幼児の予防歯科
歯磨きができない、フッ素を飲み込む幼児では、食事がメインになるので、食事−dietの章と重複が多いです。
Recommendations and Rationale. Prevention of Dental Caries in Preschool Children. U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF)click
母乳・ミルク
- 総説で、詳しくかいてありそう。フリーだし、まとめとして、重宝します。RCT論文が少ないのでしかたないけど、最終的には、エイヤーとまとめているので、注意が必要ですね。
Breastfeeding and early childhood caries: a critical review. Nilza M. E. RibeiroI; Manoel A. S. RibeiroII フリーclick
- 米国で、母乳哺育を行った幼児は、砂糖含有量の高いフルーツジュースへの暴露が遅くなるので、う蝕が少なかった。直接の記載ではないが、データから読み取れるそうです(クインテッセンスVol24.No10.安藤先生)。論文の質としては、フッ素のことや、砂糖の摂取の頻度が記載されてないので低いです。
Dye BA, Shenkin JD, Ogden CL, Marshall TA, Levy SM, Kanellis MJ. The relationship between healthful eating practices and dental caries in children aged 2-5 years in the United States, 1988-1994. J Am Dent Assoc. 2004 Jan;135(1):55-66.フリーですclick
- アメリカの論文では、ミルクに鉄強化型というのがあって、よくわからなかったのですが、以下に解説がありました。日本は、アメリカの鉄強化されている人口乳と同様らしいです。
「母乳と母乳育児に関する方針宣言」(2005年改訂版)翻訳文click
- 上のアメリカの母乳の文献よりで、1日1カップ以外の野菜ジュースの禁止などが勧告されています。
Hale KJ; American Academy of Pediatrics Section on Pediatric Dentistry. Oral health risk assessment timing and establishment of the dental home.Pediatrics. 2003 May;111(5 Pt 1):1113-6. フリーclick
- これと、ほとんど同じガイドラインが、AAPDのHPにあります。
Guideline on Infant Oral Health Care フリーclick
幼児の食生活
- 米国の非貧困層で、毎日朝食を食べる幼児と野菜をしっかり食べている幼児にう蝕が少なかったそうです(クインテッセンスVol24.No10.安藤先生)。論文の質としては、フッ素のことや、砂糖の摂取の頻度が記載されてないので低いです。
Dye BA, Shenkin JD, Ogden CL, Marshall TA, Levy SM, Kanellis MJ. The relationship between healthful eating practices and dental caries in children aged 2-5 years in the United States, 1988-1994. J Am Dent Assoc. 2004 Jan;135(1):55-66.
- 上記と同じ論文:1日1カップ以外の野菜ジュースの禁止などが勧告されています。もちろん、炭酸医療水もダメ。水以外のボトルをベットサイドに置かないように。
Hale KJ; American Academy of Pediatrics Section on Pediatric Dentistry. Oral health risk assessment timing and establishment of the dental home.Pediatrics. 2003 May;111(5 Pt 1):1113-6. フリーclick
動物実験
Bowenらの研究
- ねずみの実験ですが、14日間の脱灰量で調べた結果、糖1、コーラ1.16、蜂蜜0.88、母乳0.29、牛乳0.01だったそうです。この論文の中に、下の論文に、市販の乳児用ミルク(粉ミルク)より、母乳のが、虫歯になりにくいと書いてあるとあります。下の論文では、詳細は、不明ですが、どうも、しょ糖(5%グルコース)を1とすると、粉ミルクは、0.35ぐらい(商品によって変わる)です。違う実験を直接比較はできませんが、商品によっては、カリエスになりやすいと考えてよいでしょう。また、彼らは、カルシウムなどのミネラルが、砂糖のう蝕のなりやすさを変えると書いています。
- また、母乳で育ったのに、ランパウントカリエスの報告があるが、それには、子供の食事の記載がないので、母乳を無制限に与えるとか、砂糖の食事も取っているとかの影響ではないかと推測しているようです。
Bowen WH, Lawrence RA. Comparison of the cariogenicity of cola, honey, cow milk, human milk, and sucrose. Pediatrics. 2005 Oct;116(4):921-6. Free click
Bowen WH, Pearson SK, Rosalen PL, et al. Assessing the cariogenic potential of some infant formulas, milk and sugar solutions. J Am Dent Assoc. 1997;128 :865 –871Free click
2006年12月14日(木) 16:47:57 Modified by mxe05064