まずは過去10年ほどのブームを振り返ってみましょう。
『新世紀エヴァンゲリオン』が作品として社会現象を巻き起こすほど大ヒット。以降、綾波レイを模した無表情キャラがブームになりました。ダウナー系という言葉がちょっとだけ普及しました。また、もう一人の人気キャラ惣流・アスカ・ラングレーは後のツンデレブームにも通ずるツンキャラでした。
眼鏡っ娘ブーム。もともと描き分け上一キャラは存在していた、眼鏡を着用したキャラクター。それを好むマンガ家の台頭。小野寺浩二、平野耕太、西川魯介、祭丘ヒデユキなど。
メイドブーム。古くは柴田昌弘や『殻の中の小鳥』。『まほろまてぃっく』を経て属性として確立。
妹ブーム。言わずと知れた『シスタープリンセス』。妹を12人揃えてしまうという力技で属性確立。
そして、昨年までのツンデレブームと続きます。
振り返ってみると共通項が見えてきます。
これらのブームは、すべて概念・定義の発見・確立なのです。
「ちょっと気にはなってたんだけど、一まとめにしちゃうなんて考えもしなかった」、つまり、潜在的需要を呼び起こすことによりブームが起きているのです。把握されなかっただけで、常に二次元のなかに存在はしていた概念・定義なのです。無理やり創造したものではありません。
だから、素クールだのクーデレだの鬱デレだのが流行することはないでしょう。たしかに、それらの言葉に該当する良質なキャラクターも少なくないのはわかります。しかし、「段階的なギャップ」というツンデレの枢要を間借りしただけの亜流の定義に過ぎません。『シスタープリンセス』の様式だけ模倣した『天使のしっぽ』がオリジナルを超え得なかったことからも明らかです。
ところで、ツンデレブームは極めて明るく賑やかなものでした。お嬢様キャラクターが少なくなく、画面はいつも眩いばかり。
ツンデレが輝かしいカラーとなったのはそれまでのブームの反動も大きいでしょう。ダウナー系はもちろん、眼鏡っ娘もメイドも妹も、決して明るさを前面に打ち出した属性ではありませんでした。その間、泣きゲーの歴史もありました。むしろ、陰鬱な性質が先行しがちでした。惣流・アスカ・ラングレー級の派手で輝かしいキャラクターのヒットはあまりなかったように思います。発散されることなく10年間溜まりまくったストレスが一気に解消したのが2005年だったのです。
10年間のストレスの反動は極端なまでに高輝度のツンデレブームに作用しました。なにしろ、ツンデレは喧嘩相手だったり、さんざんデレデレなセックスの直後に蹴り上げてきたりします。あまりに明るすぎるために、2006年はまた去年の反動が起こることが予想できます。歴史はゆり動くものです。
「潜在的需要を秘めた概念・定義」
「明るいツンデレの反動」
この二つの条件に合致するもの、それは、
目隠れっ娘です。
ツンデレの語感の良さに倣って
メカクレ
といいましょうか。
前髪が目に覆いかぶさっているキャラクターのことをいいます。前髪からチラチラと瞳が見えたり片目だけ髪型で隠しているタイプもあるでしょう。仮面やフードを目深に被っているキャラクターもあります。
これこそが、定番ではあるものの一括りにはされてこなかった定義。ツンデレと等級概念といえるでしょう。
メカクレは性質は内向的です。目を隠すのは対人恐怖症や視線恐怖症の顕れでしょう。表情を秘匿したり、匿名性を高めたい心理がうかがえます。明るいツンデレブームの反動を受けるであろう今年の傾向にも合致します。
その瞳を隠すということから、謎を秘めているミステリアスな魅力をもっています。パワーや感情の欠損を暗喩していることもあります。二律背反の苦悩や狷介孤高の存在であることをビジュアルで示すこともできます。
メカクレは多種多様な要素を内在している概念なのです。等級概念とはいえ、通り一遍のツンデレとは違うところです。攻略キャラクター全員ツンデレの『つよきす』は発売を遂げました。理屈でいえば、メカクレでも同じことができるはずです。
そう、あと必要なものは、2004年後半〜『つよきす』発売までのツンデレブームのようなムーブメントなのです。
なお、鬼太郎を代表とする前髪で片目を伏せる髪型。
「アシンメトリー asymmetry」「アシメトリックスタイル asymmetric style」「ワンサイド one side」「オフバランス off balance」「鬼太郎ボブ」http://www.excite.co.jp/News/bit/00091112272202.ht...
などの用語もあるにはありますが、どれも左右非対称という意味合いでしかありません。
じつは、もっと適切な用語があります。
東京美容専門学校TAHB美容辞典http://www.tahb.ac.jp/special/dic/index_dic.html
には「eye-hiding coif(アイハイディングコワフ)」http://www.tahb.ac.jp/special/dic/dic_main_a.html#...
という項目があります。
アイ ハイディング コワフ
eye-hiding coif
1967年米国美容雑誌に紹介されたヘア・スタイルで、一時流行したもの。
ストレートな毛の流れを生かしたアシメトリーな構成で、片目を隠したヘア・スタイル。
ウインクをしているような演出ができるので、魅惑的になるといわれる。
アイ・スパイ・コワフと同意語といえる。
語句の意味は「目を隠す」でしかありませんが、用語としては「目を隠す」ことに限定して使われるようです。これぞまさしく鬼太郎ヘアといえるでしょう。
ジェロニモヘアのヘアスタイル用語はまだ見つかっていません。
2006年1月1日 管理人
『新世紀エヴァンゲリオン』が作品として社会現象を巻き起こすほど大ヒット。以降、綾波レイを模した無表情キャラがブームになりました。ダウナー系という言葉がちょっとだけ普及しました。また、もう一人の人気キャラ惣流・アスカ・ラングレーは後のツンデレブームにも通ずるツンキャラでした。
眼鏡っ娘ブーム。もともと描き分け上一キャラは存在していた、眼鏡を着用したキャラクター。それを好むマンガ家の台頭。小野寺浩二、平野耕太、西川魯介、祭丘ヒデユキなど。
メイドブーム。古くは柴田昌弘や『殻の中の小鳥』。『まほろまてぃっく』を経て属性として確立。
妹ブーム。言わずと知れた『シスタープリンセス』。妹を12人揃えてしまうという力技で属性確立。
そして、昨年までのツンデレブームと続きます。
振り返ってみると共通項が見えてきます。
これらのブームは、すべて概念・定義の発見・確立なのです。
「ちょっと気にはなってたんだけど、一まとめにしちゃうなんて考えもしなかった」、つまり、潜在的需要を呼び起こすことによりブームが起きているのです。把握されなかっただけで、常に二次元のなかに存在はしていた概念・定義なのです。無理やり創造したものではありません。
だから、素クールだのクーデレだの鬱デレだのが流行することはないでしょう。たしかに、それらの言葉に該当する良質なキャラクターも少なくないのはわかります。しかし、「段階的なギャップ」というツンデレの枢要を間借りしただけの亜流の定義に過ぎません。『シスタープリンセス』の様式だけ模倣した『天使のしっぽ』がオリジナルを超え得なかったことからも明らかです。
ところで、ツンデレブームは極めて明るく賑やかなものでした。お嬢様キャラクターが少なくなく、画面はいつも眩いばかり。
ツンデレが輝かしいカラーとなったのはそれまでのブームの反動も大きいでしょう。ダウナー系はもちろん、眼鏡っ娘もメイドも妹も、決して明るさを前面に打ち出した属性ではありませんでした。その間、泣きゲーの歴史もありました。むしろ、陰鬱な性質が先行しがちでした。惣流・アスカ・ラングレー級の派手で輝かしいキャラクターのヒットはあまりなかったように思います。発散されることなく10年間溜まりまくったストレスが一気に解消したのが2005年だったのです。
10年間のストレスの反動は極端なまでに高輝度のツンデレブームに作用しました。なにしろ、ツンデレは喧嘩相手だったり、さんざんデレデレなセックスの直後に蹴り上げてきたりします。あまりに明るすぎるために、2006年はまた去年の反動が起こることが予想できます。歴史はゆり動くものです。
「潜在的需要を秘めた概念・定義」
「明るいツンデレの反動」
この二つの条件に合致するもの、それは、
目隠れっ娘です。
ツンデレの語感の良さに倣って
メカクレ
といいましょうか。
前髪が目に覆いかぶさっているキャラクターのことをいいます。前髪からチラチラと瞳が見えたり片目だけ髪型で隠しているタイプもあるでしょう。仮面やフードを目深に被っているキャラクターもあります。
これこそが、定番ではあるものの一括りにはされてこなかった定義。ツンデレと等級概念といえるでしょう。
メカクレは性質は内向的です。目を隠すのは対人恐怖症や視線恐怖症の顕れでしょう。表情を秘匿したり、匿名性を高めたい心理がうかがえます。明るいツンデレブームの反動を受けるであろう今年の傾向にも合致します。
その瞳を隠すということから、謎を秘めているミステリアスな魅力をもっています。パワーや感情の欠損を暗喩していることもあります。二律背反の苦悩や狷介孤高の存在であることをビジュアルで示すこともできます。
メカクレは多種多様な要素を内在している概念なのです。等級概念とはいえ、通り一遍のツンデレとは違うところです。攻略キャラクター全員ツンデレの『つよきす』は発売を遂げました。理屈でいえば、メカクレでも同じことができるはずです。
そう、あと必要なものは、2004年後半〜『つよきす』発売までのツンデレブームのようなムーブメントなのです。
なお、鬼太郎を代表とする前髪で片目を伏せる髪型。
「アシンメトリー asymmetry」「アシメトリックスタイル asymmetric style」「ワンサイド one side」「オフバランス off balance」「鬼太郎ボブ」http://www.excite.co.jp/News/bit/00091112272202.ht...
などの用語もあるにはありますが、どれも左右非対称という意味合いでしかありません。
じつは、もっと適切な用語があります。
東京美容専門学校TAHB美容辞典http://www.tahb.ac.jp/special/dic/index_dic.html
には「eye-hiding coif(アイハイディングコワフ)」http://www.tahb.ac.jp/special/dic/dic_main_a.html#...
という項目があります。
アイ ハイディング コワフ
eye-hiding coif
1967年米国美容雑誌に紹介されたヘア・スタイルで、一時流行したもの。
ストレートな毛の流れを生かしたアシメトリーな構成で、片目を隠したヘア・スタイル。
ウインクをしているような演出ができるので、魅惑的になるといわれる。
アイ・スパイ・コワフと同意語といえる。
語句の意味は「目を隠す」でしかありませんが、用語としては「目を隠す」ことに限定して使われるようです。これぞまさしく鬼太郎ヘアといえるでしょう。
ジェロニモヘアのヘアスタイル用語はまだ見つかっていません。
2006年1月1日 管理人
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