当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

フィクションを例にとる限り不法行為ばっかりになる気がするぞ!
どうやってバリエーションを出すんだ!!
アイディアあればください!!

基本ルール

・訴状の日付にかかわらず、準拠法は執筆当時のものにしています。郵便番号も7桁で通しています。
・原作で設定がない部分は適当に決めています。

できたもの

デタラメ訴状シリーズ その1 (出典:魔法少女まどか☆マギカ)
デタラメ訴状シリーズ その2 (出典:ウルトラマン)
デタラメ訴状シリーズ その3 (出典:School Days)
デタラメ訴状シリーズ その4 (出典:あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない)
デタラメ訴状シリーズ その5 (出典:ドラえもん)
デタラメ訴状シリーズ その6 (出典:サザエさん)
デタラメ訴状シリーズ その7 (出典:タッチ)
デタラメ訴状シリーズ その8 (出典:美味しんぼ)

アイディア

・建物あるいは土地の明渡
・野原ひろし・みさえ夫妻
・さくらひろし・すみれ夫妻
・不貞慰謝料

巻頭言

 アイディアの発端となったのは、ときメモ裁判における最高裁判決です。ときメモ裁判の詳細を述べるのは避けますが、ときメモの著作権が問題になった裁判だと理解しておけばとりあえず大丈夫です。
 判決の冒頭で、最高裁は「ときメモ」のなんたるかを一生懸命説明しているのですが、筆者にはその文章がおもしろくて仕方ありませんでした。以下にその部分の全文を引用します(最判平成13.2.13民集55巻1号87頁)。

「本件ゲームソフトは、ゲームを行う主人公(プレイヤー)が架空の高等学校の生徒となって、設定された登場人物の中からあこがれの女生徒を選択し、卒業式の当日、この女生徒から愛の告白を受けることを目指して、3年間の勉学や出来事、行事等を通してあこがれの女生徒から愛の告白を受けるのにふさわしい能力を備えるための努力を積み重ねるという内容の恋愛シミュレーションゲームである。
 本件ゲームソフトにおいては、プレイヤーの能力値として9種類の表パラメータ(体調、文系、理系、芸術、運動、雑学、容姿、根性及びストレス)及び3種類の隠しパラメータ(女生徒のプレイヤーに対する評価を示すときめき度、友好度及び傷心度。以下、表パラメータと併せて「パラメータ」という。)の初期値が設定されている。そして、プレイヤーが選択できるコマンドが予め設定されるとともに、コマンドの選択により上昇するパラメータと下降するパラメータとが連動するように設定されており、プレイヤーが到達したパラメータの数値いかんにより女生徒から愛の告白を受けることができるか否かが決定される。本件ゲームソフトにおいては、初期設定の主人公の能力値からスタートし、あこがれの女生徒から愛の告白を受けることを目標として主人公自身の能力を向上させていくことが中核となるストーリーであり、その過程で主人公の能力値の達成度等に応じて他の女生徒との出会いがあるという設定となっており、そのストーリーは、一定の条件下に一定の範囲内で展開されるものである。」

 笑いを解説するのは野暮だとは思いますが、いわゆるギャルゲーをあのお堅い最高裁がお堅い調子で(かつ的確に←これ重要)説明しているギャップがたまらなくおもしろかったのです。
 ここから、フィクションの作品を我々の業界のお堅い言葉使いで書くとおもしろいのではないかと思い至りました。訴状という形で、フィクションの作品で起きているできごとを法律家の言葉で表現してみようというのが、このデタラメ訴状シリーズの試みであります。

 もう一つ、このデタラメ訴状シリーズには裏テーマがあります。
 筆者が作成したデタラメの訴状は、まあ文章の巧拙や内容のおもしろさは措くとしても、題材について知識があると、ある程度楽しく読めると思います。
 他方で題材について知識がないと、全く読む気にならないと思います。
 裁判官と弁護士は、普通、題材について全く知識がない状態から、これらの文書を読まないといけません。それも、ここで題材にしているフィクションのように、題材としての劇的なおもしろさはない事例です。でも、そうやって知らん人の喧嘩の話を聞くのが彼らのプロとしての仕事なので、読まないわけにはいきません。そういう辛さを分かってもらうというのが、このデタラメ訴状シリーズのもう一つのテーマなのです。

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