当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年5月27日放映のめちゃイケを見た。

 「いっぱしの大人」である(という触れ込みの)岡村・光浦・重盛に色々な有名企業の新入社員研修でスピーチをしてもらうというのが表向きの企画である。3人を連れ回すのは加藤と進行役の永島アナであるが、加藤も3人と一緒にスピーチのしゃべり手として動き回っていた。
 そしてその加藤は「俺はいっぱしの大人だ。お前ら3人は俺みたいにちゃんとできんのか」とぶち上げて3人にこの企画を持ちかける役目でありながら、最後まで企業にスピーチ役として指名してもらえず、邪険に扱われていた。これが、今回の大オチにもなっていた。めちゃイケによく見られる「加藤を邪険に扱う」ことが主題のドキュメンタリーコントである。

 ただ、途中経過は笑いどころがよくわからなかった。岡村・光浦・重盛は順に新入社員へのスピーチをしていたが、重盛のは彼女の天然こそ出ていたものの全体的にまじめなスピーチであり、光浦のはただの一人トークのネタっぽかった。岡村も、加藤が事前にしゃべっていた名言をパクるとか、「世界に一つだけの花」を歌い出すとかいったボケを入れ込んではいたが、全体としては真面目なスピーチ調だった。加藤を邪険に扱うコントをやるのであれば、変に真面目なスピーチで感動路線の要素を入れるのはやめて、徹底すべきだろう。セオリー通りにやるなら、岡村のボケみたいなもの(光浦のスピーチで見られたようなスピーチ用に入れるジョークではなく、スピーチの完成度を下げるような本物のボケである)をもっと多めに盛り込んで、加藤は「そんなふざけちゃダメだよ」とガヤを入れるも、図らずもスピーチ自体は新入社員にはウケてしまい、加藤の立つ瀬がなくなるというようなくだりを入れることになる。岡村のスピーチはボケを入れつつも全体的には「真面目なスピーチとして完成度が高い」というような演出が入ってくるため、編集で幾分端折られたこともあってかあまり要領を得ない内容になっており、それが逆に筆者には笑えてしまったが、それじゃダメだろう。
 なんというか、加藤を邪険に扱うクダリだけでは尺が足りなかったから、スピーチの部分を多めに残して尺を埋めたという感がどうにも拭えないのである。

 ただ、ここまでやっても「加藤を邪険に扱うドキュメンタリーコント」はもう何回も見せられているので、特に新鮮味がない。どうにも袋小路に入っている気がしてならない。

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