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「装備のおはなし」シリーズ

 「装備のおはなし」シリーズ


※最初にお断りさせていただきます。
 このページは非常にイレギュラーな形をとらせていただきます。
 
 この対応に関しまして、なにか問題がありましたらお手数をおかけしますが、
 このページのコメント欄ではなく、トップページのコメント欄に
 コメントをお願いします。
 このページの削除・分割等の措置を取ります。

 作者名の違う作品も混じっていますが、
 避難所メインスレpart.2のレス154を参考にさせていただきました。
 ただ、大事な作者名ゆえ、こちらでの統一は避けさせていただきます。

※作者様へ
 作中に「*+*+*+*+*」の表記がございますが、
 そのままコピペすると、見出し扱いされてしまいます。
 そのため、全角スペースを入れさせていただきます。
 
 本来であればコピペが定石ではございますが、
 改変させていただくことをご容赦ください。


 装備のおはなし‐キリン編


スレ番号 タイトル カップリング 作者名備考 レス
避1装備のおはなし‐キリン編記述なし876微エロ?876〜878


‐‐‐

装備のおはなし‐キリン編


「さあ行こうか、師匠」
「弟子なのに態度が尊大だなあ…」
「尊大だなんて!私は初めて会うキリンさんにテンションがだだ上がりなだけです」

雪山へと歩みを進める二つの影。
背格好はあまり変わらないが、片方は細身ながら筋肉質、もう片方は(胸を除いて)柔らかい曲線的な体型。つまり男女という訳だ。

「ルカ、無茶だけはするなよ。下位といってもキリンはキリンなんだから」
「そのキリンに初めて会うんだってば…」

男はルカと呼んだ女の背負うライトボウガンの銃身を軽く引き、眉根を寄せながら小言を垂れる。

男の名はライト。
押しかけ女房ならぬ、押しかけ弟子ルカの師匠だ。
背負った大剣は角王剣アーティラート…紛う事なきG級ハンターだ。希少な金獅子素材等の防具は若干…若干東洋風過ぎるきらいは有るが、その実大変強力である。

その彼が何故、レインバレッツ背負ったパピメルS装備の上位ほやほやハンターと一緒に居るかというと…

「しーしょー!キリン、エリア6〜」

(キリン装備…か)


目の前の女の為、という如何にもな理由であったりする。
勿論言葉そのままの意味でもあるのだが、多分に男の趣味が含まれている事に、まだルカは気付いていない。

手数の多い双剣を独りの時に好んで使っているルカに、にやけ顔を必死に引き締めながらキリン装備を薦めたのは…言うまでもない。

 *+*+*+*+*


「はっ!」

パリパリ、と電気を纏うキリンの真横から、大剣が迫る。
抜刀の衝撃をモロに喰らって吹っ飛ぶ幻獣に、その名の如く雨の様に散弾が降り注ぐ。
ルカはがしゃこん、と装填し、足下に電撃の気配を感じ転がって体勢を整えると、また散弾を速射する。

(ボウガンも使い慣れてきたじゃないか)

一時期、知り合いがメイン武器として使っていると知って、ライトボウガン不使用に意地になっていた彼女の手慣れた立ち回り。
感心したライトはキリンの突進を軽く避けつつ、飛んできた散弾に苦笑いした。

「ごめんなさいっ!」
「大丈夫大丈夫、それより右行ったよ」

動きの速いキリンに、散弾は有効だ。あまり倒し方に浪漫を感じない、と敬遠する者も多いが…手段を選んではいられない程度の腕なのだ、ルカは。

「ひゃうっ…!」

まさに今、ケルビステップ──所謂ジグザグした軌道の接近を避け損ね、尻餅をついた。

キリンの周囲が、白銀に輝いている。美しさと裏腹に、怒りに燃えた神獣のスピードはルカを翻弄する。

「ちょっと、ねえ…!速いってば…っ」

必死に転がり攻撃を避けるも、やはり生身の人間。急激な回避に体がついて行かなくなり、脚が震え出す。

スキルアップにと、敢えて最初の一撃以外ライトは手を出さずにいたが…流石に自分がついて【力尽きた】を記させる訳にはいかない。

「ルー、隣でホット飲んでおいで」

がしゃり、たたたたっ

ルカが言われた通り、エリア7へとよろめきながら走っていく。

「さて、不肖の弟子の為…そのカラダを頂こう」

す、と風が動いた。

音が消え、ライトの姿が消える。

「はあぁッ!」

バリバリ、と帯電しながら突進してきたキリンを避け、振り返り際に溜めた一撃を叩き付けた。


けして、渾身の溜めではなかった。
しかし、白き幻獣の角はばきりと無残に折れ、蒼い火花が断ち消える。同時に痩躯も崩れ落ちる。

「やり過ぎたかな…」

しゃくしゃくっ、と足音がし、間もなく肩にささやかな重みがかかる。

「ごめん」
「むー……寧ろ私がごめん」

やっぱ下位でアーティは不味かった、と呟きながらライトは折れたキリンの角をルカに手渡す。

「ハッスルし過ぎは師匠じゃない」
「自重します」

2人は顔を見合わせて、ぷっ、と吹き出すと、剥ぎ取りを始めた。

「ねえルカ」

以前ヘヴィボウガンを握った事のあるライトの頭に、素朴な疑問が浮かぶ。

「ソレ、拡散撃てるんじゃね?散弾だけより楽だよ」
「…………」

何故か黙り込むルカに、ライトは剥ぎ取ったキリンのたてがみで鼻をくすぐった。
…幻獣も形無しである。

「ひぐしゅいっ!」
「おー、いつ聞いても変なくしゃみ」
「ししょっ、らにすんれすかっ!」

鼻水を拭いながら(因みにポイ捨てはしません。無闇に真面目)噛みついてきたルカに、ライトは笑った。

「サポガン志望、だから?」
「う」
「甘ったれるなよ、今日はお前のクエストだ。お前がメインだ」

笑ってはいても、声は雪獅子の息吹の様に冷たい。
身体が、温熱が切れたかの如く震えた。人知を超えるG級モンスターとの死闘を幾度となく潜り抜けてきた歴戦の覇者の蒼い瞳に、畏怖以外の感情を忘れた様にルカは竦む。

「ごめ…なさ……」

ただ、どうしようもなく、この瞳を見たいと願う自分がいる事を……ルカは知っていた。

「分かったなら、良いんだ。ボウガンの使い方も手慣れてたし…頑張ってたのは分かる」

ライトは気まずげに、目線を逸らす。
あの冴え冴えとした瞳はもう消えていた。


「ほんとは、初めてじゃないの」


言葉が唇から滑り出ていた。
別のシチュエーションだったなら、相当驚くだろう言葉だが…
まあ、雪山ではそうもいかない。

「オトモと一緒に、大樽G持って狩ってたんだ。
…2落ちは当たり前、1落ちで済んだら御の字って感じで」

言葉を切って、目を見開いているライトの様子にすっかり眉を八の字にしながら続ける。


「これでキリンシリーズ揃うの……帰ったら、見てくれる?」


最初のテンションは何処へやら、すっかり小さくなってしまったルカに、ライトは内心ニヤニヤが止まらなかった。

「ルーが嫌って言っても見続けるから、覚悟しておけよ」

俯いたルカが、恐る恐る顔を上げる。
頭防具越しの掌の感触がとても、温かかった。


「あ、一回で良いから脚だけ脱いでみて」
「……ししょーの変態」



  END.

‐‐‐‐‐


 装備のおはなし‐パピメル装備編


スレ番号 タイトル カップリング 作者名備考 レス
避1装備のおはなし‐パピメル装備編記述なし876否エロ881〜883



ばしっ、ばしっ

何だか不穏な音だが、やっている事は只の虫取りである。

「出た?」
「出た出た!」

ガウシカテールを振り振り、無心に虫網を握っていたルカは、問い掛けた人影に満面の笑みで答えた。
ルカの手の中のマレコガネを見、声の主も笑った。

「後は何が足りないの?」
「電撃袋はライトボウガンで楽勝だから…爆炎袋かな」
「じゃあ今日は他に予定も無いし、レウスでも行くか」
「いやったー!」

喜色満面のルカを、両手で数えられる年頃の子どもへのそれの様に見やり、声の主は「ふぅ」と息を吐いた。

声の主の名はハル。黒き迅竜の中でも強靭な個体の素材から成る、ナルガX装備に身を包んだG級ハンターだ。
但し、彼の腰は蝶の羽を模した虫素材の防具に守られている。

彼は女性装備を好んで纏うひとだった。

本人曰く「動き易いから」というのが理由らしいが、G・ルナシリーズをマイセットに入れている辺りどうなのだろうか。
フェティシズム溢れる女装子(じょそこ)さんだったならまだ分かり易いのだが…装備が女性のものである以外、幸か不幸か温厚篤実を絵に描いた様な面倒見のいい凄腕ハンターで、ルカの信頼する師の一人だった。

「ハル、今日は何で来るの?」
「あー、この間は片手剣だったよね…また太刀かな」
「勉強させて貰います」

ルカがおどけて、砕けていた口調を丁寧なものに変える。気心知れた仲の二人は、可笑しさに、同時に吹き出した。


 *+*+*+*+*


ルカが作ろうとしているのは、虫素材を主としたパピメルSシリーズ。
パピメルシリーズを下位の頃から愛用していたルカが上位互換のそれを作ろうというのも、何ら不自然ではない。

不自然ではない…のだが。
このパピメルS、主素材であるマレコガネなどは、農場に通い詰めればそれなりに数は集まる。
しかしながら電撃袋や猛毒袋、爆炎袋といった飛竜の素材が必要になってくるのである。
この所、ライトボウガンしか握っていないルカには少々辛いクエストが多く、こうしてふらりと訪れるハルに同行を頼む事があった。

「レウス、飛んでばっかりだから…なかなか剣士だと攻撃出来ないんだもん」
「まあねえ。閃光のタイミングだね」

集会所のボックスから閃光玉を取り出し、ルカに手渡しながらハルが言った。

「ガンバリマス」

シャキーン!と聞こえてきそうな、きりりとした表情で、続いて渡されるアイテムを仕舞いクエストへの準備を調える。

「今日は何かいる?」
「あー、そういやクーラードリンクいるね」
「了解!ハル忘れてたでしょ」

曖昧な笑顔で誤魔化すハル。まあ、彼一人ならば多少クーラードリンクが無くとも、クエスト達成出来てしまえるだろうが…
何せ下位装備のガンナーちゃんがくっついているのだ。

…一応、自覚は有るのか生命の粉塵は調合分持ってはいるが。

「よし、行こうか」
「ハル」
「ん?」
「…捕獲玉持って?」

必死でカラの実とマヒダケをポーチに詰め込んでいる、パピメル装備のおんなのこ。
頭装備の触覚が、彼女の瞳にシンクロした様に揺れた。

思わずその頭をくしゃくしゃに撫で回したくなりながら、ハルは微笑する。


「もう持ってるよ」


 *+*+*+*+*


どうやら彼女の関心は、狩り対象よりも…黒い影への方が強い様だ。

にゃあ!にゃあ!にゃあ!

先刻から、メラルーラグドールの銃口から通常弾の気配が全くしないのだ。

火竜めがけて放たれるのは、麻痺弾、徹甲流弾、睡眠弾…

「うえ、もえないゴミ」

調合まできっちりと。

閃く黒い影──ハルは、ブレスの予備動作や突進などのリオレウスの動きを、その度ルカに伝えながら太刀を振るっていた。
普段は黒刀【終ノ型】を愛用する彼だが、今回は「タンスの肥やしになりそう」という理由でエクシードビートを使っている。

「ブレス来るよ」
「はいっ」

(やっぱり声を掛けながらの方が安定する)

遊び半分で太刀を作ってみたというルカの視線を感じていた彼は、時折反応の遅れる彼女を気にかけながら尻尾を切り落とす。


ハルの言葉にコロコロと前転し、怒りに我を忘れた火竜の目線から外れてルカが麻痺弾を撃つ。
3、4発撃った所で見事に火竜の体が痺れた。
直ぐ様通常弾に切り替えたのか、ハルの攻撃で折れかけていた右の翼爪に速射が襲う。

ばきいっ

「翼壊した!」
「なーいす。部位破壊完了だね」
気刃斬りを叩き込み、痺れから解放されたリオレウスに斬り下がりで距離を取る。
口から小さく炎をくゆらせ烈火の如く猛る火竜に、漆黒の影が笑みを浮かべた。

薄い唇がしなり、ヘルムの額当てから覗く、紅い双眸が瞬いた。

二人と一頭の視界が真っ白になる。
ルカの投げた閃光玉をまともに喰らい、リオレウスが狼狽する。
その隙を逃すハルではなかった。

大剣の一撃には届かない筈なのに
片手剣の様に俊敏ではない筈なのに
双剣の止め処ない連撃にも追い付かない筈なのに

なのに何故、

こんなにも斬撃は重く

楽しげに舞うのだろう

総てを蹂躙する、紅い瞳を揺らめかせて

彼の纏うパピメルXアンカの黒い羽が翻り、裾の鮮やかな色彩がちかちかと光りながら見え隠れする。
それに呼応するかの様に、エクシードビートの飾り羽が鈍く光る。

その瞬間、まるで何かに憑かれた様にルカは見入った。
しかし、思い出した様に慌ててリオレウスの懐に潜り込む。
火竜が我に返る頃には、足元に痺れ罠が設置されていた。
悲鳴を上げる火竜へ、麻酔玉が投げられる。

「ありがとー!」
「お疲れ」

地面に巨体が崩れ落ちるのと同時に、ルカの右手とハルの左手がぱちんと音を立てて合わさった。


 *+*+*+*+*


「今日の閃光玉のタイミングは良かったよ」
「練習の甲斐があったー」

爆炎袋を手に入れ、ハルにも誉められご機嫌のルカ。

「あ、睡眠はハンマーの時がいいな。後、貫通弾もいいかも」
「ん、覚えた!」

彼女なりの役に立ちたい気持ちを酌んで、ぽつりぽつりとアドバイス。先日、近接武器が双剣のみのルカに太刀を勧めたのもハルだった。

そうこうしているうちに、武具屋の前まで来てしまう。

「待ってるから、行っておいで」

優しく声を掛けたハルに礼を言って、ルカは武具屋の親父の元へ走っていく。
待ってると言いつつ、ハルはその後について歩き、笑顔で作成依頼をしているルカの横の柱に寄りかかる。

「わう」
「ん、気になった」

気配に気付かなかったルカが、驚いて活字にしづらい声をあげる。
蜂蜜色の瞳と紅い瞳がかち合う。瞳の虹彩も見えそうな距離に、どきん、とルカの胸が弾んだ。


闘争を心底楽しんでいる様な、酷薄な笑みと獣の瞳。

心地良いふんわりとした物腰、包み込まれそうな微笑。


相反する二つの表情に翻弄されているのが、何故か楽しくて、ぞくぞくする。
ずっと彼に感じていた、引力の様な不思議な力の意味をルカは悟った。

蒼い瞳の自称保護者とは違う、

違う。


まるで舞う蝶に魅せられた様に、


(このめをみていたい)


END


 装備のおはなし 続編


スレ番号 タイトル カップリング 作者名備考 レス
避1無題?記述なし678否エロ899〜901


全身紺色のパピメルS装備のハンターと、ナルガXに腰パピメルXという見慣れない組み合わせのハンターが集会所から出てくる。
二人共、若干頬を紅潮させている所を見ると、酒が入っている様だ。

パピメルSの方──ルカは、先程フルフル亜種の涎が飛んだ、愛用のライトボウガン・メラルーヘルドールをごしごしと拭きながら仏頂面をしている。

「赤フルフルきらーいー…白いのは可愛いのにいぃ」
「確かに、あの動きは俺も嫌いだ」

子どもの様に語尾を伸ばし、不満気な様子を隠そうともしない。
ナルガXとパピメルXの男性ハンター、ハルは苦笑いしながら同意する。

「面倒だからガンス使うし」
「ガンス難しいじゃん!ガード?なにそれおいしいの?」

ハルが背負うナナ=ソレイユを撫でながら、口を尖らせてつっかかるルカ。
まあ、このナナ=ソレイユも彼女が「このガンス、見た目が凄い好み」と宣うたが故に、ハルはフルフル亜種の弱点が水と知りつつ担いできてしまったのだが。
上位クエストだからと言って、彼女に甘いのではないかと思いつつも、独りで一通りのモンスターを狩ってしまったハルは『面白さ』を優先してしまうのだった。

「はぁーるーぅ、白いフルフルいこー」
「……酔ってる?」
「酔ってないよ」

顔こそ赤くなるものの、酒に関しては笊どころか蟒蛇レベルの彼は、それなりに飲める筈のルカを煽ってしまったらしい。
普段なら困惑するのだが、ハルも酒が入っている。

「ちょっとおいで」
「なぁに?」

答えず、ずんずんと歩いていく方向にはお馴染みの武具屋。

「フルフルZ、ガンナー用を全身セットで」

ポン、とゼニーを全額支払い「今着て行きます」と告げる。武具屋もアイルーも目を丸くしていたが、何処吹く風。
……まあ、酔っていなくてもマイペースな彼なのだが。

「あ、氷か龍の武器でおいで。弓がいいかも。序でに俺のクーネ持ってきてくれる?」
「はーいせんせー」

何の疑いも持たず、ナナ=ソレイユを預かりハルの家へ向かうルカ。


酒とは、げに恐ろしきものである。


 *+*+*+*+*

「此処、来た事無いかも」
「そうだね、一緒に来るのは初めてだ」

二人は古塔にやって来ていた。
ハルの装備はつい先程作ったばかりのフルフルZ装備に覇滅弓クーネレラカム。
防具は勿論、女性ハンター仕様だ。

「この装備、割と可愛いよ」
「うん、いい…!あの赤フル素材とは思えない」

天使っぽくて可愛い、とハルを見つめながら顔を綻ばせるルカ。可愛い可愛いを連発しながらハルの後を着いて行く。

アイテムボックスの対巨龍爆弾を見ていなかったのは、幸か不幸か…

「あ、特上皮がいるー!」
「狩ってけばいーよ」

グラキファーボウ片手にハイテンションでガブラスを射る。先に塔へと上っていくハルをチラリと見遣り、慌ててルカは弓を引き絞った。


 *+*+*+*+*


「こ、れ、なに」
「ヤマツカミ☆」
「何その星マークはぁ…!」

塔の頂上に辿り着くと、ルカの目に苔色のドーム状の物体が飛び込んできた。
その物体がぐるりと回って方向転換し、赤い目が自分を捉えたのに再び驚愕する。

「目とか口辺りをどんどん狙ってみて」
「はいいぃい…」

最早、返答が悲鳴である。
彼女に余裕が有ったなら、酔い?それなにおいしいの?と顔を引きつらせても言っていただろうが…生まれて初めて見るヤマツカミに度肝を抜かれ、いっぱいいっぱいそのまま。

ぎゅばば、とでも形容出来そうな奇妙な音を立ててヤマツカミが口を開き、大雷光虫を放出する。

「いやあああああ…!」
「あ、歯が見えた?」
「みえたみえたみえた…気持ち悪いっ!」

ルカは叫びながら貫通矢をずばんずばんと射るが、強力な龍属性を誇るクーネレラカムの黒い衝撃に、ヤマツカミが怯み標的を彼女へと変え、触手を叩きつけてきた。

回避性能のお陰か、横っ飛びに回避し、座る様な形で体勢を立て直すと零距離射撃を連発する。思ったより肉質は固くなく、動作も緩慢だったので、ルカはすぐに立ち上がって距離を取った。

「大丈夫?」
「だいじょばないっ!」

ルカの軽口が飛び出したのに安心して、ハルはヤマツカミに集中する。
だが、G級ハンターも恐れる“あの”攻撃の予備動作が見えた。

(まずいっ!)

口を大きく開きながら、対象へ向く一瞬のタイムラグの後に全てを吸い込む。余程の防具でない限り、剣士さえこの一撃で御陀仏…増してや二人は今、装甲の薄いガンナーなのだ。

「ひいっ…!」

未知との遭遇(冗談ではない)に身を竦ませたルカ。彼女の立ち位置からでは、麻酔玉も間に合わない。

「っ…!」
「ひぁっっ…!?」

ハルは覚悟を決め、彼女を抱きあげて走り、ぶち抜かれている階下の空間へと身を投げた。


身体が浮いている。

首元に、吐息。

きつく身体に食い込むのは、奇妙な手触りに包まれた、あのひと。


ルカが考えられたのは其処までだった。
 *+*+*+*+*


どしゃっ、と鈍い音をさせ、二人は石造りの塔の床へと到着…もとい打ち付けられる。

「ぐ、ぅ」

ルカを庇い自分が下になったハルが、衝撃に呻き声を漏らした。
内臓がひっくり返りそうな急降下で一時的に気を失っていたルカも目を覚ます。
ぷにゅとか、むにゅとか形容出来そうな感触のフルフルの魅惑色の皮が自分を包んでいるのに気付き、抱き竦められていたのだとまた気付く。

「だい、じょうぶ?」

ハルが、ぎゅう、と強く抱き締めていた手を緩ませて尋ねると、ルカは何事か呟きながら彼に抱き付いた。

「おぅ!?」
「ばか……だいじょーぶは、そっちじゃんかっ」

ぽろり、と一雫。
涙を流すルカに困り果て(これも納品出来ないかな、無理だよな)と半ば失礼な事を考えた後、ハルは思ったより薄かった彼女の背をさすってやった。

「ごめん」
「なんで、謝るの」
「悪ふざけが過ぎたよ」

彼はルカが口を開くより早く、腕の力が緩んだ彼女を離し、自分の着ている装備の左肩を触らせた。

「…ぷにょぷにゅ?」
「柔らかいでしょ。これのお陰で、全然痛くなかった」

フルフル恐るべし!と続けると、ルカは笑った。

「明日、赤フル行こう」
「良いけど、何で?」

塔の天辺へ戻る為、壁をよじ登りながらハルが答えた。

「味方にすると、なかなか良い奴でしょ?」
「間違いない!可愛いし♪ヤマツのが断然気持ち悪い」

ルカが続けた台詞に、ハルは小さく笑った。

「じゃあ、その気持ち悪い奴を倒しに行こうか」
「気持ち悪いと思ってた奴の所へ行く為に、ね」

二人はヤマツカミの眼前へ辿り着くと、揃って弓を引き絞った。


 END.

_


 パピメル装備のおはなし・ぜろ


スレ番号 タイトル カップリング 作者名備考 レス
避1パピメル装備のおはなし・ぜろ人×人678微エロ909〜911

ハルとその娘との出会いは、密林だった。
常の武器は太刀ではあるが、比較的器用なのか、他武器もそつなくこなす彼。この日は笛でもとヒドゥントーンを作成し、練習がてら盾蟹をターゲットに密林へと足を運んでいた。

アプトノス車を降り、そこには見慣れた砂浜の光景…と思いきや、何とベースキャンプにハンターらしき姿が。しかもネコタク上がりらしく、パピメル装備のその娘はそこかしこが傷だらけである。

「手配間違い…?」
腰のみパピメルX、残りをナルガX装備という、(男性にしては変わった趣味の持ち主の)ハルは、担いだヒドゥントーンを杖替わりに砂浜に立て一瞬考える。

「ニャ!ハンターさん、ニャ?」
「ん」

しかし次の瞬間、彼女のオトモらしいアイルーが地中から飛び出し、いる筈のない他ハンターの姿を見て半分地中に潜り込んだ。

「俺、上位ダイミョウザザミの狩猟クエスト…を受けたんだけど、間違いかな?」
「! 僕ニャもそうですニャ、でもご主人、上位上がりたてで…」

オトモの様子からして、どうやら苦戦しているらしい。
ハルはハンターの様子を伺う。淡い黄色のパピメル装備一式、スパッツは赤…となればきっと下位装備。というおかしな思考回路を終了させ、得物の双剣――インセクトオーダー改だった――を見遣る。
ひよっこハンターや女性ハンターの好む武器だが、イメージ以上に双剣は消耗が早く、玄人向けとまで言われる。切れ味があまり落ちないままのそれを見、ハルは案の定その娘が武器をうまく使いこなせていないのを悟った。

「うー…」
キャンプのベッドから起き上がったパピメル娘に、オトモが駆け寄る。
「ご主人、助っ人だニャー!」
「え?」
「は、え、なに」
「助っ人って…まあ、いいけど…」

目を白黒させたパピメル娘にハルがかいつまんで事情を話すと、彼女は合点したのか大きく頷き、ルカと名乗った。

「ハサミを壊したくて」
懐に入り込み弱らせるのはまだ出来る、部位破壊が…と続けて彼女は頭を下げた。
自分には可愛くすら思えるあの盾蟹の動作だが、確かに虚を突かれるものではあるだろう。ハルはそう思い、ふよふよと揺れるパピメル頭の触角につんと触れた。
「宜しく」

**


久し振りに見た盾蟹は、何ともユーモラスなアクションで出迎えてくれた。何だ、スタミナ減少無効吹きながら数発殴ったら、もうエリア移動かい。とハルは少し苦笑してしまいながら、1乙のパピメル娘を見やる。

「強いんですね…」
「上位に負けてたら、G級のギルドカード返却しなきゃ」

のんびりとした口調で、さらっと失礼な台詞を吐くも、確かに実力が伴わないパピメル娘は尊敬の眼差し。

「!?」

彼女がくるりと背を向け歩き出そうとした瞬間、カサカサカサ…と何かが近付き…

ぱっちん、ぱさり

「きぃやぁあああ!」

雑魚も雑魚、小さな蟹が攻撃を仕掛けたらしい。身を捩って避けた筈の鋏は、何と…

「あ、う、ごめん」
「あぃや、あ、う…」

片手は抜刀しようと、もう片手は痛んだ装備が不幸にも切り落とされた部位を必死に隠している。パピメル娘、意外にもぱんつは紫。
取り敢えず、ハルは悪戯子蟹をスタンプして動揺を誤魔化した。

「何でスパッツまでぇ…!?」


**


子蟹の一撃は、腰装備の一部留め具が噛み合わなくなる程度のものであった様だ。
しかし小さくとも鋭い鋏が、何とも武具屋の趣味丸出しの脚装備を裂くとは、なんというおまけ術。

「ごめんなさぃい…」

ハルはしゃがみこんでしまったパピメル娘(壊れた腰装備を必死に巻き付けている)を背負い、ベースキャンプへと歩く。
女性防具を纏う自他共に認める変人であるハルだが、何とも筆舌に屈しがたい尻の柔らかさに若干前屈みになりかける。
いや、歩く。彼女の自重で手に尻が当たる。前屈みになる、誤魔化して背負い直す。歩く、彼女の(以下ループ)

「お兄さん、ほんとにごめんなさい…」
「大丈夫、もう弱ってるから捕獲しといてあげる」
「やったニャー!」

(せめて、アイルーの前でアカン事になる訳には…)

ハル、実はかなりご無沙汰だった模様。
細い身体とギリギリのバランスか?というくらいのパピメル娘のふくよかな尻の柔らかさ、今やぺったりとくっつき放しの胸(これまた少々可愛らしい方の銀冠で邪魔にならないのである)…。
無防備に自分に負われているぴこぴこ触角娘の瞳を追わせてやろう。そう思った。

「ひゃん!?」
「わ、ごめん」
「や、あ、あたしが、ごめんなさい!」

緊張だろうか、布地越しにでも分かる位汗ばんだ尻…尻?
自重でまた落ちてきたこの感触を、ハルは全力で享受した。

(これは偶然、指は、動かさない)


**



ぐったりした盾蟹が、すぴーすぴーと寝息を立てている。
自強化と攻撃力アップを吹いて笛をぶん回していると目を回した所で、捕獲。
鋏は勿論ヤドもしっかり破壊済みである。
クエスト終了の煙弾、モドリ玉を使いその場を後にする。
真面目に戦闘に取り組んだお陰か、彼のムスコさんは落ち着きを取り戻していた。

一目惚れとはまた違う、一触れ惚れだろうか?一むにゅ惚れだろうか?


煙が晴れ、キャンプで律儀にハルを待つパピメル娘が思わず立ち上がる。

「お兄さん!」
「ただい………………ま」

ゲリョスの毒も顔負けの紫ぱんつが出迎えてくれたのだった。


end.


 装備のおはなし‐ナルガS装備編


※ 924はおまけです。

スレ番号 タイトル カップリング 作者名備考 レス
避1装備のおはなし‐ナルガS装備編人×人678否エロ915〜924


ルカが師からの手紙を受け取ったのは、五日前の事だった。

「ねえアーモンド、ウカムって知ってる?」
「知らニャいニャー」
「雪山に何年かに一度現れる、恐ろしい竜だニャ。永久凍土をも強靭な顎で割って進むんニャ」

古株の物知りハクサイ(勿論、毛色は言うまでもない)が、ぶるりと身体を震わせて教えてくれる。

「何かねー、ライトがそのウカムルバスと戦って来るんだって」
「「ギニャッ!?」」

踏んづけられたかの様な声を発しながら、ハクサイと料理が出来たのを知らせに来たウドンが目を見開く。

「ウドンも知ってるの?」
「当たり前ニャ!十年前、雪山で突如現れたって知らせの後、ポポを食べに来たティガやフルフルの死体が幾つも見つかったんニャー…」

アイルー二人(匹)が身を寄せ合って震える中、ルカはにっこり笑って言った。

「大丈夫!(良い意味で)殺しても死なない人だから」


 *+*+*+*+*


半日後。
武具屋に二つの人影が有った。
一つはナルガX装備にパピメルX腰がトレードマークのハンター、ハル。
もう一つは……

「じゃーん!」
「おおっ」

雲一つ無い、冴えた夜の様な色合い。同じ系統の色でも、今まで彼女が着ていたパピメルSとはまた違う印象の色調。
縁の飾り布や腰布は紫色で、幼げな容姿がガラリと変わっていた。

ルカの、この装備を作る為、二人はナルガクルガを狩りに行ったのだ。
因みに樹海だけでなく旧密林へも足を伸ばし、朝から四、五頭狩っている。

「頭は延髄が取れなかったから、パピメルSのままかな」
「そだね、違和感バリバリだ」

武具屋に預けたパピメルSテスタを受け取り、温かみの有る赤毛を纏め、いつものガウシカテールよりも大人しいケルビテールに結び直す。

「お揃い?」
「そうだね、髪の長さとかは違うけど」

解くと腰に届きそうなロングヘアのルカと、バックだけが肩甲骨位の長さのハルとでは同じ髪型でも結構見た目が違う。(装備の所為か、稀に女性に間違われるのでハルは比較的下寄りで結んでいるらしい)

ハルがヘルムを脱ぐと、顔立ち等の全く違う二人も兄妹に見える。双子と言っても通じそうである。

「スキルは?」
「回避性能と回避距離が欲しくて、無理矢理つけた。体術+1あるし」

経験の浅い彼女は、立ち回りに難が有る事に気付いていた。
特に、突進を多用するものや多彩な攻撃パターンを持つモンスターへの行動の見極めが上手くいかない。
天才と呼ばれる者達の様にはいかないのは至極当然の事、時間をかけて慣れて行けば良いのだと彼女の師──ライトも言っているのだが…

ハルの存在が、それを覆い隠してしまう。

彼の天賦の才と人柄が、ルカを惹きつけて、引き上げて、追わせてしまうのだ。
本人は気付いていないのが、良いやら悪いやら…

そんなこんなで生傷の絶えないルカへ送られた手紙に、綴られていた防具がこのナルガ装備であった。

「また明日!今度は延髄出るといいな…」
「物欲センサーって知ってる?」

 *+*+*+*+*


モンスターに種や個体差が有るように
人それぞれにも個性があるね

それは体格や得意武器、性格、色々だろう

だから、無理はしない事
チキンだろうが何だろうが、自分がなるべく安全に(時に楽しく)狩りが出来ればいい

まさか堅肉を包丁じゃなく、スプーンで切ろうとするアイルーは居ないだろう?

勇気と無謀が違うのも同様さ
酔狂で命を落としてちゃ、勿体無いだろ?


自分のペースでやれば良いよ

また、一緒に狩りに行こう


P,S
G級キリンは俺のよ(ry


 *+*+*+*+*


黒い影が、ふたつ。

赤い双眸が、弧を描きながら残像を残していく。それに向かい朱色の太刀が月光を浴びて光った。
太刀の使い手は闇に溶ける様な装束を纏いつつも、頭部の蝶を模した防具が時折しゃらりと蛍火の如く鱗粉を散らす。

ルカは傾いた西日の照らす樹海で、迅竜ナルガクルガと対峙していた。

「ご主人、今ニャ!」
「はいよっ」

耳をつんざく咆哮を横転して避け、突進体勢に入ったナルガ目掛けて音爆弾を投げつける。一瞬の隙をついた高周波に、迅竜は狼狽えて体勢を崩しのたうち回った。
その機を逃すルカではなく、飛竜刀【楓】を振りかざし頭部を狙う。

「はあっ!」

軽くはない一撃が、縦に二度。そして斬り下がりでの横一閃。
片目を潰されたナルガが悲鳴を上げる。仰け反った所へ、ルカは更に接近して気刃斬りを叩き込んだ。

「ひぐっ!?」

但し、近付き過ぎた。
怒り狂った迅竜の咆哮に思わず耳を塞いでしまうと、隙だらけの身体に鋭利なブレードが食い込んだ。
もろに攻撃を喰らって吹っ飛んだルカは、べしゃりと崩れ落ちつつも回復薬グレートを取り出す。行儀など気にしていられる訳も無く、飛び付いてきた黒い疾風を前転で回避し、一気に呷った。
口の端に零れた液体を舐め取り、こちらに背を向けていたナルガの尻尾に接近し斬りつける。
既に幾つか小さくない傷が走っていたそれが斬り飛ばされたのは、間もなくだった。


 *+*+*+*+*


暮れ始めていたオレンジ色の空が、すっかり暗くなっている。

「疲れた…」

尻尾から剥ぎ取った迅竜の延髄をキャンプに置き、ギルドからの迎えを待つ。
ルカは無事ナルガクルガの捕獲を終え、傷付いた身体をベッドに横たえながら目を閉じた。

「…一人でも、出来たよ」

誰にともなく呟く。
上位に上がってからは殆どハルと二人でクエストに行っていた為、ルカが上位の飛竜討伐クエストを独力でこなしたのは、これが初めてであった。

色濃い疲労にさえ達成感を感じつつ、ベッドで大きく伸びをする。

…のだが。

「ギニャアアァア!? だ、旦那さんんー!」
「ふへ!?」

只事でないオトモの悲鳴に、慌てて飛び起きて辺りを見回すと、アーモンドがピッケルを振り回しながら何かと格闘していた。

「何してんのっ?」
「分かんニャいニャ、ニャんか黒いのがっ…!」

アーモンドが居たのは樹海の入り口、つまりキャンプと樹海エリアの境目付近。小型モンスターに襲われたのだろうと太刀を片手に走り寄ると、『ニャんか黒いの』がルカへと飛びかかってきた。

「っあ、う…!」

目にも留まらぬスピード、夜闇に紛れる黒い身体。
そして、鋭利な刃で切り裂かれ、飛び散るルカの血液。

「「ナルガ!?」」

まさか、と声にならない呟きを飲み込み、戦闘態勢に入る。
通常のナルガクルガより明らかに小さく攻撃も軽いが、その分スピードは増している様に感じられる。大きさは四足歩行時のアイルーより一回り小さい程度だろうか。

「ナルガの子ども?」
「多分そうニャ。ナルガは警戒心が強いから、普通は仔が居ると奥に引き籠もる筈ニャけど…」
「もしかしてさ、」
「もしかするかもニャ」

捕獲したナルガクルガの仔、という有難くない予想が頭を過ぎる。巣らしき、小型モンスターの骨の散らばる樹海の奥まった場所に居た迅竜を、彼女達が引きずり出したのは確かだ。

「と、とにかくこの場は穏便にっ!」
「ラジャー!」

得物の大きなルカが仔ナルガと相対するのは不利と見、彼女が仔ナルガを引きつけ受け流しながら、アーモンドが得意の麻痺攻撃を当てていく。
ぎゃうぎゃうとバインドボイスに成りきらない咆哮を上げ、仔ナルガも応戦したが、痺れが身体を襲うのには耐えられず、五分も経たずに呻き声を上げだした。

「効くかな? そぉい!」

麻痺攻撃と罠の痺れとは概念が違うらしく、通常では麻痺しても捕獲は不可能。しかしサイズと身体機能の未熟さに賭けた捕獲用麻酔玉は、無事に仔ナルガを昏睡へと導いた。
ルカとアーモンドはハイタッチをしながら喜んだが、漸く気がついた。

「ねえ、この子どうするの?」
「ニャ?」


 *+*+*+*+*
「生肉が…調合中のハチミツの様だ…」
「ボクらのサシミウオ…」

呆然と立ち尽くす一人と五匹の前に置かれた食糧が、少しずつではあるが見る間に減っていく。

其処はルカの家、アイルーキッチン。
ギルドに引き渡しても、幼いとはいえあの仔ナルガも立派な飛竜。研究材料になるか、危険分子として排除されるか…
あのまま放置したとて、自然界は弱肉強食。確証は無いものの、自分が仔ナルガの竜生(?)に大きな関与をしたというのは事実だ。

まあ、あの場ではそんな思考が出来る訳も無く、またタイミングの良過ぎるネコタクの到着に、思わず持っていたネットに包んで連れて帰ってしまっただけなのだが。

「軽傷だし、明後日辺りには癒えると思うニャ」
「そう…良かった」

アーモンドの武器が切断属性なのも幸いしたのだろう。外傷ばかりで、ウドンに所々巻かれた包帯が痛々しいが、本人(竜?)は空腹の方が問題らしい。育ち盛りというのも考えられるが。

「取り敢えず、傷が癒えるまではウチに置いておこうと思うの」

一斉に後ずさったアイルー達にストップをかけつつ、ルカは「勿論、私の部屋で過ごさせるよ」と続ける。

「それには、一つ工夫が要るね」

そして、キッチンのアイテムボックスの箱を開けて中を探り出したのだった。

ドスギアノス、ドスランポス、ドスファンゴの皮。火竜の翼膜、ブヨブヨした皮…
高く積み上がっていく、モンスターの素材。

その横に並んだ、旦那さんは何をする気ニャ、と書いてある五つの顔をちらりと見やり、ルカはニッコリと笑った。


 *+*+*+*+*


「どうよ」
「…わ、悪くはないかニャ」

満腹になって眠ってしまった仔ナルガの腕のブレードに、茄子紺の様な色彩の布だろうか…いや、皮膜の類か。それがぴったりと取り付けられている。

「これは…」
「よくぞ聞いてくれました! ゴム質の上皮なんだよ」

皮だと駄目だったんだけど、流石は上皮だね。うーん、ゲリョスの神秘。とよく分からない呟きを残しつつ、ルカは爆睡中の仔ナルガを抱き上げる。

「キレテナーイ」
「それは何か違うニャ」
「サーセン…」

笑顔でカバーされたブレードに頬擦りした彼女に、即座にハクサイが冷たく言い放った。

「さて、このくろいのをどうしようかな」

一瞬凹んでいたルカだが、すぐに立ち直って仔ナルガを撫でながら言う。

「んニャ、猫じゃあるまいし…よく撫でたり出来るニャー…」
「いやあ、可愛いんだもん」
「散々痛い目見てたのにニャ…」

幼体だからだろうか、迅竜の雛は鱗よりも圧倒的にふさふさとした毛の方が多く、毛足の長いメラルーと言っても十人に三人位は信じそうな外見をしていた。(微妙だとは言ってはいけない)

「がうがう」
「くろいのー♪」

ルカが抱き上げても妙な事に襲いかかるどころか抵抗すらしない、異様な光景にアイルー達は息を飲む。

「『くろいの』って…」
「名前付けたら、情が湧いちゃうでしょ」

(((((なんつーセンスニャ…)))))

彼等が、がくり、と音がしそうな位に肩を落としたその時、ガチャリと扉が開いた。

「ルカー、調子はどう……!?」
「ライト!」

手紙が着いた所為か、暫くは会えないと思っていた師の突然の訪問に、驚きながらもすぐに笑顔が浮かぶ。

……だが。

「「……………」」

(げ、何て説明しよう…)
(一体全体、何があったんだ!?)

二人共、それぞれの理由で言葉を失ってしまったのだった。

 *+*+*+*+*

「どうしてこうなった」

というライトの一言で沈黙は破れ、それではかくかくしかじかとルカが事情を説明する。
勿論、耳を疑う様な話ではあった。しかし嘘を吐いた所でどうしようもない類の話ではあるし、彼も納得する事となった。

「多分、ルカに攻撃的じゃないのは装備の所為だと思う」

室内なので頭装備は外していたが、全身ナルガS装備のルカに抱かれているくろいのが、眠っていると思い手を伸ばしたライトの腕に(装備の上からであったが)がっつりと噛み付いた。

幾百の年月を過ごした強靭なラオシャンロンの甲殻から作られた腕装備には傷一つ付かなかったが、ルカと五匹のアイルーが慄き思わず声を上げる。

「ルーは捕獲したナルガの仔って予測したみたいだけど、俺はお前の着てる装備…ナルガ素材の『におい』に反応してるんじゃねーかと思う」

勿論、どの可能性も否定は出来ないが。と付け加えてライトは難無く振り解き、腕を組んだ。

「ハルと樹海に随分狩りに行ったから、どの時かは分からないけど…結局、私はこの仔の親を手に掛けてるんだね」

少しトーンの落ちた声。しゅん、とうなだれたルカの顎をくろいのが宥める様にぺろり、と舐めた。
その様子にライトは肩を竦める。

「母親のにおいがするってだけで、此処まで懐くもんなのか?」
「ぎゃうっ!」

どうも、くろいのはライトがお気に召さない様だ。
自分の話題だと理解しているのだろうか、彼に向かって威嚇の唸り声をあげる。

「こいつ、捨ててきていい?」
「ま、まままだ駄目!」
「このままで良いとは、お前も思ってないだろ?」

それは冗談としてさ、と続けてから、ライトが真剣な面持ちで問い掛ける。
勿論ルカとてそれは理解していたし、そうしなければならないと決意をしていた。

けれど、

「ぎゃう」

渦中の装備の肩部分を、甘える様に噛んできた迅竜の雛。
彼女はそっと、その柔らかな毛に覆われた首元に顔を埋めた。

「明日中に場所の見当をつけるから」



「連れて行って、樹海に」



 *+*+*+*+*+


地平線から真白に近い陽光が射してくる夜明け。

ルカは独り、オトモも連れず樹海へと発った。
ナルガS装備にナルガSキャップを被り直し、各エリアへと歩みを進める。
候補としては、多様な大型モンスターの巣になっている洞窟のエリア7とその隣のエリア(ハチミツが採れる、彼女のお気に入りの場所だ)。エリア8も候補に上がったのだが、キングチャチャブーの存在をライトが思い出し、没となった。

ルカはフラフラとエリア間を双剣を背負って歩き回る。襲ってきたゲネポスやイーオス達を斬り、無表情に素材を剥ぎ取った。
樹海の入り口に程近いエリア6にはケルビも居り、雛も独力で餌を穫る事が出来そうだ。

「此処にしようかな」

双剣、ギルドナイトセーバーを無造作に背負う。何処か空虚な重さは、ルカの胸の内を鮮明に表していた。
作成過程に盾蟹の作り出す黒真珠や、ノヴァクリスタル等の上質な鉱石を使った番いの剣は細身の女にとって、けして軽いものではない。
感情を鈍化させようと、体感も鈍くなっているのだろうか。

ぐるぐると矛盾だらけの思考を巡らせながら、彼女は緑色の煙に包まれた。

(あの仔はどうして、私の所に来たんだろう)

モドリ玉の煙が晴れ、ベースキャンプが眼前に広がる。
地図をもとに、持って来た紙にめぼしい場所をメモする。
樹海・素材ツアーを受注していた為、アイテムボックスには地図とチケットのみが有った………………筈だった。

「ぎゃるるっ!」

開いたボックスから勢い良く飛び出した耳と光る双眸、そして最早聞き慣れてきていた鳴き声。
ルカは、意識が朦朧とするのを感じた。

「くろいの…」

恐らく、樹海迄の道中も一緒だったのだろう。何処に隠れていたのか…いや、そんな事を考えている暇はない。

「早く戻らなきゃ…!」

ナルガ装備を着ていた事を後悔しながら、ネコタクを待たずに彼女は走り出す。
チケットを納品ボックスに叩き込み、クエスト終了の信号弾を夢中で投げ上げる。

(ルー、最後にもう一つ)

ライトの言葉が頭を過ぎる。

(例え、同じ種族であったとしても、ナルガクルガにとって…)

恐れていた、草木が踏みしだかれる微かな音が迫る。
耳を塞ぎたくなるが、理性と胸に抱いたくろいのの存在がそれを許さない。

(弱者は餌だ)

血に飢えた漆黒の暗殺者の咆哮が、背後に迫っていた。

(どうして、【楓】を持って来なかったんだろう)

切れ味が瞬く間に悪くなっていく。双剣の長所であり短所の手数の多さも、漆黒の厚い鱗の前では形無し。
下見のつもりであったという事も有るが、澄んだクリスタルブルーの刀身が、己を鎮めてくれるのではないかと思わず手に取った彼女。
しかしながら、ナルガクルガの弱点は炎…完全に油断していたのだ。

ベースキャンプで刃を交える。その事に軽い既視感を覚え、ルカは口の端だけの暗い笑みを浮かべた。

「早く、早く、はやくっ!」

その呟きはネコタクへか、迅竜の雛へか。
どちらにしろ、届く事はなかった。

怒りに身を震わせ、血飛沫を固めた様な真っ赤な眼の稚い迅竜が、同族の巨体へ尾棘を飛ばす。
敵対する存在へ立ち向かう、雄々しい咆哮を上げながら威嚇体勢に入ったのは、最早『くろいの』ではなく『ナルガクルガ』であった。

「たあああああぁああッ!」

鬼人化と共に叫びながら斬りかかるルカの一歩先を駆け、くろいのがナルガクルガの喉元目掛けて飛びつく。
が、容易くいなされ草むらに叩きつけられた。

「はや、く、逃げなさいってばぁああ!」

刃を前に突き出す様に突っ込み、雛の前に割り込んだルカが叫んだ。
雛に向けられる筈の、追い討ちの尻尾叩きつけを受けるが、鬼人化の影響で痛みを感じないまま腹部が裂ける。
装備の網目は破れ、胸元近くの装殻が引き千切れた状態で、彼女は立っていた。

ハンターの端くれとして、正義感、使命感、はたまた雛を連れ帰った罪悪感…

そのどれでもなく、


「─────ッ!!!」


ルカは、身を投げ出した。
まるで、自ら刃になったかの様に。
応えた様に、ずしゃぁ、と血飛沫が宙に舞った。

「………………」

「…………こんなの、ないよ」

彼女の胸にかかる、あたたかくて意外にさらさらとした液体。
赤い朱い紅いあかいアカイ、鉄錆の匂いの、生の証。

背骨か肋骨かに牙が引っ掛かったのか、ナルガクルガが巨体を揺らして引き抜こうとする。
その度に小さな身体ががくがくと上下した。

一拍の後、牙が外れ反動のまま一人と一匹は崩れ落ちる。
いたわる様な、謝る様な、ざらりとした舌が頬を撫でる触感。

「ぐるる…」

目を細め喉を鳴らして、

「いや、だめ…いやだよ」

迅竜の雛は事切れた。

 *+*+*+*+*


おかあさん、ぼく、おいてった

ぼく、よわくてちいさい
だから、おいてった

ちいさいの、いらない


でも、ちいさいおかあさん、いた
ちいさいおかあさんは、おかあさんのにおい、する

どくんどくん、とおなかできいたおと、する

ぼく、いっぱいくっついた
くっついても、ちいさいおかあさん、ぼく、たたかなかった


ぼく、おかあさんみつけた
ちいさい、すべすべおかあさん


ちいさいおかあさん

なにないてるの


ぼく、つよいんだよ

おかあさん、まもれたよ



ねえ、ちいさいおかあさん



 *+*+*+*+*


 *+*+*+*+*


ルカは自室のベッドで目を覚ました。
身体を起こそうとするも、腹部に鈍痛が走り呻いてしまう。

「頼む、もう少しだけ待ってくれ」

窓の外から聞こえた、誰かの声。
そっと窓枠に掴まり、痛みを堪えて聞き耳を立てる。

「もう雪山に止めておくには…今行かないと間に合わないわ」
「分かってる、でも…」

ライトと、集会所にいつも居る竜人女性だ。手紙に書いていた、ウカムルバスの討伐の話だろうか。
ルカは窓を開け、出せる限りの声で(それでも痛みの所為か、いつも喋る程度のボリュームが限界であったが)彼に伝えた。


「行ってらっしゃい!」


声の主と、その様子にライトは何度もまばたきをし、遂には溜息を吐きながらしゃがみ込む。
だが、すぐに立ち上がり近くまで来ると、切れた頬の辺りを気にしながらルカの頭を撫でた。

「忘れれば、楽になる」
「……えっ」

一言だけを置いて、ライトは走り出した。


「わす、れる」


反芻しながら、ルカは呆然とする。自分の頬にまた水滴が伝い続ける事に気付く由もなかった。


「一体、何を忘れれば良いの」


 *+*+*+*+*


迅竜の仔の血飛沫を浴びて、襤褸布の様に倒れたルカの手からギルドナイトセーバーが落ちる。
蜂蜜色の瞳はもう、何も映してはいない。

中途半端に刺激され、物足りない様子のナルガクルガはそれを見ると鼻を鳴らした。
飛びつき、彼女の胴を鋭いブレードが当たらない位置で地に叩き付ける…弄ぶつもりなのだろう。
かの竜にとって、己を失った上位ハンターなど玩具に過ぎなかった。

ひゅ、と空気を切断するかの様な鋭い音が響く。
白銀の刀身がナルガクルガを襲い、刃から立ち上る灼熱の炎がその強(こわ)い黒毛を焦がし肉を抉った。

「びっくりした」

場にそぐわぬ声音の主が武器を振るうと、新たな害なすものを見つけたナルガクルガが飛び退いて咆哮を上げる。
その鼻面にべちゃりとペイントボールをお見舞いし、怯んだ隙に彼は茫然自失のルカを抱えて、モドリ玉を地面に投げつけた。
濛々と立ち上る緑の煙。迅竜はこれを知ってか知らずか歯噛みし、虚空に向けて吼えた。



 *+*+*+*+*


眼球を覆う様な血飛沫。
きう、という空気の漏れる音。
ルカは眼前に広がる稚(おさな)い獣の亡失の様を思い出し、目眩に襲われる。
ショックで一時的に記憶を失っていたのだろう。バケツを引っくり返した様に、閉じた瞼の裏で映像が流れる。


「うぅうう……」

涙の流れる頬が熱くて、頭が重たくて、記憶が痛くて。

でも、ルカは音も立てずに涙する事しか出来なかった。


 *+*+*+*


「旦那さん、お客さんニャ!」

装備を慌てて脱いできたのだろう、オトモのアーモンドが飛び込んできた。
続いて、いつもより大きな黒い影が。
「……ハル」
「具合はどう?」

大きく感じたのは、身の丈を超えそうな包みを背負っていたからの様だ。
「あいつは、狩った」と、ぼそりと呟きながら荷を下ろして、ルカの休むベッドの足側へと座る。

「かっ、た?」
「割り込みくん。繁殖期だったのかな?」

久々に気性の荒いやつに会ったよ。と間延びした口調で、氷結晶イチゴをルカの口に放り込む。
目を白黒させた彼女をにこにこと穏やかに見やると、おもむろに荷に被せた布を取り去った。

「ニャッ!?」

アーモンドが尻尾を踏まれた様な声をあげ、ルカは目を丸くする。
無造作に包まれていたのは、漆黒の獣を象る太刀……ヒドゥンサーベルであった。

「ニャアァアア!まままさかコレはっ!」

アーモンドが飛び上がってニャアニャア騒ぎ出す。オトモ経験の浅い彼は初見だった。無論、ルカもそれは同じで。

「勝手にごめん。でも、ルカにはこれでないといけないと思って」
「え?」

どうして、と尋ねる前に鞘ごと握らされる。
そのサーベルに触れた瞬間、身体にぴりりと何かが走る。何故、何故この『におい』がするのか分からない。
言葉も発する事が出来ず、ハルの瞳を見詰めるばかりのルカに、彼は告げた。


「きっと、忘れちゃいけない事だと思うよ」


言葉が自分の中に染み渡り、ルカはサーベルの柄をぎゅう、と握り締めた。妙に手に馴染む質感が、それが答えだと言わんばかりに涙と共に襲い来る。

「忘れ方がね、」

(分からなかったの。
どうすべきなのかも、全部)

言葉にならなかったその先は、ぽたぽたという雫の音になる。

「良いんだよ、自分じゃないものの為に泣けるんだから」
「ライトは忘れろって……でも、楽になんてなれなくて、頭真っ白で!
仲間どころかモンスターに同情なんて、ハンター失格なんだよ」

ひゅっ

と、眼前に迫った平手に反射でルカの瞼が閉じる。
しかし、ハルが与えたのは衝撃、痛み……どちらでもなく。

「バカ」

解かれた赤毛をわしゃわしゃと掻き回す様に撫でる、温もりだった。

「今度から『バカ』って呼ぶよ?」
「……何で」
「俺は、お人好しのルカがいいの。拾ったばっかのモンスターの雛のお母さんになるなんてデタラメな変人のさ」
「ハルに言われたくない」

憎まれ口を叩きながら、彼女はハルの手を引く。そしてサーベルをそっと床に置いて、いつもの微笑を浮かべたハルの頭を抱いた。

「…………」
「ごめんね」
「何?後始末?」
「色々いっぱい」

くぐくもった声音に、優しく彼は彼女の腕を振り解く。

「本当、見てて飽きない。こんなの、初めてだよ」

ベッドから出ていたルカを抱き上げ、ハルは満面の笑みを浮かべた。



「捕獲。クエスト完了」
「な、なな何のクエストなのよっ……変人」


 *+*+*+*

小さな、出来損ないの迅竜の身体。赤い熱い生の証と『母』への情。
そんなもので出来た刀を持ったハンターが居りました。

どうした事か、その刀は彼女以外に全ての力を解放しようとしません。いや、出来ないというべきでしょうか。

持ち主は「子どもだから、しょうがないのっ」と言います。
その連れ合いは「俺が依頼した筈なんだけどね、流石だね」と言います。


そんな変てこな刀を持つハンターと、女装備の凄腕ハンター。
揃ってナルガ装備の2人が『ナルガ夫婦』とふざけて呼ばれる様になるのは、もう少し先の話。


end.


 *+*+*+*
おまけ

「俺はあんな奴認めないし、そりゃああの出来事は多少有難いとは思ってるけど」

「旦那さんっ」

「俺なんかルカがハンターになる前から知ってるし、双剣が重くて右振り上げたら左側からずっこけた初体験だって見ててそれに」

「旦那さんっ!ボレアスの尻尾はもう切れてるニャ……執拗に狙い過ぎニャー!」

「や ら な い か」

「ああもうっ!!そいつはハルしゃんじゃニャイニャー!!!」


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2016年10月23日(日) 20:35:02 Modified by peach_115




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