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死印

 暇だったのでやりました。脱出ゲームが合わさったホラーADVのようなゲームです。
 テキストを読みながらお話を進めていき、心霊スポットを探索してアイテムを見つけ、最後は怪異と呼ばれる存在をRPGのような感じで倒す(といってもHPやMPがあるわけではなくて、正しい順番で使うアイテムを選ぶだけですが)というのがお話の流れです。主人公は自分についての記憶をほとんど失っており、第5章までに5体の怪異を相手にしながら自分の記憶を取り戻していくわけです。最後には全部がつながるお話になっていて、ホラーとしての場の雰囲気づくりや怪異の異形じみたデザインも高いレベルでまとまっていると言えるでしょう。

 惜しむらくは、ストーリーにあまり深みがないことですかね。怪異の誕生にはいずれも過去の事件で非業の死を遂げた人間が関わっている(一部除く)のですが、その「過去の事件」の内容はゲーム中に参照できる資料でちょろっと触れられるだけなので、感情移入もしにくいのです。おもしろいストーリーは、過去の事件が現在に関わってくるという作りをしています。その過去の事件についてもっと掘り下げて触れて、プレーヤーにその内容を追体験させる展開がもっとあって良かったんじゃないですかね。過去の事件の内容それ自体も分かるときに一気に分かってしまうので、「主人公が調査をする中で新たな謎も生まれつつもだんだんと謎めいた過去の事件の内容が分かってくる」という「小出し」のストーリー展開をもっと意識して作って欲しかったと思います。その方が、やっているこちらもお話に没入できると思うのです。

 あと、各種アイテムもきちんとビジュアル化して欲しかったです。その方が雰囲気は出ると思います。

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