558 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2014/10/02(木) 02:11:59.92 0
懲りもせずSS投下させて頂きます・・・!


URL:www1.axfc.net/u/3333088.txt
タイトル:無題
PASS: mugen
カップリング(登場キャラ): ザトー=ONE×ワラキアの夜
性描写の有無: 全年齢
内容注意:いちゃつきながら喋ってるだけですがそういう行為を示唆するような表現があります
     また安定のキャラ崩壊気味です


ぽちぽち書いていた別の物がまた暗転しそうになったのでKiEiNiZiEiNなものを書こうとした結果がこれです
ワラキーが日傘を買いに行くお話だった筈が日傘・・・買ってない・・・!
枯れ木も山のry
あと私はエディさんをペットか何かと勘違いしている・・・アダルティな影三つも書いてみたいです


ところでデュオロン×ワラキアってありだと思うんですが・・・!



【ご注意】
・ザトー=ONE×ワラキアの夜です
・年齢制限はありませんが、それを示唆する表現があります
・男性同士の恋愛描写を含みます
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません
・謎の捏造設定が入ってくるかと思います
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません(二回目)
・注意書きでNG要素がありましたら、ファイルと記憶を削除して頂けるとありがたいです










***



「おや?奇遇だね」

部下が出場している大会を冷やかした帰り道。
暦の上ではもう秋だというのに照り付ける日射しに、
嫌気が差しながら歩いていると、前方から何やらよく知った気配が近付いてきた。
それに気付き、顔を上げる間もなく、向こうから声をかけられる。

「ああ、試合はもう終わったのだね。私ももう用は済んでいるけれど、そちらが終わるのが案外早かったようだ。
先に帰って迎えられるかと思ったのだが」

よく回る舌を滑らかに動かしながら目の前まで歩いてきたワラキアに、用がなければ形さえ取ろうとしない己の影が声をかけた。

「わらきあソレ、暑クナイノカ」
「それほどでもないよ。しかし、この日射しには少々難儀している」



偶然出会ったこの同居人の気紛れは、今に始まったことではない。
突然ふらりと行き先を告げずに何処かに出掛けて行っては、本やら花やらを抱えてきたり、
はたまた得体の知れない、一体何処でどの様にして手に入れたのか尋ねたくなるようなものが入った袋を地下の実験室、
彼曰く工房に運び込んでいたりするのは、もう今さらだった。

ザトーも、次は何を持ってきたのかとこそ思えど、別段行き先を告げない外出に何かを言うつもりはない。
お互い子供ではないし、その風のような気紛れさこそが元来のワラキアの性質なのだろうと思えば、そんなところも好ましかった。
何より、何も言わずに出掛けて行っても、きちんとワラキアはザトーの元へ戻っては、ただいまと笑っていたから。

だから、ワラキアが出歩くこと自体は、特に気にするものでもない。
ザトー自身、ワラキアが不在の間に出掛けることもあるのだし。
けれど、こうして出先で鉢合わせするのは初めてだった。お互いの行動範囲があまり被らないのが理由だろうな、と、ザトーは思う。
そもそも、仕事や大会以外では必要な場所にしか行かないザトーと、
猫のように気の向くままあちらこちらを、ふらりふらりとうろつくワラキアでは、行動範囲が違いすぎるというのもあるのだろうが。



「何やら難しい顔をしているね、ザトー」
いつの間にか近くまで来ていたその声に意識を戻すと、エディが己の影から飛び出し、じゃれついているらしかった。
勿論、意図せず恋人と巡り合わせたこと自体は悪くない。むしろ良い。
しかし、実際にこうやって外出しているところに遭遇すると、別の心配が沸々と湧いてくる。
「こんな日の高い時間に、出歩いて大丈夫なのか」

ワラキアの表情を、ザトーは見ることが出来ないが、恐らくきょとんとしているだろうことぐらいは見えずとも分かった。
「今さらだろう、それは」
心底不思議だと思っているのがよくわかる声だった。

まあそうだな、と頷き返しながら荷物を受け取る為に腕を伸ばすと、ありがとう、と微笑み返される。
「私はタタリだからね、唯の死徒とは訳が違う。
まあそれに、仮にも祖に数えられるような者ならば、日の光程度、出歩くには大したことではないな。
力を奮えと言われれば、また話は違ってくるが」
抱えると腕にずしりと重みがくる。この重さからすると、入っているのはワインの瓶か何かだろう。
元研究者らしく、片手で掴めてしまうような細い腕の割に似つかわしくない剛腕は、吸血鬼になった恩恵だと言っていたのを思い出す。

「そうだとしても、好ましい訳ではないんだろうが。あまり昼間に出歩かない方がいいんじゃないのか」
思わず眉根が寄るのを感じながら、ザトーは言った。
「まぁそうつれないことを言わないでくれたまえ。私とて、君の隣を歩きたい」
「一緒ニ出掛ケタコトナンテナイケドナ」
「おや、そうだったかね?そう言われてみると確かに、連れ立って何処かに行くことなど、それこそ大会以外ではなかったかな」

結局肩の辺りに落ち着いたエディの、茶々入れに答えるワラキアの声を聞きながら歩く。
今度散歩でもしてみようか、と提案するワラキアの声が弾んでいる。
二人の会話を聞きながら、しかし心中に複雑なものを抱えていたザトーを敏感に感じ取ったらしいワラキアが、こちらを見やった。

「ふむ。それほど心配ならば、首輪に繋いで飼ってみるかね?君にならそれも悪くない」
笑みを多分に含んだそれは。けれども、真剣にそう思っていることが伝わるような声だった。

「籠の鳥なんて玉じゃないだろう、お前。……ズェピア、お前が何処へ飛ぼうと構わない。帰ってくるなら、それでいい」
だからザトーも、同じ響きで返す。

果たしてそれを正しく受け取ったワラキアが、幸せそうに微笑んだ。



そういえば、これは逢い引きと呼べるのかな?
ならば世の習いに従い、手でも繋いでみようか、等とはしゃいでいるのが妙に可愛らしい。
ならばとこちらもと、いっそ開き直って手を捕まえてやると、また幸せそうな笑い声を立てた。
その様子に、ザトーは少し逡巡をする。
つい居心地が良くて部屋に閉じ籠って居たが、もう少し外に連れ出すべきだっただろうか。

「……散歩でもするか、夜に」
そう提案すると、何かを窺うようにこちらに視線を向ける。
まじまじと見詰められる居た堪れなさに顔を逸らすと、一つ頷いて唇の端を吊り上げた。
「月夜の野に遊ぶのも悪くはない。けれども同じ夜遊びならば、シーツの上での戯れの方が、我等らしいとは思わないかね?」

わざわざ身を屈めてまでこちらを見上げ、にやりと笑う。
自分の負けを悟りつつ、せめて一矢報いるためザトーは弓引いた。
「それこそ昼間でも出来ることだな」
「昼夜問ワズニベッドノ中ダロ」
ふわふわと二人の間を浮かんでいたエディが追撃をする。
「ふふ、それもそうだ」
細やかな反撃を受け、ワラキアは笑いながら正面に向き直った。
まだ昼を少し過ぎた程度の日が、髪を暖めていく。



「それにしても、そこまで心配を掛けているとは思いも寄らなかった。……ならば日傘でも差してみようか」
荷物を抱え直しながら、ワラキアが言った。
「日傘サシテマデ昼ニ出歩クナヨ」
「面白そうだろう?さて、どんなものにしようか」

いつもの思い付きかと思っていたら、存外真剣だったらしい。
あれでもない、これでもないと考え出した。
釣られて、日傘を差したワラキアを想像しつつ、ザトーも、「黒以外に選択肢があるのか」と口を挟む。
「リテイク!ありきたりにも程があるだろう、それは」
向けられただろう半眼を、盲目を盾に気付かないふりをする。
ますますじとりとした視線を向けられた。

「わらきあハ何色ガイインダ?」
「ふむ。一般的に、黒は光を吸収し、白は光を反射する。であれば、外側は白で内側が黒いものが光を遮るのには適しているだろうね」
エディの誘導に大人しく乗ったワラキアが、至極真面目に答える。
話を聞きながら、ワラキアが真っ白な傘を差しているのを想像して、ザトーは思わず吹き出した。
「っくく、お前が白い傘か」
「腹ハ真ッ黒ナノニナ」 エディが追い打ちをかけるようにからかう。
「笑わずともいいだろうに……二人とも手厳しいね」
ワラキアはむっとしたように柳眉を寄せてみせ、けれども直ぐに苦笑に変えた。

「はは、拗ねるな。よし、買いに行くか」
日の下だからなのか、外だからか、随分と素直な反応を見せるワラキアが珍しく、ついついからかいたくなる。
その気持ちをようよう抑え、笑いを納めてザトーは言った。
「……は、今からかね?」
「善は急げと言うだろう?お前に似合いの物が見つかればいいが」

妙にはしゃいでいたワラキアに釣られたか、それとも自分も存外浮かれていたのだろうか。
ワラキアの許容範囲内だろうものを扱う店を思い浮かべ、
その中から傘を扱っていそうな店を選び出しながら、ザトーはワラキアの手を引いた。
「その程度の甲斐性ぐらいなくてはな」
ワラキアは、思わぬザトーの行動に着いていけなかったのか、
暫く固まっていたが、思考が追い付いてきたらしい。

「っふ、ははは!そうか、なら見繕って貰うとしようかな」
手を強く握り返して、ワラキアが笑った。



「トリアエズ、オレガ傘ニナッテヤロウカ」
会話の行方を見守っていたエディが、ワラキアの上を覆うように影を展開して、大きな日傘を作る。
「おや、ありがとうエディ。これは贅沢な傘だね、ザトーもおいで」
そんなこと出来るのかお前、と思っていると、そう言って手を引かれた。思わず真顔になる。
「いや、真っ昼間に禁獣で相合い傘とはどういうことだ」
「泣ク子ガモット泣ク光景ダナ」
露骨に嫌な顔をすると、つれないことを言わないでくれたまえよ、と苦笑いをされる。

そうしてそこで一旦区切ると、ワラキアは空を見上げた。
「……ああ、ならば。ザトー、雨が降っている」
突然の台詞に、ザトーは眉を寄せる。「……雨?」

「そう、雨が降っているよ、ザトー」
穏やかな声でそう言うワラキアに、エディが「アア、降ッテルナ」と追従する。
「ほら、エディもこう言っている」

「……そうか、雨が降り出したなら仕方がないな」
肌を焼く不快な日差しを感じながら、一つ頷く。
それを見て、ワラキアが微笑んだ。

「ああ全く、雨ならば仕方がないとも」




「そういえば今日は何を探しに行ったんだ」
「君の気に入りの白が切れていたからね」
「この間赤を開けてなかったか?」
「けれどあの酸味は好みでないだろう?あれはシチューにでも使えばいい」
「そうか」

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