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1992年8月にリリースされたZARDの4thシングル「眠れない夜を抱いて」はオリコン初登場18位にチャート・イン、そして1ヶ月後の9月にリリースされた3rd アルバム『HOLD ME』は初登場2位を記録し、「眠れない夜を抱いて」はリリース後7週目には8位まで上昇、『HOLD ME』は翌93年にはミリオンを達成しました。ZARDはその93年1月27日に6thシングル「負けないで」をリリース、初登場2位にランク・インして最終的には160万枚以上売れて、自身の最大のヒット曲になりました。

この年にZARDは合計で5枚のシングル、1枚のアルバム(『揺れる想い』は通算4枚目のアルバムでオリコン・チャート年間でも1位という評価を得ました)、そしてユニット企画のシングル(ZYYG、REV、ZARD&WANDS featuring 長嶋茂雄「果てしない夢を」)にも参加する等、沢山のCDをリリースしました。果たしてどんな1年だったのでしょうか? リリースした作品を2回に分けて取り上げながら改めて振り返ってみたいと思います。

3月号でもご紹介しましたように、「負けないで」を2月5日にテレビ朝日系音楽番組[ミュージックステーション]で披露したのを最後に、ZARDは音楽番組に出演して歌うのを止めました。そして坂井泉水さんが望んだように、長戸大幸プロデューサーの下、坂井さんは今まで以上に音楽制作に邁進していきました。スタッフとデモを選び、アレンジを進め、歌詞を書いて、歌を歌い、ミックスをしていく、という音楽制作を堪能していた、という表現が相応しいかもしれません。「負けないで」に関してはこの連載コーナーの第4回目で既に取り上げていますように、坂井さんは何度も歌詞を書き直してレコーディングをしており、その手書きの歌詞はZARDを特集したテレビ番組やZARD展等でも展示していたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

4月21日にリリースされた7thシングル「君がいない」ですが、大ヒットした「負けないで」の後であるにも関わらず100万枚近くまで売れて、人気曲になりました。この曲はシングルとアルバムでバージョンが違います。シングルのキーはCですが、アルバム制作する際に、坂井さんがもっと豊かに歌を表現出来るように、という指示が長戸プロデューサーから有り、テンポとアレンジはそのままでキーをBにしました。聴き比べてみるとアルバムに収録されたB-versionの坂井さんは、シングルに比べて若干ゆったりめに歌っている事が分かります。
またコーラスはシングルの方は大黒摩季さんがやっていますが、B-versionは全て坂井さん自身がやっており、リード・ヴォーカルにきっちり寄り添うハーモニーになっています。サビの“何もかも”の“に”が一番高い音なのですが、コーラスは3度上のハーモニーなので、坂井さんは地声でEまで出している事になります。デビュー・シングルの「Good-bye My Loneliness」のサビの“そばにいて”の“て”(この部分を1週間歌い続けました)がCという事を考えると、坂井さんはデビューの2年後には楽に2音高い所まで歌えるようになっており、著しい成長を感じられます。

1ヶ月後の5月19日にリリースされた8thシングルは「揺れる想い」。Aメロのコード進行はあまり注目されていませんが、実はベースラインがド→シ→ラ→ソ→と下がっていくコード進行になっています。これは今から330年ほど前にパッヘルベル氏が作曲したカノン(パッヘルベルのカノン)と同じタイプのモノで、前回このコーナーで紹介した「眠れない夜を抱いて」や「負けないで」のサビも同じ進行になっています。
「揺れる想い」は以前このコーナーでも紹介しましたように、ポカリスエットのCMソングで、坂井さんはポカリを飲んだ時の描写を“体じゅう感じて”というフレーズで表現しました。歌詞をハメるにあたり、この言葉をサビの出だしなのか、途中なのか、果たしてどこに入れたら一番メロディと合致するか、という事を試していました。
サビのコード進行は(他の曲と比較するためにキーをCに移調すると)C→E7→F→Cです。サビ2つ目のコードは3度マイナー(この場合Em)ではなくメジャー(E)、また4つ目のコードはトニックのCに戻るという、ベタで格好よくなりにくいコード進行なのですが、長戸プロデューサーはこの曲をZARDのシングルに選曲し、オリコン・チャートでZARD初の初登場1位に登場して2週連続1位を記録、120万枚以上を売り上げ、記憶にも残る作品になりました。
このサビのコード進行と同じタイプの代表例にサザンオールスターズ「TSUNAMI」(2000年リリース)があります。ちなみに「TSUNAMI」のサビの出だしのメロディはソドレファーミミーですが、これは91年リリースのZARD「Good-bye My Loneliness」と同じです。多くの方の琴線に触れメロディというものはどこか共通した面があり、ヒット曲というのはそれを脈々と受け継いで次世代に渡している事に、改めて気づかされます。

またレコーディングで先行して進めていたのが、ZYYG、REV、ZARD&WANDS feat.長嶋茂雄の「果てしない夢を」(日本テレビ系列[劇空間プロ野球93]のテーマ・ソング)でした。出口雅之さん(ex.REV)が作曲し、上杉昇さん(ex.WANDS)と坂井さんが作詞したこの作品は、リード・ヴォーカルに上杉さん、坂井さん、出口さん、栗林誠一郎さんと高山征輝さん(共にex.ZYYG。栗林さんは89年にソロ・デビューしていましたが、ZYYGはこの年にデビューしたばかりでした)、さらに長嶋茂雄さん(この年、読売巨人の監督として再就任されました)をゲスト・ヴォーカルに迎えました。
レコーディングでは、事前に歌う箇所を決めて、別々にレコーディングを進めていきましたが、93年春頃の音楽制作会社ビーイングは非常に多忙で、スタジオもまだバードマンウェストが未完成の頃でしたので、この曲やC/W「雨に濡れて」は外部のスタジオでも録音していきました。6月9日にリリースされると初登場で2位にチャート・インし(その週の3位は1ヶ月前にリリースされていた「揺れる想い」、4位はやはり1ヶ月前にリリースされたZYYGのデビュー・シングル「君が欲しくてたまらない」)、結局120万枚以上の売り上げを記録、野球ファンはもちろん、多くの方に支持されました。

そしてZARDは7月10日に4thアルバム『揺れる想い』をリリースしました。次回このコーナーでは、このアルバムやその後にリリースされた作品を紹介していきます。

Being Works  第20回 ZARD 1993−Part.1−
Text by Hiroshi Terao
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