こんな感じ?
俺が叔父貴の家の縁側でぼーっとタバコを吸ってると、隣にちょこんと従姉妹のお子様が座り込んだ。
何か用でもあるのかそちらを見やるが、従姉妹殿は手元の絵本を熱心に覗き込むばかりで、
こちらを見ようともしない。
子供にタバコの煙を吸わせるのもどうかと思い、俺は3mばかり移動して、従姉妹殿から離れた。
……すると従姉妹殿は何を思ったのか、絵本から顔を上げてこちらを無言でじっと見詰めた後で、
絵本を片手にとてとてとこちらに歩いてくると、またぽすんと俺の隣に座り込んで……
それで何を言うわけでもなく何をしてくるでなく、また絵本に視線を落とす。
俺は無言で空を見上げて、タバコを深く吸い込む。
……ははぁ、これはあれか。ここはいつもの自分のお気に入りの場所だから、タバコくさい余所者は
どっか行けと言う、無言のアピールか。
まったく、喫煙家でいい歳した独身で手土産一つ持たずお邪魔した身の、なんと肩身の狭い世の中か。
俺は最後にもう一息タバコの煙を深く吸い込んで味わうと、半分以上残ったそれを携帯灰皿でもみ消すと、
縁側から立ち上がって居間に引っ込む。
ソファーに深く腰掛け、リモコンを手にTVの電源を入れる。なにか適当に暇が潰せる番組でもないかと
チャンネルをいじっていると……三度ぽすんと、俺の脚にもたれかかるようにして従姉妹殿が座り込み、
また無言で絵本を覗き込み始める。
この期に及んでも従姉妹殿は、こちらを見ようともしない。
てしてしと、無意味に首筋を叩きながら、しばし視線を宙にさまよわせる。
「……あー」
意味もなく声を上げて、俺は足元に陣取る従姉妹殿を見下ろす。そしてTVを消すと、恐る恐る従姉妹殿に
声をかける。
「……来るかい?」
ぽんぽんと自分の膝を叩きながら問いかけると、反応は劇的だった。
従姉妹殿は弾かれたように顔を上げてこちらを見やると、にぱっと満面の笑みを浮かべる。そして、勢いよく
立ち上がると、その勢いのままに飛び込むように俺の膝の上に腰を下ろす。
それからまた絵本を読み出すのだが……足はぶらぶらさせるわ、かすかに鼻歌はもれるは、明らかに
上機嫌である。
「……あー」
俺はまた意味もなく声を上げ……観念して、従姉妹殿のソファー役を謹んで務めることとした。
そんな、ある日の昼下がり。
調子に乗ってみますた
何か用でもあるのかそちらを見やるが、従姉妹殿は手元の絵本を熱心に覗き込むばかりで、
こちらを見ようともしない。
子供にタバコの煙を吸わせるのもどうかと思い、俺は3mばかり移動して、従姉妹殿から離れた。
……すると従姉妹殿は何を思ったのか、絵本から顔を上げてこちらを無言でじっと見詰めた後で、
絵本を片手にとてとてとこちらに歩いてくると、またぽすんと俺の隣に座り込んで……
それで何を言うわけでもなく何をしてくるでなく、また絵本に視線を落とす。
俺は無言で空を見上げて、タバコを深く吸い込む。
……ははぁ、これはあれか。ここはいつもの自分のお気に入りの場所だから、タバコくさい余所者は
どっか行けと言う、無言のアピールか。
まったく、喫煙家でいい歳した独身で手土産一つ持たずお邪魔した身の、なんと肩身の狭い世の中か。
俺は最後にもう一息タバコの煙を深く吸い込んで味わうと、半分以上残ったそれを携帯灰皿でもみ消すと、
縁側から立ち上がって居間に引っ込む。
ソファーに深く腰掛け、リモコンを手にTVの電源を入れる。なにか適当に暇が潰せる番組でもないかと
チャンネルをいじっていると……三度ぽすんと、俺の脚にもたれかかるようにして従姉妹殿が座り込み、
また無言で絵本を覗き込み始める。
この期に及んでも従姉妹殿は、こちらを見ようともしない。
てしてしと、無意味に首筋を叩きながら、しばし視線を宙にさまよわせる。
「……あー」
意味もなく声を上げて、俺は足元に陣取る従姉妹殿を見下ろす。そしてTVを消すと、恐る恐る従姉妹殿に
声をかける。
「……来るかい?」
ぽんぽんと自分の膝を叩きながら問いかけると、反応は劇的だった。
従姉妹殿は弾かれたように顔を上げてこちらを見やると、にぱっと満面の笑みを浮かべる。そして、勢いよく
立ち上がると、その勢いのままに飛び込むように俺の膝の上に腰を下ろす。
それからまた絵本を読み出すのだが……足はぶらぶらさせるわ、かすかに鼻歌はもれるは、明らかに
上機嫌である。
「……あー」
俺はまた意味もなく声を上げ……観念して、従姉妹殿のソファー役を謹んで務めることとした。
そんな、ある日の昼下がり。
調子に乗ってみますた
2011年08月24日(水) 10:39:55 Modified by ID:uSfNTvF4uw