道具を買うことにした。
電池でブルブル動くアレを。
れいなに使うつもりで、絵里と相談した結果だ。

で、申し訳ないけど、一番顔が知られてなさそうなリンリンにお願いした。
リンリンには『マッサージ器具だよ』と言っておいた。

次の日。
万が一にもバレないように、トイレにリンリンを呼んだ。
「買いました!コレですか?」
「ちょ、剥き出し!?」

元気いっぱい取り出したソレは、小さくて細長くて、ちょっとカワイイ。
でも値札がつきっぱなし。
「で、どこで買ったの?」
「シンジュクの、ドンキホーテです。」

…無茶しやがって…
無邪気って怖いなあ。

「まあ、でもこれなら本当にマッサージに使うみたいだよね。肩凝りとか。」
「…道重サン肩凝り?」
「ううん。全然。…でもほら、こうやってさ。」

スイッチを入れて、ブルブルする部分をリンリンの肩に当てた。
「アハハハ!いい感じデスね、アーー。」
「なに、リンリン肩凝るの?」
「ならないデスケドおもしろいデス。」

…くすぐったそうに笑ってるリンリン、超コドモっぽい。
いたずらしちゃおっかな。

「…こっちはどう?」
「え?…っア…っ!」

震えるそれを胸に押し付けると、体がびくっとしなった。
さゆみがしようとしてることに気づいて、リンリンが真っ赤になってこっちを見た。
ときどき、こういうことしてるけど。
キス以上のいたずらに、リンリンはちっとも慣れない。

「…感じちゃった?」
「ち、違いマス、そんなんじゃないデス!」
「本当に?」

洗面台に追い詰めて、さっきと反対側の胸にバイブを押し付ける。
「…んっ…!」
「気持ちいいの?」
「…や…ひ、人来ますダカラ…」
「来ないよ」

って言ったけど、確かに来るかも…
でもこれもスリルがあっていいかなあ…とか思ってたら、外から声がした。

「とりあえずここでいーじゃん」
「で、でも…誰かくるかもわからんけん…」


絵里とれいな?
こっち入ってくる?

「リンリンやばい、こっち!」
「あ…ハイ!」
手をひいて、とっさにトイレの個室に隠れる。
で、やっぱり二人は入ってきたけど。
外開きのドアだから、ドアを閉めても中にいることはわからない。

「…こ、こんなとこですると?」
「だってれいなが欲しそうだから」
「…そんなこと…っ」

……。
あら。
そ、そういうこと?

ドアの隙間から二人を覗き見る。
…どうしようかなあ。
出て行って参加してもいいけど。
なんか邪魔しちゃいけない感じ。
「すぐイかせてあげるから。…ほら、早くしないと誰か来ちゃうよ」
「う…うん…」

今のところ気づいてないみたいだけど、さゆみたちがいる個室、外から見たら『入ってますよ』の赤い印が出てるはず。
人がいるってわかっちゃったら気まずいだろうし。
ドアは閉まってるからいいとして、カギだけ開けとこう。
そう思って静かにカギを開けたら、リンリンに腕をつかまれた。

「?」
振り向くと、ちょっと切ない目でじっと見上げられる。
なんだろう、って考え始めた瞬間、いつにない勢いで唇にキスされた。
「!…っ…」
え…え?
えーと
なんだろう。

あ。
『いかないで』ってこと?
カギ開けたから、出て行こうとしたって勘違いしたのかも。
必死で引き止めるみたいなキスが、なんかすごく可愛い。

そのとき外でも、キスが始まってる雰囲気がした。
「…絵里…んぅ…」
「ふぅ…っ…ん、いいよれいな、その顔超エロい…」
「ん…バカァ…」

絵里とれいなのキスを聞きながら、さゆみはリンリンとキスしてる。
…なんか、変な感じ…。

ていうか、どうしよう。
完全に出て行くタイミングを失った。

とりあえず、ここからは出れないし。
…最悪、見つかってもあの二人ならいいか。
しばらく眺めてよう。

キスをやめて、耳元でささやいた。
『…あの二人、見える?』
『…ハイ』

ドアの隙間にリンリンを立たせて、その後ろからさゆみも外を覗いた。
二人はもう、キスから次に移ってる。

洗面台にれいなを押しつけるように、ショートパンツのチャックを絵里が開ける。
普段ならもっと時間かけるけど、やっぱりだいぶ急いでるみたい。
「…んっ、いきなり…?」
「時間あんまりないもん」
「そうやけど…あぁっ…」
「…んふ、でももうトロトロだよ?」

トイレの換気扇がガンガンうるさいせいか、二人は声のトーンを落とさない。
こっちも安心だけど。

「…中と外、どっちが好き?」
「ん、ぁ…し、知らんと…」
「…ダメ、答えなさい。」

少し冷たく言い放つ絵里にびくっとして、れいなはすぐに答えた。
「な、なか…」
「…はい、れいなちゃんよくできました。じゃあ、お楽しみは後でね♪」
「え…?ん、あっ…!」
絵里の指が、れいなのソコを擦り始める。
多分、すぐに欲しいところはしてあげないつもりなんだ。
さすが絵里、隠れどS。

「あ、あんっ…そ、そんないきなり激しくしよったら、イっちゃいそうやけん…」
「ダメだよ。今イっちゃったら許さないからね。」
きつくそう言われるほど、れいながうっとりした顔になる。…真性だなあ、れいなは。

なんとなく夢中で眺めてたら、さゆみの前で小さくなってるリンリンの様子がおかしいことに気づいた。
…ちょっと目が潤んでる。
興奮しちゃった?

せっかくだし。
向こうも盛り上がってるし。
さゆみは、後ろからリンリンを抱きしめて、耳に息かける感じで話しかけた。
『…シたいんでしょ?』
『…!』
慌てて振り向いて、一生懸命首を振る。
そうだよね、こんなところでシたことないもんね。
まあ、イヤって言われてもするけど。

『…絶対、声出したらダメだからね…』
耳元でささやくと、びくっと動くカラダ。
スカートの裾から手を入れると、やっぱり濡れ濡れだった。
『…えっち。』
『…!…っ!!』
左手でリンリンの口をふさぐ。
右手はそのまま、感じやすいところを探りあてる。
荒い息と、びくびく反応するカラダがすごく正直でカワイイ。

「絵里、絵里ぃ…あ、あ!いやっ…ソコばっかり…」
「れいなのココ、ひくひくしてる。カワイイ♪」
ドアの隙間から見る二人は、お互い夢中で全然こっちに気づく気配がない。
多少の音じゃわからないだろう。

『!!ァッ…』
リンリンは、膨らんできたその部分を何度か攻めただけで、もうガクガク体を震わせた。

…ほんとすぐイっちゃうなあ、この子。

『ハア…ハァ…』
『…イっていいなんて言ってないよ?やり直し。』
『…や、もう…』
試しに、さっきのバイブのスイッチを入れてみた。
低い音だからあんまりわからない。
外の二人は、最高潮だ。

「あっ…あぁん、もっと…もっとぉ…」
「れーな、れーな…あっ、その顔いい…絵里も感じちゃう…」
「ん、あ、あ、はぁ…!」
隙間を覗きながら、もうリンリンも立ってるのがやっとって感じ。

で、れいなも焦れた感じに、泣きそうな声を上げた。
「絵里…絵里…い、入れて…お願いっ…」
「…うん…いいよ、あげる…」

さゆみもなんだか、変な臨場感にぼうっとしてきちゃって。
『入れて』って言ったのはれいなだけど、とりあえず腕の中でハァハァ言ってるリンリンにバイブを入れた。

『!!!アァ…あっ!!』
『!』
不意打ちが効いたのか、声が出てしまったリンリンの口をもう一度ふさぐ。
…危なかった。

『声出しちゃダメ。…あと、さゆみがいいって言うまでイってもダメ。』
『…エ、そんな…』
『ほら、いくよ…』
『!…っ…ん…ん…!』

…実際、あんまり我慢できなそうだけど。
ひとまず外の二人が出ていくまでは、頑張ってもらわないと。

「あっ…絵里…!ん、くぅっ…ああっ…」
「ほら、すごい…こんなに濡れてる…ねえ、聞こえる?」
「ん、うん…っあ、いやぁ…っ」
「今キュッてなったよ…カワイイ…」
多分、れいなはそろそろ限界だ。
声がどんどん高くなってる。

『…ァ…ぁっ!…ん、ふっ…』
リンリンも、一生懸命壁に手をついて体支えてる。
もう、足に力が入ってないけど。
ヤバいかな、と思って口ふさぐ手に力入れたら、余計感じちゃったみたいで。
無意識なのか、腰が動いてる。
…超エロい。

「ん、あっ、ダメ、れいなもうイくと…!」
「いーよ…イって…」
「あぁあ、ああ…イく、え、絵里、絵里っ…!!」
しばらく激しく揺さぶられて、れいなは静かになった。

「…はぁ…はぁ…」
「…かわいい、れいな。」
「バカ…っ」

で、少しの間水道の音がしたり、小さな声でのやりとりがあったりして、二人は出ていった。

…あ、リンリンにとっては『少しの間』じゃなかったかもだけど…。
「…ん、ぁ…」
「もう声、出していいよ」
ずっと後ろからだったけど、壁にはりついてたリンリンがこっち向いた。
「はぁ、ア、道重さん…」
さゆみの顔見て、ちょっと安心したみたいにしがみつかれる。
後ろ向き、ちょっと怖かったかな。

ぎゅっと抱きしめて、スイッチ強めにした。
「…あぁっ!!あ、あ、ヤっ…あんッ…!!」

もうとっくに限界超えてたっぽいカラダは、可哀想なくらい震えてる。
長い睫毛が濡れてて、ちょっと泣きそうで。

イっちゃうかな、って思ってたら、さゆみの頭を抱くみたいに、必死に見上げてきた。

「…あ、あ、ん、…い、いいデスカ?もう、イイ…?」
「え」

あっ。
そうだ、いいって言うまでイっちゃダメって言ってたっけ。
「…イイよ。」
耳元で囁いてあげたら、リンリンのカラダからがくんて力が抜けた。

−−−−

…で。
ちょっと意識飛びかかってたリンリンが回復するまで一緒にいて、二人で外に出た。
いつもうるさいくらいなのに、疲れたのか全然喋らない。

「…怒ってる?」
「………チョット。」
…だよね。
さすがにやりすぎたっていうか、場所が悪かったっていうか。

「…ごめんね。ちょっと今日はキツかったよね。怒っていいよ。」
そう言うと、リンリンはちらっとこっちを見上げて、困ったように笑った。
「…嘘デス。怒ってない。」
「ほんと?」
「ホント。」
そう言ったあと、いつものニコニコとはちょっと違う感じで、やさしく言う。
「好きデスヨ。」
「…あ、ありがとう…。」

なんか。
怒られるよりも心が痛いんだけど。
まあ、いっか…。

で、その後は普通に楽屋戻ったけど。
やっぱり、どう見てもれいなはだるそうで。
ちょっと絵里にカマかけた。
「…れいな、なんかフラフラしてない?なんかした?」
「あー、わかる?…さっきちょっとイジめちゃった♪」

…超あっさり白状したなあ。
やっぱ、合流しても問題なかったかも…。
ぼんやりそう思ってたら、絵里がふと顔を上げた。

「そういえば、リンリンに頼んだって言ってたアレ、どうなった?」
「えっ!?」
アレ、って。
…あ、アレ、か…。

どうしよう。あの後ちゃんときれいにしたから、別に問題ないんだろうけど…。
なんか。
あれをれいなに使うのもちょっと…い、いろいろ思い出しちゃいそうだし…。

「…あ、あれはジュンジュンに頼もう。」
「え?いいけど…リンリンだめだった?」
「いや、わ、わかんなそうだし…。」
「あー、そうかもねえ。」

…よかった。納得してくれた。


で、後日。
ジュンジュンに頼んだはいいけど、池袋のナントカで買ったとかいう本格的なやつで。
『こんなん入らん!』ってれいなが泣いちゃったから、途中でやめた。

…怖いなあ、ジュンジュンって。

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