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予防歯科ガイドライン


ゆーちゃん歯科が、予防歯科を動画で説明


○歯ブラシで、何をとるの。
http://www.youtube.com/watch?v=JkEg1CnGMck

○なぜ、虫歯になるの。
http://www.youtube.com/watch?v=hDroKmncErM

○なぜ、歯周病になるの。
http://www.youtube.com/watch?v=JRVOdOmRzVU

○歯石は、取らないの。
http://www.youtube.com/watch?v=3Kjr6GvZUWs

○歯ブラシの、動かし方は。
http://www.youtube.com/watch?v=E2s4wvubSDs

○歯間ブラシの重要性。
http://www.youtube.com/watch?v=TYMDC99C1sg

○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<詰めた>。

○痛くなかった歯を治療したら痛くなったのは<根の治療をした>。

EBMセミナー

EBMを理解しよう


○EBMの理解のために
患者になると理解できるよ(5分で理解できるEBM)
 http://www.youtube.com/watch?v=f5vEvcNbhzY

○EBM どんな論文を調べるのか
患者さんと私の冒険の紙芝居
http://www.youtube.com/watch?v=tN1SNdtjCOA

○EBM システィマテックレビューとは
http://www.youtube.com/watch?v=3gd3-V03Pu8


論文を使って批判的吟味の一部


○testEBM検索
http://www.youtube.com/watch?v=8GCa1inwMm8

○testEBM RCTの論文の流れ
http://www.youtube.com/watch?v=c_JzL0lHhV8

○testEBM RCTのPECO
http://www.youtube.com/watch?v=8bsUl5ms520

○testEBM RCTの助成金をチェック
http://www.youtube.com/watch?v=jv6WEpvJReA

○testEBM RCTの批判的吟味どこから
http://www.youtube.com/watch?v=QFzpgqdtOes

○testEBM RCTのサンプルサイズ
http://www.youtube.com/watch?v=XPpWKsqEmmU

○testEBM RCTの脱落ITT
http://www.youtube.com/watch?v=XBg85akKqIc

○testEBM RCTのマスキング
http://www.youtube.com/watch?v=-aklFTwy_fg

○testEBM RCTのベースラインの差
http://www.youtube.com/watch?v=xygp9e_n1P4

○testEBM RCTの結果の大きさ
http://www.youtube.com/watch?v=g1mDAAjLweI

手元にある論文を読んでみよう


○抜歯後の穴に薬剤を入れてドライソケットの予防になる?TCコーンは、エビデンスないと思っていたけど、調べる必要があるのかな〜。
http://zoome.jp/ebm/diary/1
http://zoome.jp/ebm/diary/2




論文を探して読んでみよう

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親知らずを抜かれる方へ(まとめ)

  • 次の日が休日の前日は、対応が不十分となるため抜歯できません。初診日にすぐに抜歯も、説明と同意が不十分となり、用意など安全に抜歯するための時間がお取りできないので行っていません(ただし、もっとも簡単な親知らずは、除きます)。

  • 術後の、痛みや腫れが心配な方は、週の初め(月・火)に抜歯されることをお薦めします。週の後半ですと、3日たったけど、まだ痛いですなどの心配に対応できません(日曜日になってしまう)。また、連休の前とか、お盆・お正月も避けてください。手術ですから、必ず痛いです。

  • 本パンフレットは、最近の医療問題で取り上げられるインフォームドコンセントのため、患者さま用としては、詳しく合併症のことなどが書かれています。これまでの経験より、患者さまの皆さまに、本パンフレットを読むことはできると思います。ご不明の点があれば、かかりつけの主治医に質問してみてください。しかし、一般の歯科医だけでなく埋伏抜歯に詳しくない口腔外科の専門医が知らないことも多く書かれていますのでご注意ください。

診察の流れ

初診時(抜歯は予約になります):

  1. X線写真を撮影します(紹介先の歯科医院から写真をお持ちになった方も、虫歯のための写真で親知らずのための写真でないため、もう一度撮影して頂くこともあります)。
  2. 診察をします(親知らずの状態を診察したり、全身的な健康状態をお聞きしたりします)。
  3. 抜歯についての説明をします(このパンフレットに従った話をします)。
  4. 血液検査をします(抜歯は手術になるため、一般的な血液検査と感染症の検査です)。
  5. 現在腫れている方は、抗生剤・痛み止めの薬を処方します。

抜歯する日(外来抜歯の場合です):

  1. 昼からの予約ですので、予約時間の10分くらい前までに総合受付を通ってから口腔外科へ診察券と予約券をお出しください。
  2. 抜歯の前に血圧等を測ります。
  3. 抜歯時間は40分程度ですが、困難度によって変わります。
  4. 手術後の注意を説明いたします。
  5. 抗生剤・痛み止めの薬を処方します。

抜歯した次の日(午前中です):

  1. 消毒ならびに腫れを少なくするゴムを取ります。
    • ⇒歯科医院より紹介の患者さんは、スムーズに抜歯できた場合のみ、紹介先の歯科医院で消毒して頂いてもよいです。

抜歯してから約1週間後(午前中です):

  1. 糸を取ります。
    • ⇒歯科医院より紹介の患者さんは、紹介先の歯科医院で抜糸して頂いてもよいです。

1:親知らずとは

  • 前から8番目の歯で、親不知(おやしらず)・智歯(ちし)などと呼ばれています。生えて(萌出)こずに歯肉の下にもぐって(埋伏(まいふく))しまうことが多いものです。埋伏していると、X線写真を撮らないとわからないことも多いのです。これを埋伏(まいふく)智歯(ちし)といい普通の抜歯とは違います。
                                 

2:親知らずは必ず抜かなくてはいけないの?

  • 真っ直ぐに生えており上の歯と噛みあっている時は、虫歯・歯周病など他の歯と同じ理由で抜くことはあっても、抜かずにおくことが一般的です。ただし、虫歯になった場合、歯の根の治療が行えないことがありますので、虫歯にならないようにすることが大切です。
  • しかし、真っ直ぐに生えていない場合は、違います。これを先に述べました埋伏智歯と呼びますが、一般的に下の顎(あご)(下顎(かがく))に多く、これからの説明も下顎の埋伏智歯を前提に説明いたします。
  • まず、親知らずがあるから必ず抜かなければならないという根拠のある報告はありません。と申しましても、虫歯になった・痛みがあった・腫れた・前の7番目の歯が虫歯になったなどの場合は、抜かなければ症状がおこったり、症状が続いたりしますので抜いた方が良いとアドバイスできます。
  • また、これまで一度も症状がない場合、先ほど述べましたように抜かなければならないということはありませんが、感染などにより症状が出る確率が、完全に歯肉の下に埋伏している場合9%で、一部歯肉の上に歯がでている場合27%(ともに、海外の報告で日本人の発生率は不明)であります。また、親知らずは年齢とともに抜くのが極めて困難になり抜歯後の合併症も多くなります。さらに、女性の方は妊娠中のツワリの時など歯ブラシをみるだけで気持ちが悪くなり歯磨きができないときに症状がでやすいと思います。・特に矯正(きょうせい)治療後の方は、親知らずによって前歯の並びが悪くなることがあるので抜く必要があるか矯正歯科の先生と相談されることをお勧めします(ただし、矯正治療のための場合と16歳未満の方は、保険治療にならず自費となります)。
  • また、他の臼歯(奥歯)が、著しい虫歯で抜歯や抜歯の必要がある場合は、親知らずを移植(保険治療で成功率80%)、矯正治療(成功率は高いが、80万円ぐらいの自費で数年かかる)によって、親知らずを普通の歯のように使う考えもあります。

  • 以上のことを総合して抜歯するかどうかを自分で決められるようにしていただければ良いと思います。特に、下記の「抜歯の障害は?」をお読みになって、神経の麻痺の可能性などを考慮した上で決められると良いと思います。

3:抜歯の手術ってどんなの?費用は? 

  • 手術時間は、およそ1時間以内であります(まれに、1時間をこえる方もみえます)。手術は、局所麻酔(2%キシロカイン(8万分の1エピネフリン含))で行いますが、これは一般の歯科治療で使う麻酔と同じです。術式は、まず歯肉を切って歯を露出して、抜くスペースのために一部骨を削除します。次に、歯を切り小さくしてから抜きます。抜いている時間より、歯を削っている時間の方が長いぐらいです。そして、歯肉を縫います。また、手術後の腫れを少なくするためにゴムの管を抜いた所に入れておくことがあります。口を開いていると顎が痛くなる方がたまに見えますが、その場合は手術中でも構いませんので言ってください。
  • 以上の手術は、予約した上で午後の外来手術として行っています。通常では、埋伏智歯を1本づつ抜歯しています(上の親知らずが非常に簡単な抜歯と予想される場合のみ、左右片側どちらかの上下の親知らずを同時に抜歯します)。術後の消毒は抜歯の次の日の午前に行い、腫れの防止のためのゴムを入れた方はその次の日の午前にゴムを取ります。また、抜糸は1週間後の午前の診察時間内に行います。抜歯が比較的簡単であった方は、かかりつけの歯科医院で消毒・抜糸を行っていただく場合もあります。
  • 費用は下の親知らず1本で、だいたい1万円(3割負担)です(検査日4千円、抜歯日5千円)。年度ごとに、保険点数の改定によって変動します。

4:抜歯って痛いの・腫れるの?

  • 一般的な話が主体となりますし、痛みの感じ方も個人差が大きいので、参考程度と思ってください。まず、手術中は、麻酔が効いているので痛みはありません。時々、麻酔の効きの悪い方もみえますので、その場合は麻酔を追加します(途中で何度も追加することもありますが、手術中の麻酔は傷口からもれるので、多く感じますが生体へ取り込まれる量は少ないので心配ありません)。
  • これまでに、術後に痛みの程度と腫れの程度を数量化して術後経過観察に役立てております。その結果より、疼痛なし〜軽度の疼痛42%、中等度の疼痛50%、重度の疼痛〜想像する最大の疼痛8%であり、ほとんど腫れていない22%、軽度の腫れ53%、中等度の腫れ9%、想像する最大の腫れ16%でありました(100名:1998−1999年未発表)。
  • また、一週間でほとんどの方が「疼痛なし〜軽度の疼痛」で、「ほとんど腫れていない」になりましたが、個人差が大きかったです。術後腫れが強い場合など点滴をすることもあります。
  • 簡単な抜歯なのに、腫れが強かったり痛みが強かったりする方がおられます(一般的には、抜歯が困難なほど腫れも痛みも大きいです)。その原因は不明であります。しかし、もっともひどい場合でも、腫れは1週間で、痛みは2週間以内だと思ってください。

5:抜歯の障害は?

  • おどかす訳ではありませんが、頻度がいずれも少ないものの可能性となる障害は数多くあります。これを読まれると抜くのが怖くなるかもしれませんが、情報の時代ですので、稀なことまで、すべて記載してあります。
  1. X線を使って説明しますが、親知らずは神経が通る管(下顎(かがく)神経(しんけい))に非常に近いため、下唇の麻痺がおこりやすいです(CT(シーティー)コンピュータ断層X線撮影検査が必要な場合もあります)。日本の正確なデータはありませんがおおよそ発生率は0.7%であります(当科では、さらに少ない発生率です)。また、神経が親知らずから離れていても刺激でおこる事があります。ほとんどが半年から1年で直ってしまうのですが、直らないこともあります。しかし、直らなくてもほとんどの方が日常生活に支障がない場合が多いようですが中には気にされる方もみえます(頻度は、限りなくゼロに近いですが、ゼロではありません)。場合によっては歯冠切断法と言って、歯の頭だけを抜いて経過観察をする方法を行うことがあります(手術中の判断で、急きょ本法を行うこともあります)。また、舌(ぜつ)神経(しんけい)・頬(きょう)神経(しんけい)の麻痺の報告もあるようです。
  2. 一般的に、手術後の頬部の腫れを少なくするために、シリコンの管を入れますが、抜いた所からの出血が多い方(0.7%)は、抜いたところをパックするため腫れが大きくなります。また、手術後に出血が多量にあることが0.6%であるそうです。その場合は、再度麻酔をして処置をすることがあります。
  3. 親知らずの根が異常に曲がっていることがあり、抜歯前のX線写真でわからないこともあります。その場合、手術時間が延長する可能性があります。また、曲がっている歯の根の部分を取ることが不可能であり、一部残してくることもあります。これは、歯と骨がくっついて(癒着)いる時にも歯の一部を残すことがあります。
  4. 歯の周りの骨がない場合、歯を軽く触っただけで骨の外に動いてしまうことがあります。その場合は、違う方法で手術的に取り出すことになります(下の歯では舌側の組織の中に、上の歯では上顎洞(じょうがくどう)という穴の中に入り込んでしまうこと)。特に上顎(うわあご)の親知らずの抜歯の場合、最初から上顎洞(じょうがくどう)と交通している方は、術後に穴が開いてしまうこともあります。その場合、半年後に閉じるための手術を行なう事になります。
  5. 手術中に不意に舌などが動いてしまうと、器具などにより口の中の粘膜が傷つくこともあるようです。また、器具の挿入の角度により、どうしても口唇や舌にあたる方がみえます(手術中に気になる場合は遠慮なく言って下さい)。口の角が切れることもあります。
  6. 手術後に痛みが長く続くことがあります。これをドライソケットといい、抜いた歯のまわりの骨の炎症がおこるもので、最高で2週間続く方もみえました。この場合は、痛み止めを飲んで、経過観察を行います。発生率は5.4%-1.2%とされております。
  7. 手術後に、腫れなどにより口が開けずらくなります。特にひどい場合が0.3%と言われていますが、ほとんどの方が日数とともに良くなります。また、よく青痣(あおあざ)のできやすい方は腫れによって皮膚が少し黄色くなりますが数日でなくなります。
  8. 手術後の感染防止のために薬を飲んでいただきますが、感染の可能性は1.5%と言われています。また、2週間目から一ヵ月後ぐらいに、抜いた所に汚れがたまって腫れてくることも稀にあります(18歳未満の方に多いです)。
  9. 手術後、親知らずの前の歯が虫歯だったり、知覚(ちかく)過敏(かびん)などがあると、その痛みがでることがあります。前の歯が歯槽膿漏・のう胞・歯の根の吸収などの病巣がある場合、後から抜歯しなければならないこともあります。
  10. 手術中、麻酔薬を使いますし、術後に薬を飲んで頂きますので、アレルギーの可能性はあります。薬や麻酔でアレルギーのある方は、必ず教えてください。
  11. 抜歯した部位の骨が尖ったままだたり、一部の治癒が悪くて、再度手術的に骨を削ったりすることがあります。
  12. 抜いた隣の歯が、しばらくの間かみ合わせると痛んだり、しみたり、軽くゆれることがあります。また、既に入っている詰めものや被せものが取れることがあります。
  13. 親知らず位置が舌の方にあり、骨がないような場合(手術中にしかわかりません)、術後に、強い嚥下痛が生じることがあります。
  14. その他にも、予期せぬ問題が生じるかも知れませんが、その場合は速やかに説明し対処していきます。たとえば、皮下(ひか)気腫(きしゅ)といって、歯を削る時の機械からでる空気が、顔の組織に入っていって顔が腫れる(経過観察のみで腫れは消失します)などの予防法がないことがおこる稀な方もみえます(海外の報告では、7%と高率ですが、本邦では1%未満だと思われます)。

6:抜歯前に行うことは?

  • 最近、新聞上で院内(いんない)感染(かんせん)の記事を読まれた方も多いと思います。また、小さな傷では血が止まるものの手術では、血が止まりにくい方も、自分が知らない場合が多いです。そのため、当科では抜歯される方全員に血液検査をお願いしております。ご協力お願い申し上げます。また、入院抜歯の場合は、麻酔に対する検査を行います。
  • 夜勤あけで疲れた状態で抜歯をしたり、抜歯の後に体力をつかう仕事を予定しておかないようにしてください。手術前に歯磨きとうがいをしてきてください。できるかぎり体調を整えてきてください。問題が生(しょう)じた場合は、できるだけ早くに電話でご連絡いただけるようお願いします。

7:抜歯後の注意は? 手術後の注意事項も読んでくださいね。

  • 抜歯と言いましても、その程度は、歯のはえ方、歯の部位、歯の形、その抜く時の状況によって異なります。まず一般的な基本的注意事項です。 抜いた次の日に消毒(翌々日にゴムの管を抜く方もみえます)、一週間後に糸を取りますので、診療の予約を忘れないように行ってください。
  1. 止血のために、抜歯した部位をガーゼなどで圧迫して下さい。圧迫の仕方は、その部位にしっかりと小さく折りたたんだガーゼがあたるようにし、噛むようにしてください。決して、歯と歯の間で噛まないでください。おおよそ、30分ぐらい噛んでいてください。大体は、これで止血します。なかなか止血しないで、じわじわと次の日の昼まで出血することがあります。じわじわと言うよりもだらだらという様に出るときは、まずは強く圧迫して、それでも出血する場合は連絡してください。5分ごとに出して、ティッシュに唾をだして血が止まったか確認される方がみえますが、これでは止血されません。
  2. 抜歯した日は神経質に何回もお口をゆすがないで下さい。抜歯した部位の固まっている血の塊が溶け出血するからです。
  3. 食事は、麻酔がきれてからなら可能です。ただし、抜歯したところに硬い食べ物があたらないようにして下さい。3日目ぐらいより、痛みに合わせて普通に食事をして頂いて良いです。
  4. 痛みは、麻酔が切れたころ(15-60分後)から生じます。痛みは、1日ごとに少なくなるものの、3日目ぐらいでは、まだ強い痛みを訴えられる方もみえます。さらに、抜糸の頃まで鎮痛剤(ちんつうざい)が必要な方もおみえです。市販の歯痛の薬でも効くことが多いです。
  5. 抜歯した日は、飲酒、激しい運動、お風呂は控えてください。痛みを誘発させることがあります。また、頬(ほお)を冷やしていただいてもかまいません。
  6. 歯磨きは、次の日から行ってください。直接に傷に触れないようにすれば、だいじょうぶです。
  7. 処方された薬は、指示にしたがって服用してください。抜歯後の感染予防のために化膿止め(抗菌剤(こうきんざい))、痛みのあるときの鎮痛剤(ちんつうざい)、(時々お口のなかの消毒のための含嗽剤)が処方されます。また、薬物のアレルギーのある方は必ず申し出てください。処方された薬剤で皮膚の発疹、胃部のむかつき、その他何かしらの症状が出たときにただちに服用を止めて下さい。
  8. 抜いた所の穴は、しばらく穴のままです。数ヶ月かかって肉に置き変わり、さらに骨を作っていきます。
  9. 抜歯後数日(3〜4日)経過してから、これまで以上の強い痛みが生じたり、腫れが著しくなったり、その他に心配なことがありましたら、我慢せずに連絡してください。抜歯の次ぎの日腫れなくても2日目に腫れて痛みがでることもありますが、多くの場合は問題ありません。

希望のある方へ:入院抜歯ってどんなの?(総合病院内の歯科口腔外科への紹介が必要です)

  • 最近、複数の施設で左右の親知らずを一度に抜歯する事が、治療期間を短縮するためと手術に伴う恐怖・疼痛回数を減らすために行われることが多くなっています。この場合、手術を知らない間に行うため全身(ぜんしん)麻酔(ますい)ならびに静脈内(じょうみゃくない)鎮静法(ちんせいほう)麻酔(ますい)(注射で薬をいれます)という麻酔方法を併用します。
  • 海外では、全身麻酔で行うことが多いのですが、日本では静脈麻酔や静脈内鎮静法麻酔で行うことが多いです(海外では、1本の埋伏智歯の抜歯のみでも全身麻酔で行うことが多いようです)。この静脈麻酔は、プロポフォールという麻酔薬などを利用して、「○○さん」と呼べば、答えることはできるものの、手術が終わったらあまり覚えてないという麻酔です。
  • しかし、麻酔は、たとえ小さな手術でもリスク(麻酔剤等のアレルギー、呼吸の抑制などであり、問題が生じた場合は、手術の中止または全身麻酔(気管に管を入れる)になります)は変わらないため、設備の整った手術室で点滴を行いながら、心電図、血圧などによる全身管理下で行います。
  • 現在、一度に数本抜歯を行う場合は、手術後の腫れや出血の心配より病院での入院期間は3泊4日ぐらいなっています(病院によって異なります)。また、当日入院や日帰り麻酔は、現行の保険制度では、特別な病院以外で対応すると、経営的に赤字になるため、行われていない場合がほとんどです(たとえ医学的・経済的に患者さまの利益になっても、システムとして対応できない場合、ある患者さまの希望で特別に対応することは危険につながります)。
  • 静脈麻酔に伴う合併症(麻酔薬のアレルギーなど、一般的なもの)の不安や入院に伴う煩雑さがあると思いますが、2本以上親知らずを抜歯する必要がある場合は、一度で抜歯中の恐怖がなく行えることからもお勧めする方法であります。
  • また、抜歯が非常に困難な場合は、1本のみの抜歯でも入院が必要な方もみえます。
  • 入院費用は、2本の場合、3割負担では4万円ぐらいになります。4本の場合はこれに5千円〜7千円程度加算されます。何本も抜かれる方は、合計の費用は外来抜歯に比べて数万円も高いということはありません(正確な費用は、歯の状況によって細かく変わるためお示しすることができません)。
  • 入院して親知らずの抜歯を行う利点
    • 痛みがおさえられます。
    • 精神的にも安静が保たれます(完全に意識はなくなりません)。
    • 抜歯後の痛みや出血に対する対応も迅速にできます。
    • 一度に数本の抜歯ができます。


参考文献

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  4. 河原恭子、他:下顎埋伏智歯抜歯の臨床的検討 第4報:抜歯時に患者が望む情報と術者の歯科医師が提供すべきとする情報についての質問紙法による調査. 愛院大歯誌 1998:36;255- 9.
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2008年09月14日(日) 19:48:33 Modified by mxe05064




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