当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

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連載というシステム

 漫画や、小説みたいな、お話を書いていると、ある部分を書いたときに初めて、「この部分の伏線を前に張っておきたい」と思い付くことがあります。
 書き下ろしだと、この改変は自由にできるわけですが、連載では、これが基本的にできません。小説なら単行本化の際に大幅に加筆修正するということは結構あるのでしょうが、漫画だとなかなかやらないんじゃないかしら(よく知りません)。
 連載では、できた部分から細切れに発表していくので、後から思い付いたことをすでに発表した部分に反映させるということは、基本的にできないのです。それは、お金を出してすでに発表した部分を読んでくれた人(普通は、自分が読んでいるものはその時点で完璧に仕上がっていると思っていることでしょう)に対する裏切りであります。そういう修正がありうべしということで敢えてお金を出しているのならまた別なのでしょうが。

 すなわち、連載というシステムにおいて、連載時から読んでくれる読者に完璧なお話を提供するには、最初からどういうストーリー展開でどこにどういう伏線を張ってということを完璧に考えておかなければなりません。ところがこれは並大抵のことではなく、後ろを書いているうちにいい伏線を思い付くというのは極めてよくあることです。ストーリー・ギャグにかかわらずです。ストーリーならそれは伏線ということになり、ギャグならそれはフリということになります。
 これだけ考えると、連載というシステムは、見切り発車を助長する意味不明なシステムということになってしまいます。連載というシステムのメリットを考えてみましたが、以下のような物が考えられます。

〆邁箸猟蟯的な収入ができて、作家の生活の安定に資する。
⊇佝納劼猟蟯的な収入ができて、出版社の経営の安定に資する。また、連載誌と単行本で二重に利得できるほか、作品を単行本にしたときに売れるかどうかを連載誌段階で吟味することができる。
0貭蟯間ごとに〆切がやってくるので、作家がその〆切ごとに少しでも書いてくれて、話がちゃんと進んでいく。

 このうち、作品の真の需要者である読者のメリットになるのはのみです。,郎邁箸痢↓△禄佝納劼離瓮螢奪箸任后
 は、要は書き下ろしだと一度に長い量を書く必要があり、また〆切も明確には設定されない(設定されても破った場合のデメリットが少ない)ので、ズボラな作者だと話がなかなか前に進んでいかないということです。
 これは、訴訟と似たような話であります。訴訟も、毎回期日という形で裁判所に集まる日が設定されますが、期日で実質的な議論や交渉はあまり為されません。それでも期日を設定するのは、期日という形で〆切が設定されれば、双方の弁護士がきちんとその〆切までに少しでも主張や立証をまとめてくれるので、きちんと紛争が前に進んでいくのです。筆者は、期日を設定する意味はそれが一番大きいと思っています。

 まあ要は、勤勉で恬淡とした作家からしてみれば「連載」というのは全く不要なシステムということになるわけです。
 こういうことを言うと出版社を敵に回すので、ズボラで貪欲な筆者には、連載というシステムが必要だと言っておきます。

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