当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2018年2月17日放映のめちゃイケを見た。今回は「爆裂お父さん」の最終回だった。

 最初にゲストとして登場したのは、川田裕美・渡辺麻友・菊地亜美の3人である。普段の「爆裂お父さん」ならこの3人のうちの誰かの「許せない発言」をきっかけにジャイアントスイングに移る展開になる。菊地亜美がオチの位置にいたので、菊地亜美を回すとか、許せない発言があってもスルーして回さないとか(めちゃイケは、ひどく扱って欲しがる人ほど逆にスカシて笑いをとる傾向がある)、色々やりようはあったと思うが、菊地亜美が実は「爆裂お父さん」に出演した経験がないことが暴露されて終わっただけだった。分かりやすいオチめいたものはなく、ボヤが起きてすぐ鎮火されただけである。

 次に登場したのは武田真治であり、「武田がめちゃイケでやりたがっていた」という触れ込みのミュージカルを出演者全員で披露していた。かなり入念に稽古したのがうかがわれる出来になっていたが、所詮は台本ガチガチのミュージカルなので乾いた笑いしか起きない。「スキヤキガスキ」のあいうえお作文のクダリではもっと芸人たちのアドリブに任せてみた方が良かったかもしれない。長くてしつこい割にずっとやっていることが一緒(あいうえお作文の内容もずっと一緒だった)なので、飽きるのである。

 続いて登場したのは加藤のリアル妻子だった。リアル妻子は基本的には一般の方々なので、よほどの天然でもない限り放置してもおもしろくはならない。そして、加藤のリアル妻子に「よほどの天然」の人はいなかった。基本的にはみんなニコニコしていただけでおもしろさの向上につながっていなかったので何のために出したのかはよく分からないが、加藤のリアル家族の軌跡を追うことで感動のようなものを呼び起こしたかったのだとしたらいただけない。

 その後山本が加藤と同じような恰好をしてスタジオに闖入してきていたが、いつものような派手な喧嘩もなくただただ冷静に追い出されたため、カタルシスも何もなかった。最後には加藤がこのコーナーの初期のようにめちゃイケメンバーを回していたが、それだっていつもの「爆裂お父さん」のようなコント仕立ての流れはなく、コーナーの歴史を振り返って視聴者に感動を呼び起こすような仕上がりになっていた。

 総合的に見ると、めちゃイケの悪い癖である感動寄りの演出がところどころで漏出した回であった。せっかく「シュウ活」などと銘打って花火をぶち上げようとしているのだから、とことん「笑い」を追求して欲しいものである。加藤のリアル家族を出すとか、山本を出すとかいった「キャスティング」だけで安く撮れ高を稼ごうとしているのが見え見えであり、それ以上に頭を使って中身をおもしろくしようとしている気配が感じられない。誰を出すかを思いついただけで思考が停止しているのである。

 アイディアがないんだったら、無理をしなくてもいいのに。

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