現在の歯科医療の問題点
- 予防歯科は、継続できるか。神奈川県警察本部:2006年3月9日:『歯科衛生士にレントゲン撮影やカルテ記入をさせたとして、伊勢佐木署は歯科医師D(57)を歯科医師法違反(無免許歯科医業)容疑で逮捕、歯科衛生士の女性(36)を同容疑で書類送検した。容疑者は、問診や触診、カルテ記入などの歯科医行為を無免許でさせた疑い。』。これは、レントゲン撮影は論外としても、「歯科衛生士まかせにした定期管理」が、この国では重大な法律違反であるというメッセージが改めて出されたことではないか。そして、これこそ、歯科界の大事件ではないか。初診カウンセラーも、問診とみなされる可能性があります。予防歯科で有名な先生のHPに、「問診:コーディネーターが主訴,過去の歯科体験,今後の治療に対する要望などをお伺いいたします.」とありました。これは、まずいです。 さらに、衛生士さんの個室も・・・。そこで、「歯科衛生士が担当患者を個室で、歯科医師の治療計画に従って、当日の歯科医師の診察なしにスケーリングを行う」ことが日本の社会に求められていることを、歯科界は、明らかにしていく必要がある。その前に、成人のカリエス予防のための定期管理に保険が認められてないなど、問題点が多すぎ。
- 「定期管理型歯科診療」で、早期発見・早期治療をしないように。また、低リスク患者のみを集めて、予防歯科を経営手段としないように。あくまでも、エビデンスを利用した、リスクのある方への予防主体の定期管理型歯科診療が普及することを願っています。最近、予防ルームが流行っています。1ヵ月ごとに歯周病の治療で受診しているのに、歯周病の説明を受けてないだけでなく、歯間ブラシすら使ってなく、歯周病が悪化している事例が多い感じを受けております。 う〜ん、最近は、マイクロスコープなどを宣伝としている歯科医院も増えました。本当に使っている場合は、根管治療は良いのですが、エビデンスのない含嗽剤・3Mixを使ったり、あれっていう医院もあります。
- 以下の記事を読んで、もう一度、歯科医師が診察せずに、衛生士のみが予約でスケーリングすることを考えましょう。
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴を受けた女性患者(73)が死亡、18人が入院した院内感染の事件がありました。そこで、谷本広道院長(57)が患者を診察せずに看護師に点滴治療をさせていた疑いがあるとして、県警が業務上過失致死傷容疑とともに医師法違反容疑でも捜査することが分かりました。
- 歯科界は、現在、予防・予防と言われています。しかし、予防というより、う蝕・歯周病を細菌感染による疾患という位置づけから、予防・診断・予後・内科的治療・外科的治療・メインテナンスまでを、トータルとして考えることが重要で、予防歯科を分けて考えるのは、これまでと変わりはないでしょう。経営戦略として、予防の部屋を分けなければならないのは、残念な日本の現状であるということです(それを理解して分けているのなら良いのですが)。
- 一生自分の歯でかむためには、削って詰めるだけでは、限界があります。虫歯・歯周病(歯槽膿漏)は、治療より予防が大切です。ここでは、小児の予防歯科だけでなく、成人の予防歯科についての論文を紹介しています。
- 親知らずを抜いたり、インプラント・歯の根の膿の手術は、口腔外科専門医にまかせましょう。手術後の腫れを少なくするには、ちょっとしたコツがあります。口腔外科とは、その他にも、「顎関節症」という顎の関節のトラブルや、有病者・高齢者の口腔内のメンテナンスまで幅広い分野を取り扱っています。
- なんだか、最近の歯科界は「予防・歯を削りません」が流行です。しかし、そんな経営的に勝ち組の歯科医院のHPの中には、「歯周病は薬で改善します」・「薬で治す無痛歯科治療3Mix-MP法」から「3ヶ月に一度のPMTCで、理想的なお口の状態を保持できることが証明されています」(改変)まで、疑問点が多い歯科医院もあります。HPなどの宣伝で新規患者がどんどん来院なんて、一人あたりに診療時間がどうなるのだろう。よ〜く考えて欲しいですね。予防をメインにしようと考えている歯科医院には、予防の前に、変わらなければならない自分があり、そして、決意が必要ですよ!
- 最近、小児の予防に力を入れていて、クリスマスパーティーなども企画する、経営戦略として流行の方法をとっている歯科医院の患者さんがきました(確かに流行っている)。検査を十分に行って、きれいな患者の口腔内写真付きの資料を渡して・・・、歯周病のある歯の横に、インプラントを“まず最初に”勧めていました。何だろ〜。
- まあ、本当にやりがいのある歯科医院として(単なる患者が多い歯科医院ではなく)、勝った理由は、スタッフとの連携や、笑顔とか、患者さんの話を良く聞くとか、それ以前のあたりまえの点を真面目に行ったからですがね(日本で一番楽しい歯科医院のHPは、すべてのページが大切です(最近、方向性が、かなり変わってきたけど、このベースがあって予防歯科のエビデンスが追加されるので、ベースとして重要ですね)。他にも、このHPの中の医院経営情報の野村英孝先生のコラムなどがあります)。これって、経営の前の、あたりまえのことなのですが、これができないのですよね。衛生士さんに、「自費を進めるように」というバカな指示だけではく、「予防システムを作るように」なんて、アホな指示もしないようにしたいものです。
2008年09月08日(月) 08:36:01 Modified by mxe05064