「えりぃ〜・・・」

れいな君は風邪で寝込んでしまっていた。
学校に行くのを断念して部屋で寝ていたが、辛い時ほど好きな人に会いたくなるもので、さっきから愛しのえりちゃんを呼んでいる。
が、今日はいくら待ってもいつものようにれいな君のことを心配してえりちゃんは来ない。
いや、正確に言うと1度お見舞いには来たのだが、寝ているところを起こされたうえに風邪で頭がクラクラしていたせいで、
せっかく来てくれたえりちゃんを追い返してしまったのだった。

今やっと熱も下がってきて、落ち着いたところだ。
冷えピタ(子供用)を張った冷たい頭で考えてみると自分のしたことがひどく情けなく感じる。

「あぁ・・・えりに嫌われてしまったら・・・・・・」

さっき送った謝罪メールもなかなか返信が帰ってこない。
時間が経つにつれ不安が大きくなってくる。
不安に耐えられず、もう1度メールを送ろうと携帯に手を伸ばした瞬間、着メロが鳴り出した。
だるい体をバッと起こして大急ぎでメールを開く。

<そんなに謝られても困るの。 てか、画面いっぱいに“ごめんなさい”が並んでてマヂでビビったのw
 へたれーながさゆみをビビらせるなんて1億年早いの! 追伸 送る相手間違ってるよw>

ホントに熱があったんだろう。
えりとさゆを間違えるなんて。
基本この2人としかメールしないからといってわざわざグループ分けしたのが間違いだった。
急いで送信ボックスを開いてメールを送りなおす。
そうだ さゆにも謝っとこう。
一応。

<ごめん。 絵里に送るメール間違えてさゆに送ってしまったと。お願いで悪いんやけど、さゆからもえりに謝っといて>

送信、っと。

残念なことに、えりよりもさゆからの返信が早かった。

<あれ?? さゆみ今日風邪で寝込んでるんだけど・・・ もしかしてれーなも風邪??>

さゆも風邪だったのか・・・
きっと風邪を引いた理由はれーなと同じだろう。
なんか想像できて怖いな。


<さゆも風邪なん? れーなも風邪ひいて学校やすんどるんやけど、体調はまぁ良くなったかな♪>、送信。

<まぁ、さゆみに代わりに謝ってって言ってきたくらいだからえりは学校なんでしょ?
 えりがれーなを置いて学校行くなんてやっぱり喧嘩しちゃったんやね(笑)
 でも、えりに『えりのこと思い浮かべてパンツ脱いでオナニーしまくってたらちんちんから冷えちゃった』
 って正直に話せば許してもらえると思うの!
 あ、お願いで悪いんだけどさゆみの分もえりに言っといて(笑)>

ほら、さゆもれーなとおんなし理由で風邪ひいとる。
もう慣れたもんだが、さゆは平気で下ネタメールしてくる。
体こそエロい・・・じゃなくて女性らしいけど、ホントは男なんじゃないかと思う。
さゆと話してる時は男友達と喋ってるみたいやしw
でもあれで急に女に豹変するから恐ろしいのだ。

ピンポーン・・・。

誰だろう?
あ、もしかして謝ったからえりが来てくれたのかもしれない。
頭のクラクラはどこへやら、1段飛ばしで家の階段を下りていく。

ガチャッ

「えりぃ!!」
「ふふふw また間違ってるのw」
「さゆぅ!?」



「えーっと・・・じゃぁこの問題は亀井さんに・・・」
「せんせー 亀井さん寝てます」
「あっ じゃぁ安藤さん代わりに答えてください」

起こしても起きないため、いつからかえりちゃんが寝ているときは別の人に問題があてられるようになったのだ。
先生の苦悩やさゆれなの状況はいざ知らず、えりちゃんは気持ちよさそうに夢の中。。。

「ムニャムニャ・・・れーなぁ」



「暇だから来ちゃった れーな♪」

暇だからって・・・来んなよ!
茫然と立ち尽くすれーなを置き去りにしてさゆは一足早く2階へと上がっていく。
慌てて後を追うが、スカートの中からパンツが覗いている。
そう、これがさゆの困ったところ。
男友達のように気軽くれーなの部屋に侵入するくせに、可愛い女の子なのだ。

「あー・・・頭クラクラする」

ボフっとれーなのベットに飛び込んださゆ。
惜しげもなく真っ白な太ももと薄いピンクのパンツをれーなの前に晒す。
目を逸らすほどれーなは真っ白純情じゃない。
頬を薄いピンクに染めてじっと見つめる。

「久しぶりに2人っきりだねw」

うつ伏せのまま振り返らずさゆが話しかけてくる。
なんかイケナイ関係の2人みたいな内容を。

「そーやね せっかく2人っきりになったけん・・・ さゆ れーなが留守番しとるけん漫画買ってきて」
「あーあ、せっかくさゆみが良い雰囲気作ったのに台無しなの」
「はいはい いいかられーなのベットやけん はよどいて」

ようやく振り返って体を起こしたさゆ。
れーなもお姉さん座りのさゆの脇に腰を下ろす。

「やっぱなんか元気出ん」
「さゆみも あぁー喉痛い れーな、喉飴」
「・・・」
「シカととはいい度胸なの」
「・・・」
「・・・あれぇ? このゴミ箱のティッシュの山はぁ?w」
「・・・」

無言でゴミ箱を持って階段を下りていく。

「ついでに喉飴もよ・ろ・し・く・ね ♪」

はぁ、具合悪いくせになんでこうも頭が回るのか。
さすが腹黒ウサギ。
喉飴を持って部屋に戻るとさゆはまた寝ていた。

「はい 喉飴」
「ありがと」

さゆはベットを占領してその辺に落ちていた漫画を読んでいる。
おとなしくれーなも床に座って落ちている漫画を読む。

「あはははw れーなちょっと来てぇ」
「ん? なん? ・・・あっ」

立ち上がった瞬間、ひどい立ちくらみでさゆの上に倒れこむ。

「うげっ!」
「うーん・・・ご、ごめん さゆ・・・」

やばいやっぱ風邪治ってないな。
おとなしく寝ていた方がよかったかも。
目の前が真っ暗になってる状態でそんなことを考えていたが、目の前の闇が晴れたと同時にすごい光景が脳内に飛び込んでくる。
さゆの顔まであと5センチ。
パッチリ二重が・・・

「・・・れーな 喉飴いる?」
「え?」
「いるでしょ? ・・・チュッ」

さゆの柔らかい唇が吸い付いてくる。
離す暇もなくさゆの唇に心を奪われてしまう。
そのまま覆いかぶさってさゆの心音とれーなの心音を合わせていく。
唇よりも柔らかい胸がれーなを包み込む。
先に口を開けたさゆが喉飴をれーなの口の中に押し込んできた。
甘く、スカっとした喉飴がさゆの暖かい唾液でコーティングされている。

「・・・おいひい」
「ちゅぅ・・・さゆみが?w」
「・・・うん」

飴玉についたさゆの唾液を綺麗に舐め取った後、それをさゆの口に戻し入れる。
さゆは舌を自分の口の中に戻すと口をモゴモゴさせてから、おいひいw、と言った。
れーなが、を付け加える替わりにさゆはれーなの頭を抱いて再び唇を合わせてくる。

「んん ん・・・はぁ 風邪移ってしまうとよw」
「もとから風邪引いてるし関係ないのw」
「にひひw そーやねw」

2人してクスクス笑いあった後、再びお互いを求める。

さゆ・・・えりの次に大好きっちゃんw



頭が殴られたような痛みで目を覚ます。
さゆはいない。
一瞬、さゆとのことは夢かと思ったけど、口の中に残っている喉飴のわずかな苦みがそうではないことを知らせる。
密かに、飴が溶けきるまでキスをした後でエッチに移ろうと考えていたが、知らない間に寝てしまっていたようだ。
まさに夢見心地で。

「あぁ・・・超絶頭痛い」



2番目どうしの愛 小ネタ 完

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