高橋維新のページ - 龍が如く6 命の詩。
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龍が如く6 命の詩。

 やりました。色々と言いたいことがあるので、感想を記します。

<バトル>
 「0」や「極」にあったスタイルは廃止されているため、桐生ちゃんのモーションは一つです。
 ところが、通常攻撃を繰り出してもあまり敵の体力が減りません。ドロップキックと拾い武器の威力がとても高いという極端なバランスなので、ザコ相手には自転車やベンチを振り回し、ボス相手には走り回りながらドロップキックでヒットアンドアウェイというおよそ堂島の龍らしからぬ立ち回りを強いられます。装備武器も全てオミットされているので、拾い武器が周囲にない場合のザコ戦が一番きつく、やっていてイライラします。一対多で無双っぽく立ち回るという過去作のような爽快感はあったもんではありません。

<寄り道要素>
 過去作にあったミニゲームが多くリストラされています。ギャンブルは麻雀しかありません。サブストーリーも、全部で51個ありますが、ミニゲーム絡みのものが多く、それを除くと実質は30個前後じゃないでしょうか。「OTE」より少ないです。
 あと毎作思いますが、トロフィーや達成目録をコンプリートしようとした時に発生する膨大な量の作業はどうにかならないんでしょうか。ミニゲームそれぞれはちょっとやる分には楽しいのですが、所詮ミニゲームでしかないので何十回もやるとなると割りと早い段階で飽きが来てしまいます。達成目録やトロフィーをコンプリートしようと思ったら、何十回と繰り返す必要があるミニゲームが3個ぐらいあります。

<ストーリー>
 ネタバレになるので詳しくは避けますが、なんか、色々と批判はあるようです。ネット上で目に付いたのは「遥に感情移入できない」というものですが、筆者は別にそうは思いません。「げに訝しきは男と女」というやつですね。ただ、当然好みの問題はあると思います。
 「龍が如く」シリーズは、ストーリーをおもしろくするために、続編を作るたびに「過去にあった何らかの事件」を行き当たりばったりで考えてきたのだと思います。だから、おそらく作品全体の年表がグチャグチャになっているというのは過去に指摘したことがあると思いますが、今回はそういうことを避けるために主に新キャラに「過去の事件」を担わせています。それは、いい判断だと思います。「桐生一馬最終章」と銘打ったのもグチャグチャになった年表をいったん放逐するためなんでしょう、多分。
 エンディングについても賛否両論ありそうですが、筆者としては、どういうシメ方になるとしても、最後の最後になぜその選択がとられたのかを説明してほしかったところです。

 それと、大吾・真島・冴島の3人は本当にちょろっとしか登場しません。あれで、いいんでしょうか。

<総評>
 舞台となる街が神室町と尾道の2つしかないとか、神室町もチャンピオン街やヒルズには入れないとか、装備武器やバトルスタイルがオミットされているとか、ミニゲームがかなり減っているとか、サブストーリーが少ないとか、究極闘技もないとか、全体的なボリュームダウンは否めません。「極」よりはあるだろうけど、「5」や「0」には到底及ばない、というぐらいのもんです。ストーリークリアは本気出せば1日でできますし、コンプも1週間ぐらいでできるでしょう。何が、あったのでしょうか。時間の問題なのか、容量の問題なのか、筆者には分かりません。

 ただそういう所に目をつむればいつもの龍が如くなので、やって損はないと思います。

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