2017年5月6日放映のENGEIグランドスラムである。
番組全体の演出等についてはいつも通りなので、繰り返さない。
今回は岡村のコメントが(使われていた範囲では)全体的におもしろかったので、どうせなら別撮りの芸人をなくした方がいいと思うが、以前の回では岡村も今回ほどおもしろかったわけではないので、ただのまぐれ当たりだとも思う。なんで、そんなにこだわらなくてもいいと思っている。
あと、出演者の小粒化が進んでいるような気がするので、なんとかしてほしい。
各ネタの寸評に移る。
1.中川家
トリではなかったが、いい意味で何も言うことはない。
2.陣内智則
いつも通りのスタイルだった。
陣内本人にそんなに演技力がないのでもうちょい合間合間は静かにしていてほしいというのは前に書いた通りである。
ただまあ、ボケが機械なので予定調和のやりとりにしかならないというのがこのネタの限界である。特に今回のネタは陣内がひとりカラオケに来たという設定だったのだが、歌が意外とヘタだったのでそっちの方がおもしろく、ネタに集中できなかった。
そのヘタさをイジっていくのが、アドリブ芸である。
3.COWCOW
前回(2017年2月25日放映)に引き続き「うたの鬼ぃさん」という歌ネタである。中身はあるあるネタのようなものであり、1曲目の「地獄拍子」も2曲目の「鬼おこ」も日常生活で見かける腹の立つシチュエーションを曲に乗せて紹介していくという内容だった。
ただ「一段階目」のあるあるネタしかなかったので、その上のメタなズレ(「あるあ……ねーよ」みたいなやつ)を足して客を裏切っていくなどといった工夫がもうちょい欲しい。
4.かまいたち
日本史のキーワードをいろいろな曲に乗せて覚えている生徒というネタ。「ただ歌いたいだけ」みたいな「二段階目」のズレもあり、COWCOWと違ってボケにいろいろなパターンがあったのはよい。
ただネタ中に実施されていた日本史の試験問題はいろいろな時代のことがごちゃまぜであまり問題としてのリアリティがなかった。好みの話でしかないが。
5.ペナルティ
すごく特徴的なヒゲを生やした「ヒゲグリア」さん(ワッキー)のビジュアルのインパクトだけで押していくネタ。このビジュアルがハマらない人には全然ハマらない。
6.U字工事
益子が田舎の変なおっさんをきちんと演じられてはいる。
7.ゆりやんレトリィバァ
踊りながら色々な悩みに対して大して役に立たない当たり前のアドバイスを言うというネタ。筆者はこれを見ると「学校へ行こう!」のB-RAP HIGH SCHOOLというコーナーに出ていたチゲ&カルビを思い出す。踊りのキレは申し分ないので、完全に「しゃべる渡辺直美」である。
ゆりやんのネタを見ると常々思うことだが、動きとしゃべりにあまり関連性がないのはもったいないと思う。あと「大して役に立たない当たり前のアドバイス」もずっと同じタイプのボケを繰り返していてワンパターンなので、「ある悩みにだけすごく饒舌に答える」とかいった、「違うパターン」を入れてもいいと思う。そういう意味では、お客さんから聞いた悩みの一つをスルーして何にも言わなかったところが一番おもしろかった。
それからピンでツッコミもいないので、まずはフリを入れてもいいと思う。
8.バイきんぐ
まあ、まあ。
9.キャイ〜ン
ウドが鈴木三郎というモノマネ芸人に扮し、無茶苦茶なモノマネを行うというネタ。ウドのキャラは活きてたと思う。
10.ミキ
二人とも、実力は、ある。メガネが落ちるハプニングをウケに変えられていたのがその証左である。多分。
11.パンクブーブー
おもしろくない方のパンクブーブーだった。ただまあ、好みの問題である。
12.銀シャリ
たまに、逆に橋本がツッコまれるクダリが挟まれていたが、そこが一番おもしろかった。それは何といっても、意外だからである。
13.アキラ100%
ある意味安定していておもしろい。ただ筆者は、今回やった「まるごし刑事」より2017年のR-1でやっていた感じのネタの方が好きである。
14.NON STYLE
井上の不祥事をこれだけイジれるのはさすが。ただ他の部分が井上イジリの部分に完全に負けているのが見ていてもの悲しかった。
15.スピードワゴン
小沢のキャラクターが出ているからいいんじゃない?
16.トレンディエンジェル
時事ネタの足し算漫才である。言うならば「ハゲた爆笑問題」か。あんまり伏線や天丼めいたものもなかったのは残念だった。
17.博多華丸・大吉
福岡ローカルのネタをあんなに入れているのに、分からない筆者にもしっかりおもしろいのがすごい。華丸のキャラクター性が為せる業だろう。
18.友近×ロバート秋山
英語の歌は、聞かされても意味が分からないからあんなに長くやっちゃダメだろう。間を持たせるための秋山の発言も「歌詞を見ろ」一辺倒だったので、あのシーンで客を置き去りにしてしまった感がある。
19.柳原可奈子
「サバサバを装っているけど 愛と男に飢えている女」というのを演じるネタ。まあ、観察眼と再現力は一流である。
20.和牛
水田が細かい屁理屈を言う変人を演じるいつものネタ。前回よりは笑えるレベルに収まっていた。
21.ナイツ
「赤」や「白」をあれだけ入れられるネタ作りはすごいが、それがほとんど笑いにつながっていなかったのが問題か。
22.アンジャッシュ
アンジャッシュのネタは、ともすれば実際のすれ違いに入る前のフリが長くてダレるのが問題なのだが、今回このフリにも笑いが入っていたのが進歩なんだろうか。
刑事裁判での被告人質問ネタなので、現実の裁判と異なるところはいくつもあったが、弁護士でなければ分からないような粗は別に無視していい。ただ筆者はその粗が気になってあまり気持ちよく笑えなかった。これも個人の好みの話なので、気にしなくていい。
23.吉本新喜劇ユニット
前回にも言えたことだが、主役の2人(すっちーと吉田)以外の3人が添え物でしかないのがもったいなくてしょうがない。若井が屁をこいたのは自分だと吐露するシーンこそあったが、それだけである。もっと暴れていいと思う。
24.月亭方正
落語は、十分うまい。マクラも本ネタもガキの話題に頼りすぎ(で、すぐネタ切れしそう)なところは多少心配だったが。
最近ガキでのガヤやコメントも妙にこぎれいにまとめてくるので、以前のお荷物っぷりがなくなっている。ガキの収録をそつなくこなせているのが本人の面白味を減退させており、筆者は寂しい。
25.ウーマンラッシュアワー
2016年のTHE MANZAIでやっていたファンクラブのネタとコンセプトは一緒である。登場人物は変わっていたが。
台本がガッチガチなのが問題か。
26.東京03
十分おもしろい。
MCも言っていたが、女性役をやっているのは女装した豊本なのである。あれをちゃんときれいな女優さんがやったらどうなるのかというのは一度見てみたい気はする。ただ、おもしろくなくなるような気もする。
27.シソンヌ
じろうは変な人を演じられる。それに対する長谷川の弱めなツッコミは筆者の好みに合っている、ただ、最後のピンクなオチは筆者の好みに合わない。
28.しずる
なんか、芝居が昔よりうまくなっている気がした。
29.ダイアン
たまにすごく現実離れしたボケが入るので、千鳥より好みが分かれると思う。筆者は、現実離れしている割には「普通の人が一生懸命変なことを考えた」感から脱し切れていないので、やめた方がいいと思っている。
30.爆笑問題
ネタをやるのが芸人ではないと思うし、芸人の仕事はネタだけではないと思うし、ネタが芸人の仕事の中で一番価値の高いものでもないと思う。
ネタよりもより量的・質的に高いレベルの笑いを生み出せる手段があるのであれば、そちらに力を置いた方がいいじゃないですか。
番組全体の演出等についてはいつも通りなので、繰り返さない。
今回は岡村のコメントが(使われていた範囲では)全体的におもしろかったので、どうせなら別撮りの芸人をなくした方がいいと思うが、以前の回では岡村も今回ほどおもしろかったわけではないので、ただのまぐれ当たりだとも思う。なんで、そんなにこだわらなくてもいいと思っている。
あと、出演者の小粒化が進んでいるような気がするので、なんとかしてほしい。
各ネタの寸評に移る。
1.中川家
トリではなかったが、いい意味で何も言うことはない。
2.陣内智則
いつも通りのスタイルだった。
陣内本人にそんなに演技力がないのでもうちょい合間合間は静かにしていてほしいというのは前に書いた通りである。
ただまあ、ボケが機械なので予定調和のやりとりにしかならないというのがこのネタの限界である。特に今回のネタは陣内がひとりカラオケに来たという設定だったのだが、歌が意外とヘタだったのでそっちの方がおもしろく、ネタに集中できなかった。
そのヘタさをイジっていくのが、アドリブ芸である。
3.COWCOW
前回(2017年2月25日放映)に引き続き「うたの鬼ぃさん」という歌ネタである。中身はあるあるネタのようなものであり、1曲目の「地獄拍子」も2曲目の「鬼おこ」も日常生活で見かける腹の立つシチュエーションを曲に乗せて紹介していくという内容だった。
ただ「一段階目」のあるあるネタしかなかったので、その上のメタなズレ(「あるあ……ねーよ」みたいなやつ)を足して客を裏切っていくなどといった工夫がもうちょい欲しい。
4.かまいたち
日本史のキーワードをいろいろな曲に乗せて覚えている生徒というネタ。「ただ歌いたいだけ」みたいな「二段階目」のズレもあり、COWCOWと違ってボケにいろいろなパターンがあったのはよい。
ただネタ中に実施されていた日本史の試験問題はいろいろな時代のことがごちゃまぜであまり問題としてのリアリティがなかった。好みの話でしかないが。
5.ペナルティ
すごく特徴的なヒゲを生やした「ヒゲグリア」さん(ワッキー)のビジュアルのインパクトだけで押していくネタ。このビジュアルがハマらない人には全然ハマらない。
6.U字工事
益子が田舎の変なおっさんをきちんと演じられてはいる。
7.ゆりやんレトリィバァ
踊りながら色々な悩みに対して大して役に立たない当たり前のアドバイスを言うというネタ。筆者はこれを見ると「学校へ行こう!」のB-RAP HIGH SCHOOLというコーナーに出ていたチゲ&カルビを思い出す。踊りのキレは申し分ないので、完全に「しゃべる渡辺直美」である。
ゆりやんのネタを見ると常々思うことだが、動きとしゃべりにあまり関連性がないのはもったいないと思う。あと「大して役に立たない当たり前のアドバイス」もずっと同じタイプのボケを繰り返していてワンパターンなので、「ある悩みにだけすごく饒舌に答える」とかいった、「違うパターン」を入れてもいいと思う。そういう意味では、お客さんから聞いた悩みの一つをスルーして何にも言わなかったところが一番おもしろかった。
それからピンでツッコミもいないので、まずはフリを入れてもいいと思う。
8.バイきんぐ
まあ、まあ。
9.キャイ〜ン
ウドが鈴木三郎というモノマネ芸人に扮し、無茶苦茶なモノマネを行うというネタ。ウドのキャラは活きてたと思う。
10.ミキ
二人とも、実力は、ある。メガネが落ちるハプニングをウケに変えられていたのがその証左である。多分。
11.パンクブーブー
おもしろくない方のパンクブーブーだった。ただまあ、好みの問題である。
12.銀シャリ
たまに、逆に橋本がツッコまれるクダリが挟まれていたが、そこが一番おもしろかった。それは何といっても、意外だからである。
13.アキラ100%
ある意味安定していておもしろい。ただ筆者は、今回やった「まるごし刑事」より2017年のR-1でやっていた感じのネタの方が好きである。
14.NON STYLE
井上の不祥事をこれだけイジれるのはさすが。ただ他の部分が井上イジリの部分に完全に負けているのが見ていてもの悲しかった。
15.スピードワゴン
小沢のキャラクターが出ているからいいんじゃない?
16.トレンディエンジェル
時事ネタの足し算漫才である。言うならば「ハゲた爆笑問題」か。あんまり伏線や天丼めいたものもなかったのは残念だった。
17.博多華丸・大吉
福岡ローカルのネタをあんなに入れているのに、分からない筆者にもしっかりおもしろいのがすごい。華丸のキャラクター性が為せる業だろう。
18.友近×ロバート秋山
英語の歌は、聞かされても意味が分からないからあんなに長くやっちゃダメだろう。間を持たせるための秋山の発言も「歌詞を見ろ」一辺倒だったので、あのシーンで客を置き去りにしてしまった感がある。
19.柳原可奈子
「サバサバを装っているけど 愛と男に飢えている女」というのを演じるネタ。まあ、観察眼と再現力は一流である。
20.和牛
水田が細かい屁理屈を言う変人を演じるいつものネタ。前回よりは笑えるレベルに収まっていた。
21.ナイツ
「赤」や「白」をあれだけ入れられるネタ作りはすごいが、それがほとんど笑いにつながっていなかったのが問題か。
22.アンジャッシュ
アンジャッシュのネタは、ともすれば実際のすれ違いに入る前のフリが長くてダレるのが問題なのだが、今回このフリにも笑いが入っていたのが進歩なんだろうか。
刑事裁判での被告人質問ネタなので、現実の裁判と異なるところはいくつもあったが、弁護士でなければ分からないような粗は別に無視していい。ただ筆者はその粗が気になってあまり気持ちよく笑えなかった。これも個人の好みの話なので、気にしなくていい。
23.吉本新喜劇ユニット
前回にも言えたことだが、主役の2人(すっちーと吉田)以外の3人が添え物でしかないのがもったいなくてしょうがない。若井が屁をこいたのは自分だと吐露するシーンこそあったが、それだけである。もっと暴れていいと思う。
24.月亭方正
落語は、十分うまい。マクラも本ネタもガキの話題に頼りすぎ(で、すぐネタ切れしそう)なところは多少心配だったが。
最近ガキでのガヤやコメントも妙にこぎれいにまとめてくるので、以前のお荷物っぷりがなくなっている。ガキの収録をそつなくこなせているのが本人の面白味を減退させており、筆者は寂しい。
25.ウーマンラッシュアワー
2016年のTHE MANZAIでやっていたファンクラブのネタとコンセプトは一緒である。登場人物は変わっていたが。
台本がガッチガチなのが問題か。
26.東京03
十分おもしろい。
MCも言っていたが、女性役をやっているのは女装した豊本なのである。あれをちゃんときれいな女優さんがやったらどうなるのかというのは一度見てみたい気はする。ただ、おもしろくなくなるような気もする。
27.シソンヌ
じろうは変な人を演じられる。それに対する長谷川の弱めなツッコミは筆者の好みに合っている、ただ、最後のピンクなオチは筆者の好みに合わない。
28.しずる
なんか、芝居が昔よりうまくなっている気がした。
29.ダイアン
たまにすごく現実離れしたボケが入るので、千鳥より好みが分かれると思う。筆者は、現実離れしている割には「普通の人が一生懸命変なことを考えた」感から脱し切れていないので、やめた方がいいと思っている。
30.爆笑問題
ネタをやるのが芸人ではないと思うし、芸人の仕事はネタだけではないと思うし、ネタが芸人の仕事の中で一番価値の高いものでもないと思う。
ネタよりもより量的・質的に高いレベルの笑いを生み出せる手段があるのであれば、そちらに力を置いた方がいいじゃないですか。
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