607 :実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー:2014/11/28(金) 19:41:17.29 0
URL:www1.axfc.net/u/3365416.txt
タイトル:無題
PASS: mugen
ネタ元&設定等: こiろiうiばより劇i団i死i期設定
カップリング(登場キャラ): デュオロン×ワラキアの夜  アリス、リーゼ、その他女子が名前だけとソル遠、DIOと誰かのカップリングが匂わせる程度に
性描写の有無: 全年齢
内容注意:捏造設定・キャラ崩壊にご注意下さい



一週間は誤差だと聞いたので()団長と監督でいい夫婦の日ネタに乗っかってみました
現在続いてるもだもだから少し進んだ後を想像してます

普段他の人と同居してると呼ぶのも呼ばれるのも気を使うよなーって思ったらこうなった
ワラキーは翌日意地でも一緒に迎えに行って、えっ確かに連絡入れるって言ったけど別に迎えに来てって意味じゃって言われるんだと思います
なおシオンは顔を合わさないようにする模様 こんなんでもこの二人なりに仲良くはして・・る・・?


アドアシュについて考えてたら無駄にシリアスになった上にこれアド→アシュ→アカだ



【ご注意】
・デュオロン×ワラキアの夜です
・男性同士の恋愛描写を含みます
・性描写はありませんが、そういう行為を示唆する表現があります
・また、上記カップリング以外のカップリング要素を示唆する内容もあります
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません
・謎の捏造設定が入ってくるかと思います
・キャラクターの口調・性格には正直自信がありません(二回目)
・注意書きでNG要素がありましたら、ファイルと記憶を削除して頂けるとありがたいです










***



人が二人ばかり少ないだけでこんなに静かになるものなのだな、と考えながら、デュオロンは玄関の扉を開けた。
寒風に押されるようにして入った室内はしんとしていて、物寂し気に見える。
コートハンガーから二人分の外套が消えているのが、余計に拍車をかけているようだった。
そう思って、すっかり誰かと共にいることに慣れてしまったことに気が付く。
良くない傾向だと思っても、この生温い空気を手放せないだろう自分が居るのも分かっていて、底冷えする玄関ホールで苦笑した。






「女子会?」
「そう、女子会」
だから、その日の紅魔館は男子禁制なの。
こっくりと頷くリーゼロッテの横で、アリスが付け足す。
「アテナ、さん?とか、遠野さん家の面々とか、」
「シオンも来るんだよ」
どこか楽しそうに話す二人を見て、デュオロンはワラキアと顔を見合わせた。






食事の後、二人揃ってどこかへ出掛けていたアリスとリーゼロッテが帰宅して、
全員揃って恒例になった午後の細やかな茶会の席についていたとき、リーゼロッテがおもむろにその話を切り出したのだった。
お互い共通点が多いためか波長が合うらしく、アリスとリーゼロッテが二人で出掛けることはわりと少なくない。

それでも泊まりの話が出たのは初めてだった。
人のことはあまり言えないが、人付き合いが良くない自覚のある身としては、
リーゼロッテが交流の範囲を拡げているのは素直に喜ばしいことだと思う。
開催場所が紅魔館ということは、アリスの伝手から流れてきた話なのだろうか。

それを尋ねると、まぁ意見の一致を見たというか、全員の利害が一致したというか、と何故だか非常に曖昧な返事が返ってきた。
アリスらしからぬその返事に、デュオロンは内心首を捻る。
「ああ、そういえば、あそこは主人から門番まで全員女性だったか」
一つ思い当たって言ってみると、そうそうそんな感じ、と、どこか投げ遣りに頷かれた。
あそこは広いし、成る程そういった催し物には最適だろう。

聞くところによると、初めは同じく女性が多い遠野家も候補に上がっていたが、
当主こと妹が、「兄さんを追い出すくらいなら、私が出ます!」と啖呵を切ったらしい。
見上げた兄妹愛だな、と素直にデュオロンが感心していると、いやはや妹御も複雑だろうな、とワラキアが訳知り顔で頷いた。


秋葉もね、応援はしたいみたいなのよね。ただ……ねぇ?
いや分かるとも。無責任な外野は好き勝手に言えるが、身内はそうもいかないだろう。
ほら、イメージカラーとか丸被りじゃない?能力は正反対だけど。
しかし無人の家に一人というのは……ああ、なるほど。


「それは正しく見上げた兄妹愛だな」
全く、心中察するに余りある。シェイクスピアも真っ青のとんだ悲劇だ。
大袈裟に首を振ってみせるワラキアに、アリスが「口許笑ってるわよ、」と突っ込んだ。
「大体、シェイクスピアって喜劇の方が多いじゃないの」
「おや、そうだったかな?私としたことがそんなことに気が付かないとは、全く情けない話だ、笑ってくれたまえ」
「絶対わざとでしょ……」

相変わらず金髪二人は仲が良い。
流石元タッグパートナー、と思いながらデュオロンは掛け合いを眺める。
そのデュオロンの正面に座るリーゼロッテが、鞄から取り出してきたノートパソコンを弄り出す。
「だが、確かあそこには……」
暫くアリスとじゃれあって満足したらしいワラキアが、思い出したように呟きながら首を傾げると、
リーゼロッテが画面から目を離さず、「その日は追い出すんだって」と答えた。
「今メールが来た」
「ふむ、いつの世も女性は強いな」
ワラキアが楽しそうに頷く。
「追い出すって、行く宛はあるのか?」
思わず気になって聞くと、一度は頭を持ち上げていたリーゼロッテは半眼になって視線を画面に落とす。
拾われるか押し掛けるかするよ、どうせ。
どこか投げ遣りな返答が来た。






それから数日後の今日、事前の申告通りに出掛ける準備をしているアリスとリーゼロッテに、ワラキアがあれこれと世話を焼く。
何故だか手土産まで用意して、リーゼロッテに何かを真剣な表情で言い聞かせている様子を、
デュオロンと、一足先に用意の終わったアリスは生暖かく見守っていた。
最近、件の友人のおかげでああいうときのワラキアが母親にしか見えなくなってきたとアリスに溢す。
こちらを見上げたアリスは、デュオロンと視線が合うと顔を逸らし、深々と溜め息を吐いた。

「じゃあ、そろそろ行くわね」
それに疑問を投げ掛ける暇もなく、アリスは長々と話し続けるワラキアを遮ってリーゼロッテを救出する。
そのまま物足りなさそうな顔をしているワラキアを置き去りにして、リーゼロッテの手を引いて玄関へ向かった。
「明日は何時頃迎えに行けばいい?」
室内履きから靴を履き替えてコートを羽織る二人に尋ねると、子どもじゃないんだから帰れるわよ、と少し呆れたような口調で返された。
そう言われればそうなんだが、と言いながらも口をつぐむと、凝ったデザインの編み上げブーツの紐を結んでいたリーゼロッテが立ち上がる。
「なら、帰る前に連絡する」
それでいい?と首を傾げるリーゼロッテに了承の意を返すと、「では、そういうことで」とワラキアが頷いた。






二人が外に出て、重い玄関扉が閉まると、玄関ホールは静まり返る。
音の無い静けさにふと、今は正真正銘二人きりなのだということに気が付いて、ひどく落ち着かない気分になった。
いや、漸く双方向だと認めさせることが出来た相手と二人きりなのは、文句なく嬉しい。
けれど、双方向だと認めさせることが出来たからこそ、一歩踏み込んだことを否が応にも意識してしまう。
少し前までは想いが通じればそれでいいと思っていたのに、それが叶った途端次の段階を望む浅ましさに、自分で自分に呆れる。

だけどもやはり進めるのならば進んでしまいたい気持ちが沸き上がってきて、
ワラキアと並んでリビングに入りつつ、さてどう切り出そうかと算段を立てているとき、あることを思い出してしまった。
「……ワラキア、俺も済ませなければいけない用事があるから、少し出掛けてくる」
うっかり思い出してしまったのはとんだ野暮用だったが、明日は二人の迎えがあるのだから、どうしても今日済ませてしまう必要がある。
先程少し戸惑ったくせに、いざ他の用事があるとなるとお預けをくらった気分になるのだから、本当に都合がいい。

内心自嘲しながらデュオロンがワラキアに告げると、ワラキアは「おや、今日の暇人は私だけらしい」と言って、口の端を釣り上げた。
「どれくらい時間がかかるか分からないから、夕飯は先に済ませてくれ」
男一人の外出に大した用意もないので、身支度を手早く整える。
「ならば気儘に過ごさせて貰うとしよう。久しぶりに地下にでも篭るとするかな」
楽しげに算段を立てるワラキアに、爆発はさせてくれるなよ、とからかうと、それは学生の頃に卒業したよ、と存外真面目に返された。
学生の頃は爆発させたのか。
思わず動きを止めると、まぁ私の場合、文字通り爆発させたのだが、とさらりと付け加える。

故意か。故意なのか。
こいつならやりかねない、と一瞬思うが、声が笑っているから冗談だ、と思いたい。
「帰ってきたとき、天井に穴が空いていないことを祈っている」
あっけらかんと、けれども笑いを含んだ声で嘘か本当か分からないことを口にするワラキアにそう、わりあい真面目に返して、
デュオロンはひどく冷たい風が吹き付ける外へ出て行った。






思ったより時間が掛かったな、と思いながら、デュオロンは外套をコートハンガーに引っかける。
玄関の温度が外気温と然して変わらないことから察するに、暖房は付けられていないらしい。
とすればワラキアは自室か、本人が言っていたように地下の実験室に篭っているのだろう。
わざわざ自室に篭っているのを引き摺り出す訳にもいかないし、アリスとリーゼロッテの気遣いが無駄になってしまったと思うと申し訳ない。
二人にはワラキアに見つからないように、それとなく謝罪をしておこう。

そんなことを考えながらリビングへの扉を開くと、意外にも絞られてはいるものの、照明が点いていた。
けれどもやはり暖房は付けられていない。単なる消し忘れだろうか。
ワラキアにしては珍しい、と思いながら部屋の中に足を踏み入れる。そうして、思わぬ光景に目を見開いた。
玄関よりはまし程度の室温しかない冷えきったリビングのソファの上で、ワラキアがマントに埋もれるようにして横になっている。
「寝てる、のか?」
声をかけても、返事はない。

悪性情報無しにこの身を保つのは、少々骨が折れる。
人間の生理に極力則っているのは力の消費を抑える為なのだと言っていたのを思い返して、気温の低さ以外の理由で背筋に寒さを感じた。
じっと息を堪え、耳を澄ませてみると、微かな呼吸音が聞こえる。とりあえずは胸を撫で下ろす。
近寄ってみると本を読みながら寝てしまったのか、辞書のように分厚い本が胸の上に置かれていた。
こんなものが上に乗っていて、息苦しくはないのだろうか。
本を取り上げテーブルに置いて、ついでに床にしなだれている手を掴むと、恐ろしい程に冷えていた。
まるで氷か何かのようなそれに、デュオロンは眉を顰める。
そもそも何故暖房を付けていないのか。


部屋に連れていくか、起こして部屋に行かせるべきか迷って、ひとまず自分の部屋から上に掛けるものを持ってくることにした。
気は急くが、なるべく足音を立てないように、ベッドから剥がしてきた毛布をワラキアに掛ける。
起こさないようにそっと体を毛布で包み込むんで、そこでようやく暖房を入れることに思い当たった。
自分で思っていたよりも予想外の出来事に動揺していたのか。
暖房が稼働するときの独特の低い振動音が響き、間もなくの後空気がじわじわと暖まってくる。
そうして漸く一息吐いて、今まさにワラキアが寝ているソファの、横に置いてある一人掛け用のチェアに腰を下ろした。

暖房が付いていなかったところから察するに、早い時間からここで寝ているのだろうか。
デュオロンの中でワラキアと長い睡眠時間がうまく結び付かなくて、首を傾げた。
人間の生理に則ることによって力の消費を抑えていると言っていた。
ならまさか、時間睡眠を長く取らなければいけない程消耗しているのか。
自分の想像に不安感を煽られ、早々にチェアから立ち上がり、ワラキアの横に膝をついてしゃがみ込む。
僅かに上下する胸だけでは安心出来なくて、口許へ手をかざした。呼気が掌に当たる感触を確かめる。

そこで大人しく手を引いておけばよかったのに、ワラキアのいつにない無防備さに、つい魔が差した。
その先へと手を伸ばして、指先でそっと頬を撫でる。
さらりとした感触に離し難く、調子に乗って親指で唇をなぞると、吐息に近い音を漏らしながら眉を寄せてむずがる。
まるで子どものような、そのいとけない仕草に興が乗って、身を起こした。
自身の髪がワラキアの頬を撫ぜるのを横目に見ながら、ゆっくりと唇を離す。

「……起きているんだろう」
少しかさついた唇をまた親指でなぞりながら囁くような音量で言えば、「……吸血鬼が茨姫とは、世も末だね」と返事がきた。
「今日は何の日か知っているか」
いつ起きたのか気になるな、と思う。
「さて、もう間もなく日付は変わるだろうが……1757年、七年戦争のブレスラウの戦いの開戦日だね。
この戦いでプロイセンは敗北を強いられたが、最終的には七年戦争を通して欧州の列強の一員に登り詰めた。
ついでに言えば1928年、ラヴェルの書いたボレロがパリで初公演された日でもある」
「さらに言うと1943年、レバノンが独立した日、か?」
声が掠れているところをみると、寝起きなのは間違いないらしい。
起きたばかりでよくここまで頭と舌がまわるものだ。


「今日はいい夫婦の日だそうだ」
身動ぎをするワラキアから体を離すと、肘を付いて身を起こしたワラキアがスペースを空けるので、遠慮なく横に座った。
ワラキアはというと暖房が入っているとはいえ寝起きの身には堪えるのか、躊躇いなくデュオロンが掛けた毛布を体に巻き付けている。
「全く、こちらの者はとにもかくにも語呂合わせが好きらしい」
ぼやくワラキアに「お前も好きだろう、そういうの」と茶々を入れると、ものにもよる、と返された。成る程それはもっともだ。
「それにしても博識なことだ」
「言いそうだからな、調べておいた」
不服そうに称賛する様子に苦笑しつつそう言うと、わざとらしく詰まらなさそうな顔をしてみせる。
良い性格には変わりないらしい。まあ、今更ワラキアの性格につっこむ気も起きないが。

「そういえば、スープならあるが」
それよりもなんでよりによってこんなところでうたた寝をしていたのかを尋ねようかデュオロンが迷っていると、思い出したようにワラキアが言った。
ああ、あとお帰り。
相変わらずの用意の良さに感心しつつ、ついでのように付け加えられた挨拶にまた苦笑した。そうして、ふと思い付く。
「もしかして、待っていたのか」

一瞬動きを止めたワラキアは、「何のことかな?」と嘯いて、おもむろに毛布を畳み出した。
あからさますぎるその様子に、じわじわと込み上げるものに堪える。そんなデュオロンの視線から逃れるように、ワラキアが毛布へ顔を埋めた。
と、顔を上げ、何かに気が付いたように「ああ、これは君のものか」と呟く。
「そうだが、どうかしたか?」
人の部屋へ許可なく入るのは気が引けたので自分の部屋から持ってきたのだが、まずかっただろうか。
普段、べたべたと自分から接触を図るようなことはなくとも、触られることを極度に嫌がる様子もなかったように思う。
だからこそ潔癖ではないと思っていたのだが、もしかして他人の使っているものが不快なタイプだったのだろうか。

内心考え込みながら、なるべくそれを表に出さずに軽い調子で尋ねると、ワラキアは軽く首を振った。
「いや、道理で君の匂いが、」
する訳だ、まで続けて自分の言っていることに気が付いたワラキアが席を蹴って逃げ出そうとするより先に、デュオロンは肩を掴んだ。
あの妙なワープを使わなかったところをみると、それなり、もしくは相当に動揺しているらしい。
立ち上がろうとするのを無理やり抑え付けたせいで、ワラキアが仰向けにソファへ倒れ込んだ。
勢いに任せて顔の横へ手を付いて上へ覆い被さってやると、大袈裟に身を跳ねさせたワラキアが、未だ手に持ったままの毛布で顔を隠す。
どうやら、そういう行為が全く意識されていない訳でもないらしい。
とりあえずいらっときたので、毛布を引っぺがす。力は籠めていなかったらしく、あっさりと奪取出来た。
「……あぁ、そういえば。今日はボタンの日でもあるらしいぞ」
マントの留め具を弄びながら、数時間前小耳に挟んだ知識を普段の誰かよろしくひけらかしてみると、
ワラキアは何かを言おうと口を開きかけ、結局口を閉ざし、まるで観念するように顔を横に背けさせた。
いつになく素直な仕草に、ゆっくりと髪を撫でる。

流石にここで最後までするのは不興を買うだろう。というか、デュオロン自身も少々気まずい。
この場合、自室に招いた方がいいのか、それとも部屋を訪う方がいいのか。
ベッドに残り香が移ったら、独り寝が寂しくなるかもしれないな、と思う。
どのタイミングで先日漸く聞けた名前を呼ぶべきか迷いつつ、ひとまずどちらの部屋を使うか、ワラキア自身に選んで貰う為に口を開いた。


ひとまず、明日の迎えは昼過ぎだと決めつけることにしよう。

















「それで、手土産を見たシオン君の反応はどうだったかな?」
「すっごい嫌そうな顔してた」
「ははは、そうか!それは僥倖!」
「楽しそうね……」
「あと、シオンからこんなの預かった」
「うん?……おや、これは手紙、かな?」
「しかも感謝の手紙だな」
「今日はいい兄さんの日なのよ。ほら、語呂合わせで」
「シオンが、ワラキアはご先祖で義父だけど、錬金術師としては兄でもあるから、って」
「ほう……シオン君も考えたな」
「どうしてそうお前たちは複雑な嫌がらせをし合うんだ」

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