各精神薬について 
【抗精神病薬】
抗精神病薬は強力精神安定薬であり、メジャー・トランキライザーとも呼ばれている
持続性効果のある注射剤
フェノチアジン系のエナント酸、及びデカン酸のフルフェナジン、ブチロフェノン系ノデカン酸
ハロペリドールがある
主な臨床作用
抗幻覚・妄想作用・鎮静作用がある
主として、統合失調症、うつ病をはじめ、上記の臨床作用が期待される各種の精神疾患に作用される
主な副作用
もともと薬には、その薬自体が薬理学的に持つている特性がある
その特性が治療上好ましくない状態で心身に反映するものを随伴症状と呼び、本来の副作用とは区別される
抗精神薬の場合、副作用といってもその大半は随伴症状であり、錐体外路症状と自律神経症状に分かれる
可逆性錐体外路症状
�．僉璽�ンソン症状 (パーキンソニズム)
筋強剛、運動減少、振戦、流涎、仮面様顔貌、小刻みに引きずるような歩行
�▲▲�シジア(静座不能)
下肢のムズムズした異常感、じっとしていられない、イライラする、座っていられない
�５淦�ジストエア(ジスキネジア)
頸部が側方に突っ張る(斜頸)、舌突出、眼球に上転、身体が捻じれる
非可逆性鎌体外路症状
遅発性ジスキネジア
主に口周囲のモグモグ運動
抗精神病の副作用
中枢神経系
眠気、過剰鎮静、痙攣、パーキンソン症状、アカラシア、急性ジストニア、遅発性ジスキネジア
循環器系
血圧低下、頻脈、不整脈
消化器系
口渇、便秘、麻痺性イレウス、肝障害
自律神経系
食欲増進、肥満、乳汁分泌、月経異常、射精異常
血液系
顆粒球減少症
眼科系
細胞色素変性、緑内障悪化
皮膚科系
発疹、光過敏性皮膚炎
悪性症候群
発熱、発汗、筋強剛、無動、意識障害、血清ck値上昇、白血球増加
【抗うつ薬】
抗うつ薬種類
三環系
イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、アモキサピンなど
四環系
マプロチリン、ミアンセリン
SSRI
フルボキサミン、パロキセチン
SNRI
ミリナシプラン
その他
トラドゾン、スルピリド(抗精神薬)
主な臨床作用
抗うつ作用、すなわち抑うつ気分や思考、行動の抑制を図り、うつ状態に伴う身体症状の改善に効果がある
主としてうつ薬や神経症の抑うつ状態に使用する
新しい抗うつ薬のSSRI,SNRIは、他の薬物に比べて副作用が少なく、抗うつ作用とともに、強迫性障害、パニック障害にも有効とされる
一般に抗うつ薬は、効果発現までにやや時間を要する
また抑うつ症状が消失した時点で薬を中止すると、再び抑うつ状態を呈することがある
さらに、服用中、時に操状態に転じることがある
抗うつ薬の主な副作用
中枢神経系
眠気、せん妄、痙攣
循環器系
血圧低下、頻脈
消化器系
口渇、便秘、悪心、嘔吐
泌尿器系
尿閉
皮膚科系
発疹
自律神経系
性機能障害
悪性症候群
抗精神薬に同じ
セロトニン症候群
発熱、発汗、下痢、反射亢進、ミオクローヌス、焦燥感、見当識障害
【抗てんかん薬】
抗痙攣薬ともいう。発作型によって薬物を選択する
原則として単剤より始め、効果を見ながら用量を決める
発作が抑制できない場合には他剤を追加するが、出来るだけ他剤併用は避ける
抗てんかん薬の種類と適応発作
パルビツール系
フェノバルビタール
強直間代発作、単純部分発作
ヒダントイン誘導体
フェニトイン
強直間代発作、単純部分発作
サクシミド
エトスクシミド系
定型欠神発作、ミオクロニー発作
イミノスチルベン系
カメレバマゼピン
精神運動発作、強直間代発作
ベンゾジアゼピン系
ジアゼパム
重積発作の痙攣抑制
クロナゼパム
ウエスト症候群、レノックス症候群、混合発作、ミオクロニー発作
その他
パルプロ酸ナトリウム
各種てんかん発作、混合発作
ゾニサミド
強直代発作、単純複雑部分発作
合剤
フエニトエン、フエノバルビタール
強直代発作、単純部分発作、複雑部分発作
抗てんかん薬の副作用
中枢神経系
眠気、ふらつき、複視、眼振
消化器系
胃腸障害
血液系
白血球減少症、再生不良性貧血
皮膚科系
発疹、皮膚粘膜眼症候群、歯肉肥厚
抗てんかん薬には、各薬物に共通した副作用と、それぞれの薬物に出やすい副作用がある。
多剤処方の場合、副作用が出やすくなるので注意する。疾患の性質上、長期の服用があり、常に一般状態の観察、定期的な血液検査、血中濃度の測定が必要とされる。
抗てんかん薬は、発作を消失させるものではなく、抑制するものであるから、急に服薬を中止すると重積発作が起きる危険があるので、指示通りの服薬が重要である
※
タグ
最新コメント