当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2016年11月19日放映のめちゃイケを見た。

 今回は、ドクターXのパロディである「ドクター×(ペケ)」という企画と、「タイムショック」のパロディ企画の2本立てであった。

 前者は、「ドクター×」という扱いの重盛にスポットを当て、彼女のおもしろエピソードを色々と引き出す企画である。ドクターXのパロディであることにさほどの意味はない。メンバーの一人に焦点を当ててやり玉に挙げる企画という意味では過去の「ダメトーーク」に似ている。他番組のパロディであることにさほどの意味がないという点も含めて、非常に似ている。
 パロディであることに意味がないという点を非難したいわけではない。確かに本来の「パロディ」というのは、パロディ元を揶揄するものであるが、めちゃイケで「パロディ」と言われる企画の数々は、パロディ元を真似ることで、笑いのギミックを増やすような意図しかないことも多い(パロディ元である「本家」の動きを真似れば、それはそれだけで本題とは異なる笑いの種になる。今回のオンエアでは、光浦や白鳥がそういう立ち回りを見せていた)。今回も、そういう傾向が強く、その意味では非常にめちゃイケ的であった。
 となると、おもしろさの中核を担うのは重盛のおもしろエピソードの数々であるが、それはまあ及第点といったところだった。

 もう一つのタイムショックのパロディ企画も、めちゃイケの「マジオネア」という過去の企画に非常に似ている。解答者となっためちゃイケメンバーは、タイムショック風に出題される自分についてのクイズに答えていくのだが、最後の10問目に答えたくない暴露ネタが問われるのである。暴露ネタを本人にクイズ形式で答えさせるというコンセプトが、マジオネアにそっくりなのである。
 ただ、マジオネアよりは出来が悪かったと言わざるを得ない。今回の企画では10問目がオチになるので、9問目までの簡単に答えられる問題はフリになるわけだが、9問というフリは長すぎるので見ていてダレる。マジオネアは、ミリオネアのパロディなので、問題も4択なのだが、必ず一番最後のDという選択肢が正解になっていた。最後がオチになっているというのは同じなのだが、こちらはフリがABCの3つだけなので、テンポが良いのである。
 また、マジオネアではDで絶対暴露の内容も視聴者にバラされるのであるが、今回の企画ではそれをバラすかどうかが解答者のメンバーに委ねられてしまう。現に最初の挑戦者の福徳は最後まで口を噤んでいた。これでは、番組が強制的にバラすマジオネアよりおもしろくなくなるのは自明の理であろう。
 フリも過剰である。マジオネアは、司会の岡村(本家宜しく「おかもんた」というキャラクターに扮している)が淡々とABCDの選択肢を読み上げるだけであり、本家の空気感を出すために周りも基本的に静かにしていた。しかし今回のオンエアでは9問目までのフリにおいて解答の様子を見ている他のメンバーが「簡単じゃん」みたいなガヤを盛んに入れていたほか、ナレーションもこのガヤに乗っかって10問目でどんでん返しが来るということを事前にばらしてしまっていたので、見ていて白けてしまった。こうやってコテコテのフリを入れられると、見ている方としては「どうせこのままでは終わらないんだろうな」というのが予想できてしまうので、避けた方がいい。笑いで大事なのは、奇襲である。本家のタイムショックのように淡々とクイズを進めていけばそれだけで視聴者はその空気に没入でき、最後の裏切りを十分に堪能することができるので、フリとしてはそれだけで十分である。これ以上のフリは、視聴者に何らかの別の展開を疑わせてしまうため、奇襲を阻害するのである。

 総合的に見ると、全盛期と比較してパワーとクオリティの低下が否めないというのが今回の掛け値なしの感想である。もっと、頑張ろう。

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