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「ラヴ・リンク」三話



 朋美を女子トイレで待ち構えていたのは、褐色の肌を持つ三人の女だった。
 制服の裾に三本線が走っている。三年生であることを示すものだ。
 ――彼女達は、裏では密かに「黒い三連性」の異名を取る三人組である。

「やっときやがったかてめー!」

 三人のうちのひとり、ウルフカットの女が、訪れた美少女に罵言を浴びせた。
 醜い容姿だった。
 いや、三人がすべて正視できないような顔といっていいかもしれない。
 体系も褒められたものではなく、太っていたり、あるいはやけに小さかったりと、不定形と評するのが適切といえた。
 美しい少女に対して病的な劣等感を抱く彼女達は、どこで脱線したのか、それが性癖とすらなっていた。
 つまりは、可愛い女の子を蹂躙することに、高揚感を超えた、快感を覚えるようになっていたのである。

「おらっ、さっさとやれや!」
「淫乱豚なんだからな、しっかりやれよメス豚!」

 次々放たれる中傷にも、美しい少女は表情を変えなかった。
 いや、もともと陰鬱な顔色を、これ以上暗くすることは出来なかったのだろう。

「ほら、さっさと、しろよっ!」

 短めのポニーテールを結った黒い女が、少女の程よく張った尻を蹴飛ばした。
 声を出すこともなく、開いていた個室に強引に入らされる。
 ここからの動作は、少女にとって日常となってしまっていた。
 先ず、朋美はゆっくりと制服を脱ぎ始めた。
 制服の裾を掴み、腕を伸ばして引き上げる。
 陶磁器のようななめらかな肌、薄緑の下着につつまれた豊かな胸が晒される。

「ふ……あははっ! こいつ、何気に興奮しちゃってるよォ!」
「さすが極め付きの痴女! いつものようによがってぇーん!」



 ウルフカットとポニーテールが、気色悪い声で交互に罵りあった。
 実際は真逆だ。
 朋美は表情一つ変えないのに対し、どす黒の女ふたりは僅かに頬に紅葉を散らしている。
 といっても、肌の色が濃すぎるため、注視しなければ判別できるものではない。
 起立したままスカートのホックを外し、するすると下におろして脱ぐ朋美。
 これで、少女は下着だけの格好になっていた。
 そしてそのまま洋式トイレの便座に腰を落ち着け、股をM字に開く。
 男が今の朋美の画像なりを見たならば、何もしなくとも股間に手を伸ばしたくなるような格好だ。
 ――と、ここまできてようやく少女の頬にうっすらと紅いものが浮かび上がってきた。
 むしろ遅すぎるほどだし、ここまでされて羞恥を感じない娘はいないだろうから、言いようによっては淫らなのかもしれない。

「ほらァっ! っく(はやく)しろってんだ!!」
「誰かきたらどうすんだァ!!」

 昂ぶりを抑えられず、微かに濁った怒声が飛ぶ。
 言われるまでもなく、心を失くして行為に及ぼうとした、その時だった。

「……あ! こらっ、待て!!」

 朋美の痴態に見入っていたふたりは、見張り役である短い髪の女の声を聞き入れ、身体を強張らせた。
 ふたりが愉しんでいる間、ショートカットの女は誰かがこないよう入り口付近に立っていたのだ。

「どうしたの、ルン!?」
「なにがあった?」

 ウルフカットとポニーテールが、口々にショートカット――ルンに訊ねる。

「二年の男子だった。一瞬だったから顔はよく分からなかったけど、たぶんあたしらのやってることなんてバレてるわけないよ」
「ふぅ〜……おどかさないでよ」

 どうやらこの三人、仲間内では言葉遣いが穏やかになるらしい。
 だが、安堵した反動か、朋美を見る目付きはさらにゆがんだものとなっていた。

「あぁーあ。ビビったせーでムカついてきたぜ。それもこれも……てめーせだらぁっ!!」

 滅茶苦茶な屁理屈をこねながら、大柄な体躯を持つウルフカットが、華奢な身体の朋美に歩み寄る。
 既に秘所をおおう布地の上に手を置いていた少女だが、よくわからないが凄い剣幕で向かってくる黒い女を見て、全身に微かな震動が走った。

「ホラァ! 脱げよ!!」

 言いつつも彼女は自分から朋美のパンツを掴み、ちぎれんばかりの勢いで剥いた。
 緑色の下着を放り投げ、肢体をこわばらせて秘所をさらした少女にむけて、右手をうならせた。

「っ! っく!!」



 濡れてもいないのに指を膣に捻じ込まれ、苦痛の声を吐く朋美。
 そしてそのまま、彼女は強引に指を出し入れし始めた。

「……う゛…………あ゛っ……!」

 痛みだけの攻めに、朋美は歯を食い縛って耐える。
 ある意味、恥辱の攻めより楽かもしれないが、痛いし膣が傷つくのを朋美はよく良く思わなかった。
 が、そこは女性器の機能が働き、段々と濡れてきてはいた。
 その湿りが少しずつ女性を愉悦へと誘うのだ。

「くふ…………んっ……はぅ」

 少女の途息が少しずつ艶やかさを帯びてくる。
 腕を頭の上で組み、便座で足を開く姿勢というのは想像以上に大変なのだが、快楽を感じているとなると話は 別になってくる。
 ――しばらく手で弄んでいるうちに、声も、音も、猥雑さを強調するものへと変貌していた。

「あん! あん! やっ、あっ、はぁああん!!」

 朋美の理性はすでに忘却の彼方だった。
 気持ちよくなればなるほど、抗したいという意思とは裏腹に声を抑えきれず、本能のままによがってしまうのだ。
 そんな朋美の姿を、三人が三人とも黙して見入っている。
 せまりくる快感にかわいい顔を歪ませ、欲するようにあえぎ声を上げる朋美を見て興奮を覚えているのだ。
 そして、手を使って少女の花弁を穢していたウルフカットが、突然、しゃがみこんだ。
 なにか、まるで酒にでも酔った顔つきで朋美の秘所へ近づき――舐め上げた。

「――! っくあぁああ!!」

 そのままクリトリスを絶妙な舌使いで弄くられ、途切れることのない気持ちよさに、少女はついに耐え切れなくなった。

「やっ!! だ…………――――っっっ!!!」

 少女の全身を、悦楽がつつみこんだ。
 黒い女の口内や周辺に愛液を噴き出す。
 目をぎゅっと閉ざし、小さな口をめいっぱいに開いているにも関わらず、一切声は出すことがなかった。
 朋美は絶頂の前こそ激しくなくものの、昇りつめる瞬間は全く喘がないのだ。

「…………っへ、さすが淫売だな。客を喜ばせる方法を分かってるぜ」
「まったく。肉便器とはこのことだ」
「あーあ、顔よごれちゃったよ。責任取れよなオイ!」



 口々に捲くし立てる「黒い三連性」だったが、どうやら朋美の耳には行き届いていないらしい。
 未だ呼吸は荒く、長い快楽の余韻を愉しんでいるようにすら見える。
 ある意味、肝が据わっているのかもしれない。
 自分を穢した者達の前で、痴態を晒したうえで享楽に身を委ねているのだから。

「おいこらっ! シカトしてねーでさっさと舐めろよ!!」
「待ってラン! これ撮っとかない?」

 少女をイかせた大柄なウルフカット――ランに提案したのは、さきほど見張りをしていた異様に背丈の低いショートカット――ルンだった。

「おっ、それいいね! セーギのやつ喜ぶだろうし」
「はやくしよ。そろそろ時間危ないよ」」

 勝手に話が進んでいき、巨体のランが制服からデジカメを取り出した。
 便器の上でぐしょ濡れの秘所をさらし、だらしなくよだれを垂らしてうつろな薄目をあらぬ方へ送る朋美に照準を合わせ、シャッターを押した。

「おらてめー。勝手に着替えて戻っとけよ!」
「そのままの状態で見つかったら、いくらあいつでも見捨てられんぞ!」

 ぴく、と、わずかにだが少女の身体が動いた。
 この場合、見捨てられるというよりは、容赦なく切り捨てられると言ったほうが適切なのかもしれない。
 ‘彼女達に’目を付けられた少女は、大抵は登校拒否になるか、精神に異常をきたしてしまうか、最悪の場合学校にいられなくなってしまうのだ。
 それを鑑みると、朋美が約三ヶ月ものあいだこうした辱めを耐え続けているのは、相当に凄いことなのは間違いない。
 褐色肌の三人は、なにやらがやがやと五月蝿く喋りながら、女子トイレを後にした。

「………………はぁ……」

 余韻がまだ残っているのか、吐く息が色めいている。
 ――と、いきなり彼女の瞳が大きく見開かれた。
 なぜか、はしたない姿を整えるように着替え始め、そのうえで洋式トイレのうえに座ると――すすり泣き始めた。

「なん、で…………わた、し、ばかり、こん……な……」

 学校と自分の家。
 朋美の美しい身体は、形はちがえどその両方で欲望のはけ口にされている。
 自分でもよく正気を保てるものだと思った。
 いや、その理由は分かっている。
 だが今は、その拠り所とさえ不穏な空気を挟んでしまっているような気がする。

「秀一くん…………!」

 助けてよ……口に出そうとしたが、言えなかった。
 今の自分にそんなことを言う権利はない……と悪いほうへと考えてしまうのも、今の彼女が置かれている環境を考えれば無理はなかった……



 ―――

 比奈見亜里沙[ひなみ ありさ]。
 一年A組において、彼女は密かにアイドル的存在として、あくまでも密かに注目されていた。
 ツインテールとメガネという異色ともいえる組み合わせに、小学生とも見紛う程の童顔、スレンダーという言葉ですら足らない、ほっそりした身体。
 そういう趣味の者達からすればたまらないはずだが、まず、彼女に近寄ろうとする人間はいなかった。
 理由は……あまりにも少女らしからぬ行動・言動だからだ。
 いつも眉間にしわを寄せてツンとしており、周囲に「話しかけんな!」オーラをまとっている。
 更には、無口・寡黙といった単語でも足らないほど、彼女は口を開かない。
 話しかけても、相手をひと睨みで御するさまは、どちらかというと険の深い少年を連想させる。
 成績優秀、スポーツ万能であるのを差し引いても、亜里沙の特異性についてこれるものはいなかったのだ。
 そう、一人を除いては。

「あ・り・さ♪ お・ひ・さ♪」

 午前の授業の間の休み時間に、亜里沙のもとに一人のクラスメイトがやってきた。
 先ず、見た目だけで言えば亜里沙と全く対照的であった。
 背が高く、有に頭二つぶんほど背丈には差がある。
 セミロングの黒髪をかざった面立ちはやや大人びていて、都会に出てきた田舎娘のような振る舞いだった。

「…………なんだ利恵。おれに用か?」

 名前の可憐さとあどけない顔から、似合わない口調の言葉がつむぎ出される。
 声質こそ悪くはないが、本人が意識しているのか、やや低めに調整された声には圧力があった。

「うんっ! ノート貸してっ♪」

 ばばっ、と両手をつき出し、とびきりの笑顔を見せる背の高い少女――利恵。
 いつものことなのでさして驚きもせず、はいよと言って数学のノートを手渡してやる。

「あんがとっ!」
「あのさあ、前から思ってたんだけど……」

 机に肘をついて顎を掌にのせ、ため息をついて大きな少女を見上げる。
 邪さなど微塵にも感じられない破顔を眺めながら、

「……おれのノート……自分で言うのもなんだが見づらいと思うんだ。お前の方が字は綺麗だし……成績もいいんだからいらないだろ?」
「んーん。だって亜里沙の字って凄い力強いんだもん。それになんだかんだいって丁寧に書かれてるから、参考になるなあって思って」
「…………ああそう。別にいいけど……」



 よく分からないが、褒め言葉と受け取っておくことにした。
 見てのとおりだが、亜里沙は利恵に対してだけは殆ど普通に会話できるのだ。
 周囲のクラスメイトが聞き耳を立てていることは間違いないが、そんなものを気にする人物ではなかった。
 利恵は鷹揚であることに加え、良くも悪くも常人離れしたピントの持ち主だからこそ、亜里沙とはなす事ができるのだろう。。
 だが、今日の彼女――亜里沙は、人には言いがたい悩み事を抱えていた。

「……ちょっと悪い。おれトイレ行ってくるわ…………」
「じゃあ私も行く!」
「あっ、いや……ちょっと腹痛くてさ。……授業間に合わないかもしれないから、いいよ」
「えー……」

 利恵がついてくると言い出すのは予測がついていた。
 亜里沙は即切り返したうえで、利恵が抗議の声を上げる前に席を立って退出してしまった。

「……もぅ〜、亜里沙ったら」

 純朴な顔立ちが、不満を表すようにぷく〜っと膨らんだ。

 ―――

「はぁ…………はぁ…………」

 人気のない廊下をゆっくり歩む小さな少女は、浅い喘鳴を繰り返しながら女子トイレへと向かっていた。
 童顔に飾られているツインテールの髪を揺らしながら腹をおさえ、レンズの奥の瞳を細めている。

「――くそっ。女ってのは、面倒くさいな……」

 誰にともなく一人ごち、いつの間にか女子トイレの入り口に自分がいたことに気付いた。
 ――彼女をさいなんでいたのは、月の障りだった。
 昨夜、ひどく緩慢にやってきた痛みが、亜里沙を未知の感覚へいざなったのだ。
 初潮である。
 平均して相当遅い時期にきたのは間違いなく、彼女自身「一生来なければいい」とまで思ってはいたが、身体は正直だった。
 痛いわ出血するわ……ろくなことがない。男が羨ましいぜ……
 その身に女としての感覚をあじわい、少女はあらためて女に生まれたことを呪った。
 男は男でまた別の苦労があるのだが、亜里沙にそれを知る由はない。

「…………?」

 中に入るなり、細まっていた目がさらに細くなった。
 なにやら妙な雰囲気を放つ三人組が、まるで自分をまっていたかのようにこちらを睥睨している。
 制服の三本線を見て三年生だと分かったので、一応ぺこりと軽く会釈して、個室に足を運ぼうと――



「待て」
「っ!」

 いつから移動していたのか、ウルフカットの髪を醜い顔に飾った大柄な上級生の手が、亜里沙の細い手首をがっちり掴んでいた。
 まずいっ!!
 本能的な拒否反応が亜里沙の身体を跳ね上げ、上級生の手を振り払おうとしたが、叶うはずもなかった。
 力いっぱい振りほどこうとしているのに、相手は微動だにしない。

「嬢ちゃん、可愛いねェ」

 亜里沙の全身に悪寒がはしり、身を震わせた。
 こいつらは、尋常じゃない。
 見た時に気付いたのに逃げなかった自分にも非があるかもしれないが、いくらなんでも常軌を逸しているように思う。
 先ほどのセリフといいこの歪みきった表情といい……まるで自分を欲しているかのようだった。
 ――それは突然におこった。

「――っな!!?」

 カシャッ、とシャッター音が鳴る。
 ものすごい早業だった。
 ウルフカットの手が、膝上に合わせたスカートをめくり上げ、少女の下着をカメラに捉えたのだ。
 呆然として言葉が出ない亜里沙に、死の宣告でもするかのように口を開き始める。

「――お嬢ちゃん……おどすつもりはないんだけど、私達じつは生徒会長の親友なのよね」
「そうそう。知ってるでしょ? 『セーギ』って呼ばれてるほど熱くて、真面目な人」
「その人ってばね、‘こういうこと’がだぁーいっ嫌いなの」
「言ってること、分かるかな?」

 口々に捲くし立てられるも、亜里沙は表面上は平静を装っている。
 だが心の中は、それこそ暴走列車でも走らせる勢いで頭を回転させている。
 先ほどのカメラが捉えたのは、おそらく下着だけのはず。亜里沙だと判別できるものはない。
 この三人は要するに、

「これを生徒会長の手に渡されたくなければ(もしくはばら撒かれたくなかったら)、言うことを聞け」

 そう言いたいのだと思った。
 だとしたら、とんだ阿呆だ。

「ねえ、分かったでしょ? 優しく……してやるからよっ!!」



 ウルフカットの口調が、がらりと変わる。
 ドスのきいた声と、女とは思えない太い腕が亜里沙の華奢な身体に絡み付いてきた。
 予想外だった。
 写真を撮って脅すなどと云う回りくどいことをする連中だからもっと慎重に来るかと思ったのに、すぐに実力行使に出るなんて……
 ウルフカットが少女を捕らえるのと同時に、ポニーテールが女子トイレの入り口へと向かった。
 見張りである。
 すでに授業に入ったものの、いつ誰が来るかなど分かりはしない。
 もう一人、ショートカットの黒い女も少女を嬲るのを手伝うらしく、側まで足を運んだ。

「く…………やっ……め……」

 殆ど組み伏せられている少女は微かな抵抗を試みていたが、ショートカットに両腕を拘束され、全く身動きが取れなくなってしまった。
 だが亜里沙は、こんな時でも馬乗りになる巨躯の女を睨みつけ、目を離そうとはしなかった。

「おぉ怖ぁっ! かわいい顔が勿体ねぇな!」
「親からどーいう教育受けてんだよてめーは!」

 喜悦の表情を隠そうともしないふたりに、さすがの亜里沙も青ざめかかっていた。
 こんなコトに及び、ばれれば長期の停学……いや、退学処分すらありうる。
 いや、もしかしたらこいつらは自分が女だから許されると踏まえたうえで、自分を踏みにじろうとしているのかもしれない。

「――! あっ……」

 こんな時にも関わらず冷静に思考していたが、制服を脱がされると、思わず頬を紅く染めてしまう。
 平坦な胸をつつむ青い下着。
 未だ少女であることが抜け切らない、直線的な身体。
 さらには、女性であれば誰もがうらやむであろう、なめらかな肌の質。

「けっ! どいつもこいつも、胸糞悪いカラダしやがって!」

 自分より三回りは小さい少女に乗って罵言を放ち、青いブラに手をかけ、引き上げる。
 微かに盛り上がった胸があらわになる。
 双丘の先端に在る紅いつぼみが、妙に艶やかに見えた。
 少女はその光景を直視するのを拒み、瞳を閉ざす。
 なぜだ……なぜ自分がこんな目に合わなきゃいけないんだ……?
 自問自答したが、答えは返ってこない。
 代わりに、自らの乳首にはしる衝撃に耐えねばならなかった……



 ―――

 他のふたりが亜里沙とお愉しみの最中だった。
 ――見張っているポニーテールの醜女のもとに、背川正義[せがわ まさよし]が訪れたのは。

「……あら? セーギ、なんでここにいんの?」

 ガラにもなくきょとんとした表情を浮かべるポニーテール。
 残念ながら、絵にはならない。

「おまえたちに重要な話が合ってな……と言いたいところだが」

 ゴホン、とわざとらしく言葉を切る正義。

「オレも混ぜろ。最中なんだろ? 話はその後にしよう」
「う、うん。じゃあはいんなよ」

 ちょっと面白くないポニーテールだったが、セーギの頼みとあっては仕方がない。
 道を開け、セーギが入るのを見届ける。

「ふふ…………鈴森朋美か……」

 つぶやく生徒会長の顔は、普段の彼とは異なる、冷酷で、残忍な色が満面に拡がっていた……   三話 おわり



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作者 6-548
2009年01月06日(火) 04:37:41 Modified by ID:QoBh7SNwMg




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