当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年6月10日放映のめちゃイケを見た。今回は2時間スペシャルだった。

 メインの企画は「芸能界CKK選抜総選挙」というものである。AKBの選抜総選挙のパロディであり(次週同じ枠で放映される選抜総選挙の番宣も兼ねている)、遅刻癖のひどい16人のタレントを同じ時間に偽の仕事で呼び出して、遅れた時間の長さで順位付けをしていくというドッキリ企画だった。

 その合間に、ブルゾンちえみのようなメイクと衣装に身を包んだ鈴木紗理奈が、たむけんと一緒にブルゾン本人のようなネタをやるというコーナーが挟まっていた。便宜上先にこちらの感想から書いておくが、紗理奈とたむけんのパクリネタはしっかりおもしろく、きちんと練習したことを感じさせるキマリ方をしていた。
 ただこのコーナーは一応「紗理奈とたむけんがドラマ『人は見た目が100パーセント』に出演しているブルゾンに文句を言いに行く」という体で始まったものだったのに、結局ブルゾンは出てこずに終わっていた。その理由は矢部が「日テレ」とチョロっと説明してはいたが、詳しいことはよく分からなかった。こういう展開になった場合、紗理奈とたむけんに「なんでブルゾンが出てこんのじゃ」ともっと文句を言わせて暴れさせた方がおもしろくなると思うが、そのあたりに尺が割かれていたわけでもない。コーナー自体も唐突にたむけんと紗理奈のネタを見せられるところから始まっており、紗理奈もメイクをブルゾンに寄せすぎていて最初は誰だか分からなかったのだが、そこに対するツッコミもほとんどなかった。説明して欲しいところの説明が薄く、ただ単にネタをやる紗理奈とたむけんを見せられただけで、何をやりたいのかがよく分からなかったのである。ネタが面白かっただけに化ける可能性は大いに秘めていると思うので、残念である。

 次に「CKK」の方だが、遅刻癖を重視して演者を選んでいるため、タレントパワーが足りない人が多かった。ドッキリであるとネタばらしをされたあとは、(遅刻しているのに)理不尽にキレたり、自分の遅刻を屁理屈で正当化したりしてMC陣と喧嘩をした方がおもしろくなるのだが、そういうくだりがあまりなかったのである。この手のテレビに出るのであれば、遅刻を謝罪しちゃいかんだろう。まあ、逆にタレントパワーを重視してキャスティングをすると今度は遅刻する人が出てこなくなる可能性があるので、考えどこではある。ただ企画というのは、「企画趣旨に沿う演者」にきちんと力のある人が揃っていることが確認できたからこそ、ゴーサインが出るもんだとも思う。
あと、終始本家のAKBの選抜総選挙を意味なくパロっているくだりが挟まっていたが、そこに対するツッコミが稀薄で、ボケなのか何なのかがよくわからなかった。例えば、スタジオの後ろにAKBグループのメンバーが座っていたのだが、そもそもこの企画にあんだけ大量のメンバーを用意する必要はない(番宣目的だったのかもしれないが)のでそこに「こんなちゃんとやることないでしょ」とツッコミを入れていいだろう。またAKBグループのメンバーのうち未成年が途中で退席したり、収録の途中で毛布で体をくるみだすという展開があったが、午前中の収録なので途中退席の必要はないし、スタジオでやっていることだろうから毛布も必要はない。これも「必要以上にちゃんと本家をパロっている」というボケなのだが、矢部のほんのりとしたツッコミが入っただけで放置されていた。これだと視聴者にボケが伝わらないので、もったいない。

 総じて、ツッコミが欲しいところにツッコミが入っていなかったので何が何だかよく分からない展開が多かった。わざとツッコミを入れずにシュールみたいなものを目指しているのだとしたら、失敗しているのでやめた方がいい。

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