートフィールド、そしてインサイド・ザ・ロック

タカギは、アメリカの、果ての見えぬグレートフィールドを讃える歌を演奏し始めた。荒野の犬たちが、その音楽を聴いて、遠吠えをはじめた。風に舞い、賛歌はフィールドを被った。
甲田氏は、そのウタに涙し、タカギの元にやってきた。
「すばらしいです、すばらしいです、あなたは、私には不可能な業をすることができる!!」
甲田氏は、謎の男だ。
彼がなぜここに居るのか、タカギは疑問に思っていた。
甲田氏は語りはじめた、「私のひいおじいさんは、文明開化の頃のJAPANより、このアメリカに来たりし小説家だったのです! その名は、甲田久作。あなたも、その名はご存知でしょう?」
甲田久作、そうだ、あの甲田久作だ。
1899年、日本の神戸より出航し、アメリカの西海岸、シアトル港に到着した、あの作家だ。
甲田久作・・・、彼は、しかし謎の人物だ。
タカギは、高校時代の「文学」のクラスで、そう教えられた。
甲田久作の著作は、いくつか日本で出版されベストセラーとなった。
たとえば、『うえすたん物語』などは誰もが知っている。
彼は文明開化時期に、西洋的個人主義を訴えた男でもあった。
しかし、当時の多くの日本国民は彼が肌で感じたものを理解しようはずもなかった。
彼はいくつかの名作を文明開化時期の日本に残し、自らは国を出た。
伝説によれば、彼は自らの財産でアメリカに土地を買い、アメリカの地で、その後の生涯を過ごした。
彼のいくつかの著作は知っていても、ほとんどの日本人は、彼のアメリカ生活をトレースしなかった。
この甲田忠一朗氏が、まさか、あの甲田久作の子孫だなんて!
タカギは、ここで、伝説と交差することになったのだ!
甲田氏はタカギの音楽に何か心打たれていた。
タカギのうたは、言葉にならない人間のサガを音にしていたのだ。
言葉が全てではない。
ソウルは、言葉にならないものがある!
しかし、人は言葉にしたがる存在だ。
言葉を紡げば、それはたしかに洗練されるだろう。
そうだ、洗練された言葉があるはずだ!
しかし、タカギは限界も感じていた。
「ひいおじいさんの遺した彼の全てのライティングを、いま、あなたに見せよう」甲田氏はそう告げた。
甲田氏は、「きなさい」と言って、タカギをグレートフィールドの中にある湖に連れて行った。
「ひいおじいさんは、じつはアメリカに莫大な財産を残しました。私どもは、その一部を使って、超近代化されたストレージを、この湖の地下に建造しました。そこに、ひいおじいさんの未発表のライティングが保存されています」甲田氏はそういうと、空に手をかざした。
「これは、手相認証システムです、そして、ボイスサウンド認証システムを稼動させます。オープンセサミ!」
湖の中央から、巨大な岩がしぶきを上げて出てきた。そして、その岩の中央に穴が開いた。
「さあ、あそこへ、入ります!」
そう甲田氏は言うが、タカギは唖然としている。
「どうやって、湖を渡ってゆくんだい?」
甲田氏は答えた。
「水の上を歩けます。この岸から、あの穴まで、エレクトロマグネティック・フィールドによって、橋が出来てます、目には見えませんが・・・」
甲田氏は、さっさと、見えない橋に乗り、水の上を歩き始めた。
「さあ、ミスター・タカギ、カモン! インサイド・ザ・ロックへ!」

岩の奥に2人が入ると、そこは、チタン蒸着でコーティングされた超現代型のストレージになっていた。
「ここのコンストラクションとハイテク・コンピューティングには、トーキョーの技術を導入してます」
甲田は、そう言うとホログラム・スクリーンを稼動させて、彼の曽祖父の立体映像を映し出した。
甲田曽祖父のホログラム・フィギュアは、リアルだった。
甲田忠一朗は「このホログラムは、曽祖父のDNAによって作成された彼の分身なのです」とタカギに言った。

ホログラムの曽祖父は、タカギを見ると、おどろきの表情を浮かべた。
「この男、この男は100年に1人の男。世界のスーパースターになる素質の男! フェスティバル・エンターテイナー! 私は待っていたのだ、私は・・・!」

甲田忠一朗はタカギを見つめた。「やはり、キミか」

そこへ、ブルースマスターXが入ってきた。「ふふふ、やはりキミだったのか。実は、1年前、星を読むインド人と出会った」


フレンチ・コロニアル・エリア・ワン・イヤー・アゴー

1年前のニューオリンズ・・・。
ニューオリンズは、特殊な町だ。アメリカ合衆国の建国の魂がいまだに感じられる開拓地の雰囲気を持ち続けている。

馬が引く馬車が行き交い、馬の蹄が石畳を踏みつける音がこだまする。

そしてフレンチ・コロニアルの建物とストリートとプラザに雑踏が集まる。そこでは、ブラックたちがJAZZを演奏している。ストリート・パフォーマーといっても、世界でも一流のミュージシャンのレヴェルを持つ。

フランス系移民と原住民が混血を繰り返してきたので、女性はフレンチ風のオールドスタイル・ワンピースとフレンチスタイル・パラソルをかざして通りをおしゃまに歩いている。本場ヨーロッパのそれとも違うが、サザンステート・パリジェンヌたちは、陽気で楽しい。

そんなフレンチ・プラザをブルースマスターXは歩いていた・・・。
プラザは、多くの人々でごったがえしていた。
ヨーロッパからの観光客、アジアからの商人、・・・様々の肌の色。

プラザの入り口に、「スターリーダー」と看板を掲げたインド人風の男がいた。
目がぱっちりしていて、麻色の肌、濃い色の髪と眉、そして濃い口ひげを蓄え、白いターバンを頭に巻いていた。
ブルースマスターXを見ると、そのインド人風の男は口を開いた。
「そこの東洋人、あなたは、さがしている。そうだ、あなたはさがしている。ブルースの星を」

「わかるのか」とブルースマスターX。

「一年後、ここへ、この場所へ、ここ、この同じ場所へまた来なさい。私はインドから来たスターリーダー、星を読む男。ここで出会いが起こることを星が示している。ここで星同志が出会うのだ」スターリーダーは答えた。

その日は、暑い日だった。ブルースマスターは、額の汗を拭いて、ギラギラに照りつける太陽を一瞬見た。
そして、インド人のスターリーダーの方へ目を下ろすと、もう、そこには誰もいなかった。
「夢、白昼夢・・・?」


 ポーカー・シップ・オン・ミシシッピ

荒野を流れる、巨大な川・・・。
ミシシッピ。

そこにゆったりと浮かぶ、客船・・・。

客船の甲板には、3人のフエルト帽を被った男たちがいた。

そうだ、その男たちとは、ブルースマスターX、甲田忠一朗、タカギ。

3人の東洋人。


 ソウルフル・デイズ・アンド・ウーマン・オブ・ドリーム

マスターXは、甲板から更けてゆく夜を見ていた。
マスターXは口を開いた。
「なあ、甲田君、高木君、我々3人は、ひょんなことから、極東の同じ島国に生まれ、今ここにこうして3人でいる。この船はポーカーシップ。ここで、ポーカーでな、私の資本を数十倍にする。私は、生まれつきのギャンブラーでもある。ここで作った資金を使って、アミューズメント界へのりこむのだよ。アミューズメントとは・・・、アミューズメントとは、人々を楽しませるビジネスなのだ。私は、ショウマンだった。私も、観客を取り込み、人々に時間を忘れさせるようなショウを見せていたときもあった。今はすこし歳をとりすぎたよ・・」
甲田は悲しい顔を見せた。そして言った。
「マスターX、そんな悲しいことをおっしゃって・・」
マスターXは甲田に答えた、「いや、悲しいストーリーではない。私は、じょじょに、現代に響く言葉を失いつつある。それが分かる。時代はかわる。今のヤングたちには、ヤングの言葉がある。その時代は、その時代の者によってつくられてゆく。高木君、君はいいモノをもっているよ。君にここで増やした資本の一部を渡そう。それで、アミューズメントの世界の扉をひらいてくれ。私は君を見守っているよ」
高木は涙した。
「ありごとうございます、マスターX。しかし、まだまだ、あなたの力には及びません。今朝も、あなたの見せてくれた業に驚き、私は、吹き飛ばされそうなパワーをさえ感じました。今朝のあらぶる風・・・、あの大風のことです。アメリカ南部のあらぶる大風は魂を持っています。あなたは、それを、すばらしい音と言葉でしずめたではないですか。ネイティブ・アメリカンの勇敢な男でも恐れる、あの荒野のあらぶる風・・・。わたしなど、ちびりそうになりました。なんの言葉もおもいつかず、ただ、たたずみました」
マスターXは、すこし空を見ると、高木に言った、「高木君、君は、まだ場数を踏んでいないから、そう思うのだよ。君は十分な才能、タレントを秘めているよ。たしか、君はJAPANのストリートで、魂の言葉を学んだ、そう言っていたね。それは、間違いではなかったのだよ。君は100年に1人の男だ。君はアミューズメント・キングだよ。君の血がそうさせるのだ。君はできる」
高木は困惑した。
「しかし、マスターX、私は、JAPANのストリートですこし学び、そして、このブルースの大地に来てそれほどもたちません。私はもっと、あなたに教えをいただかねばならないのでは?」
マスターXは答えた、「いや、君は無意識に多くのことを学んだはずだ。あとは、選択するのだ。君自身の本来の姿になるために、君は君の得たものから選択せねばならないのだ。私は、一瞬のきっかけでしかなかった。君は、このポーカーシップに乗る前の1週間、荒野でキャンプしながら、その修行のなかで、学んでしまっている。君はそれほどの男だよ。私には分かる。だから、私は安心して去る。私は実は、ここで、資本を増やしたら、多少の社会奉仕をしたあと、南ヨーロッパに移り住むのだ。甲田君も、いままで、よく私のために仕事してくれた。ありがとう」
そんな3人を見る、1人の女性がいた・・・。


第12章 
ポーカーシップは、ゆるやかに大河を進んでいた。
高木はまだ甲板に居た。
高木のそばに女性が歩いてきた。
茶色のショーカットで、印象的な目をしていた。
「私はサンセット。あなたにひとめぼれ!」
女性はそういうと、高木に寄り添った。
高木も彼女をかわいいとおもった。
彼女は、ポーカーシップのヌードダンサーだった。

甲田は自分の船室で、天井を見ながら、すこし涙を浮かべていた。
バンドマンたちの音楽が響いていたかと思うと、とつぜん鳴り止み、大きなベルが鳴った。
「優勝者が決まりました!」
そういうアナウンスが流れた。
高木がポーカーシップのセンターにあるポーカー会場にやってきた。
マスターXが、1億ドルの小切手を3つもらっているところだった。

マスターXは、その1つを高木に渡した、「君のものだ」
高木はすこし困った顔をした。
マスターXは言った、「うけとりなさい。私は君の才能、そのタレントに、これだけ出すのだ。とおい南ヨーロッパで、いつも君を見ている。私をたのしませてくれ。これは、その準備金だ」


第13章
高木は深く礼をし、1億ドルの小切手を受けた。
そばには、サンセットがいた。
「もう、ガールフレンドができたのか、それもいいことぢゃ」マスターXは楽しく笑った。
「高木君、君は、つよく歩いてゆける。君は、私が音楽と言葉で、ネイティブ・アメリカンの荒野に吹くあらぶる風をしずめたのを見ただけで、多くを学んだ。それにオリジナリティをみつけることが出来れば、もっと素晴らしい創造が君のマインドにおとずれる。私は、私の言葉、私のライティングで、あらぶるSOULをしずめたが、君は、君自身の言葉を、おおくのヒントから見つけ、創造すればいい。それがとてもいい。君は、私の言葉・ライティングからヒントを得ることもできる、アメリカ南部の旅から授かった魂の言葉のライティングからも得られるのだ。君は100年に1人の男。君が選択し、君の道をゆけ」


第14章・・・ソウルフルブック
高木は、自らに言った。
「・・・魂の言葉のライティング、そうだ、あのときの!」

高木のマインドは、あの日、甲田の先祖の忘れがたみであった、あの魂の言葉がつづられたライティング本「ソウルフルブック」を得た光景を思い出していた。

それは、湖の中央に突然そそりたった電子岩盤の中・・・。
数世紀未来のハイテクをすでに得ていた富豪・甲田曽祖父のSPIRITとの出会い・・。
さらにそのSPIRITを遺すことに成功した現在の甲田氏・・・。
甲田は、ハイテクにハイテクを重ね、つねに前進していたのだった・・・。
そのハイテクが、甲田曽祖父と高木を結びつけた。

ホログラムとなった曽祖父のSPIRITは、タカギを見ると、おどろきの表情を浮かべた。
「この男、この男は100年に1人の男。世界のスーパースターになる素質の男! フェスティバル・エンターテイナー! 私は待っていたのだ、私は・・・!」

SPIRITは究極の光を放った! 高木は光に包まれ、視界は真っ白になった。目を凝らすと、その光の中に、あらゆる「魂の言葉」が浮かび上がった。魂の言葉、それは生命の言葉、いのちを生き生きとさせる光の言葉、音楽が聞こえ始め、ソウルフルワードがつぎつぎに姿を現し、音となって、高木をつらぬいたあの体験。

高木は、気づくと、晴天のホライゾンにいた。

そばには甲田氏が立っていた。「ソウルフルブックは君を選んだ」

魂の言葉が記されたソウルフルブックは、高木の頭上でくるくる回っていた。

「とりなさい」

甲田は言った。

高木はパッと、ソウルフルブックをつかんだ。
中を開くと、さっき見た命のワードが無数にならんでいた。

「君のものだ」甲田は言った、「本が君を選んだのだから」

その本をつかまえることができた人間は君だけだ、そう、君だけなんだよ、高木君、・・・甲田はそういうと、晴天のホライゾンで空を見た。

雲がきらきら流れていた。


ハッと気づくと、ポーカーシップの甲板ではダンスパーティが始まっていた。
マスターXは言った「君は、ソウルフルブックが選んだ100年に1人のマンなんだよ・・。甲田曽祖父のスピリット、そして現代の甲田氏、また私、この3人がそれをはっきり見た」

甲田はそれに続けて言った、「もうすぐ、1ヶ月になる。君と出会ってね。明日は、あのネイティブ・アメリカンの男が君を迎えにくる。あの荒野だ」

甲田は高木に握手を求めた「君とあえてうれしかった。ありがとう。でも、おぼえているね。ここで、我々ができることは終えた。君の道へとおおいなる力とともにあゆんでくれ」


第15章・・・ネオホライゾン

晴天のホライゾンに高木とサンセットがソウルフルブックを持って立っている。
とおくから砂煙をあげて、ランドクルーザーが見えてきた。

高木は、クルーザーに乗り込むと、言った。
「一番近い空港にいってくれるかな」

高木は、甲田が別れ際にくれた羊の皮の袋を開けてみた。
なかには、古い日記が入っていた。
甲田の日記だろうか・・・。

高木はページを開き、読み始めた。

これを書いたころの甲田は、かなり若かったようだ。しかし、そこには、人生の知恵があった。


(甲田日記)
『私は、ある意味、人生の中で、ふて腐れている。そう、思う。どこかで、なにか、人間という存在を(愛しながら、人生に感謝しながら)幻滅しているところがあるんだろう、と思う。それは、ある意味、間違った人生の認識かもしれない。

人生は、複雑系の世界だ。かつて少年だったころ、それはシンプルだと思っていたが、そうではなかったのだ。しかし、その認識の変化でさえ、肯定的に受け止めてゆきたいと思う。その努力をしなければ、と自分を強いる部分もある。生きようとする者は生きる、と言う人もいる。それは、力強い言葉であり、真実のような気がする。人間の最後の優しさは、互いを許しあうことだ、と誰かが言った。そこに希望があるかもしれない。希望こそ、誰もが大切にする言葉だ。すこし違うかもしれないが、マルチン・ルターが、農夫は、それがやがて育ち実るという希望がなければ種を蒔かない、と言ったような気がする。

希望をあえて壊そうとする人もいるが、それをあえて壊す必要はない。

この世界をすこし見直してみると、我々の世界の中にある希望と名付けてよいようなたくさんの事柄がある。コンピュータの処理速度が5年間でどれほど進歩したか、それが、どれだけ多くの人々のためになっているか、また、そこから自分がどれほどの恩恵を受けているか、そういうことを考えてみる。

現代は、多くの恩恵を人々に与えているにもかかわらず、現代都市で生きる者たちが、今なお荒野を目指して旅に出るのはなぜか?キリスト教世界が現代を合理化する1つのスタンダードとなっているが、キリストの教えが広がる以前の古代の神殿の遺物を、今なお、なぜ多くの人々が旅するのか?答えは、分からない。しかし、多くの事は、人間が生まれたときから、それが発芽するように備わっているEGOとかDESIREとかいう固有の性質が原因だと思う。

私も、青春の一時期(おそらく、多くの人々が青春と呼ぶであろう時期)、キリストが肉体を持って生まれる以前に建設された、ある神殿の遺物を見るために旅に出たのである。その神殿は、奇妙な力があるように見えた。私のEGOに呼応していたのかもしれない。神殿の一部は湖に水没していた。それは、もはや、人が住むには不可能な状態にまで遺跡化していたのだ。そのようであってさえ、なぜに古代の神殿の遺物は、こうも人の好奇心をそそるのか・・・。湖から上がってくる、ほとんど裸体の女性を、私はその時、見ることになろうとは、それは、予期しないことだった。恋や愛は、予期せずに起きるのだ。

神は、曲がった線で正しく描く、というコトワザがあるらしい。我々の道程は、見えない何かに動かされる部分もあり、それは、我々の計り知れぬところで正しいのだ、と納得したい。我々は、我々自身のロジックでこの世を計ろうとするが、なかなか未来は分からないのである。

私は、裸体の女性に突然、恋に落ち、交わり、愛の交歓をした。しかし、その後すぐに、その女性は居なくなり、もう現れなかった。私の心は激しく揺さぶられた。その揺さぶりは、あまりにも大きかったのだ。男と女、という関係は、大きく心を揺さぶるのだと知った。

愛は、心の中を灯してくれる光だ。愛は、いいものだ。

愛はすばらしい。

愛にはいろいろな形があるが、それは、命だ。愛は神だ、と言ったひともいる。

神は愛。

そういえば、そんな言葉をキリスト教会で聞いた。

私のインタープリテーションは、このような哲学や、このような愛を説明するには、まったく能力が不足している。

愛の光あるバイブレーションは言葉ではないのだ。それは、生命なのだ。

命、愛、神。

いろいろなところでリンクする光だ。

キリストさんは、神の子で、神の愛をあらわしている。キリストさんは、バージン・マリーから生まれた。ある人は、バージンが子を産むはずがないともいう。しかし、科学でも、まったく可能性がないとは言えないそうだ。しかしながら、そのようなことは、ふかく考えることでもない。キリストさんは神の子だから、われわれ、普通の人間と生まれ方がちがっていたって、当然じゃないか。バージンからキリストさんが生まれた、なんてロマンチックなことさ。

愛=許し=光=命=生命のバイブレーション=心の楽しみ』



*16章*
その後、タカギとサンセットは、大いなる生命と愛を感じ、激しく愛し合った。

ある日、サンセットは、いなくなっていた。

タカギは、その数ヵ月後、再び戻ってきたサンセットを見た。

またすぐにサンセットは、いなくなっていた。

そして、さらに数ヵ月後、タカギのもとに戻ってきたサンセットは、小さな赤ちゃんを連れてきた。

おどろいたことに、その子は、タカギの子だということだった。
タカギは、受け入れ、しばらく3人で暮らした。

タカギには、このことで、何か気持ちの変化が芽生えていた。
それはワンダフルなことだという気がした。

ある日、サンセットはまた、いなくなった。

タカギは、残された子と、楽器を奏でて楽しんだ。
タカギの子は、難しいことは当然わからないが、楽器から出る音を楽しんでいるようだった。

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CHAPTER 17:
そうだ、これが、アメリカ、北米だ。
JOYだ。

時がしばしたった。

愛がもどってきた。
そうだ、SUNSET、だ。
サンセットがドアをあけて、アパートメントにもどってきた。
サンセットは、しばし、まどろみ、ねむった。

あふれる愛をタカギはおもいだしていた。

タカギの子は、音楽とともに育った。

サンセットは、トランペットのテクニックをもっていた。

タカギのギター、サンセットのトランペット、タカギの子ロームシーの歌、
3つがあいまって、新しいサウンド、神への賛美がうまれた。

3人のバンドは、やがてアメリカで知られるようになり、ついに、
NEW YORK のホールでのコンサートが決まった。

3人のバンドは、神を賛美する唄でメジャーな存在となった。

サンフランシスコのセント・ピーター・アンド・ポール聖堂での
SPECIAL CONCERTも成功した。

タカギは、うたいながら、過去のことをおもいだしていた。
過去のあやまちに対する神の赦しを乞うた。
自らのエゴの重さからとき放たれ、サウンドと唄はいっそうの力を
おびた。

サンフランシスコでの公演を成功すると、
ロームシーが、熱を出してしまった。
ロームシーは、ドクターとナースの熱心な治療でまた元気になった。
タカギは、ドクター、ナースたちの仕事をほんとうにすばらしいとおもった。
あるとき、タカギは、聖書のページを何気なく開けた。

旧約聖書・続編
シラ書
38
医者をその仕事のゆえに敬え。

主は、大地から薬をつくられた。

医者は、薬によって人をいやし、痛みをとりのぞく。

医者もまた、主に祈りもとめているのだ。


タカギは、おおくのことでまよっていた・・。


しかし、神への感謝の気持ちをもった。



CHAPTER 18

「THE SHOW IN NEW YORK」
タカギたちのバンドは、ロームシー・サンセット&タカギと
呼ばれていた。

NEW YORKでのラジオ・シティMUSICホールでのコンサートは大成功だった。
JAPANから、タカギの両親もSHOWを鑑賞にきた。
2人とも、アメリカでついに成功したタカギを見て、よろこんだ。


THE END

*おおくの方の小説を書くための、心の応援を感謝します、感謝を神と友へ。(作者LOUVYスタジオ)
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